今年最初の、「良いお年を」。@忘年会
2003年12月13日 その他 リンコさんが友だちを連れてくる。
忘年会の日、わたしは改めてメールを読み直した。
場所は音ちゃんの新居。長年のマスオさん同棲にピリオドを打ち、籍を入れふたりで居を構えた音ちゃん夫妻のマンションで、鍋パーティ。
シンくん夫妻は6時半頃到着予定。
でもってリンコさんは友だちと一緒に6時くらいに到着予定。
んじゃわたしも6時くらいに着くように行くわ、とメールを返してはいたけれど。
リンコさんは、友だちと一緒……?
その1文を、きれーに読み飛ばしていた。
友だち?
わたしたちの集まりに、わざわざ連れてくる友だち?
音ちゃん、リンコさん、シンくんは、10年来の遊び友だち。イベント好きでマメなシンくんの采配のもと、若いころはよく遊びに行っていた。
週に一度のテニス(カケラも上達しなかったよ、あたしゃ)、そのあとの飲み会。何ヶ月かに一度は20人からの人数でのボーリング大会、何台もの車に別れての遠出の行楽、なんかやたらと行っていたゲーセン、カラオケ……etc. 夏には恒例の花火大会。数万円分の打ち上げ花火を、淀川で打ち上げた(あーゆー花火が個人で買えるモノだとはそれまで知らなかった)。
わたしたちのイベントには、暗黙のルールがあった。
それは「パートナーがいる場合は連れてくる」である。
イベントはあくまでも仲間内のもの。そこに第三者を参加させる場合は、パートナーに限る。
つまり、彼氏や彼女は連れてきていいってこった。
だから、シンくんの奥さんと最初に会ったのは、何年も前のボーリング大会や花火大会でだ。音ちゃんの旦那に最初に会ったのは……いつだっけ? とにかく、パートナーができたら、速やかに報告せよ。てなもん。
仲間たちはひとりまたひとりと結婚したりなんだりで縁遠くなり、今つきあいがあるのは音ちゃん、リンコさん、シンくん、Be-Puちゃん、クリスティーナさんぐらいのもの。
なかでももっとも男らしい外見と性格を持つリンコちゃん(注・女性です)。身長175cmは伊達じゃありません、かっこいいです。本人は「アタシの身長は170cmよ!」とフカシこいてますが、アンタが170だったらアタシは160cmでも通るわよ、ってことで、わたしの友人の中でいちばんでかい女はこのリンコちゃんです。
そのかっこいいリンコさんが、わたしらのパーティに友だちを連れてくる……?
ってソレ、彼氏ってこと?
リンコさんついに、お嫁に行っちゃうの?! 嫁をもらうんじゃなくて?!
ケータイもパソコンも持たない、メールなんてちゃらちゃらしたもんは許せない、未だにハガキで連絡を取ったりする漢らしいリンコさん。ひとり暮らしのアパートにはテレビだってないぞ、あんなもん見る奴は腑抜けてるのさ、の漢らしいリンコさん。
明治時代の漢のよーな、頑固で凛々しいリンコさん。
嫁をもらうことはあっても、嫁に行くことなどないと信じていたのに!!
仲間たちがそれぞれ恋人を連れてイベントに参加するなか、わたしとリンコさんはいつだってシングル参加、ともに我が道を驀進していた同志じゃないの!!
わたしを置き去りにして、自分だけカップル参加する気?
てゆーか、カップル3組のなかに、あたしひとりってこと?!
ちょっと待て、なんだそりゃ。
ひとりぼっちは、いーやーだー。
アタマを抱えたよ。
いや、どーしよーもないので、さっさと出かけましたが。リンコさんの彼氏なら、なにがなんでも顔を拝みたいし(笑)。
待ち合わせ場所に迎えに来てくれた音ちゃんに、わたしはなにより先に訊ねたさ。
「ねえねえ、リンコさんが連れてくる人って、カレシ?」
音ちゃん、威勢良く爆笑。
「それがねえ、その彼……じゃなくてお友だち、急な体調不良で、欠席なんだってー。リンコさんひとり参加だよ」
「お友だち? カレシじゃなくて?」
「カレシならあたしがメールに大々的に書いてるよ。リンコさんがカレシ連れてくる! 必見!って」
あ、そうなの?
ほっとする前に、「やっぱりな」と思うわたしをゆるして、リンコちゃん。
あーたがカレシを連れてくるはずがないと、どうも本気で思っているらしいわたしを許して。
音ちゃんちにのっそり現れたリンコさんは、相変わらず漢らしい姿で、
「ねえねえリンコさぁん。今日カレシ、来れなくなったんだって?」
とわたしが聞くと、とてもめんどくさそうに、
「そう、今日カレシは来れなくなって……って、なんでやねん。女の子や、今日一緒に来る予定やったんは」
と答えてくれた。南大阪出身の彼女は、とってもべったべたな大阪弁を話す。
ああ、リンコさん。君はいつまでも君のままでいてくれ。
そのぶっきらぼうな性格も、容赦のない喋り方も、どうかそのままで。
ついでにその食欲も、そのままで。
「緑野さん遅いから、緑野さんのお茶全部飲んじゃったよ。ポテチ食べながら」
ってアンタ、これから鍋パーティなのに! ポテチ食ってる場合ですか?!
プレゼント交換用のプレゼントを忘れたわたしが自宅まで取りに行ってる間に、音ちゃんがわたしのためにわたしのリクエストで用意してくれたお茶は全部リンコさんの腹の中。わあああん。
そしてもちろん、鍋パーティでいちばん食べたのは、ほかならぬリンコさんです。
文字数足りないので、次の欄へつづく。
忘年会の日、わたしは改めてメールを読み直した。
場所は音ちゃんの新居。長年のマスオさん同棲にピリオドを打ち、籍を入れふたりで居を構えた音ちゃん夫妻のマンションで、鍋パーティ。
シンくん夫妻は6時半頃到着予定。
でもってリンコさんは友だちと一緒に6時くらいに到着予定。
んじゃわたしも6時くらいに着くように行くわ、とメールを返してはいたけれど。
リンコさんは、友だちと一緒……?
その1文を、きれーに読み飛ばしていた。
友だち?
わたしたちの集まりに、わざわざ連れてくる友だち?
音ちゃん、リンコさん、シンくんは、10年来の遊び友だち。イベント好きでマメなシンくんの采配のもと、若いころはよく遊びに行っていた。
週に一度のテニス(カケラも上達しなかったよ、あたしゃ)、そのあとの飲み会。何ヶ月かに一度は20人からの人数でのボーリング大会、何台もの車に別れての遠出の行楽、なんかやたらと行っていたゲーセン、カラオケ……etc. 夏には恒例の花火大会。数万円分の打ち上げ花火を、淀川で打ち上げた(あーゆー花火が個人で買えるモノだとはそれまで知らなかった)。
わたしたちのイベントには、暗黙のルールがあった。
それは「パートナーがいる場合は連れてくる」である。
イベントはあくまでも仲間内のもの。そこに第三者を参加させる場合は、パートナーに限る。
つまり、彼氏や彼女は連れてきていいってこった。
だから、シンくんの奥さんと最初に会ったのは、何年も前のボーリング大会や花火大会でだ。音ちゃんの旦那に最初に会ったのは……いつだっけ? とにかく、パートナーができたら、速やかに報告せよ。てなもん。
仲間たちはひとりまたひとりと結婚したりなんだりで縁遠くなり、今つきあいがあるのは音ちゃん、リンコさん、シンくん、Be-Puちゃん、クリスティーナさんぐらいのもの。
なかでももっとも男らしい外見と性格を持つリンコちゃん(注・女性です)。身長175cmは伊達じゃありません、かっこいいです。本人は「アタシの身長は170cmよ!」とフカシこいてますが、アンタが170だったらアタシは160cmでも通るわよ、ってことで、わたしの友人の中でいちばんでかい女はこのリンコちゃんです。
そのかっこいいリンコさんが、わたしらのパーティに友だちを連れてくる……?
ってソレ、彼氏ってこと?
リンコさんついに、お嫁に行っちゃうの?! 嫁をもらうんじゃなくて?!
ケータイもパソコンも持たない、メールなんてちゃらちゃらしたもんは許せない、未だにハガキで連絡を取ったりする漢らしいリンコさん。ひとり暮らしのアパートにはテレビだってないぞ、あんなもん見る奴は腑抜けてるのさ、の漢らしいリンコさん。
明治時代の漢のよーな、頑固で凛々しいリンコさん。
嫁をもらうことはあっても、嫁に行くことなどないと信じていたのに!!
仲間たちがそれぞれ恋人を連れてイベントに参加するなか、わたしとリンコさんはいつだってシングル参加、ともに我が道を驀進していた同志じゃないの!!
わたしを置き去りにして、自分だけカップル参加する気?
てゆーか、カップル3組のなかに、あたしひとりってこと?!
ちょっと待て、なんだそりゃ。
ひとりぼっちは、いーやーだー。
アタマを抱えたよ。
いや、どーしよーもないので、さっさと出かけましたが。リンコさんの彼氏なら、なにがなんでも顔を拝みたいし(笑)。
待ち合わせ場所に迎えに来てくれた音ちゃんに、わたしはなにより先に訊ねたさ。
「ねえねえ、リンコさんが連れてくる人って、カレシ?」
音ちゃん、威勢良く爆笑。
「それがねえ、その彼……じゃなくてお友だち、急な体調不良で、欠席なんだってー。リンコさんひとり参加だよ」
「お友だち? カレシじゃなくて?」
「カレシならあたしがメールに大々的に書いてるよ。リンコさんがカレシ連れてくる! 必見!って」
あ、そうなの?
ほっとする前に、「やっぱりな」と思うわたしをゆるして、リンコちゃん。
あーたがカレシを連れてくるはずがないと、どうも本気で思っているらしいわたしを許して。
音ちゃんちにのっそり現れたリンコさんは、相変わらず漢らしい姿で、
「ねえねえリンコさぁん。今日カレシ、来れなくなったんだって?」
とわたしが聞くと、とてもめんどくさそうに、
「そう、今日カレシは来れなくなって……って、なんでやねん。女の子や、今日一緒に来る予定やったんは」
と答えてくれた。南大阪出身の彼女は、とってもべったべたな大阪弁を話す。
ああ、リンコさん。君はいつまでも君のままでいてくれ。
そのぶっきらぼうな性格も、容赦のない喋り方も、どうかそのままで。
ついでにその食欲も、そのままで。
「緑野さん遅いから、緑野さんのお茶全部飲んじゃったよ。ポテチ食べながら」
ってアンタ、これから鍋パーティなのに! ポテチ食ってる場合ですか?!
プレゼント交換用のプレゼントを忘れたわたしが自宅まで取りに行ってる間に、音ちゃんがわたしのためにわたしのリクエストで用意してくれたお茶は全部リンコさんの腹の中。わあああん。
そしてもちろん、鍋パーティでいちばん食べたのは、ほかならぬリンコさんです。
文字数足りないので、次の欄へつづく。
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