わたしはあなたの人魚になりたい。@ビッグ・フィッシュ
2004年6月25日 映画
美しい物語を見た。
ストーリー自体は目新しいものじゃない。むしろかなりお約束。展開もオチも全部読める。
だからこれは、ストーリーをたのしむものではないんだな。
うつくしいものを見よう。
ありえない、と笑う前に。
うつくしいものを見よう。
『ビッグ・フィッシュ』、監督ティム・バートン、出演ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー。
エドワード@アルバート・フィニー(若いころはユアン・マクレガー)は語る。彼が出会ってきたさまざまなことを。魔女や巨人、そして村の伝説だった“大きな魚”のこと、不思議な村、サーカスでの生活、運命の恋。彼の物語はとてつもなくロマンチック。
だけど彼の息子@ビリー・クラダップは信じない。嘘つきの父と理解し合えないままでいる。
父の余命がわずかになったとき、息子は父に「真実」を求めるが……。
万人に受ける映画ではないと思う。なんせありがち類型的。お約束のオンパレード。たんたんと同じテンションで短いエピソードが流れ、盛り上がりもなにもあったもんじゃない。
ツボに合うかどうか。琴線に触れるかどうか。それだけにかかっている。
わたしはツボりまくりだった。
全編、泣きっぱなし。
いいんだよ、もう。美しいんだから。
美しいもの、ありえないもの、わたしの魂はもう汚れていて、決して自分では見ることはできないものを、こんなに遠くから憧憬に胸を焦がしながら眺めている。
わたしは大人になってしまったウエンディで、もうピーターパンに会うことはできないの。そこにいても、見えないの。そして、見えないんだということを知っているの。
いっそ知らなければ、幸福でいられたのに。
今、痛みを抱きしめる。
うつくしい物語を見た。
息絶えようとする父親の枕元で、息子が語る父の最期。
そのうつくしさ。
たぶん、忘れられないシーンになる。あのうつくしさはわたしの中で発酵し、わたしの血肉の一部になる。
映画を見ていると、ときどきあるよね。
ツボに入りまくって、そのシーンだけ忘れられなくなるの。なにがどうじゃなく、ふと思い出してだーだー泣いちゃうよーな。
わたしは泣くのが得意だから、いつでもどこでも1・2・3、ハイ、で泣き出せるんだが、そーゆーときに思い出すシーンになると思う。『ビッグ・フィッシュ』の父と子の湖のシーンは。
映像というすばらしさを思う。
映像には、映像でしか表現できないものってあるよね。
わたしは「〜〜でなければならない」ものが好き。代用の利くものは尊敬できない。
この映画の映像の力を素直に感嘆するよ。文字や台詞で語るすべを持たない映像の饒舌さ。
うつくしい物語を見たよ。
陳腐なんだけどね。ストーリーなんか、最初から全部予想がつくよ。思った通りにすすんで、思った通りのオチで、なにも裏切られずに終わってしまうよ。
だけどそれは、うつくしいんだ。
とてつもなく、美しい物語なんだ。
そして。
このうつくしい物語を、うつくしいと思える自分でよかったと思うんだ。
ストーリー自体は目新しいものじゃない。むしろかなりお約束。展開もオチも全部読める。
だからこれは、ストーリーをたのしむものではないんだな。
うつくしいものを見よう。
ありえない、と笑う前に。
うつくしいものを見よう。
『ビッグ・フィッシュ』、監督ティム・バートン、出演ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー。
エドワード@アルバート・フィニー(若いころはユアン・マクレガー)は語る。彼が出会ってきたさまざまなことを。魔女や巨人、そして村の伝説だった“大きな魚”のこと、不思議な村、サーカスでの生活、運命の恋。彼の物語はとてつもなくロマンチック。
だけど彼の息子@ビリー・クラダップは信じない。嘘つきの父と理解し合えないままでいる。
父の余命がわずかになったとき、息子は父に「真実」を求めるが……。
万人に受ける映画ではないと思う。なんせありがち類型的。お約束のオンパレード。たんたんと同じテンションで短いエピソードが流れ、盛り上がりもなにもあったもんじゃない。
ツボに合うかどうか。琴線に触れるかどうか。それだけにかかっている。
わたしはツボりまくりだった。
全編、泣きっぱなし。
いいんだよ、もう。美しいんだから。
美しいもの、ありえないもの、わたしの魂はもう汚れていて、決して自分では見ることはできないものを、こんなに遠くから憧憬に胸を焦がしながら眺めている。
わたしは大人になってしまったウエンディで、もうピーターパンに会うことはできないの。そこにいても、見えないの。そして、見えないんだということを知っているの。
いっそ知らなければ、幸福でいられたのに。
今、痛みを抱きしめる。
うつくしい物語を見た。
息絶えようとする父親の枕元で、息子が語る父の最期。
そのうつくしさ。
たぶん、忘れられないシーンになる。あのうつくしさはわたしの中で発酵し、わたしの血肉の一部になる。
映画を見ていると、ときどきあるよね。
ツボに入りまくって、そのシーンだけ忘れられなくなるの。なにがどうじゃなく、ふと思い出してだーだー泣いちゃうよーな。
わたしは泣くのが得意だから、いつでもどこでも1・2・3、ハイ、で泣き出せるんだが、そーゆーときに思い出すシーンになると思う。『ビッグ・フィッシュ』の父と子の湖のシーンは。
映像というすばらしさを思う。
映像には、映像でしか表現できないものってあるよね。
わたしは「〜〜でなければならない」ものが好き。代用の利くものは尊敬できない。
この映画の映像の力を素直に感嘆するよ。文字や台詞で語るすべを持たない映像の饒舌さ。
うつくしい物語を見たよ。
陳腐なんだけどね。ストーリーなんか、最初から全部予想がつくよ。思った通りにすすんで、思った通りのオチで、なにも裏切られずに終わってしまうよ。
だけどそれは、うつくしいんだ。
とてつもなく、美しい物語なんだ。
そして。
このうつくしい物語を、うつくしいと思える自分でよかったと思うんだ。
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