月組公演『飛鳥夕映え』『タカラヅカ絢爛?』を観てきました。
 
 えー、まず、『飛鳥夕映え』の感想いきます。
 思ったことを順番に箇条書きしていいですか。

・さえちゃん、歌下手っ(笑)。歌からはじまる演出のすごさに脱帽。
・ゆーひくん、その顔は……。い、いつかきれいに見える日もくるんだよね(祈)。
・のぞみちゃん熱演。なんてくどい芸風(笑)。
・熟女ブーム?? 若いきれーな男の子は、みんな熟女に惚れて取り合うの? 不思議なキャスティング。
・カシゲの歌がめーっちゃうまく聞こえる……てゆーか、唯一無二? すげえやかっしー、星のときといい、このまま歌手昇格だ!(まちがってる)
・越リュウさま、それだけですか? それだけなんですか?!
・で、嘉月さんは誰とデキてたんですか? さえちゃん? あさこ?(役名で言えよ)
・……おもしろくない……ものすっげーおもしろくない……つか退屈……ねむい……どうしよう……。
・あ、終わっちゃった。

 とりあえず、途方に暮れました。わたし的に。
 なにがどうというより、ただひたすら、つまらなくて。

 えー、あらすじは「蘇我入鹿」、というだけでOKだよね? とゆー有名人の半生。
 蘇我鞍作(入鹿)@さえちゃんは、瑪瑙@くらりんとラブラブで、藤原鎌足@あさこ、軽皇子@カシゲ、蘇我石川麻呂@ゆうひたちとお友だち。
 でも結果、友だちのはずだった鎌足に討たれちゃうんだよーん。とな。

 
 なんなんだろう、これは。
 どうしてこんなことになっちゃってるんだろう。
 わたしのアタマが悪いせいなのか、ここまでつまんないのって。
 どれくらいつまんないかっちゅーとホレ、『春麗がどーしたこーした』とかゆー変な日本物があったじゃないですか。アレくらいつまらんかったです。ただし、アレのよーにぶっ壊れているわけでもありません。
 ストーリーラインはまちがってません。『春麗…』ほどまちがえるのはすでに才能だからな。アレと比べては失礼だろうけど、骨組みまちがってなくても、つまらないのはどっこいどっこい。はあぁぁ。

 予備知識を好まないので、誰がなんの役とか、どんな話だとか、まったく知らないままに観ました。つっても、長く日本人やってるんで、この時代に関する最低限の知識はあります。歴史の流れや人物も大体わかってます。山背といえば「ああ、聖徳太子の息子ね」とか「母親は蘇我氏の娘よね」とか、飛鳥の石舞台は馬子の墓って言われてるわねえ、とか、飛鳥の資料館のロッカーではいろいろオイシイ思いをしたわねえとか、地元ならではの感想や知識も混じってますが。
 関西育ちで寺社仏閣だのを好きなら、まーふつーにのーみそに入ってるだろう程度の知識で、観ました。
 だからたぶん、バックグラウンドの無知が災いしたとは、思えんのですわ。わたしが勉強不足だからおもしろくなかったっちゅーわけでもないと思うのよ。てゆーか勉強しなきゃおもしろく観られないもんなんか、エンタメじゃないやい。

 ああ、溜息。
 
 この物語をどーやったら、おもしろく盛り上げることができるのかを考え込みながら観てしまった……。

 言えることはただひとつだと思う。

 キャラをしぼれ。

 書かなきゃいけない「歴史」がどっしりあって、それについての説明をしなきゃならない。1時間半のエンタメ作品で、このしばりは大きい。時代や舞台、登場人物の立場や考え方、人間関係、それらを説明するだけでも大変だってば。
 そしてこれはタカラヅカだから、主人公に「恋愛」させなきゃならない。
 ……ふつーなら、これでいっぱいいっぱいでしょう。これらの要因を正しく計算して起承転結これでもかと盛り上げてカタルシスを迎える。というだけでも、きちんと作りきったら拍手喝采、それくらい難しいさ。
 なのに。
 ふつーでも難しいっちゅーに、そのうえ「どーでもいい役」を無理矢理「重要な役」に押し上げる作業をしている。
 散漫になり、あらすじを追うだけで精一杯、つまんない睡眠薬効果満載の作品になった原因は、ここにあると思う。

 ポイントしぼって書き直してくれ……。
 鞍作と瑪瑙、そして鎌足の物語に。

 鞍作がなに考えてるどーゆー人なのかさっぱりわからなかったし、鎌足はただの小狡い小悪党、薄っぺらぺらのつまらん男にしか見えなかった。瑪瑙はただのおバカちゃん。のーみそのなかはピンクなことだけでいっぱい。

 ……なんか、この間観た『ジャワの踊り子』とかぶるんですが……。
 周囲の者たちが口をそろえて鞍作(アディナン)を素晴らしいと褒め称えるけど、どこがすごいのかさっぱりわからない色ボケおバカさんに見えたし、純粋無垢のヒロインは「アタシ。それからアタシのダーリン(はぁと)」だけでのーみそができあがっているよーなハムスター並みの人格しか持たないよーに見えたし、鎌足(タムロン)は小市民気質の「俺様の損得だけがいちばん大事」の虫ケラ野郎。

 でもわたし、『ジャワの踊り子』は好きだったわ。だってアレ、笑うためにある作品でしょう? 『真珠夫人』とか『牡丹と薔薇』とか『冬のソナタ』とかと同じ、観客にツッコミと笑いを提供してくれる意図で作られた物語でしょう?
 あれくらい開き直って、バカな話を大真面目にあっけらかんとやってくれたら、微笑ましいわ。わたし、『真珠夫人』も『ぼた薔薇』も『冬ソナ』も、ちゃーんと大爆笑しながら本放送時に全話見ましたことよ。好きなのよ、あーゆーバカメロドラマ。エンタメに徹したスタンスが好き。

 『ジャワの踊り子』はたのしかったのに、『飛鳥夕映え』がダメなのって……やっぱり、スタンスのちがい? 『ジャワ』は笑えるけど、『飛鳥』は笑えないんだもの。ただ退屈なだけ。

 ひたすら散漫なんだよなあ。
 鞍作と瑪瑙と鎌足だけをじっくりねっとり書き込んで、完全に3人の物語にしちゃえばよかったのに。
 それでも、なんせ歴史物なんで登場人物は多いし、見せ場も作れるから、人海戦術のタカラヅカらしく作れたろーになー。
 軽皇子も蘇我石川麻呂も、ふつーに脇役としてオイシイ役程度で十分だったよ。持ち上げる必要のない役だ。つか、真ん中に彼らのエピソードは邪魔。鎌足に託すことができる程度の存在意義やエピソードを割り振るから、失敗する。

 役替わりって、誰が発案したんですか。
 作品壊すくらいなら、やめようよ、そんなアホなこと。

 今までも役替わりはいろいろあったけど、作品壊すような「しばり」として役をねつ造しなかったよねえ?
 

 作品がこのままとしても、せめて役替わりがなければ、回を重ねるうちに役者の演技が深くなるかなと思えるけど……今回はそれも期待できないんだもんなー。
 がっくり。
 それでもわたし、役替わりは全部観るわ……オタクだもん。
 こうやってチケットを売るための役替わり……作品壊しても、チケット売る方がいいんだ……いい作品だからチケットが自然に売れる、ということは考えないんだ……。

 なんか、誠実さに欠けるよなあ……。

 
 文字数残り少ないんで、翌日欄につづく。

    

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