咲き誇る華を愛でに。@星組新公『1914/愛』
2004年3月10日 タカラヅカ 新人公演『1914/愛』の話その2です。
サバキはそれなりにあったし、あちこちでもチケットが余っていたようで、観たい人には程良く行き渡ったんじゃないかな、というチケ事情でした。はい。
物語は主役カップル、アリスティドとアデルの爆走ぶりに、若い芸術家たちの物語を絡めて進む。主役たちはコメディ一直線、シリアスは脇が担う、という作り。
主役たちが真ん中の直線コースを雄叫び上げながら走る物語なので、主役には「吸引力」が必要不可欠。
本役のワタルくんと檀ちゃんには、他のなにが欠けていようとソレだけはあるので問題ナシ(笑)。
では、新人公演は?
ノープロブレム。ノーマンタイ。
アリスティド@レオンくんには、やはり華があります。
なにしろ「天才歌手」役で、最初っから歌いまくってくれるので、本公演からしてかなり拷問なんだけど、新公でもやはりつらかった……歌がダメダメな現星組で、どーしてこんな設定なのよ、責任者出てこい!
歌いまくるレオンくんに、気分は萎え萎え。かなりしょぼくれた気持ちで観ていたのに、気がついたら惹きつけられていた。
アデルと出会ったあとの銀橋の歌なんか、マジ感動している自分に気づく。
ええっ、歌下手っぴなのに。こんなにダメダメなのに、心が動くわ。惹きつけられるわ。
うおー。華ってのは、こーゆーものをいうんだわ。吸引力ってのは、こーゆーものをいうんだわ。
きらきらしている若いアリスティドを、素直に素敵だと思う。もちろん、本役ほどのスケールはまだないにしてもね。
ヒロイン、アデル@ウメちゃんには、やはり華があります。
かーわーいーいー。
とにかく、かわいい。
演技しているのか地なのかわかんないけど、とにかくかわいいぞ。
元気に真摯に生きてる、等身大の女の子。こんな子、今もどこかにいそうだ。東京の小さな事務所に籍だけなんとか置いて、オーディション受けまくって落ちまくって……てな。
応援したくなる、そんな女の子だ。
最後の啖呵を切るシーンも、えらくキュートだったぞ。本役の檀ちゃんがものすげーオットコマエだから、ただでさえボーイッシュなウメちゃんはさぞや漢らしく決めるのかと思いきや。……キュートでガーリッシュですか……あくまでも「女の子が気勢を上げている」ラインを崩しませんか……なるほどー。
アリスティドもアデルも若くてかわいくて、少女マンガのやうだよ……。
少女マンガが好きなわたしは、とてもときめいて観ることができたよ。
さて、このぶっちぎりな主役カップルの話の横で。
重い現実と戦うのは若き芸術家たち。
戦争を象徴とする、いちばん暗く重いパートを受け持つのが詩人アポリネール。
彼は冤罪で逮捕されたり恋人に捨てられたり戦争に行ったりと、波瀾万丈。他の画家たちとは一線を画した「大人」の雰囲気。
主役にしろ、他の画家たちにしろ、そこにあるのは「若さ」だから、アポリネールひとりががんばって「重さ」を出すべきだとわたしは思う。
「作品」を中心に考えた場合ね。
主役カップルの物語は、中央を走る太い幹。画家たちの物語は、その幹から伸びる枝に咲いた花。そしてアポリネールの物語は、幹に巻き付いた細い蔦なの。
だからこそ、詩人の人生はシリアスに重く。彼の悲しみと、それでも前へ進む強さをせつなく美しく描いてくれ。
実力派が演じてこそ。華だけしか持たない下手っぴくんには、やって欲しくない役だ。
アポリネール@彩海早矢は、破綻なく演じていたと思うよ。歌はともかくとして。とりあえず彼は、「華しか持たない下手っぴくん」ではないもんな。ただ、あまりに地味だったために、もともと本筋に絡まないだけに、さらに物語から乖離し、沈殿したよーな気がする。
さて、主役カップルの物語に絡まないといえば、画家たちもそうだ。
しかし画家役は、路線スターの役だと思うんだ。
彼らの背負う現実もまた、たしかに重く暗いものだ。しかし画家たちには重さや暗さよりも、「友情」だとか「夢」だとかを全面に押し出している。
ヒロインのアデルと同じ立場なんだよね。
つまり彼らも、きらきら輝いていないとダメなのさ。
画家たちのリーダー格、モディリアーニ役は、特に。
この役こそ、2番手男役の役だと思う。
ヒロイン・アデルのもうひとつの面を表しているわけだから。つまり、「夢を求めてあがいている」ダーク面。アデルはあの通りコメディやってるから、同じことをシリアスでやるわけだ。ちゃんと親友がいるのも同じ、ルームメイトなのも同じ。
アデルは病気になった親友のために謎の伯爵夫人に変身してコメディ路線でがんばっちゃうけど、モディリアーニは病気になった親友のために、暗くパリを去っていくのさ。
モディリアーニは、もうひとりのアデルなんだよ。そりゃ、2番手の役でしょう。そこにいるだけできらきら輝く人が演じるべきでしょう。
本役はタニちゃん。実力はさておき、華だけはある人。いるだけで、きらきら輝く人。……このキャスティングは、正しい。
そして、新人公演。
モディリアーニ@ゆかりちゃんには、やはり華があります。
ああっ、清十郎様。
美しすぎます、モディリアーニ。
眼福眼福。見ているだけでしあわせ。
スーツ姿が、どこのホストのにーちゃんですか、て感じで大変すばらしいです(笑)。
悪ぶってみたりやさぐれてみたり、だけど笑顔全開ではしゃいでいたりと、感情のつながりが大雑把なんだけど、それすら魅力に思えてしまうの……うっとり。
きれいっていいなあ。
こんなきれいな男が、男に向かって、
「こいつだけは死なせたくない……」
とか言うんですよ、ハァハァ。
すみませんわたし、本役さんより萌えてます。清十郎様のモディリアーニ……何人男を泣かしてきたんだヲイ、言ってみろよ、手玉に取ってきたんだろう、アア? 本命のユトリロには指一本触れられずに、他の男で誤魔化してきたんだろうヲラヲラ!! ……てなことを、やさしく問いただしたい気持ちです(笑)。
清十郎様を見られただけでも、新公に行った甲斐があったな……。しみじみ。
ユトリロ@しゅんくんは、丸かったっす……。
若くて丸くてかわいくて、モディリアーニが愛するにはちょいと役者不足というか……モディリアーニ、ひょっとしてショタ? と思ってしまうわ……。
スーチン@鶴美名前読めないわ舞夕くんが、ハンサムでした。おお、こんなところにもきらきらした子が!って感じ。
エドモン@凜華せらくんも、噂に違わぬ美形ですなあ。友人からいろいろ聞いていたから、カンカンのときは手に汗握ってしまった(笑)。1回こっきりの大舞台で、あれだけキメてくれるのは大したもんだ。
あと、使用人@美弥るりかちゃんが美形で目を引くよねー。
なによりすばらしかったのは、オルガ@みなみちゃん!! 感動。
あの美貌でそこまでやるか。……てか、余裕でうまい。場をかっさらってくれる快感。
彼女の歌声がもんのすげーから、コメディがコメディとして正しく成立するのよ。いやあ、いいもん見たわ、聴いたわ。
てなあたりでまた、文字数が足りない……。
サバキはそれなりにあったし、あちこちでもチケットが余っていたようで、観たい人には程良く行き渡ったんじゃないかな、というチケ事情でした。はい。
物語は主役カップル、アリスティドとアデルの爆走ぶりに、若い芸術家たちの物語を絡めて進む。主役たちはコメディ一直線、シリアスは脇が担う、という作り。
主役たちが真ん中の直線コースを雄叫び上げながら走る物語なので、主役には「吸引力」が必要不可欠。
本役のワタルくんと檀ちゃんには、他のなにが欠けていようとソレだけはあるので問題ナシ(笑)。
では、新人公演は?
ノープロブレム。ノーマンタイ。
アリスティド@レオンくんには、やはり華があります。
なにしろ「天才歌手」役で、最初っから歌いまくってくれるので、本公演からしてかなり拷問なんだけど、新公でもやはりつらかった……歌がダメダメな現星組で、どーしてこんな設定なのよ、責任者出てこい!
歌いまくるレオンくんに、気分は萎え萎え。かなりしょぼくれた気持ちで観ていたのに、気がついたら惹きつけられていた。
アデルと出会ったあとの銀橋の歌なんか、マジ感動している自分に気づく。
ええっ、歌下手っぴなのに。こんなにダメダメなのに、心が動くわ。惹きつけられるわ。
うおー。華ってのは、こーゆーものをいうんだわ。吸引力ってのは、こーゆーものをいうんだわ。
きらきらしている若いアリスティドを、素直に素敵だと思う。もちろん、本役ほどのスケールはまだないにしてもね。
ヒロイン、アデル@ウメちゃんには、やはり華があります。
かーわーいーいー。
とにかく、かわいい。
演技しているのか地なのかわかんないけど、とにかくかわいいぞ。
元気に真摯に生きてる、等身大の女の子。こんな子、今もどこかにいそうだ。東京の小さな事務所に籍だけなんとか置いて、オーディション受けまくって落ちまくって……てな。
応援したくなる、そんな女の子だ。
最後の啖呵を切るシーンも、えらくキュートだったぞ。本役の檀ちゃんがものすげーオットコマエだから、ただでさえボーイッシュなウメちゃんはさぞや漢らしく決めるのかと思いきや。……キュートでガーリッシュですか……あくまでも「女の子が気勢を上げている」ラインを崩しませんか……なるほどー。
アリスティドもアデルも若くてかわいくて、少女マンガのやうだよ……。
少女マンガが好きなわたしは、とてもときめいて観ることができたよ。
さて、このぶっちぎりな主役カップルの話の横で。
重い現実と戦うのは若き芸術家たち。
戦争を象徴とする、いちばん暗く重いパートを受け持つのが詩人アポリネール。
彼は冤罪で逮捕されたり恋人に捨てられたり戦争に行ったりと、波瀾万丈。他の画家たちとは一線を画した「大人」の雰囲気。
主役にしろ、他の画家たちにしろ、そこにあるのは「若さ」だから、アポリネールひとりががんばって「重さ」を出すべきだとわたしは思う。
「作品」を中心に考えた場合ね。
主役カップルの物語は、中央を走る太い幹。画家たちの物語は、その幹から伸びる枝に咲いた花。そしてアポリネールの物語は、幹に巻き付いた細い蔦なの。
だからこそ、詩人の人生はシリアスに重く。彼の悲しみと、それでも前へ進む強さをせつなく美しく描いてくれ。
実力派が演じてこそ。華だけしか持たない下手っぴくんには、やって欲しくない役だ。
アポリネール@彩海早矢は、破綻なく演じていたと思うよ。歌はともかくとして。とりあえず彼は、「華しか持たない下手っぴくん」ではないもんな。ただ、あまりに地味だったために、もともと本筋に絡まないだけに、さらに物語から乖離し、沈殿したよーな気がする。
さて、主役カップルの物語に絡まないといえば、画家たちもそうだ。
しかし画家役は、路線スターの役だと思うんだ。
彼らの背負う現実もまた、たしかに重く暗いものだ。しかし画家たちには重さや暗さよりも、「友情」だとか「夢」だとかを全面に押し出している。
ヒロインのアデルと同じ立場なんだよね。
つまり彼らも、きらきら輝いていないとダメなのさ。
画家たちのリーダー格、モディリアーニ役は、特に。
この役こそ、2番手男役の役だと思う。
ヒロイン・アデルのもうひとつの面を表しているわけだから。つまり、「夢を求めてあがいている」ダーク面。アデルはあの通りコメディやってるから、同じことをシリアスでやるわけだ。ちゃんと親友がいるのも同じ、ルームメイトなのも同じ。
アデルは病気になった親友のために謎の伯爵夫人に変身してコメディ路線でがんばっちゃうけど、モディリアーニは病気になった親友のために、暗くパリを去っていくのさ。
モディリアーニは、もうひとりのアデルなんだよ。そりゃ、2番手の役でしょう。そこにいるだけできらきら輝く人が演じるべきでしょう。
本役はタニちゃん。実力はさておき、華だけはある人。いるだけで、きらきら輝く人。……このキャスティングは、正しい。
そして、新人公演。
モディリアーニ@ゆかりちゃんには、やはり華があります。
ああっ、清十郎様。
美しすぎます、モディリアーニ。
眼福眼福。見ているだけでしあわせ。
スーツ姿が、どこのホストのにーちゃんですか、て感じで大変すばらしいです(笑)。
悪ぶってみたりやさぐれてみたり、だけど笑顔全開ではしゃいでいたりと、感情のつながりが大雑把なんだけど、それすら魅力に思えてしまうの……うっとり。
きれいっていいなあ。
こんなきれいな男が、男に向かって、
「こいつだけは死なせたくない……」
とか言うんですよ、ハァハァ。
すみませんわたし、本役さんより萌えてます。清十郎様のモディリアーニ……何人男を泣かしてきたんだヲイ、言ってみろよ、手玉に取ってきたんだろう、アア? 本命のユトリロには指一本触れられずに、他の男で誤魔化してきたんだろうヲラヲラ!! ……てなことを、やさしく問いただしたい気持ちです(笑)。
清十郎様を見られただけでも、新公に行った甲斐があったな……。しみじみ。
ユトリロ@しゅんくんは、丸かったっす……。
若くて丸くてかわいくて、モディリアーニが愛するにはちょいと役者不足というか……モディリアーニ、ひょっとしてショタ? と思ってしまうわ……。
スーチン@鶴美名前読めないわ舞夕くんが、ハンサムでした。おお、こんなところにもきらきらした子が!って感じ。
エドモン@凜華せらくんも、噂に違わぬ美形ですなあ。友人からいろいろ聞いていたから、カンカンのときは手に汗握ってしまった(笑)。1回こっきりの大舞台で、あれだけキメてくれるのは大したもんだ。
あと、使用人@美弥るりかちゃんが美形で目を引くよねー。
なによりすばらしかったのは、オルガ@みなみちゃん!! 感動。
あの美貌でそこまでやるか。……てか、余裕でうまい。場をかっさらってくれる快感。
彼女の歌声がもんのすげーから、コメディがコメディとして正しく成立するのよ。いやあ、いいもん見たわ、聴いたわ。
てなあたりでまた、文字数が足りない……。
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