映画つながりで、『リング』の感想いっとこう。

 ハリウッド・リメイク『リング』。
 あの「貞子」は「サマラ」になりました。

 実は映画の公開前に、問題の「呪いのビデオ」だけは見ちゃってたんだよね。
 あの、時間にして1分くらいのもんですか? 見たら呪われるというビデオ。
 超こわがりのWHITEちゃんが持ってきた。どこぞのCD屋で、「ご自由にお取りください」とあったので、もらってきたそーだ。
 さっそくその夜ひとりで見て、次に彼女に会ったときに感想を語り合おうとしたら「あたしは見てない」とか言われてねー。見てないだと? おいおい、わたしだけ呪われたらどーするんだ?(笑)

 わたしがいちばん興味があったのは、「呪いのビデオ」だったんだよね。

 元祖『リング』の呪いのビデオ、あれ、めちゃこわかったんだもん。
 よくもまあ、あれほどこわい映像を創ったもんだと感心したよ。
 べつに、なにか完璧に「こわい」ものが映ってるわけじゃないじゃん。ひとつずつ口で説明したら「はあ? それのどこがこわいの?」てなものを、あそこまでこわくした、その手腕とセンスに脱帽。

 しかしあれって、「日本人のセンス」だよね。
 日本人が見て、「こわい」もの。
 アメリカ人から見たら……どうだ? こわいのか、はたして?

 だから、興味があった。
 もしもあのビデオがそのままアメリカ版でも使われているとしたら、アメリカ人を見直すぞ、てな。
 見直す、というと言葉は悪いが、わたしはアメリカ人とは相容れない感性を持っていると自分で思っているんで、「なんだ、けっこー共通する部分もあるんじゃん」と考え直すきっかけになるぞ、という感じかな。

 結果。
 別もんでした。

 なるほどー。そうきたかー。

 別もんだけどまあ、ニュアンスやモチーフは使われている。
 しかし、別もん。
 はっきりいって「気持ち悪いけど、こわくはない」。

 さすがアメリカ。わたしのアメリカ観を裏切らない、直接ぶり。
 気持ちでこわいんじゃなくて、痛いとか気持ち悪いとかいう露骨なもので、こわがらせるのね。
 うん、やっばりアメリカだ(笑)。

 それが悪いと言ってるわけじゃなくて、この相違がおもしろいと思っているの。
 そーでないと、アメリカで作る意味がないよね(笑)。

 それでも、忠実にリメイクされていました、映画『リング』。
 ストーリーライン、展開、すべて同じだよー。

 ただし、日本版であった「うさんくささ」は排除。
 貞子の母の超能力がどーのとかね。
 あの不気味さ、アメリカでは通じないのかー。なるほど。

 んでもって、日本版より「ミステリ」になっているのが、笑える。
 ちゃんと伏線をいちいち拾ってあるのよー。おー、なるほど、こうきたかー。そうそう、あれはこれの伏線だったのよ。って、いちいち原因と結果が出てくる。おー、ホラーなのにいちいち解説入るぜぇ。

 日本版よりも、全体として「説明的」。
 「呪い」という言葉も「祟り」という言葉も、わたしが見る限り一度も出なかった。
 合理的だった。
 こういう出来事があったから、こういう事件になった。その繰り返し。
 オチまでちゃんとあります、って感じ。

 「呪い」のなにがこわいかっていうと、理不尽であることなんだけどねえ。

 「呪い」のなにがこわいかっていうと、答えがないことなんだけどねえ。

 推理小説のように、犯人までしっかり書かれていましたー、って感じ。
 犯人わかったら、こわくないじゃん……。

 ま、いいや。
 そこがアメリカ(笑)。

 単体で見ていたら、ちゃんとこわかったと思う。
 もちろん、わたしは日本人だから、元祖ほどこわいものはないけどさ。

 

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