こまったもんだ、まだ『ガラスの風景』の話だよ……。
 主役のキャラが好みではないって話だけで、文字数エラー出ちゃったんだもん。あれじゃ、最初に書いた「芝居もショーもたのしく拝見いたしました。」の1文につながらないじゃないかー。

 今日は水曜日ってことで、『リング』を見てきたんだけどな。その話はいつ書けるのだろー。

 んで、『ガラスの風景』。

 首を傾げたこと。
 ヒロインである、殺人現場の富豪邸の長女。
 彼女の再出発の物語でもあるわけなんだよね、この作品。
 それはいいんだが、わたしは最初から最後まで、ずーっとひとつのことが気になってたんだが。
 真実の恋によって、人生やりなおし、握り拳だこの野郎、再出発、ああ生きるってすばらしい! な彼女。
 ……あのー……旦那はどーすんですか??

 ずーっとずーっと、気になってたんだけど。
 彼女、人妻なんだよね?
 それをきれーに無視して再出発にきらきらしてますけど、えっと、旦那はいいの? それって不倫だよね? 旦那に食わせてもらって、優雅に暮らしてる奥様なのよね?
 なのに勝手に恋して、人生ってすばらしい、わたしってすばらしい、きらきらきら〜☆ で終わってるけど。
 旦那は?

 いや、わかってはいるよ。
 女優として壁にぶつかった彼女は、自殺未遂の末に結婚に逃げ込んだだけなのよね。2度目の妻、ということはきっと、旦那はかなり年上の、とーってもよくわかった、デキたお人なのでしょう。夫というよりは、保護者のような間柄なのでしょうよ。
 だから、彼女が「もう一度女優をやりたい」と言ってもあっさりOK、「離婚したい」と言ってもあっさりOKなんでしょうよ。だから夫のことは完全無視で話が進んでいるのでしょう。
 それはわかってるのよ。
 でもさ。

 おばさん、いくつだよ?

 ……すみません。
 すみません、あきちゃん。ごめんなさい。
 でもわたし、あなたが若い娘さんに見えないのです。
 中年女性に見えるのです。
「若いころはわたし、女優だったのよ」
 と言っている、ふつーのおばさんに見えたのです。
 あ、ふつーの、きれーなおばさんね。
 なるほど、美人だと思ってたら、そっかー、昔は女優さんだったのかぁ。どーりで今でも美人なわけだー、てな。
 昔女優だった美人なおばさん、だと思って見ていたから、「女優としてやりなおすの!」と言われたときには、おどろきました。
 えっ、それはちょっと、やめといた方がいいのでわっ?! と、うろたえてしまいました。
 そりゃ、若ければいいかもしんないけど、そのトシでカムバックはきついんじゃない? おばさん、恋に華やいで、なんかカンチガイしちゃった?

 ……すみません。
 最後まで見ていれば、わかりました。
 まだ若かったんですね。設定。
 十分やり直しのきく年齢だったのですね。
 外見に惑わされておりました。だからこそ、「旦那は?」と思ってしまったのよ。そのトシで旦那をそこまでないがしろにしていいのか? と。まだ小娘なら、そこまで甘え倒してもアリかもしれない。旦那はきっと、オトナだろうし。

 いやあ、そんちゃんといいあきちゃんといい、外見に惑わされて、設定を読めなくなっていました、わたし。

 それともヒロインは、やはりいいトシなんだろうか?
 オトナの女性の再出発、なのか?
 もし彼女が見た目通りのオトナの女性ならば、旦那へのあの態度はどうかと思うぞ。たとえ、愛のない生活であったとしてもだ。自分の人生に責任を持て。それは再出発ではなく、ただの逃げだ。
 ……てことになるから、やっぱり彼女は小娘なのでしょう。
 2回目以降の観劇では、ヒロインの年齢も修正して観ることにします。

 主人公の人格や役割を読みとれず、ヒロインの年齢を読みとれず、キーパーソンである美貌の夫人を美貌だと気づかずいた、こんなわたしが、この作品を語ってはいかんのではないでしょうか……。

 でも、たのしく観たのよ。
 美貌の警部さんがいたから、だけではなくて。

 それはなんといっても、「青春のかほり」ってやつですかね(笑)。

 観ていて感心したのは、徹底したその「上流階級ぶり」なの。
 舞台になっているのは、ほぼ現代(40年ほど前らしいが)のイタリア。
 感覚的に、陸続きなんだよね。同じ地球の上っていうか、実際に「知ってる」「ある」というような舞台。
 でも、ここはタカラヅカ。「知ってる」よーな舞台じゃ、タカラヅカである意味がない。それこそ、近世のヨーロッパだとか平安時代だとか、「異世界」感覚がないとつまらない。
 だから、徹底した「上流階級」。
 そこには、わたしたち日本人庶民の「知っている」ものはない。
 わたしたちがあこがれる「異世界」。それをちゃーんと描いている。
 見事に庶民が出てこない。祭りでケンカしてるのも、みーんな「上流階級」のかほり。「選ばれたるものたち」だけの世界。
 いいなあ。
 その潔い描きっぷり。
 いちばんウケたっちゅーか、感心したのが、ヨットが出てきたとき。
 ヨットですか!!
 さすが、上流階級です。デートっちゅーと、いきなりヨットがきますか! なんと裏切らない「異世界」ぶり。

 そのわたしたちがあこがれる「異世界」に、「青春のかほり」で味付けしてあるのが、なんともくすぐるのよ。

 この地味〜な話を、「青春」で味付けするとは、いいじゃないですか。
 本筋とは関係ない部分が全部、「青春!!」の群衆芝居やミュージカル・シーンになっているのが好きです。

 ……本筋が、わたし的にはしょぼかったんだけどな……なんせ主役とヒロインがアレだったからさ……。

 そして、こうまで「青春」と対比させるなら、主役たちをきちんと「オトナ」にしてほしかったんだけどな……「アダルト・チルドレン」ではなくて。
 彼らが、自分のいる場所から逃げるのではなく、受け止め、立ち向かっていくオトナならば、青春の息吹がちりばめられているだけに、せつない物語になったろうにな、と悔やまれます。

 あと、ガイチがとてもいい男でした。
 誰かあの男、押し倒してください、てないい男。(注・ほめてます)
 眼鏡の大学教授。も、萌え……。

「ガイチがすごくいい役だったら教えて」
 と言っているクリスティーナさんに、どう言えばいいのやら。
 わたし的には、すばらしい受として、とてもいい役なんだけどな。ガイチはあの健康さが邪魔をして、受攻を考える以前に除外されていた人なのに、今回はよっしゃあ、ど真ん中キタ〜〜ッ!!(鼻息)って感じで、実によろしいのだが。
 クリスティーナさんは、一般人なのだよ。受も攻も、そもそも概念からして存在していない人なのだよ。
 専科からの特出なのに、あの扱い(ショーも含む)ってのは、えーと、……ふつのー、まっとうなファンの人にはどう言えばいいのだろう……。

 あとはひたすら、警部と御曹司を見てました。
 警部のとりまきーず(部下と別荘管理事務所のみなさん)もすてきでした。警部、愛されてるなー。ふふふ。管理事務所所長とやら、何故にそう警部にくっついていくのか、下心がありそーなとこもよいです。
 でも警部の心は、主人公のものなんでしょうか。
 最後の公私混同はどうかと思います、警部殿。自分が好きな相手だからって、犯罪者を見逃すのか……そうか……。
 わたしは主人公を好きになれなかったので、警部とは男の好みがチガウみたいだ。しょぼん。

 とまあ、結局のところはたのしんで観たのよ。『ガラスの風景』。2回目以降はきっと、もっとたのしめるんだろうな、と。
 問題は、次を観る予定がないってことかな……。(をい)
 そのうちふらりと観に行くかな。

 で、もうショーの話を書くスペースがない……。
 新人公演の話はいつ書けるのだろー。
 映画『リング』の話は? 明日観に行く予定の、レオ様の『ギャング・オブ・ニューヨーク』は……?


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