いつものオレンジとの長電話。
 東京−大阪間で、毎度8時間強の通話って……なんて不経済な友情。

 オレンジと電話するといつも長期戦。子機の充電は切れるわ、生理現象に追いつめられるわ、もー大変。
 今回の電話のさなか、オレンジは風呂をうっかり沸騰させ(煮立つ寸前だったらしい。やば)、そのうえ鼻血を出した。わたしは風邪で熱があった。
 ……それなら電話切ればいいのにね……こりないふたり。

 話題はいろいろだが、愉快だったのは、『キャンディ・キャンディ』ネタ。

「ニールって受だよね?」

 とゆーテーマで、実に有意義な会話がなされたのだ。

 ニールというと、あのニールだ。
 イライザの兄でいじわるで軟弱で傲慢で、いいとこなしのくせにラストの方ではキャンディに惚れて強引に婚約しようとまでした、あのドアホウ男だ。

「ニールが受なのは一目でわかる周知の事実ってやつだけどさ、攻がいないじゃん」
「キャンディでしょ? あの女、総攻じゃん」
「そりゃキャンディは攻だけどさー、他に……あ、アーチーは?」
「アーチー×ニール!!」

 わたしたちの声のトーンが跳ね上がる。
 わたしは体温計と薬片手だし、電話の向こうのオレンジの鼻の穴にはティッシュが詰めてあるはずの、体調ぼろぼろなオトナの女ふたりは、瞳を輝かせた!

「アーチー攻だったらさー、絶対それ鬼畜だよね?!」
「鬼畜だよ、あいつはー。ヤりたい放題やるね、アレは」
「ニールがキャンディをレイプしよーとした(原作参照)のなんかがバレた日にゃあ、情け容赦なくヤるだろーね」
「アーチーは今でもキャンディを愛してるからねえ。キャンディじゃなかったらどの女も一緒だからってんで、彼女のためだけにアニーとつきあってるけどさー」
「せつない男だよねえ、アーチー」
「そーゆー男はキレるとこわいよねー。鬼畜……ああ、鬼畜……(うっとり)」
「愛のない鬼畜攻……(うっとり)」

「アルバートさんもよくないかい?」
「アルバート×ニール! いい、いい! それもいい!」
「キャンディをレイプしよーとしたニールに、キレるアルバート。……でもアルバートさんは鬼畜じゃないね」
「ないねー。オトナだからなー。アルバートさんのいいところは、憐れみが入るとこよね。アーチーは余裕のないガキだからストレートにニールを軽蔑して鬼畜道まっしぐらだけど、アルバートさんならアホウなニールのことを憐れんでやさしくしたりするだろうね」
「憐れみ攻!!(うっとり)」
「度量の広さゆえ憐れみで抱くことのできる攻と、狭量さゆえに誰からも真実の愛を与えられない受……(うっとり)」

 わたしもオレンジも、「救われない関係」「(精神的に)痛い恋愛」がツボなんすよ〜〜。
 愛のない鬼畜攻とか、憐れみゆえにやさしくする攻とか、受に救いがなくてものすごい萌える〜〜!!

「でも、最後はハッピーエンドよね」
「当然よ。途中はどんな痛くて救いがなくても、最後には愛が芽生えてハッピーエンドよ。でなきゃやおいの意味がないっ」
 基本ですとも、ハッピーエンド神話。

 んで、ここまで萌えたら次の話題は決まってるよな。

「ねえ、あんた書いてよ、アーチー×ニール」
「あんたこそ描いてよ」
「アタシは無理だよ、芸風じゃない」
「わたしだって無理だよ、エロエロなんか書けないって」
「エロエロはとばしていいよ、朝チュンでいいからさー」
「文章に色気ないから無理だっつの。あんた描いてよー、読みたいよー」

 押し付け合い。

 わたしもオレンジも、エロエロ恋愛モノは芸風じゃないんだよなあ。
 エロをえっちくさく描くのって、才能だからね。
 そーゆー才能があったら、わたしらもう少し売れてるよね……(笑)。

 誰か描いてくんねーかなあ。
 アーチー×ニール。
 思いっきりハードでせつなーいやつ。

 読みたいよぉ。

 

コメント

日記内を検索