スクリーンで歌い踊る春野寿美礼を見た。見てしまった……。

 ええ、VISAの新CMが流れたんですよ……よりによって、ナビオTOHOプレックスのシアター1で見ちゃったんですよ……スクリーン巨大ですよ……。

 CMの新バージョンが放映されてることは、知ってたよ。でもまだ見たことなかったんだよね。
 まさか、最初に見るのが巨大スクリーンとは……。
 しかしVISAグループ、よりによって映画館でアレを流さなくてもいいだろうに。一般人は引くよ、絶対。
 ファンでも引くのに。

 それでも。

 身の置きどころもなく恥ずかしいモノを見せられたっちゅーのに。
 やっぱり春野寿美礼はいいなあ、と思う、1ファンなのでありました。

          ☆

 春野寿美礼はともかく。

 『ペイチェック 消された記憶』を見てきました。
 監督ジョン・ウー、出演ベン・アフレック、ユマ・サーマン。

 天才エンジニアのマイケル@ベン・アフレックは記憶を失った。
 とゆーのも、商売のうち。彼は自分の関わった極秘仕事の記憶を消して、報酬(ペイチェック)を得ている、ある意味身売りしてるよなコイツ、という男。
 しかし今回はどうもおかしい。億万長者になれるはずだったのに、彼に残されたのは19個のガラクタだけ。しかも、FBIには追いかけ回されるわ、殺し屋たちには狙われるわ、もう大変。
 彼が「報酬」を受け取るために「消した記憶」にはなにがあったのか。過去の彼が、現在の彼に送ったメッセージ、19個のガラクタはなにを意味しているのか。


 えー、主人公のマイケルは、コンピュータ・エンジニアです。「技術者」です。

 技術者に必要なこと。

 まず、体力。
 ムキムキのマッチョであることが好ましい。
 次に、戦闘力。
 格闘技の達人であることが必要。
 さらに、運転技術。
 カーチェイスで複数の車をぶっちぎれる腕前は標準装備。

 マイケルの恋人、レイチェルは博士、「植物学者」です。

 学者に必要なこと。

 まず、体力。
 脂肪など一切ない、実用的な筋肉を備えること。
 次に、戦闘力。
 屈強な男たちを蹴り一発でぶっとばせることが必要。
 さらに、運転技術。
 実験用機械をリモコンひとつで操作、何十人もの敵を一掃する腕前は標準装備。

 ……とまあ、ものすっげー説得力あふれる技術者と学者のカップルが大暴れしてました。

 フィリップ・K・ディック原作の近未来映画らしいんだけど、「近未来」だとはまったく思えなかった。どっから見ても現代じゃん……街並みも服装もセンスも。記憶を操作できるのがふつーになっているみたいだが、それくらいか、現代とチガウ部分って。
 あとは、十分現代で通用するよー。

 記憶を任意に消去できるのはいいが、何故かその記憶が全部「三人称」なのが気になってしょーがなかった(笑)。
 マイケルの見てきた世界、経験した記憶をモニタに映しながら「ここは消去するね」とかやってるんだけど、そこには全部マイケルが映ってるの。
 マイケルの記憶なら、彼の目線であるべきでしょ? なんで神の視点でマイケルが映ってるの? マイケルひとりしかいない部屋のシーンとかで、彼が映ってるのよ? 変だよー。

 とゆーことを皮切りに、あちこちツッコミ満載(笑)。

 それでもたのしく見ました。
 謎の19個のアイテムが、どう使われるのか、パズルを見ている感覚で。
 ひとつずつはただのガラクタなのに、そのシーンそのシチュエーションにぴたりとハマって役に立つんだよね。
 失われた3年分の記憶を逆からたどっていく展開は、お約束がいっぱいでとてもスリリング。

 ストーリーの流れを愉しむものなので、細かいことにはこだわるべきじゃないんだろう。
 ええ、ツッコミなんて入れちゃだめなのよー。入れたくて入れたくてうずうずしちゃうけど!(笑)

 できれば主役はもっと、「技術者」に見える人が、「技術者らしい戦い方」をして欲しかったわ。
 あんな分厚い体格のアタマわるそーな体育会系にーちゃん(失礼)がコンピュータ・エンジニアっつーのもねえ……ばりばり肉弾戦して、棒術で戦っちゃったりするし。
 いやわたし、ベンくん好きなんだけどね(笑)。

 「失うことがわかっている記憶」のなかで恋をする、という設定はとても好みなのでそのあたりに期待したんたけど、とにかくはてしなく体育会系の物語だったので、恋愛とか精神的なことは一切描かれてなかった。ひたすらアクションと謎解きに終始した娯楽作品。
 伏線きれいにひろって、気持ちよくフィニッシュしてくれたんで、数々のツッコミを心に秘めつつもたのしく映画館をあとにすることができたから、それでいいや。

   

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