仲良し母娘。

2004年5月27日 家族
 母が杏仁豆腐を持ってきてくれた。
 ありがとう、ママ。
 笑顔で受け取ったのに、母は帰ろうとしない。

「早く食べてよ。どれくらいで食べ終わる?」

 え? 今、食べなきゃなんないの? べつに今おなかすいてないんだけど……。

「ここで待ってるから、今すぐ食べて」

 ここでって……パソコンの前に坐っている、わたしの後ろ?

「その杏仁豆腐が入っている器が、どーしてもいるのよ。アタシもがんばって食べたんだけど、もう限界だから、アンタ残り食べて、器を空けて」

 ママ……。

 あなたは、かわいい娘に杏仁豆腐を持ってきてくれたのではなく、器を空けるために利用しようとして、来たのですね……!!

「だから、その器がいるのよ。いくらさがしても、その器ほどちょうどいいカタチと大きさはないんだもの。アタシは……」

 うわ。
 母の必殺技「自分語り」がはじまった。
 世界でいちばん忙しく(なんせシングルのトイレットペーパーを使う時間もないほど!)、運命論者の母は、5秒以上会話に空白が空くと、自動的に「自分語り」をはじめる癖がある。もしくは、隙を見せるとすぐに「自分語り」をはじめる。

 そしてわたしは、母の「自分語り」が大嫌いだ。てゆーか、聞き飽きた。
 はいはい、ママは非凡、ママは特別、ママは宇宙一よ。だからお願い、語らないで。ママがどんなにすばらしい人かは、もう聞き飽きたから。

 背後で監視されながら、たまたまそばにあったお茶用のスプーン(粉末茶をカップに入れるために置いてあった)で杏仁豆腐をかきこむ。
 味? そんなもん、感じている場合ではない。
 後ろで、仁王立ちしてるのよ、ママ!
 食べるまで見張ってるのよ!

 わあ〜〜ん。

 
 はい、どうぞ、ご所望の器です。
 シロップまではとても飲めません。具だけ食べたから、もう許して。

 わたしが差し出した器を持って、母はまだなにかしら語りながら去っていった。

 台風一過。
 満腹時の甘いモノ+早食いはきつい……。

     

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