ところでユン・ピョウって今どうしてるの?@少林サッカー
2002年7月18日 映画 高校生のとき、『チャンピオン鷹』という映画の試写会に行った。
主演のユン・ピョウがやって来るというので、わたしと仲間たちはセーラー服のまま、会場へ駆けつけた。当時ユン・ピョウは香港俳優ではアイドル組だったんだな。柴田恭兵に似ててねぇ。
『チャンピオン鷹』は、タイトル通り、とってもバカバカしいアクション・コメディだった。
ユン・ピョウ演じる、カンフー使いのサッカー選手が弱小チームを率い、悪徳チームをやっつけていくっちゅー話。
たのしかったけどね。サッカーのプレイのひとつひとつが、すべてカンフー技なのさ。フィールドで華麗に戦うのさ。
あと、パーティでタンゴを踊りながら、悪漢どもをカンフーで叩きのめしていくのが、かっこよかったなあ。
今、巷で有名な『少林サッカー』の話を最初に聞いたとき、わたしは『チャンピオン鷹』を思い出したよ。
でもさ、この『チャンピオン鷹』って、誰も知らないのよねえ? なんで? 誰に言っても通じないんだけど。
ユン・ピョウ、わざわざ日本までやってきて、宣伝してたのよ?
わたしたちが見に行った試写会では、主題歌まで歌ってたのよ?
You are champion〜♪ とゆー、音痴な歌声を、わたしは今も鮮明に覚えているわ。サビだけなら歌えるわ。
誰も知らないその『チャンピオン鷹』の記憶を持つわたし。
最初に『少林サッカー』の名を聞いたのは、やはりなにかの試写会場でだった。
入口で、ちらしをもらった。そして、
「本日は『ワンス&フォーエバー』と『少林サッカー』の予告をごらんいただいたあと、本日の試写作品(なんのときだったか忘れた。月に何本か見るもんだからさ)本編を上映いたします」
と、司会のおねーさんが言っていたんだよ、たしか。
で、『ワンス…』の予告を見、「次は『少林サッカー』ね」と心構えていたら。
あら? その日の試写本編がはじまった。
『少林サッカー』の予告は? 入口でちらし配って、司会者も予告流すから見ろっつってたじゃん。
『ワンス…』だけ予告を流して、『少林サッカー』はナシかい。
思わず、そのとき一緒だったWHITEちゃんとふたりで笑っちゃったよ。ちらしを見ただけでも、くだらなさそーなのがわかる作品で、予告編すら上映すると言っておきながらされないなんて。
なにもかも、ツボにはまるじゃないか。
なんてことがありながら、ずっとずっと気になっていたのよ、『少林サッカー』。
昨日、前の職場の仲間たちと、梅田で集まることになっていた。
失業中仲間のわたしときんどーさんと松竹ちゃんは、先に梅田に出て、映画を見ましょう、ってことになったんだが。
きんどーさんと松竹ちゃんは、『模倣犯』を見ると言う。ごめん、わたしそのタイトルはお金出して見る気ないわ。
てことで別行動。わたしはひとりで『少林サッカー』。
おもしろかった。
ほんっとに、おもしろかった。
バカバカしさも、ここまでくれば感動だ。
実際わたしは泣きながら見たさ。
感動して。
なつかしアニメ『侍ジャイアンツ』の実写版、と言えばいちばん近いかもしれない。
番場蛮の投げる魔球を、実写で撮るとこーなる、みたいな。
ぐるぐるまわって、10メートルは飛んで、竜巻起こしながらピッチング、んなわけあるかい(ビシッ!)、てな世界観。
すばらしい。
少林寺拳法の天才たちが、サッカーで大暴れ! 空は飛ぶわ、大地は割れるわ、炎はあがるわ、血しぶきも飛ぶわで、あべしひでぶなグローバルでグレイトな物語。
痛快。
このひとことだ。
そしてわたしは根がロ〜マンチックな女。ラヴがないとつまらない。
主人公シンと、ヒロインのムイの、じれったい恋がいいのよー(笑)。
自分を醜いと信じ、髪で顔を隠し、いつもうつむいている暗い少女ムイ。彼女に「君は美人だ。もっと自信を持て」と言うシン。
ここでふつーなら、ムイは美少女でなければならんのだが、ほんとに彼女は醜いんだなー。容赦なく。しかも、汚い。「髪をあげて、顔を出すんだ」とシンが彼女の髪をかきあげると……ハエが飛ぶの。うっわー、ここまでやるかー。
身なりを整えれば美人、というお約束を、1段階複雑にしたのが、うまいところだわ。
ムイが醜いのは、肌がイボだらけ、なせいなのよね。顔立ち以前に、生理的につらい顔にしてある。
饅頭を買う金すらないシンが、「おれはビッグになる!」とキラキラ夢を語るのを見て、ムイもまた決意する。勇気を出す。エステの門を叩き、その醜い肌を治そうとするのだ。
ただ、彼女が飛び込んだエステはかなり偏った美的感覚を持った店で、ムイは美人なのか化物なのか、感心していいのか笑っていいのかよくわからない「美女」に変身するんだよね……。
そのややこしさも、好きだわ。単純に、「風呂に入って化粧したら、ああら美人だったのねー」にならないところが。
あと、ラヴなところですごーくツボだったのは、シンの兄弟子のひとりが、死を覚悟してゴール前に立つところ。あの「鉄の肌」のおじさんね。
おもむろに携帯電話を取り出し
(サッカー選手がフィールドに携帯持って出るな!)
『どうしたの、あなた?』←電話の声
(うお、奥さんいたんだ?!)
「お前に、20年間隠していたことがある」
(に、20年?! どんな秘密が?!)
「お前を、愛している」カチャ、と電話を切る。
(結婚して20年間、隠してたんかーーーいっっ!!)
つっこみ入りまくり。
この思わず入るつっこみと、「死を覚悟し、戦場に立つ男のかっこよさ」が、同時に存在するのよ、ああおそろしや。
ファンタジーにいちばん必要なのは、世界観の確かさだと、しみじみ思うよ。
この『少林サッカー』も、世界観が確立されているから、そのなかでならなんでもアリなの。
なんでもアリ、というルールではない。あくまでも、やっていいこと悪いことのルールがあり、そこから逸脱しない限りはなんでもOK、ということ。
このあたりは、センスの問題だよな。
わたしはラストのオチまで含めて、「ファンタジー」として、この作品を愛する。
きちんと作られた「異世界」は、見ていて気持ちがいい。
見習いたいエンターテイメントだ。
そして、久々に会った松竹ちゃんが、この『少林サッカー』をまったく評価していないことに、思わず強くうなずいた。そうでしょうとも。
わたしと松竹ちゃんは、フィクションに関して、カケラも趣味が合わないのだ。
わたしが感動する作品は大抵彼女は「見たけどなにもおぼえてない」で、彼女が好きな作品は、わたしにとってはただの駄作だったりする。
なんかほっとしたわ。お互い、変わってないねえ(笑)。
主演のユン・ピョウがやって来るというので、わたしと仲間たちはセーラー服のまま、会場へ駆けつけた。当時ユン・ピョウは香港俳優ではアイドル組だったんだな。柴田恭兵に似ててねぇ。
『チャンピオン鷹』は、タイトル通り、とってもバカバカしいアクション・コメディだった。
ユン・ピョウ演じる、カンフー使いのサッカー選手が弱小チームを率い、悪徳チームをやっつけていくっちゅー話。
たのしかったけどね。サッカーのプレイのひとつひとつが、すべてカンフー技なのさ。フィールドで華麗に戦うのさ。
あと、パーティでタンゴを踊りながら、悪漢どもをカンフーで叩きのめしていくのが、かっこよかったなあ。
今、巷で有名な『少林サッカー』の話を最初に聞いたとき、わたしは『チャンピオン鷹』を思い出したよ。
でもさ、この『チャンピオン鷹』って、誰も知らないのよねえ? なんで? 誰に言っても通じないんだけど。
ユン・ピョウ、わざわざ日本までやってきて、宣伝してたのよ?
わたしたちが見に行った試写会では、主題歌まで歌ってたのよ?
You are champion〜♪ とゆー、音痴な歌声を、わたしは今も鮮明に覚えているわ。サビだけなら歌えるわ。
誰も知らないその『チャンピオン鷹』の記憶を持つわたし。
最初に『少林サッカー』の名を聞いたのは、やはりなにかの試写会場でだった。
入口で、ちらしをもらった。そして、
「本日は『ワンス&フォーエバー』と『少林サッカー』の予告をごらんいただいたあと、本日の試写作品(なんのときだったか忘れた。月に何本か見るもんだからさ)本編を上映いたします」
と、司会のおねーさんが言っていたんだよ、たしか。
で、『ワンス…』の予告を見、「次は『少林サッカー』ね」と心構えていたら。
あら? その日の試写本編がはじまった。
『少林サッカー』の予告は? 入口でちらし配って、司会者も予告流すから見ろっつってたじゃん。
『ワンス…』だけ予告を流して、『少林サッカー』はナシかい。
思わず、そのとき一緒だったWHITEちゃんとふたりで笑っちゃったよ。ちらしを見ただけでも、くだらなさそーなのがわかる作品で、予告編すら上映すると言っておきながらされないなんて。
なにもかも、ツボにはまるじゃないか。
なんてことがありながら、ずっとずっと気になっていたのよ、『少林サッカー』。
昨日、前の職場の仲間たちと、梅田で集まることになっていた。
失業中仲間のわたしときんどーさんと松竹ちゃんは、先に梅田に出て、映画を見ましょう、ってことになったんだが。
きんどーさんと松竹ちゃんは、『模倣犯』を見ると言う。ごめん、わたしそのタイトルはお金出して見る気ないわ。
てことで別行動。わたしはひとりで『少林サッカー』。
おもしろかった。
ほんっとに、おもしろかった。
バカバカしさも、ここまでくれば感動だ。
実際わたしは泣きながら見たさ。
感動して。
なつかしアニメ『侍ジャイアンツ』の実写版、と言えばいちばん近いかもしれない。
番場蛮の投げる魔球を、実写で撮るとこーなる、みたいな。
ぐるぐるまわって、10メートルは飛んで、竜巻起こしながらピッチング、んなわけあるかい(ビシッ!)、てな世界観。
すばらしい。
少林寺拳法の天才たちが、サッカーで大暴れ! 空は飛ぶわ、大地は割れるわ、炎はあがるわ、血しぶきも飛ぶわで、あべしひでぶなグローバルでグレイトな物語。
痛快。
このひとことだ。
そしてわたしは根がロ〜マンチックな女。ラヴがないとつまらない。
主人公シンと、ヒロインのムイの、じれったい恋がいいのよー(笑)。
自分を醜いと信じ、髪で顔を隠し、いつもうつむいている暗い少女ムイ。彼女に「君は美人だ。もっと自信を持て」と言うシン。
ここでふつーなら、ムイは美少女でなければならんのだが、ほんとに彼女は醜いんだなー。容赦なく。しかも、汚い。「髪をあげて、顔を出すんだ」とシンが彼女の髪をかきあげると……ハエが飛ぶの。うっわー、ここまでやるかー。
身なりを整えれば美人、というお約束を、1段階複雑にしたのが、うまいところだわ。
ムイが醜いのは、肌がイボだらけ、なせいなのよね。顔立ち以前に、生理的につらい顔にしてある。
饅頭を買う金すらないシンが、「おれはビッグになる!」とキラキラ夢を語るのを見て、ムイもまた決意する。勇気を出す。エステの門を叩き、その醜い肌を治そうとするのだ。
ただ、彼女が飛び込んだエステはかなり偏った美的感覚を持った店で、ムイは美人なのか化物なのか、感心していいのか笑っていいのかよくわからない「美女」に変身するんだよね……。
そのややこしさも、好きだわ。単純に、「風呂に入って化粧したら、ああら美人だったのねー」にならないところが。
あと、ラヴなところですごーくツボだったのは、シンの兄弟子のひとりが、死を覚悟してゴール前に立つところ。あの「鉄の肌」のおじさんね。
おもむろに携帯電話を取り出し
(サッカー選手がフィールドに携帯持って出るな!)
『どうしたの、あなた?』←電話の声
(うお、奥さんいたんだ?!)
「お前に、20年間隠していたことがある」
(に、20年?! どんな秘密が?!)
「お前を、愛している」カチャ、と電話を切る。
(結婚して20年間、隠してたんかーーーいっっ!!)
つっこみ入りまくり。
この思わず入るつっこみと、「死を覚悟し、戦場に立つ男のかっこよさ」が、同時に存在するのよ、ああおそろしや。
ファンタジーにいちばん必要なのは、世界観の確かさだと、しみじみ思うよ。
この『少林サッカー』も、世界観が確立されているから、そのなかでならなんでもアリなの。
なんでもアリ、というルールではない。あくまでも、やっていいこと悪いことのルールがあり、そこから逸脱しない限りはなんでもOK、ということ。
このあたりは、センスの問題だよな。
わたしはラストのオチまで含めて、「ファンタジー」として、この作品を愛する。
きちんと作られた「異世界」は、見ていて気持ちがいい。
見習いたいエンターテイメントだ。
そして、久々に会った松竹ちゃんが、この『少林サッカー』をまったく評価していないことに、思わず強くうなずいた。そうでしょうとも。
わたしと松竹ちゃんは、フィクションに関して、カケラも趣味が合わないのだ。
わたしが感動する作品は大抵彼女は「見たけどなにもおぼえてない」で、彼女が好きな作品は、わたしにとってはただの駄作だったりする。
なんかほっとしたわ。お互い、変わってないねえ(笑)。
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