駄作ではないが、失敗作でしょう?@送られなかった手紙
2004年2月9日 タカラヅカ 雪組バウ公演『送られなかった手紙』鑑賞。
…………先に観ていたWHITEちゃんから、メールが来ていた。
「まちかめぐるに、おなかいっぱい」
まちかめぐるか……。
最初にこの公演のポスターを見たのは、いつだっけか。けっこう早くに、ムラにいたときに張りだしてあるのを見た。
「かっこいいじゃん」
「壮くんきれー」
てな会話をし、
「あ、またチャルさん出てんだ。太田芝居にはチャルさん必須かな」
「てか、アモナスロも出てるから、『王家』コンビじゃん」
てな会話をし、さらに、
「他の出演者は……あ、まちかめぐる」
「まちかめぐるだー」
てな会話をし、その場を後にした。
後にしたあとで。
「で、ヒロイン誰?」
「さあ?」
「2番手は?」
「さあ?」
なにやってんですか、わたしたち!
専科さんとまちかめぐるだけしか確認しないなんて!
てかわたしたち、じつはまちかめぐるファンだろう?!
てなやりとりがあっただけにな。
WHITEちゃんは、
「緑野があんまり『まちかめぐる』『まちかめぐる』って言うから、アタシまでまちかめぐるしか目に入らなくなってきたよ……どうしてくれるのよ」
と、嘆いてます。いいじゃん、死なばもろともだよ。まちかめぐる、うまい人なんだから、ファンしても罰は当たらないよ? ……たぶん。
「まちかめぐる……ああ、まちかめぐる……」
WHITEちゃんはうわごとのよーに、つぶやく。
えーと。
主演は、いっぽくんだよねえ?
まちか氏以外に、感想はないんかい(笑)。
いい噂は耳に入ってこない、この公演。
わたしとしてはなんの期待もせず、「きれーな人たちを間近で見られればそれでいいや」な気分で出かけました、最前列ドセンター席。
えー、感想をひとことで言うと。
つまらなかったです……。
舞台は19世紀後半の帝政ロシア。名門貴族の子弟ドミトリー@いっぽくんの魂の安息を求めた遍歴っちゅーか、半生を描いた物語。
物語は、破綻していません。
ちゃーんとふつーに書かれている。
しかも、お貴族様で、天才で、恋があって横恋慕やら不倫があって、サロンやらパーティがあって、謀略があって反乱があって戦闘シーンがあって、友情があって家族関係云々があって、と、盛りだくさん。
よくこれだけのネタを詰め込んだよな、と思うくらいサービスたっぷり。
なのに、物語はめちゃくちゃ平板。
盛り上がるとこって、どこですか?
これだけいろんなことか起こって、いろんなシーンがあるというのに、この退屈さはなんだろう。
壊れているってわけでもないのに、大して複雑なプロットでもないのに、このすっきりしなささはなんなんだろう。
よくできているのに、ただ、退屈。
とりたてて大きな欠陥があるわけじゃないのに、つまらない。
最後まで観て、思ったよ。
で、なにがやりたかったの?
外側だけをなぞった物語、なんだと思った。
ドミトリーという「天才」の一生の物語の、あらすじだけ書いたらこうなったんだろう。
なにしろあらすじだから、内面までは触れていない。
こんなことがありました、次はこうなりました、そしてこんなことになりました。
出来事の箇条書きですね。
そりゃつまんねーわ、そんなもん。
いくらダンスや歌でつないでいっても、派手になりようがない。盛り上がるはずがない。
あらすじじゃあ。
あらすじではなく、「物語」にするためには、もっと練らなきゃだめだよ。
ドミトリーという人物を、ちゃんと書き込んでくれよ。
彼の年表を観たいわけじゃないんだ。彼の心の動きを知りたいんだ。
まず、彼が「天才詩人」であることを大きく打ち上げる。
具体的に世間様にどう影響を与えているのか、解説台詞じゃなくて「出来事」で示してくれ。
それゆえに「危険人物」として政府からマークされるんだっていう流れを打ち出してくれ。
主人公の外側の設定を、はじめに教えてくれないと、納得できないよ。
なるほど、これだけ影響力を持った人物なら、そりゃ権力者には嫌われるし、また彼に嫉妬し憎むモノも出てくるわな、と。
外側を描いたら次は内面だ。
ドミトリーがなにを悩み、なにに飢えているのかを象徴的に挿入。
そりの話は最初からやってヨシ。なにかにつけて持ち出してヨシ。テーマ部分の伏線ってのはそれくらいするもんだ。
そこまでやった上で、残った部分で「年表」をやればいいんだ。
なんか、本末転倒している気がする。
「年表」を描くのが目的で、その言い訳に主人公の内面に簡単に触れただけ、みたいな。
ストーリーが先に決まっていて、心の辻褄が合わなくてもとにかくその決まったストーリー通りに展開させなくてはならないテレビドラマみたい。
「心」の動きが書き込まれていないまま、「年表」を正しく消化し、ENDマーク出ました、みたいな退屈さ。
あー、長かった……。
どこへ向かっているのか、なにがしたいのかわからない、盛り上がりもないまま1幕が終わり「えっ、これで幕?」、2幕もそのままのテンションでまただらだら進み、そのくせラストのドミトリーの伯父@ヒロさんは「ええっ、そんな伏線どこにっ?!」の唐突な告白をしてEND。
長かったよ……。
その間、やたら目につくまちかめぐる氏。
ああ、センターで踊るまちか氏を目にする日が来ようとは。長生きはするもんですな。
とりあえず、いっぽくんはきれいでした。
とってもきれいでした。
リヤカー……じゃなくて、そのよーなものを使ってのダンスシーンはいちばん好き。
かっこいー。
……でも、この芝居は彼には荷が重すぎたと思います。
あらすじでしかない脚本をふくらますことができるほど、彼に芝居力はありません。
あてがきしてやれよ、演出家。
すばらしかったのは、またしてもチャルさんです。
いやー……すごかった……。
やンらすぃ……。
なにしろ前補助センターに坐ってましたから、わたし。
チャルさんが軍服姿で、わたしのすぐ鼻の先で女をタラシてみせてくれたときには、ずきゅんとキました(笑)。
ぐわあ、すごすぎ。シャレになんねー。
この男になら、そりゃ女は惚れるわ……。しみじみ。
マーリヤ@晴華みどりちゃんが素敵でした。堂々たるヒロインぶり。
なんでもっとちゃんと恋愛モノにしてくれないんだろうね、演出家。一代記なんぞより、どっぷり本気の恋愛モノの方が客のニーズは高いのに。
結局まともなラヴシーンひとつナシかい。
美男美女が主演してるってのにさ。
ナターリヤ@涼花リサちゃんは、とっても好みでした。
あのマンガにできそうな顔はいいなあ。わたしにでも似顔絵が描けそう。
いづるんは……あまりに地味でかなしい。
埋没してる……。
色物の方が得意だよね、いづるん。
ふつーの役をやると、埋没して見えなくなるんだよ……しょぼん。
そして、なかなかツボだった皇太子@茜ちゃんと、腐女子話をしたいので、次の欄へ続く。
…………先に観ていたWHITEちゃんから、メールが来ていた。
「まちかめぐるに、おなかいっぱい」
まちかめぐるか……。
最初にこの公演のポスターを見たのは、いつだっけか。けっこう早くに、ムラにいたときに張りだしてあるのを見た。
「かっこいいじゃん」
「壮くんきれー」
てな会話をし、
「あ、またチャルさん出てんだ。太田芝居にはチャルさん必須かな」
「てか、アモナスロも出てるから、『王家』コンビじゃん」
てな会話をし、さらに、
「他の出演者は……あ、まちかめぐる」
「まちかめぐるだー」
てな会話をし、その場を後にした。
後にしたあとで。
「で、ヒロイン誰?」
「さあ?」
「2番手は?」
「さあ?」
なにやってんですか、わたしたち!
専科さんとまちかめぐるだけしか確認しないなんて!
てかわたしたち、じつはまちかめぐるファンだろう?!
てなやりとりがあっただけにな。
WHITEちゃんは、
「緑野があんまり『まちかめぐる』『まちかめぐる』って言うから、アタシまでまちかめぐるしか目に入らなくなってきたよ……どうしてくれるのよ」
と、嘆いてます。いいじゃん、死なばもろともだよ。まちかめぐる、うまい人なんだから、ファンしても罰は当たらないよ? ……たぶん。
「まちかめぐる……ああ、まちかめぐる……」
WHITEちゃんはうわごとのよーに、つぶやく。
えーと。
主演は、いっぽくんだよねえ?
まちか氏以外に、感想はないんかい(笑)。
いい噂は耳に入ってこない、この公演。
わたしとしてはなんの期待もせず、「きれーな人たちを間近で見られればそれでいいや」な気分で出かけました、最前列ドセンター席。
えー、感想をひとことで言うと。
つまらなかったです……。
舞台は19世紀後半の帝政ロシア。名門貴族の子弟ドミトリー@いっぽくんの魂の安息を求めた遍歴っちゅーか、半生を描いた物語。
物語は、破綻していません。
ちゃーんとふつーに書かれている。
しかも、お貴族様で、天才で、恋があって横恋慕やら不倫があって、サロンやらパーティがあって、謀略があって反乱があって戦闘シーンがあって、友情があって家族関係云々があって、と、盛りだくさん。
よくこれだけのネタを詰め込んだよな、と思うくらいサービスたっぷり。
なのに、物語はめちゃくちゃ平板。
盛り上がるとこって、どこですか?
これだけいろんなことか起こって、いろんなシーンがあるというのに、この退屈さはなんだろう。
壊れているってわけでもないのに、大して複雑なプロットでもないのに、このすっきりしなささはなんなんだろう。
よくできているのに、ただ、退屈。
とりたてて大きな欠陥があるわけじゃないのに、つまらない。
最後まで観て、思ったよ。
で、なにがやりたかったの?
外側だけをなぞった物語、なんだと思った。
ドミトリーという「天才」の一生の物語の、あらすじだけ書いたらこうなったんだろう。
なにしろあらすじだから、内面までは触れていない。
こんなことがありました、次はこうなりました、そしてこんなことになりました。
出来事の箇条書きですね。
そりゃつまんねーわ、そんなもん。
いくらダンスや歌でつないでいっても、派手になりようがない。盛り上がるはずがない。
あらすじじゃあ。
あらすじではなく、「物語」にするためには、もっと練らなきゃだめだよ。
ドミトリーという人物を、ちゃんと書き込んでくれよ。
彼の年表を観たいわけじゃないんだ。彼の心の動きを知りたいんだ。
まず、彼が「天才詩人」であることを大きく打ち上げる。
具体的に世間様にどう影響を与えているのか、解説台詞じゃなくて「出来事」で示してくれ。
それゆえに「危険人物」として政府からマークされるんだっていう流れを打ち出してくれ。
主人公の外側の設定を、はじめに教えてくれないと、納得できないよ。
なるほど、これだけ影響力を持った人物なら、そりゃ権力者には嫌われるし、また彼に嫉妬し憎むモノも出てくるわな、と。
外側を描いたら次は内面だ。
ドミトリーがなにを悩み、なにに飢えているのかを象徴的に挿入。
そりの話は最初からやってヨシ。なにかにつけて持ち出してヨシ。テーマ部分の伏線ってのはそれくらいするもんだ。
そこまでやった上で、残った部分で「年表」をやればいいんだ。
なんか、本末転倒している気がする。
「年表」を描くのが目的で、その言い訳に主人公の内面に簡単に触れただけ、みたいな。
ストーリーが先に決まっていて、心の辻褄が合わなくてもとにかくその決まったストーリー通りに展開させなくてはならないテレビドラマみたい。
「心」の動きが書き込まれていないまま、「年表」を正しく消化し、ENDマーク出ました、みたいな退屈さ。
あー、長かった……。
どこへ向かっているのか、なにがしたいのかわからない、盛り上がりもないまま1幕が終わり「えっ、これで幕?」、2幕もそのままのテンションでまただらだら進み、そのくせラストのドミトリーの伯父@ヒロさんは「ええっ、そんな伏線どこにっ?!」の唐突な告白をしてEND。
長かったよ……。
その間、やたら目につくまちかめぐる氏。
ああ、センターで踊るまちか氏を目にする日が来ようとは。長生きはするもんですな。
とりあえず、いっぽくんはきれいでした。
とってもきれいでした。
リヤカー……じゃなくて、そのよーなものを使ってのダンスシーンはいちばん好き。
かっこいー。
……でも、この芝居は彼には荷が重すぎたと思います。
あらすじでしかない脚本をふくらますことができるほど、彼に芝居力はありません。
あてがきしてやれよ、演出家。
すばらしかったのは、またしてもチャルさんです。
いやー……すごかった……。
やンらすぃ……。
なにしろ前補助センターに坐ってましたから、わたし。
チャルさんが軍服姿で、わたしのすぐ鼻の先で女をタラシてみせてくれたときには、ずきゅんとキました(笑)。
ぐわあ、すごすぎ。シャレになんねー。
この男になら、そりゃ女は惚れるわ……。しみじみ。
マーリヤ@晴華みどりちゃんが素敵でした。堂々たるヒロインぶり。
なんでもっとちゃんと恋愛モノにしてくれないんだろうね、演出家。一代記なんぞより、どっぷり本気の恋愛モノの方が客のニーズは高いのに。
結局まともなラヴシーンひとつナシかい。
美男美女が主演してるってのにさ。
ナターリヤ@涼花リサちゃんは、とっても好みでした。
あのマンガにできそうな顔はいいなあ。わたしにでも似顔絵が描けそう。
いづるんは……あまりに地味でかなしい。
埋没してる……。
色物の方が得意だよね、いづるん。
ふつーの役をやると、埋没して見えなくなるんだよ……しょぼん。
そして、なかなかツボだった皇太子@茜ちゃんと、腐女子話をしたいので、次の欄へ続く。
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