彼を愛せるかどうかで。@トロイ
2004年5月26日 映画
いやあ、なにがショックだったかって、この映画を見てなにを連想したか、だよ。
歴史大作『トロイ』。
古代ギリシアで起こったトロイ戦争を描いた作品。
監督ウォルフガング・ペーターゼン、出演ブラッド・ピット、オーランド・ブルーム、ブライアン・コックス、エリック・バナ。
映画を実際に見るまで、そんなことになるとは思ってもみなかった。
なにも考えず、予備知識もなく、いつもの映画館の座席に坐って、そして、おどろいた。
パリスだとかヘレンだとかいうと、わたしは『イブの息子たち』を連想してしまうんだ。
『イブの息子たち』?!
ちょっと待ってよ、なんでそんなもんを??
今の今まで、忘れてたよ、そんなタイトル。
なのに何故、よりによって『イブの息子たち』なの。
そして、いったん思い出すと次々記憶はよみがえってきて、アタマの中を3人の人騒がせ男たちが走り回り、ニジンスキーが眉間に縦じわよせてチュチュで踊ってるよ……「ヒース、わたしを見て……」。
ああああ。
こんなはずではなかった……何故、『イブの息子たち』……。がっくり。
とまあ、映画本編とは関係ないところで萎えておりましたが。
それでも3時間、たのしみました。
歴史巨編なんてものに、多大な期待はしておりません。退屈なんじゃないかとか、そっちの心配をするくらいだ。
予告編ではアキレス@ブラピとパリス@オーランド・ブルームばかりが取り上げられていたけれど、コレ、オーリー目当てで見に行ってはならんのでは……?
主役は、アキレス@ブラピとヘクトル@エリック・バナでした。
てか。
萌えるんですけど、アキレスとヘクトル(笑)。どっちが受かは悩みどころですが(笑)。
大昔の出来事。
ギリシャのスパルタの王妃ヘレン@ダイアン・クルーガーと、トロイのパリス王子は禁断の恋に落ち、なーんとかけおちしてしまった。不倫はそりゃまずいだろう。かけおちはもっとまずいだろう。
ふたりの無謀な愛が原因で、ギリシャVSトロイの戦争がはじまった。ギリシャ軍の問題児、超絶強いけど傲岸不遜の戦士アキレスは、いつもの命令無視で突っ走り、トロイのアポロン神殿で運命の出会いをする。アキレスの運命の出会いは、トロイのヘクトル王子相手だった……とわたしは思うが、いちおー建前として、神殿に仕える王族の娘(名前忘れた)と出会い、彼もまた恋に落ちるわけですなー。
個人の事情からはじまって、個人の事情なんか置き去りに怒濤の流れが人間たちを翻弄する、壮大な戦いの物語。
なにしろ歴史物なんで、エンタメ性なんぞあまり期待せずにいたんだが。
見ていて感心したのは、ヒーロー・アキレスの描き方。
あ、ちゃんとエンタメなんだ、と思った。
アキレスは天才型の男なんで、観客の感情移入はむずかしい。むしろ凡人たる観客は、実直なヘクトルの方に感情移入するだろう。それでもアキレスをヒーローとして主役として描くならば、彼のキャラを立てなければならない。
最初は「ふーん」程度の気持ちでいたのに、見ているうちにどんどんアキレスが魅力的に思えてきた。ブラピだとか彼の脱ぎっぷりのよさだとか、カラダのラインの美しさだとか(笑)、そーゆーこととは関係なく、アキレス個人がいい男に見えてくる。
この荒ぶる魂をもてあましたよーな男が、いとしい戦士に思えてくる。
アキレスを好きになれるかどうかで、この作品への感情は変わってくるだろう。
わたしは彼を好きだと思えたので、たのしめたんだな。
ヘクトルは、いい男過ぎ(笑)。
アキレスが険のあるキャラな分、観客のハートを掴む意味ではヘクトルがひとり勝ちしている気がする。
アキレスが天才型なら、ヘクトルは努力型の秀才って感じなんだよなー。常識の範囲内で誠実に生きる有能な男。「神を敬い、妻を愛し、国を守る」だっけか。彼のとてもシンプルな信条。素直に「いい」と思うよ。こーゆー男は好き。
こういう努力型の男がこつこつ築いてきたモノを、天才型の男に一刀両断されるのが物語のお約束ってやつだけど……わかっていてもせつないなあ(笑)。
まあ、いつの時代も長男は大変、ってことで。
パリスはあんなもんかと。あの役は、ある意味むずかしいよねえ。あれだけ最低ヘタレ野郎であっても、「憎まれない」キャラが必要。……ヅカでいうと、タニちゃんあたりがやるといいのでは(笑)。
狭い世界で大切に育てられた青年なんだってことが、よくわかるよ。理想と現実がイコールでない、ある意味リアルな存在。
それでも愛されている、ある意味とてもファンタジーな存在。
原作が先にあるからか、たくさんいるキャラクタたちの描き方はとても薄くて、もったいないことしきり。
てゆーか、パリスとヘレンはあれでいいのか。戦争起こっちゃってるんだけど、それに対する彼らの立ち位置っていうか、トロイでの反応はどうなのよとか、いろいろつっこみはある。
ギリシャ側にしても、なんかいろいろキャラはいるわりに、ちゃんと描かれていないというか。
神を信じて行動したことがすべて裏目に出る展開は、なにか含むところがあるのかとか。
主題が絞り切れていない散漫さとか、パリスとヘレンの愛なんぞに時間かけるヒマがあったら他に描くことがあるだろう(笑)とか、クライマックスが消化不良っていうかもっと他に描き方あったんじゃないのとか、ほんとにもー、言いたいことは尽きない。
それでも、終わってみれば、駆け抜ける獅子アキレスの黄金のたてがみや、愛しそうに子どもを抱くヘクトルの姿に満足しているんだな、これが。
アキレスという男を理解した上で2回目を見れば、きっともっとたのしいだろうなと思う。……つか、わかりにくすぎるんだ、この男。
ついでに、アキレス×ヘクトルだと思って見れば、さらにたのしいだろう。(日記を書いているうちに、ヘクトルが受だと答えが出たらしい・笑)
肉体的とゆーか、出来事的(つまり、ヤるとすればだ)にはアキレス×ヘクトルで、精神的には逆でよろしく。
しかし、エリック・バナがあんなにいい男だとは……お笑い『ハルク』からは想像もつかなかったよ……。
歴史大作『トロイ』。
古代ギリシアで起こったトロイ戦争を描いた作品。
監督ウォルフガング・ペーターゼン、出演ブラッド・ピット、オーランド・ブルーム、ブライアン・コックス、エリック・バナ。
映画を実際に見るまで、そんなことになるとは思ってもみなかった。
なにも考えず、予備知識もなく、いつもの映画館の座席に坐って、そして、おどろいた。
パリスだとかヘレンだとかいうと、わたしは『イブの息子たち』を連想してしまうんだ。
『イブの息子たち』?!
ちょっと待ってよ、なんでそんなもんを??
今の今まで、忘れてたよ、そんなタイトル。
なのに何故、よりによって『イブの息子たち』なの。
そして、いったん思い出すと次々記憶はよみがえってきて、アタマの中を3人の人騒がせ男たちが走り回り、ニジンスキーが眉間に縦じわよせてチュチュで踊ってるよ……「ヒース、わたしを見て……」。
ああああ。
こんなはずではなかった……何故、『イブの息子たち』……。がっくり。
とまあ、映画本編とは関係ないところで萎えておりましたが。
それでも3時間、たのしみました。
歴史巨編なんてものに、多大な期待はしておりません。退屈なんじゃないかとか、そっちの心配をするくらいだ。
予告編ではアキレス@ブラピとパリス@オーランド・ブルームばかりが取り上げられていたけれど、コレ、オーリー目当てで見に行ってはならんのでは……?
主役は、アキレス@ブラピとヘクトル@エリック・バナでした。
てか。
萌えるんですけど、アキレスとヘクトル(笑)。どっちが受かは悩みどころですが(笑)。
大昔の出来事。
ギリシャのスパルタの王妃ヘレン@ダイアン・クルーガーと、トロイのパリス王子は禁断の恋に落ち、なーんとかけおちしてしまった。不倫はそりゃまずいだろう。かけおちはもっとまずいだろう。
ふたりの無謀な愛が原因で、ギリシャVSトロイの戦争がはじまった。ギリシャ軍の問題児、超絶強いけど傲岸不遜の戦士アキレスは、いつもの命令無視で突っ走り、トロイのアポロン神殿で運命の出会いをする。アキレスの運命の出会いは、トロイのヘクトル王子相手だった……とわたしは思うが、いちおー建前として、神殿に仕える王族の娘(名前忘れた)と出会い、彼もまた恋に落ちるわけですなー。
個人の事情からはじまって、個人の事情なんか置き去りに怒濤の流れが人間たちを翻弄する、壮大な戦いの物語。
なにしろ歴史物なんで、エンタメ性なんぞあまり期待せずにいたんだが。
見ていて感心したのは、ヒーロー・アキレスの描き方。
あ、ちゃんとエンタメなんだ、と思った。
アキレスは天才型の男なんで、観客の感情移入はむずかしい。むしろ凡人たる観客は、実直なヘクトルの方に感情移入するだろう。それでもアキレスをヒーローとして主役として描くならば、彼のキャラを立てなければならない。
最初は「ふーん」程度の気持ちでいたのに、見ているうちにどんどんアキレスが魅力的に思えてきた。ブラピだとか彼の脱ぎっぷりのよさだとか、カラダのラインの美しさだとか(笑)、そーゆーこととは関係なく、アキレス個人がいい男に見えてくる。
この荒ぶる魂をもてあましたよーな男が、いとしい戦士に思えてくる。
アキレスを好きになれるかどうかで、この作品への感情は変わってくるだろう。
わたしは彼を好きだと思えたので、たのしめたんだな。
ヘクトルは、いい男過ぎ(笑)。
アキレスが険のあるキャラな分、観客のハートを掴む意味ではヘクトルがひとり勝ちしている気がする。
アキレスが天才型なら、ヘクトルは努力型の秀才って感じなんだよなー。常識の範囲内で誠実に生きる有能な男。「神を敬い、妻を愛し、国を守る」だっけか。彼のとてもシンプルな信条。素直に「いい」と思うよ。こーゆー男は好き。
こういう努力型の男がこつこつ築いてきたモノを、天才型の男に一刀両断されるのが物語のお約束ってやつだけど……わかっていてもせつないなあ(笑)。
まあ、いつの時代も長男は大変、ってことで。
パリスはあんなもんかと。あの役は、ある意味むずかしいよねえ。あれだけ最低ヘタレ野郎であっても、「憎まれない」キャラが必要。……ヅカでいうと、タニちゃんあたりがやるといいのでは(笑)。
狭い世界で大切に育てられた青年なんだってことが、よくわかるよ。理想と現実がイコールでない、ある意味リアルな存在。
それでも愛されている、ある意味とてもファンタジーな存在。
原作が先にあるからか、たくさんいるキャラクタたちの描き方はとても薄くて、もったいないことしきり。
てゆーか、パリスとヘレンはあれでいいのか。戦争起こっちゃってるんだけど、それに対する彼らの立ち位置っていうか、トロイでの反応はどうなのよとか、いろいろつっこみはある。
ギリシャ側にしても、なんかいろいろキャラはいるわりに、ちゃんと描かれていないというか。
神を信じて行動したことがすべて裏目に出る展開は、なにか含むところがあるのかとか。
主題が絞り切れていない散漫さとか、パリスとヘレンの愛なんぞに時間かけるヒマがあったら他に描くことがあるだろう(笑)とか、クライマックスが消化不良っていうかもっと他に描き方あったんじゃないのとか、ほんとにもー、言いたいことは尽きない。
それでも、終わってみれば、駆け抜ける獅子アキレスの黄金のたてがみや、愛しそうに子どもを抱くヘクトルの姿に満足しているんだな、これが。
アキレスという男を理解した上で2回目を見れば、きっともっとたのしいだろうなと思う。……つか、わかりにくすぎるんだ、この男。
ついでに、アキレス×ヘクトルだと思って見れば、さらにたのしいだろう。(日記を書いているうちに、ヘクトルが受だと答えが出たらしい・笑)
肉体的とゆーか、出来事的(つまり、ヤるとすればだ)にはアキレス×ヘクトルで、精神的には逆でよろしく。
しかし、エリック・バナがあんなにいい男だとは……お笑い『ハルク』からは想像もつかなかったよ……。
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