花バウ発売日。
 殿さんは仕事でリタイア、やってこなかった。せっかく同級生の初主演作品なのに、いいのか? 陰ながら応援するって言ってたじゃない。
 わたしとWHITEちゃんとBe-Puちゃん、みんな希望の日に1回ずつ観られることになり、よかったよかった。

 さて、わたしとWHITEちゃんは、そのあと映画の試写会へ。
 見たのは『スチュアート・リトル2』。
 1もやはり試写会で見たが、かわいくてたのしかった。つっこみたいことも多々あったが(笑)。

 そして、2。

 ……言いたいことは、ひとつ。

 あの鳥、なんとかならんものか。

 スチュアート・リトルっちゅーのは、陽気なリトル一家の次男だ。ただしこのスチュアート、ネズミなんだな。リトル一家はふつーの人間。スチュアート1人(1匹?)だけが、ネズミ。だって彼は養子だから。
 彼がリトル家の一員になるまでのドタバタが、1のストーリー。
 2ではもう完全に家族、しかも溺愛されてる。スチュアートがネズミだからなんて差別する人は、どーやら不思議の街ニューヨークにはいないらしい。
 そして今回、スチュアートはなんと、恋をする。
 鳥のマーガロに。

 スチュアートは、ネズミだ。
 直立歩行するし、服も着ている。おしゃれさんだ。
 だけどその外見は、完璧にネズミだ。
 リアルにネズミだ。

 今回「敵」として登場する鷹のファルコンも、完璧に鷹だ。リアルに鷹だ。

 なのにヒロインのマーガロだけが、アニメ系。
 いねーよ、こんな鳥。
 リアルさのカケラもない。

 どーしてマーガロを、ふつーの鳥の姿にしなかったの?
 リアルな鳥でいいじゃないよー。
 んでもって、アメリカのアニメキャラって、日本とはセンスちがうじゃない。……気持ち悪いです、マーガロ。日本のセンスのキャラ造形じゃないです。

 そして、なんでマーガロは人間と話せるの?

 人間と話せる動物は、スチュアートだけだったはずでしょ?
 猫のスノーベルをはじめとする、たくさん出てきた動物たち、みんなみんな人間とは話せなかったじゃない。スチュアートだけは人間とも動物とも話せる、唯一無二の存在。そこに生まれたファンタジー。

 なのに、マーガロまでなんの説明もなく人間と話せたら、ファンタジーが壊れるよ。
 ただのご都合主義に堕ちる。
 ……いや最初から、そーゆー甘い物語ではあったけど、それにしてもさ。

 この世でただひとり、人間と話すことのできるスチュアート。スチュアートがそのことに疑問を持ち、「ボクは孤独だ。この世界にはボクと同じ生き物は存在しないんだ」てな悩みを持っていたところに、「彼と同じ存在」である、人間とふつーに話せるし、服を着ている鳥・マーガロが登場する、というのならわかる。
 スチュアートにとってマーガロが、マーガロにとってスチュアートが、この世でただひとりの、「自分と同じ存在」でり、「救い」である、という設定ならば。
 でも、そうじゃない。そんなテーマはどこにもない。
 ただマーガロは単純に、人間と話せるし、飛行帽をかぶってスカーフを巻いている。チビッコたちにわかりやすいように、アニメみたいな顔やカラダをしている。
 簡単だからだね。そーゆー表現方法が、いちばん。

 マーガロの存在だけが、ゆるせない。
 彼女がただの鳥で、それでもスチュアートと恋に落ちるのがよかった。人間と話すときは、スチュアートが通訳すればすむことだ。
 なんか、せっかくの世界観を、安直に壊しているのが残念無念。

 でも全体にある、のーてんきな明るさとやさしさは好きよ。
 バカバカしいほどの、やさしさ。

 そして、黄色が好きな人間には、とってもオイシイぞ、この映画。
 黄色が基調、そして赤がアクセントとして使われているの。
 もー、見事よ。リトル家の前の道は、黄色いタクシーしか通らないの(笑)。
 ママのドレス、スチュアートの飛行機、ジョージのユニフォームと、黄色が効果的に使われてる。
 わたし、黄色がいちばん好きな色だから、たのしいやらうれしいやら。
 黄色ってほんと、使い方次第でオシャレよね。日本人は黄色の使い方いまいちだけど。

 そしてこの試写会。
 昼間だし土曜日だし、家族連れ多かったんだよね。「こんな小さな子がいっぱいで、字幕読めるのかしら?」と心配した矢先、司会のおねーさんが言いました。「日本語吹き替え版でおたのしみいただきます」……吹き替えかよー。いやべつに、かまわないけど、知らずに来たよ。
 スチュアートの声は、藤原竜也でした。けっこーうまい。某タイタニックの若手俳優とはえらいちがいだ。

 びっくりしたのは、前売券。
 試写会って大抵、前売券の販売あるよね。そして「この会場でお買いあげくださったお客様には、非売品のプレスシートをプレゼント!」というのは定番。
 今回もそうだった。
 が、もうひとつ。
「とってもかわいい、スチュアートの携帯ストラップもつきます!」
 ああ、1のときもそうだったな。2もそうなのか。と、これまたうなずいていたら。
 さらに。
「とってもすてきな、スチュアートのレジャータオルもプレゼント!」
 ええ? レジャータオル? で、でかいっす。畳一畳分?
 そのうえ。
「さらに先着30名様には、このスチュアートくんと一緒に記念撮影、ポラロイド写真をその場でプレゼントします!!」
 じつは着ぐるみの巨大なスチュアートがいたのだ、会場に。これまたよくできてて、すげーかわいいの。

 なんなんだ、この大判振る舞いは。
「チケット代より、おまけの値段の方が高くないか……?」
 わたしとWHITEちゃんは顔を見合わせる。

 そして、映画が終わるなり、みなさん走る走る。
 スタッフロールなんか、誰も見ない。場内が明るくなるまで席にいたのは、4分の1くらい。こんなのはじめて。

 最後まで映画を見たあとでロビーに出たわたしたちは、巨大なタオルを持った人々と遭遇することになる。
 みんな買ってるよ……。
 しかも、1枚じゃない。みんな複数タオル担いでる。
 そっか、大人なら、自分の分1枚だけど、家族連れだと、「今日は来られなかったお兄ちゃんの分もおとーさんの分も買いましょう。今度来るときは家族4人でね」てなもんなんだ。カップルももちろん2枚買うわけだし。
 みんな、嵩張るタオルを両手で抱えて歩いてるのよ。袋もなにもなし、剥きだし。
 そして、運良く整理券を手に入れられたチビッコたちが、着ぐるみのスチュアートと記念撮影。列ができてます。
 で、肝心の前売券の売り場は。
 …………あまりの売れ行きのよさに、景品が足りなくなったらしい。「後日郵送しますから、住所を書いてください」と係の人が叫んでいる。
 郵送って……あの巨大なタオル、いくらかかるのよ、送料。ゆうぱっくで600円ってとこ?
「チケット代より……以下略」
 と、わたしとWHITEちゃん。

 3も作るのかな、『スチュアート・リトル』。
 また試写会で見たいなあ。

 

コメント

日記内を検索