DVDレコーダーが欲しい……。
今わたしは物欲の人。
収入もないダメ人間のくせに、なに言ってんだ、というセルフツッコミはおいといて。
今、DVDレコーダーが欲しい……。
某電化製品量販店に勤める弟に、DVDレコーダーのことを聞いてみた。
「パイオニアのなら、今やってる優待セールの重点商品だよ」
それって、HDDつきのやつ?
「はあ? んなもんついとらん。DVDレコーダーといえば、漢らしくDVDレコーダーのみだ」
漢らしくなくていいわい。
重点商品というのは、弟の会社が時折やってる「お客様優待セール」で目玉になる商品だ。つまり、かなりお買い得になっている。……そのかわり、店員は「販売ノルマ」が課せられ、なにがなんでも売らなくてはならないらしい。
「欲しいのはHDDつきのDVDレコーダーだよう。友だちはパナソニックのを持ってて、すっごく便利だって言ってるんだよう。『緑野ちゃんがRAMを持ってたら、CS放送のトド様をデジタルで録画してあげられるのに』って言われてるんだよう」
わたしが持ってるのはプレステ2、つまりRしか見られないんだよー。RAMは再生できないの。
「RAM? RAMは消えゆく運命だから、あんまりおすすめしないけどなあ」
「えー? でも、わたしの周りではRAMが優勢だよ? それって、わたしの周囲だけ?」
「お姉の周囲だけでしょ。世界的に、優勢なのはRW」
でもでも、某掲示板では、みんな反対のこと言ってるよ?
優勢なのはRAM、RWはもうだめだって。
電器屋の店員がRWをすすめたりするけど、きっと売れ残りを売りつけようとしているんだ、信用するな的なことを、複数の人が同意しあってたぞ。
「ぼくら店員サイドからすれば、RAMを売る方がこわいな。将来的になくなりそうだってわかってるだけに、あとでクレームのもとになりそうだから、躊躇する。RAMを欲しいって人には、『RAMですけど、本当にいいんですか?』って確認してるよ。あとがこわいから」
そ、そんなにだめなの、RAMって……。んなこと言われると、たしかに躊躇するよ。
「ま、とりあえずRAM/Rを買っておけば問題ないでしょ。RAMは消えるかもしれないけど、Rは生き残るだろうから」
そうか。Rのレコーダーさえあれば、なんとかなるか。
んじゃやっぱり、HDDつきのDVDレコーダーで、RAMがいいな。友だちと互換性があるにこしたことないもん。
「そういえば、パナソニックは次世代のDVDレコーダーとも互換性があるんだよね? んじゃパナにしておくべきかな」
と、わたしが聞きかじりの知識を披露すると弟は、シニカルに笑った。
「パナソニックはなー……冷徹だからなー。信じると、あとがこわいぞー」
な、なになに。
「たしかに、パナは互換性をうたい文句にはするけどな、それは第一期機種までなんだ。
パナは昔、独自で大容量の記憶メディアを開発してたんだけど、そのときのうたい文句が、『DVDと互換性があります』。
たしかにそれは、嘘じゃなかった。
DVDレコーダーが発売された、最初の機種だけには互換性があった。けど、その半年だか1年だかあとに発売された機種からは、互換性ナシ。切り捨て」
切り捨て?
「そう。DVDレコーダーとの互換性を信じて買っていた人たちは、切り捨て」
いいのか、それ?
「たしかに、次世代機の最初の機種では互換性があったから、嘘はついてない。嘘じゃないけど……。
ぼくら販売店サイドの人間からすりゃ、よくもあれだけ冷酷に切り捨てられるもんだな、こわいな、と。
パナは過去2回、やってるからな。互換性を売りにしたうえでの、切り捨て」
2回っすか! そ、それは……3回目もありそーだな……。
互換性はアテにしちゃいかんっちゅーことか。
うう。
どうしよう。
でも今すぐ欲しい……。
莫大なビデオ財産を、Rに焼きたいんだよう。
頭を抱えるわたしに、弟は言う。
「それよりも、誰か空気清浄機いらない? 重点商品なんだけど……」
いらない。
つーかそんな微妙にマニアックなもの、同世代の独身たちが欲しがるかっつーの。
そしてそれって、店頭で安くなってるからって、流しの客が買うとも思えないアイテムですけど……?
「だからみんな、こまってる」
みんな、って、現場の社員一同ですか。決めるのは現場を知らない上の人たち。
いずこも同じ秋の夕暮れ。
てゆーか弟よ、あんたはパソコン売り場の人間でしょ。
なんで空気清浄機売るのがノルマになってるのよ?
今わたしは物欲の人。
収入もないダメ人間のくせに、なに言ってんだ、というセルフツッコミはおいといて。
今、DVDレコーダーが欲しい……。
某電化製品量販店に勤める弟に、DVDレコーダーのことを聞いてみた。
「パイオニアのなら、今やってる優待セールの重点商品だよ」
それって、HDDつきのやつ?
「はあ? んなもんついとらん。DVDレコーダーといえば、漢らしくDVDレコーダーのみだ」
漢らしくなくていいわい。
重点商品というのは、弟の会社が時折やってる「お客様優待セール」で目玉になる商品だ。つまり、かなりお買い得になっている。……そのかわり、店員は「販売ノルマ」が課せられ、なにがなんでも売らなくてはならないらしい。
「欲しいのはHDDつきのDVDレコーダーだよう。友だちはパナソニックのを持ってて、すっごく便利だって言ってるんだよう。『緑野ちゃんがRAMを持ってたら、CS放送のトド様をデジタルで録画してあげられるのに』って言われてるんだよう」
わたしが持ってるのはプレステ2、つまりRしか見られないんだよー。RAMは再生できないの。
「RAM? RAMは消えゆく運命だから、あんまりおすすめしないけどなあ」
「えー? でも、わたしの周りではRAMが優勢だよ? それって、わたしの周囲だけ?」
「お姉の周囲だけでしょ。世界的に、優勢なのはRW」
でもでも、某掲示板では、みんな反対のこと言ってるよ?
優勢なのはRAM、RWはもうだめだって。
電器屋の店員がRWをすすめたりするけど、きっと売れ残りを売りつけようとしているんだ、信用するな的なことを、複数の人が同意しあってたぞ。
「ぼくら店員サイドからすれば、RAMを売る方がこわいな。将来的になくなりそうだってわかってるだけに、あとでクレームのもとになりそうだから、躊躇する。RAMを欲しいって人には、『RAMですけど、本当にいいんですか?』って確認してるよ。あとがこわいから」
そ、そんなにだめなの、RAMって……。んなこと言われると、たしかに躊躇するよ。
「ま、とりあえずRAM/Rを買っておけば問題ないでしょ。RAMは消えるかもしれないけど、Rは生き残るだろうから」
そうか。Rのレコーダーさえあれば、なんとかなるか。
んじゃやっぱり、HDDつきのDVDレコーダーで、RAMがいいな。友だちと互換性があるにこしたことないもん。
「そういえば、パナソニックは次世代のDVDレコーダーとも互換性があるんだよね? んじゃパナにしておくべきかな」
と、わたしが聞きかじりの知識を披露すると弟は、シニカルに笑った。
「パナソニックはなー……冷徹だからなー。信じると、あとがこわいぞー」
な、なになに。
「たしかに、パナは互換性をうたい文句にはするけどな、それは第一期機種までなんだ。
パナは昔、独自で大容量の記憶メディアを開発してたんだけど、そのときのうたい文句が、『DVDと互換性があります』。
たしかにそれは、嘘じゃなかった。
DVDレコーダーが発売された、最初の機種だけには互換性があった。けど、その半年だか1年だかあとに発売された機種からは、互換性ナシ。切り捨て」
切り捨て?
「そう。DVDレコーダーとの互換性を信じて買っていた人たちは、切り捨て」
いいのか、それ?
「たしかに、次世代機の最初の機種では互換性があったから、嘘はついてない。嘘じゃないけど……。
ぼくら販売店サイドの人間からすりゃ、よくもあれだけ冷酷に切り捨てられるもんだな、こわいな、と。
パナは過去2回、やってるからな。互換性を売りにしたうえでの、切り捨て」
2回っすか! そ、それは……3回目もありそーだな……。
互換性はアテにしちゃいかんっちゅーことか。
うう。
どうしよう。
でも今すぐ欲しい……。
莫大なビデオ財産を、Rに焼きたいんだよう。
頭を抱えるわたしに、弟は言う。
「それよりも、誰か空気清浄機いらない? 重点商品なんだけど……」
いらない。
つーかそんな微妙にマニアックなもの、同世代の独身たちが欲しがるかっつーの。
そしてそれって、店頭で安くなってるからって、流しの客が買うとも思えないアイテムですけど……?
「だからみんな、こまってる」
みんな、って、現場の社員一同ですか。決めるのは現場を知らない上の人たち。
いずこも同じ秋の夕暮れ。
てゆーか弟よ、あんたはパソコン売り場の人間でしょ。
なんで空気清浄機売るのがノルマになってるのよ?
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