舞う雪の中、わたしの想いはどこへ行くのだろう?…てな。@佐々木丸美とわたし。
2004年1月13日 その他 佐々木丸美をご存じですか?
わたしの文章に多大な影響を与えた作家は、太宰治と夢枕貘と、佐々木丸美だったりする。
太宰と夢枕はともかくとして、佐々木丸美はマズイだろ!
と、大人になった今は思う。
だけど、高校生のときは佐々木丸美のパクリのような文章を書いて、悦に入っていた。
そりゃあもう、必死に真似をしていたよ。
当時でさえ、佐々木丸美って文章下手ぢゃねーか? と思ってはいたが、それでもなお、真似をせずにはいられなかった。
技巧じゃなく、スピリットなんだよね、文章って。
多少読みにくくても、視点が乱れていても、ずるくても、佐々木丸美の文章が好きだった。
今現在はもう、完全に抜けたと思うんだけど。
わたしの文章に佐々木丸美的なところは残っていないと思うんだけど……どうかなあ?
やたら韻を踏んだりリピートするところは、やはり佐々木丸美?
あそこまでポエムかましてないと思うんだが。
佐々木丸美がどの程度世間から認知されている作家なのか、わからない。
とりあえずWHITEちゃんは知らなかった。
同じ高校だったのに。でもって、高校の図書室にあったのに。わたしは図書室で借りて、佐々木丸美と出会ったのに。
佐々木丸美は……ジャンルでいうと、何作家になるのかな? ミステリ? 恋愛? ファンタジー?
いちおー、ミステリ作家じゃないかと思っている。かなり微妙だが。
彼女の作品の大半は、殺人事件が起こり、それを推理することになるから。……一応。
ただ、ふつーのミステリとして読んだら、かなりちゃぶ台返しなトリックと結末に唖然とすることになる。力業というか、なんというか。
真のミステリ読みの人たちからは、どういった評価を受けていたのでしょうね。当時はネットなんてもんがないので、さっぱりわかりませんが。
大人になってから思ったことは、佐々木丸美はカテゴリエラーな作家だったんじゃないかということ。
発表先、まちがえていたよーな気がする。
講談社のハードカバーではなく、少女向けライトノベルで出していたら、もっと人気出たんじゃないかな。
佐々木丸美の小説は、主人公が10代の少女である。
しかも、薄幸の少女だ。
孤児だったり、家庭に恵まれていなかったり。
そして幼いときに、運命の人と出会う。ハンサムで知的で上品な王子様だ。年齢は必ず、ヒロインよりも10歳以上年上。6歳くらいのヒロインと、高校生くらいの王子様が出会うのが王道。いわば『キャンディ・キャンディ』ですな。
時は流れ、美しい少女に成長したヒロインと、大人の男になった王子様との恋愛物語が改めてスタートする。
しかも物語はただの甘甘ではなく、謀略と愛憎が絡み合った人間サスペンスだ。美しく不幸な女たちが愛に傷つき、破滅していく。自殺と殺人と発狂はデフォルト。絶対誰か死ぬし殺されるし発狂する。
暗躍する、魅力的な美青年たち。「巨大企業」という王国で、男たちは戦士となり血で血を洗う戦いをつづける。
女たちはそんな戦士たちを愛し、守り、ときに手を血で染める。
ヒロインの愛した男も狡猾な戦士のひとりであり、決して一筋縄ではいかない。やさしい紳士であると同時に、冷酷な大人だったりもする。
これらのとんでもねーハードな物語が、17歳の少女のリリカルな一人称でつづられる。
作品は全部、リンクしている。
1冊読んだだけでは、なにがなんだかわからない。
シリーズだなんてどこにも書いてないが、ひとつの世界観によって構成されている。
発行年順に読まないと、ネタバレがあったりもする。誰が誰を殺したのか、動機と犯人がバレちゃうんだよね。
根幹にあるのが、輪廻転生と宿命の恋人たち。
不老不死?をめぐる謎。
ふたつの巨大企業の戦いと、お家騒動。
仏教観とサイコ・ミステリ。
人物相関図と年表、作ったもんなあ。高校生のとき。
何家のだれそれが誰とつながっていて、どんな関係にあって、誰がどこで死んで、誰が途中で名前が変わっていて、誰が誰の生まれ変わりで……と。
夢中だった。
こんな物語をいつかつづりたいと、切望した。
これ、ラノベだったらもっとみんな、読んでくれたんじゃないかなあ。
文体が不親切だけど、内容はかなりラノベだと思う。
美少女と美青年と美女がぼろぼろ出てくるし。てゆーか、男たち美しすぎ。顔立ちだけではなく、生き方が。現代日本を舞台にしていて、ここまでハードに生きなくてもいいだろう、ってくらい、ヒーローしている。
美しいマンガ絵のイラストがあれば、小説好きの女の子たちはいくらでもついていっただろうに。高校生のときのわたしのように。
女の子は、生きるの死ぬといった恋愛モノは大好きよ。
そして、かっこいい男がたくさん出てくる話は、大好きよ。
なまじ、ハードカバー本だったからなあ。
『館』シリーズとか、ミステリみたいな装丁つけられて、紀伊国屋のミステリの棚に並んでいたりしたからなあ。
大人の男の人が読んで、おもしろい本だったとは思えん……。
と、何故今こんな話をするかというと。
冬コミで佐々木丸美本買ったからさ。でもって、年末年始と忙しすぎて、今ごろ戦利品の本を読んでいたりするからさ。
もう絶版なんだよね、佐々木丸美の本。作者が復刊を望んでいないらしいね。
佐々木丸美ファンはきっと、わたしと同年代かそれ以上の年齢なんだろうね。
子どもだったわたしは、佐々木丸美の書くヒーローはできすぎていて、嫌いだった。大人すぎて、いやだった。
たぶん今も、吹原さんとか嫌いだと思うぞ(笑)。
いちばんのお気に入りが、いちばん影の薄い真一さんだったし。
彼女の書く物語はいつも同じパターン、薄幸の少女が大人の男と恋に落ちる。ヒロインの性格も、王子様の性格も、根っこはみんな同じ。
王子様の性格はわたし好みじゃなかったけれど、その壮大なロマンにときめいた。
暗い過去と重い宿命と、絡まり合った謎にわくわくした。
少女が、ひとを愛する、その心の動きに魅了された。
残酷で痛い、そしてロマンティックな愛の物語。
「**ちゃんみたいに、めちゃくちゃに愛して、愛を完成させてしまえばいいのよ」
「あなたが好き、と言うことは、自分が好き、と言っているのと同じことだ。そんな恥ずかしいことを言うのはやめなさい」
とか、ずっとずっとおぼえている台詞がある。
(記憶だけで書いているので、完全に正しいかはわからないが)
めちゃくちゃに愛して……はたしか、愛ゆえに発狂した女のことを、ヒロインが話していたはず。
愛ゆえに狂った女のことを、「愛の完成」と言っていた。
そんな恥ずかしいことを言うのは……はたしか、王子様がヒロインに対して言った台詞。王子様はとにかくクールだったからなあ。
忘れられない物語。
途中で終わってしまっている……んだよね?
『伝説』シリーズの3作目は出ていない、よね?
結末がないまま消えてしまった作家だから、余計に消えることなくわたしのなかに残り続けている。
あの、独特の文体ごと。
しかし、あの文体はマズイだろ。
影響を受けてはイカン。
特徴ありすぎる。
昔、佐々木丸美の亜流みたいな文章を書いていた過去があるだけに、こわくて佐々木丸美作品を読み返せない(笑)。
だって読んだらしばらくまた、文体が伝染する。
絶対、する。
それくらい強烈。
こわいこわい。
わたしの文章に多大な影響を与えた作家は、太宰治と夢枕貘と、佐々木丸美だったりする。
太宰と夢枕はともかくとして、佐々木丸美はマズイだろ!
と、大人になった今は思う。
だけど、高校生のときは佐々木丸美のパクリのような文章を書いて、悦に入っていた。
そりゃあもう、必死に真似をしていたよ。
当時でさえ、佐々木丸美って文章下手ぢゃねーか? と思ってはいたが、それでもなお、真似をせずにはいられなかった。
技巧じゃなく、スピリットなんだよね、文章って。
多少読みにくくても、視点が乱れていても、ずるくても、佐々木丸美の文章が好きだった。
今現在はもう、完全に抜けたと思うんだけど。
わたしの文章に佐々木丸美的なところは残っていないと思うんだけど……どうかなあ?
やたら韻を踏んだりリピートするところは、やはり佐々木丸美?
あそこまでポエムかましてないと思うんだが。
佐々木丸美がどの程度世間から認知されている作家なのか、わからない。
とりあえずWHITEちゃんは知らなかった。
同じ高校だったのに。でもって、高校の図書室にあったのに。わたしは図書室で借りて、佐々木丸美と出会ったのに。
佐々木丸美は……ジャンルでいうと、何作家になるのかな? ミステリ? 恋愛? ファンタジー?
いちおー、ミステリ作家じゃないかと思っている。かなり微妙だが。
彼女の作品の大半は、殺人事件が起こり、それを推理することになるから。……一応。
ただ、ふつーのミステリとして読んだら、かなりちゃぶ台返しなトリックと結末に唖然とすることになる。力業というか、なんというか。
真のミステリ読みの人たちからは、どういった評価を受けていたのでしょうね。当時はネットなんてもんがないので、さっぱりわかりませんが。
大人になってから思ったことは、佐々木丸美はカテゴリエラーな作家だったんじゃないかということ。
発表先、まちがえていたよーな気がする。
講談社のハードカバーではなく、少女向けライトノベルで出していたら、もっと人気出たんじゃないかな。
佐々木丸美の小説は、主人公が10代の少女である。
しかも、薄幸の少女だ。
孤児だったり、家庭に恵まれていなかったり。
そして幼いときに、運命の人と出会う。ハンサムで知的で上品な王子様だ。年齢は必ず、ヒロインよりも10歳以上年上。6歳くらいのヒロインと、高校生くらいの王子様が出会うのが王道。いわば『キャンディ・キャンディ』ですな。
時は流れ、美しい少女に成長したヒロインと、大人の男になった王子様との恋愛物語が改めてスタートする。
しかも物語はただの甘甘ではなく、謀略と愛憎が絡み合った人間サスペンスだ。美しく不幸な女たちが愛に傷つき、破滅していく。自殺と殺人と発狂はデフォルト。絶対誰か死ぬし殺されるし発狂する。
暗躍する、魅力的な美青年たち。「巨大企業」という王国で、男たちは戦士となり血で血を洗う戦いをつづける。
女たちはそんな戦士たちを愛し、守り、ときに手を血で染める。
ヒロインの愛した男も狡猾な戦士のひとりであり、決して一筋縄ではいかない。やさしい紳士であると同時に、冷酷な大人だったりもする。
これらのとんでもねーハードな物語が、17歳の少女のリリカルな一人称でつづられる。
作品は全部、リンクしている。
1冊読んだだけでは、なにがなんだかわからない。
シリーズだなんてどこにも書いてないが、ひとつの世界観によって構成されている。
発行年順に読まないと、ネタバレがあったりもする。誰が誰を殺したのか、動機と犯人がバレちゃうんだよね。
根幹にあるのが、輪廻転生と宿命の恋人たち。
不老不死?をめぐる謎。
ふたつの巨大企業の戦いと、お家騒動。
仏教観とサイコ・ミステリ。
人物相関図と年表、作ったもんなあ。高校生のとき。
何家のだれそれが誰とつながっていて、どんな関係にあって、誰がどこで死んで、誰が途中で名前が変わっていて、誰が誰の生まれ変わりで……と。
夢中だった。
こんな物語をいつかつづりたいと、切望した。
これ、ラノベだったらもっとみんな、読んでくれたんじゃないかなあ。
文体が不親切だけど、内容はかなりラノベだと思う。
美少女と美青年と美女がぼろぼろ出てくるし。てゆーか、男たち美しすぎ。顔立ちだけではなく、生き方が。現代日本を舞台にしていて、ここまでハードに生きなくてもいいだろう、ってくらい、ヒーローしている。
美しいマンガ絵のイラストがあれば、小説好きの女の子たちはいくらでもついていっただろうに。高校生のときのわたしのように。
女の子は、生きるの死ぬといった恋愛モノは大好きよ。
そして、かっこいい男がたくさん出てくる話は、大好きよ。
なまじ、ハードカバー本だったからなあ。
『館』シリーズとか、ミステリみたいな装丁つけられて、紀伊国屋のミステリの棚に並んでいたりしたからなあ。
大人の男の人が読んで、おもしろい本だったとは思えん……。
と、何故今こんな話をするかというと。
冬コミで佐々木丸美本買ったからさ。でもって、年末年始と忙しすぎて、今ごろ戦利品の本を読んでいたりするからさ。
もう絶版なんだよね、佐々木丸美の本。作者が復刊を望んでいないらしいね。
佐々木丸美ファンはきっと、わたしと同年代かそれ以上の年齢なんだろうね。
子どもだったわたしは、佐々木丸美の書くヒーローはできすぎていて、嫌いだった。大人すぎて、いやだった。
たぶん今も、吹原さんとか嫌いだと思うぞ(笑)。
いちばんのお気に入りが、いちばん影の薄い真一さんだったし。
彼女の書く物語はいつも同じパターン、薄幸の少女が大人の男と恋に落ちる。ヒロインの性格も、王子様の性格も、根っこはみんな同じ。
王子様の性格はわたし好みじゃなかったけれど、その壮大なロマンにときめいた。
暗い過去と重い宿命と、絡まり合った謎にわくわくした。
少女が、ひとを愛する、その心の動きに魅了された。
残酷で痛い、そしてロマンティックな愛の物語。
「**ちゃんみたいに、めちゃくちゃに愛して、愛を完成させてしまえばいいのよ」
「あなたが好き、と言うことは、自分が好き、と言っているのと同じことだ。そんな恥ずかしいことを言うのはやめなさい」
とか、ずっとずっとおぼえている台詞がある。
(記憶だけで書いているので、完全に正しいかはわからないが)
めちゃくちゃに愛して……はたしか、愛ゆえに発狂した女のことを、ヒロインが話していたはず。
愛ゆえに狂った女のことを、「愛の完成」と言っていた。
そんな恥ずかしいことを言うのは……はたしか、王子様がヒロインに対して言った台詞。王子様はとにかくクールだったからなあ。
忘れられない物語。
途中で終わってしまっている……んだよね?
『伝説』シリーズの3作目は出ていない、よね?
結末がないまま消えてしまった作家だから、余計に消えることなくわたしのなかに残り続けている。
あの、独特の文体ごと。
しかし、あの文体はマズイだろ。
影響を受けてはイカン。
特徴ありすぎる。
昔、佐々木丸美の亜流みたいな文章を書いていた過去があるだけに、こわくて佐々木丸美作品を読み返せない(笑)。
だって読んだらしばらくまた、文体が伝染する。
絶対、する。
それくらい強烈。
こわいこわい。
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