猫が帰ってきません。

 洗濯日和だったので、親の家の庭で洗濯物を干していたんですが。

 ……と書くと、庭に出た猫が、そのままどこかへ逃げ出したみたいだな。

 そうじゃなくて、洗濯をするために親の家に行こうとしたら、猫が「どこに行くんだ、オレも連れて行け」とうるさいので、連れて行ったのね。
 親の家に。

 そしたらそこに、居着いてしまったの。

 いつもなら、すぐに「やっぱり家に帰りたい」と言い出すのに。
 のんきにゴロゴロしているから、猫を親の家に置き去りにして、わたしひとり自宅へ帰ったの。うちの両親は猫のことを溺愛していて、置いていった方がよろこぶから。猫を親の家に連れて行くのは、ささやかな親孝行の意味もあるっちゅーか。
 そうやっていつもなら、猫が家に帰りたがったら、母親がわたしの家まで運んでくるから、置いていっても問題なしなのね。
 しかし今日は。
 もう夜だってのに、まだ帰ってこないぞ、猫。
 さっきビールを取りにやってきた父が「猫は機嫌良くウチにいる。帰りたいとは言わない」とうれしそーに報告していった。
 ……わたしが迎えに行くまで、帰らないつもりか、あの猫。

 あ、「父がビールを取りに」ってのは、わたしの家を両親が「倉庫」として利用しているせいです。もともと3人で暮らしていた家に、今はわたしひとりで住んでいるため、部屋が余ってるのね。んで、彼らは自分の家に置ききれないモノを、わたしの家で保管しているのよ。
 わたし、ビールなんか飲まないのに! 酒屋さんは、わざわざわたしの家に配達に来るのよ、わたしの親の指示で。瓶ビールをケース買いしている独身女の家、ってどうよ?!

          ☆

 今日よーやく、『逆転裁判』が終わった。

 「トノサマン事件」の途中で放りだしていたのを、数日前から再開、よーやくよおおおおやく、終了しました。

 ……やっぱりわたし、笑えない……。

 たしかにね、第3話ですか、最後の事件はオタク女的にたのしい展開ですけどね。ナルホド×ミツルギを読みたいとか思うけどね。
 でもやっぱり、基本的にダメだよ、この世界観!!

 キチガイばっかり!!

 気持ち悪いよー、登場人物の考え方全部。
 出来事と、それに対する反応、言葉、なにもかも気持ち悪い。

 ミステリとしては、超低レベル。
 事件とトリックと犯人は、誰にでもわかる。
 そのせいなの?
 真相に、わざとたどりつけないように、出てくる人間たちがみんなキチガイ。
 証拠があってもそれを無視する。……無視しなければ、そこで事件解決なのに。ぜんぜん関係ない方向へ、話をねじ曲げる。その繰り返し。つーか、全部がソレ。

 このゲームの「推理」とは、事件の真相を推理することではなく、出てくるキチガイたちの、気のちがった行動を予測すること。
 なんせキチガイなので、常識は通用しない。冷静にゲーム制作者の意図を読み、あえて真相から遠ざかるようにキチガイたちの次の言動をミスリードしていかなければならない。

 ああ、つかれた。

 わたし、アタマ固いのよ。どうしても「常識」で考えてしまうから、「犯人はこいつなのに」「証拠はコレなのに」って、いちいち思ってしまうから、ストレスがたまる。
 わざとバカな答えをさがしつづけるのが、こんなに苦痛だなんて。

 どーして『逆転裁判』の世界に入りそびれたのかしら。

 わたし、ファンタジーは好きなのに。
 ファンタジーってのは、すなわち「嘘」の世界。
 なにも異世界や未来だけがファンタジーじゃない。現代が舞台でも、ファンタジーは存在する。
 「嘘」がすみずみまで、きちんと構築されていれば、それは「ファンタジー」だ。

 『逆転裁判』も、その点きちんとした「ファンタジー」だ。
 「嘘」で構築された世界だ。
 べつのルールを持つ、ちゃんとした「別の世界」だ。

 わかってるけど、だめだったんだよなあ。
 これはもう、好みの問題だろう。
 わたしの逆ツボだったってことか。しょぼん。

 同じよーに、バカ・ミステリ・ゲームといえば、『YAKATA』を思い出す。
 綾辻行人監修の、とんでもない作品。

 孤島にある館で起きた、密室殺人事件。犯人は館の中の誰か。記憶喪失の主人公は、真犯人を見つけることができるのかッ?!

 てなゲーム。

 今でも、「最悪なオチの密室殺人事件」として、弟と笑い話にしているゲームだ。
 ほんとにものすごいトリックなんだよ。密室殺人モノとしては、最強じゃないかな?

 ミステリとしては最悪だけど、このゲームはほんと、大ウケした。爆笑して、たのしめた。

 『YAKATA』がOKなのに、どーして『逆転裁判』はダメだったんかいな?

 どーでもいいが、『逆転裁判』をやっていたら、『はみだしっ子』が読みたくなってしまった……。リッチーの裁判のくだりを。
 しかし、実際に本を開くと、のーみそのシワが減っているせいか疲れているせいか、読み通すことができずにまた本棚に戻してしまった。
 やれやれ。
 
 

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