人形焼きの行方。「……と、一緒に食べてね」の一言に縛られた話。
2003年9月14日 家族 WHITEちゃんはいつも、夜中に現れる。
時間は確認していないが、今回もまた夜中に現れた。わたしはオレンジと長電話していたので、玄関にいるWHITEちゃんにそのまま子機を渡し、トイレに駆け込んだ。
「トイレに行きたかったのね?」
と、WHITEちゃん。
「そうよ。でも、電話中だったから我慢してたの。WHITEちゃんが来てくれて助かったわ」
わたしがいない間、オレンジと喋っていてくれたから。
トイレから出て、また受話器を受け取る。オレンジと喋りながら、客間に座布団を出して、WHITEちゃんを迎え入れる。
電話を切ったのはそのあとだ。んじゃ今はバイバイ、オレンジ、またいずれ話しましょう。
WHITEちゃんは、東京みやげをわざわざ持ってきてくれたんだ。
何故、東京みやげ?
わたしにしろWHITEちゃんにしろ、東京にはしょっちゅう行っているので、今さらわざわざみやげというのも、変。
だけど、気持ちがうれしい。ありがとうありがとう。
「弟くんと、一緒に食べてね」
と、わたしてくれたおみやげは、サザエさん一家の人形焼き。
……何故、弟?
わたしひとりで食べちゃいけないの?
まあいいや、弟にもやることにしよう。
つーことで、WHITEちゃんとはそのままだらだらお喋り突入。
彼女がわたしの家をあとにしたのは、午前2時半くらいでした(時計を見た)。
半日仏壇に供えたあと、人形焼きを持って親の家へ。
弟と一緒に食べるために。
「弟は何時頃に帰るの?」
と聞いたところ、
「さっきメールがあって、今日はごはんは食べて帰るそうだから、すごく遅くなるみたいよ」
と、母。
「ええっ、そんじゃ一緒に人形焼き食べられないじゃん!」
WHITEちゃんのおみやげを父と母に見せたわたし。肝心の弟がいないんじゃ、封を切れないよ。
「そうねえ。やっぱり弟もそろったときでないと、コレを開けるのはやめた方がいいわねえ」
と母も言う。
仕方ないな、人形焼きは親の家に置いて帰ろう。明日の夜になれば、弟と一緒に食べられるだろうし。
そして、さらに翌日の夜。
家族4人で外食して帰宅。
「外食すると、喉が渇くなあ」
と言って弟は、帰って来るなりお茶を飲む。そしてさらに、
「お茶請けもあるし、ちょーどいいよな」
と、どっかで見た包みを出す。
「ちょっと待ってよ、それって……!!」
弟がとーぜんの顔をして取り出したのは、WHITEちゃんのおみやげの人形焼き!
しかもすでに開封済み。
つーか、あと3個しか残ってないっっ。
「なんで先に食べてるのよーっ、あたしは、アンタがいないから、あえて開けずに待っていたのに!!」
「んなもん、いつまでもあると思う方が悪い。緑野家は弱肉強食だ」
と言いつつ弟、ワカメちゃんだかカツオくんだかを口に入れる。
残っているのは、タラちゃんとタマのみ。
「ひどーい、ひどーい、ひどーい!」
わたしはあわてて、タラちゃんとタマを奪取。サザエさんもマスオさんも、ナミヘイさんもフネさんも残ってない〜〜っ。
もらったのはわたしよ?! 開封するのもわたしであるべきでしょう?!
あわてて食べた、タラちゃん。
……甘い。
「メープルシロップ味かあ。中にナニも入ってなくてよかった……」
これでカステラの中にクリームでも入ってた日にゃあ、やってられなかった。
「なんで? 中にナニも入ってないなんて、皮ばっか食べてるよーなもんじゃん」
と、弟。クリームが入ってなかったのが不服な様子。
「この甘党めっ」
「甘いモノが嫌いだなんて、文化レベルの低いヤツめっ」
人形焼きの行方。
大半は、弟の腹の中。
……そうね。甘いモノは、ヤツの腹に収まるのがいちばん正しいかな、WHITEちゃん。
時間は確認していないが、今回もまた夜中に現れた。わたしはオレンジと長電話していたので、玄関にいるWHITEちゃんにそのまま子機を渡し、トイレに駆け込んだ。
「トイレに行きたかったのね?」
と、WHITEちゃん。
「そうよ。でも、電話中だったから我慢してたの。WHITEちゃんが来てくれて助かったわ」
わたしがいない間、オレンジと喋っていてくれたから。
トイレから出て、また受話器を受け取る。オレンジと喋りながら、客間に座布団を出して、WHITEちゃんを迎え入れる。
電話を切ったのはそのあとだ。んじゃ今はバイバイ、オレンジ、またいずれ話しましょう。
WHITEちゃんは、東京みやげをわざわざ持ってきてくれたんだ。
何故、東京みやげ?
わたしにしろWHITEちゃんにしろ、東京にはしょっちゅう行っているので、今さらわざわざみやげというのも、変。
だけど、気持ちがうれしい。ありがとうありがとう。
「弟くんと、一緒に食べてね」
と、わたしてくれたおみやげは、サザエさん一家の人形焼き。
……何故、弟?
わたしひとりで食べちゃいけないの?
まあいいや、弟にもやることにしよう。
つーことで、WHITEちゃんとはそのままだらだらお喋り突入。
彼女がわたしの家をあとにしたのは、午前2時半くらいでした(時計を見た)。
半日仏壇に供えたあと、人形焼きを持って親の家へ。
弟と一緒に食べるために。
「弟は何時頃に帰るの?」
と聞いたところ、
「さっきメールがあって、今日はごはんは食べて帰るそうだから、すごく遅くなるみたいよ」
と、母。
「ええっ、そんじゃ一緒に人形焼き食べられないじゃん!」
WHITEちゃんのおみやげを父と母に見せたわたし。肝心の弟がいないんじゃ、封を切れないよ。
「そうねえ。やっぱり弟もそろったときでないと、コレを開けるのはやめた方がいいわねえ」
と母も言う。
仕方ないな、人形焼きは親の家に置いて帰ろう。明日の夜になれば、弟と一緒に食べられるだろうし。
そして、さらに翌日の夜。
家族4人で外食して帰宅。
「外食すると、喉が渇くなあ」
と言って弟は、帰って来るなりお茶を飲む。そしてさらに、
「お茶請けもあるし、ちょーどいいよな」
と、どっかで見た包みを出す。
「ちょっと待ってよ、それって……!!」
弟がとーぜんの顔をして取り出したのは、WHITEちゃんのおみやげの人形焼き!
しかもすでに開封済み。
つーか、あと3個しか残ってないっっ。
「なんで先に食べてるのよーっ、あたしは、アンタがいないから、あえて開けずに待っていたのに!!」
「んなもん、いつまでもあると思う方が悪い。緑野家は弱肉強食だ」
と言いつつ弟、ワカメちゃんだかカツオくんだかを口に入れる。
残っているのは、タラちゃんとタマのみ。
「ひどーい、ひどーい、ひどーい!」
わたしはあわてて、タラちゃんとタマを奪取。サザエさんもマスオさんも、ナミヘイさんもフネさんも残ってない〜〜っ。
もらったのはわたしよ?! 開封するのもわたしであるべきでしょう?!
あわてて食べた、タラちゃん。
……甘い。
「メープルシロップ味かあ。中にナニも入ってなくてよかった……」
これでカステラの中にクリームでも入ってた日にゃあ、やってられなかった。
「なんで? 中にナニも入ってないなんて、皮ばっか食べてるよーなもんじゃん」
と、弟。クリームが入ってなかったのが不服な様子。
「この甘党めっ」
「甘いモノが嫌いだなんて、文化レベルの低いヤツめっ」
人形焼きの行方。
大半は、弟の腹の中。
……そうね。甘いモノは、ヤツの腹に収まるのがいちばん正しいかな、WHITEちゃん。
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