なにがLOVEなんだか。@これで完結、TCA語り
2002年6月9日 タカラヅカ 3日も引きずるのはどうかとも思うが……。
今日もまた、TCAの話だったりする(笑)。
TCAとは、「お祭りだから許せる」という、イレギュラーなものだ。
客席にいるのは、ファンばかり。タカラヅカをはじめて観る団体客などは、いないだろう。
だから、いつもの大衆主義を捨てて、「ファンを愉しませる」という主眼で構成ができる。
ムラでのLOVEも、東宝てのDREAMも、その点では同じスタンスだろう。
LOVEでは1部で、トップスターがちがう組のトップ娘役と組む、ということをわざわざ「おたのしみください」と台詞で言わせた。2部はお笑いショー、これはスターの個性を知っていないと笑えない作り。
つまり、完全に「スタンダードを熟知している人」へのプログラムだ。
DREAMではスターのプライベートな写真を公開し、それについて生のコメントをさせた。完全なファンサービスだ。
ムラにしろ東宝にしろ、TCA以外では反則でしかないことを、やっている。万が一、生まれてはじめてヅカを観る人がいたら、盛大に引くだろーし、軽蔑される可能性もある。
見事な「内輪受」な内容だったからだ。
でも、これはTCA。だからぜんぜん、OKよ。
ただ、同じ「内輪受」でありながら、ふたつの作品に明らかに差があったことが、くやしいだけ。
トップスターさんというのは、とても忙しいんだよね。だからあれが精一杯なのよね。……そう自分を納得させるしか、ないなあ。
LOVEの方のことね。
1部の、別の組の娘役とのからみ……わざわざ「おたのしみください」と言うから期待したら、なーんだ、ただ一緒に歩くだけか。ダンスはナシなのねー。
ははは、たしかに新鮮ね、手をつないで歩いてる。…………これを、たのしめと?
全編、ただ、歩いて歌うだけの構成。1人出てきて、1人で歌う。また1人出てきて、1人で歌う。トップさんはとくにこの傾向。梅コマの第2部、「北島三郎、大いに歌う」とかのノリっすか。
TCAである意味、ほとんどないっす。
だって、いつも1人だけなら、5組揃う意味ないじゃん。
唯一、まともにメンバーが絡んだのは、お笑い歌謡劇、「のど自慢大会」だけ。
ええ、あってよかったわ、「のど自慢大会」。これがなかったら、TCAの意味が皆無だった。1人で別録りしたテープを、あとで編集して1つの作品にしたみたいに、みんな1人ずつしか出てこないんだもの。
で、このTCA LOVE、なにがしたかったの?
とてもわかりやすい、簡単な失敗例として、興味深い作品だ。
トップ5人は、平等でなくてはならない。娘役も、それに準じる。専科も、ないがしろにしてはならない。
つまり、全員が主役クラス。脇役なし。
……そんな作品、つまらないって。
緩急のつけようがない。
いつも同じテンション、同じレベル。誰も1番になっちゃだめ。
MCも台本通り、ぬけがけナシ、ヒーロー不在を要求。気持ちよりも形式重視。
わたしが演出家でも、アタマかかえるな、こりゃあ。
いったいどんな演出をしろっていうんだ。
しかも、トップスターさんは忙しいから、揺れるだけの振りで歌うのが精一杯、相手役が必要な複雑なダンスも演技も、お稽古時間がとれないからできない。
ほんと、ただひとりずつ歌わせるしか、ないか。
でもそれだけじゃあんまりなんで、「のど自慢」。これなら出演者グループごとの練習が可能。全員そろわないと一歩もすすめない構成じゃない。
舞台裏に同情はするが、それでできあがった作品がアレじゃあ、評価できないわ。選曲含め、センスは最悪だったしねえ。つーか、本気で作ってアレだったの? ファンをバカにして、手を抜いて作ってない??
舞台は、トップスターだけでは作れない。
さまざまな人たちがいる、その中央に立つからこそトップスターは輝き、タカラヅカの醍醐味はそこに生まれる。
そのことを、再確認させてくれた。
この、わっかりやすい失敗作で。
LOVEを観たあとに、東宝DREAMを観て。
ほっとしたよ。こちらは、ちゃんとピラミッドが形成されていた。
タカラヅカだった。
メインになるのは組内2番手の男役たち。かれらより少し露出を抑えるかたちで3番手たち。その下に娘役たち、さらに下に花組の若手たち。
そして、トップというかたちで、トド、娘役トップというかたちで檀ちゃんが現れる。
見事なまでに、2、3番手男役たちの魅力をアピール!! することを目的に作られてるなあ。完全なファンサービス。娘役は総脇役状態。
トドはトップスター、冗長になる舞台を締める意味でも、お笑いなし。芸だけ勝負、おもしろみはなし。でも、この人の立場と芸風に合っているから、適材適所。
檀ちゃんは、娘役で唯一無二の扱い。男たちにかしずかれる女王の位置だ。されどお笑いにも参加、そのへんの立ち位置がうまいね。
プライベート写真の使用とMCは諸刃の剣、失敗すると最悪だが、うまく使ったもんだ。やっぱテーマを決めてあったのが、強いな。
こちらの作品も、ある意味興味深い。
徹底した男役重視。娘役はただの背景。
タカラヅカの性質を、剥きだしにしている。
わたしは、LOVEを失敗作だと思っている。そして、DREAMを成功作だと思っている。
それは、出演者がどーこーではない。作品として、だ。
どちらも「お祭り」ならではの「内輪受」作品、3回限定だから許される、という前提で作られたもの。
なのに、あからさまな明暗。
タカラヅカであるなら、トップスターを中心とした、ピラミッドは崩してはならんのだ。
いや、ヅカじゃなくても、「作品」ならそうだろう。
登場人物すべてが同じ扱いのTVドラマが、おもしろいもんか。同じ色一色で塗りつぶした、背景も人物もわからなくなった絵を見て、なにをたのしめというのか。
まちがってるよ。
みんなが大好きな主役だけ出して、主役だけの扱いをして、さあよろこびなさい、なんて、バカげてる。
タカラヅカが、タカラヅカであることを、忘れないで。
あー。
企画段階から、まちがってたよね……今年のTCA。
たとえ、どんなに「所詮TCA」であっても、今年ほどひどいものじゃなかった。だって最低限それは「タカラヅカ」であり、トップスターを中心としたピラミッドが形成されていたのだもの。
それでも。
草野球チームのユニホームを着たナルセは、かわいかった……。
今日もまた、TCAの話だったりする(笑)。
TCAとは、「お祭りだから許せる」という、イレギュラーなものだ。
客席にいるのは、ファンばかり。タカラヅカをはじめて観る団体客などは、いないだろう。
だから、いつもの大衆主義を捨てて、「ファンを愉しませる」という主眼で構成ができる。
ムラでのLOVEも、東宝てのDREAMも、その点では同じスタンスだろう。
LOVEでは1部で、トップスターがちがう組のトップ娘役と組む、ということをわざわざ「おたのしみください」と台詞で言わせた。2部はお笑いショー、これはスターの個性を知っていないと笑えない作り。
つまり、完全に「スタンダードを熟知している人」へのプログラムだ。
DREAMではスターのプライベートな写真を公開し、それについて生のコメントをさせた。完全なファンサービスだ。
ムラにしろ東宝にしろ、TCA以外では反則でしかないことを、やっている。万が一、生まれてはじめてヅカを観る人がいたら、盛大に引くだろーし、軽蔑される可能性もある。
見事な「内輪受」な内容だったからだ。
でも、これはTCA。だからぜんぜん、OKよ。
ただ、同じ「内輪受」でありながら、ふたつの作品に明らかに差があったことが、くやしいだけ。
トップスターさんというのは、とても忙しいんだよね。だからあれが精一杯なのよね。……そう自分を納得させるしか、ないなあ。
LOVEの方のことね。
1部の、別の組の娘役とのからみ……わざわざ「おたのしみください」と言うから期待したら、なーんだ、ただ一緒に歩くだけか。ダンスはナシなのねー。
ははは、たしかに新鮮ね、手をつないで歩いてる。…………これを、たのしめと?
全編、ただ、歩いて歌うだけの構成。1人出てきて、1人で歌う。また1人出てきて、1人で歌う。トップさんはとくにこの傾向。梅コマの第2部、「北島三郎、大いに歌う」とかのノリっすか。
TCAである意味、ほとんどないっす。
だって、いつも1人だけなら、5組揃う意味ないじゃん。
唯一、まともにメンバーが絡んだのは、お笑い歌謡劇、「のど自慢大会」だけ。
ええ、あってよかったわ、「のど自慢大会」。これがなかったら、TCAの意味が皆無だった。1人で別録りしたテープを、あとで編集して1つの作品にしたみたいに、みんな1人ずつしか出てこないんだもの。
で、このTCA LOVE、なにがしたかったの?
とてもわかりやすい、簡単な失敗例として、興味深い作品だ。
トップ5人は、平等でなくてはならない。娘役も、それに準じる。専科も、ないがしろにしてはならない。
つまり、全員が主役クラス。脇役なし。
……そんな作品、つまらないって。
緩急のつけようがない。
いつも同じテンション、同じレベル。誰も1番になっちゃだめ。
MCも台本通り、ぬけがけナシ、ヒーロー不在を要求。気持ちよりも形式重視。
わたしが演出家でも、アタマかかえるな、こりゃあ。
いったいどんな演出をしろっていうんだ。
しかも、トップスターさんは忙しいから、揺れるだけの振りで歌うのが精一杯、相手役が必要な複雑なダンスも演技も、お稽古時間がとれないからできない。
ほんと、ただひとりずつ歌わせるしか、ないか。
でもそれだけじゃあんまりなんで、「のど自慢」。これなら出演者グループごとの練習が可能。全員そろわないと一歩もすすめない構成じゃない。
舞台裏に同情はするが、それでできあがった作品がアレじゃあ、評価できないわ。選曲含め、センスは最悪だったしねえ。つーか、本気で作ってアレだったの? ファンをバカにして、手を抜いて作ってない??
舞台は、トップスターだけでは作れない。
さまざまな人たちがいる、その中央に立つからこそトップスターは輝き、タカラヅカの醍醐味はそこに生まれる。
そのことを、再確認させてくれた。
この、わっかりやすい失敗作で。
LOVEを観たあとに、東宝DREAMを観て。
ほっとしたよ。こちらは、ちゃんとピラミッドが形成されていた。
タカラヅカだった。
メインになるのは組内2番手の男役たち。かれらより少し露出を抑えるかたちで3番手たち。その下に娘役たち、さらに下に花組の若手たち。
そして、トップというかたちで、トド、娘役トップというかたちで檀ちゃんが現れる。
見事なまでに、2、3番手男役たちの魅力をアピール!! することを目的に作られてるなあ。完全なファンサービス。娘役は総脇役状態。
トドはトップスター、冗長になる舞台を締める意味でも、お笑いなし。芸だけ勝負、おもしろみはなし。でも、この人の立場と芸風に合っているから、適材適所。
檀ちゃんは、娘役で唯一無二の扱い。男たちにかしずかれる女王の位置だ。されどお笑いにも参加、そのへんの立ち位置がうまいね。
プライベート写真の使用とMCは諸刃の剣、失敗すると最悪だが、うまく使ったもんだ。やっぱテーマを決めてあったのが、強いな。
こちらの作品も、ある意味興味深い。
徹底した男役重視。娘役はただの背景。
タカラヅカの性質を、剥きだしにしている。
わたしは、LOVEを失敗作だと思っている。そして、DREAMを成功作だと思っている。
それは、出演者がどーこーではない。作品として、だ。
どちらも「お祭り」ならではの「内輪受」作品、3回限定だから許される、という前提で作られたもの。
なのに、あからさまな明暗。
タカラヅカであるなら、トップスターを中心とした、ピラミッドは崩してはならんのだ。
いや、ヅカじゃなくても、「作品」ならそうだろう。
登場人物すべてが同じ扱いのTVドラマが、おもしろいもんか。同じ色一色で塗りつぶした、背景も人物もわからなくなった絵を見て、なにをたのしめというのか。
まちがってるよ。
みんなが大好きな主役だけ出して、主役だけの扱いをして、さあよろこびなさい、なんて、バカげてる。
タカラヅカが、タカラヅカであることを、忘れないで。
あー。
企画段階から、まちがってたよね……今年のTCA。
たとえ、どんなに「所詮TCA」であっても、今年ほどひどいものじゃなかった。だって最低限それは「タカラヅカ」であり、トップスターを中心としたピラミッドが形成されていたのだもの。
それでも。
草野球チームのユニホームを着たナルセは、かわいかった……。
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