真夜中から、爆笑させてもらった。
 タカラヅカ・デスクトップカレンダーのお誕生日メッセージ。
 ええ、本日がわたくしのバースデーなもんでな。
 去年は旅行中だったので見られなかったから、今年こそはと日付が変わるなり見てみたのよ。

 えーと、トップスター+1の中から選んだ人ひとりの、お祝いメッセージが聞けるわけね。
 元旦にトド様は一足先に聞いていたんで、今回はたかちゃんでした。

 パーソナルカレンダーの表紙かな、これは。
 ドレススーツ姿の男前なたかこ様の写真が現れ、音声が流れる。

 おどろいたのは、いきなり歌い出したこと。
 しかも男役の声で、まじめに歌ってやがるのよ。

「はっぴばーずでー、つー、ゆー。はっぴばーすでー、つー、ゆー。はっぴばーすでー、でぃあ、あなた〜。はっぴばーすでー、つー、ゆー。
 ……宙組の、和央ようかでした」

 ヲイ。
 これだけかいっっ!!

 盛大につっこませていただきました。

 トド様はたしか、真面目につまんないコメントしてたよねえ? あたりさわりのない、ふつーのお祝いの言葉を喋ってたよねえ?
 なのにたかちゃんは、コレかい。
 笑いました。
 らしいというか、なんというか。

 そして、我がパソコンの壁紙は、この美しいたかこ様になりました。
 それまでずっと公演ごとに変えてきて(デスクトップカレンダーのふろく。公演ごとに新しい壁紙を配信してくれる)、『Romance de Paris』は論外だったので未だに『王家に捧ぐ歌』だったんだけどな。
 いやあ、パソコン立ち上げるたびに、美しいたかこ様に見つめられるので、ときめきますわ(笑)。
 ほんまにきれーなにーちゃんやなあ。感心するわ。
 女としてはどーか知らんが、男としてはほんとに美青年だよね、たかこ。顔だけじゃなく、プロポーションも含めて。

          ☆

 で、本日は雪組公演『Romance de Paris』の千秋楽。チープに1階A席で観劇。
 友だちに会ったりなんだりで、けっこうばたばた。
 それにしても、リカコンはほんとに余りまくってるみたいね……いったいどれほどの人に、余って困ってると言われたか。

 今回は全体を見ることを心がけていたので、オペラグラス使わず。使ったのは唯一、ショーの聖歌隊だけ(笑)。せーこちゃんかわいー。

 芝居はえらく熱演で、今まで観たより格段に良くなっていた。
 脚本がダメなのは変わらないが、演技でずいぶん救われている。
 そして、遠い座席から全体を眺めていると、たしかに美しい舞台だと思う。その美しさだけで、まあいいのか、という気分にもなる。

 今日会った友人に、先日電話で作品のヘボさを嘆いたら「ヅカなんかに、いい作品を求める方がおかしい」てな言い方をされてしまったが、それはチガウと思うんだ。
 わたしが求めているのは、ヅカとして「いい作品」だ。
 たとえばライトノベルに、「こんなの現実にあるわけないわ! 男より強い女の子なんているわけないじゃない!」と怒るのが筋違いのよーなもので、そのジャンルであることを踏まえた上で、佳作を求めているんだ。
 でも、彼女に作品としてのイロハな話や構成がどーのという話をしたら「そんな難しいことはわからない」と言われてしまったので、その話題は終了。すまんな、理屈屋で。

 他の劇団でもなく、媒体でもなく、タカラヅカであるうえで、よい作品。
 『王家に捧ぐ歌』なんかは、その代表みたいなもん。他のジャンルならあの歌唱力の低さは致命傷だし、脚本も演出も穴が多いだろうよ。
 だがあの作品は、他のどの劇団であれ、テレビや映画などという他の媒体であれ、創り上げることのできない作品なんだ。
 それが、「作品」というものだと思うんだ。代えがきかない存在。この世でただひとつ、オンリーワンの力。
 わたしが欲しているのは、そーゆーモノだ。

 『Romance de Paris』はたしかに、タカラヅカでしかできない舞台だと思う。
 そこには、美しさしかない。
 これで美しくなかったら、外部の男の人のいるふつーの劇団でやっていたら、救いのないただの駄作だ。今回以上に客は入らないだろう。
 ロングコートを着てフェルト帽をななめにかぶってにやりと笑う、これだけですべてを帳消しにする美しさがないと、終わってる。
 ヅカでしかあり得ない、はアリだと思う。だが、ヅカでしかあり得ないからって、それがヅカとして佳作というわけではないんだ。ほんと。
 佳作になる要素はあるだろうに、それを手抜きとしか思えない具合にぶちこわしているからこそ、『Romance de Paris』はどーしよーもない駄作だ。
 正塚晴彦、やる気あるのか。

 今回いちばん見直したのは、コム姫だ。
 わたしはずっと、コム姫には「姫」という先入観を持っている。真ん中に立つ人ではなく、脇でこそ輝く美形キャラ。アカレンジャーではなく、ミドレンジャー(アオレンジャーでさえない)。
 たしかに、センターに立つ吸引力はないと思う。
 ワタルくんなんかは、わたしの好み云々とは関係なく「真ん中にするしか能がない」と思う。脇にいられても、へたっぴで邪魔だからな。彼はセンターに立つと、実力を越えて輝き出す。それが持って生まれた華ってやつだろう。
 コム姫にはそれを感じない。残念ながら。未だに、感じないんだ。
 だけど今回は、見直した。歌は格段にうまくなっているし(それでも下手だけど・笑)、トップとして「見せる」ことを意識してそこにいることが、わかるからだ。
 そして……楽の挨拶を聞きながら、「なんとも変な人やなあ」としみじみ思った。ひょうひょうとした、とらえどころのない人。
 イメージとしては、「アタマのいいたかこ」みたいな(すまんな、たかこ・笑)。
 ものすごくアタマのいい、しかも喋ることの「できる」挨拶だったので、おどろいたよ。
 言うならば……「男前」だった。
 あれえ? コム姫ったら、「姫」なのに、なんなのその男らしさは。
 三兄弟の末っ子で、魔性の美少年やっていたときとは、明らかにチガウ?

 感動的だったのは、カーテンコールのとき。
 コム姫は退団者の牧勢海くんに、胸のピンマイクを貸してあげていました。
 胸のピンマイクだよ。
 つまり、コム姫の胸に固定されているマイク。
 そのマイクで話すためには、牧勢くんはコム姫の胸に顔を埋めるよーにしなければ、なりません。
 幕が上がるなり、牧勢くんが腰を折ってコム姫の胸に顔を押しつけているので、なにごとかと思った(笑)。
 胸のマイクを貸してあげるトップスターなんて、はじめて見た……。
 その男前な態度はナニ、包容力はナニ?
 姫のくせに!(笑)

 一皮むけたね、コム姫。

 いつか、真ん中が似合うようになるのかな。
 それはそれでいいんだけど、わたしの愛した魔性の美少年は消えてしまうんだね。
 さみしいなあ。

          ☆

 今年もまた、「1万人の第九」の季節がやってきた。
 忙しい日だわ、いつものメンバーでいつもの場所でいつもの先生のもと、練習開始。

 そしてまた、いつものよーに、ぜんぜん歌えません……進歩したい……。

 

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