充実スケジュール。@スサノオ
2004年7月1日 タカラヅカ 毎月1日は、映画の日です。大抵の映画は、1000円で観られます。
ってことで、本日のわたしの予算は3500円。
3500円で、『スサノオ』と映画2本観るのー。
東宝の立ち見は、たった1500円なんですよ。そして、立ち位置が指定済みなんで争奪戦もしなくていいし、取られる心配なく席をはずせるし、後ろに人が立たないから圧迫感もないし。いいことずくめ。
しかもムラとちがって都会の真ん中だから、朝から並びに行ってもいくらでもつぶしがきく。
ハンパな席に高い金を出すより、立ち見の方がはるかに好き。とくに『スサノオ』は2階席の方がおいしいし、何度も観ているし。
朝10時に劇場到着、立ち見のセンターブロックを手に入れる。センターはサイドより1列前だから、BB席2500円よりおいしい。わーいわーい、最良の場所だわ。
その足で郵便局に行き、交換するチケットを発送したりなんだりしてから、劇場向かいの映画館へ。『白いカラス』を見て、盛大に泣く。
映画が終わったのが1時20分。いそいそと劇場へ。
『スサノオ』を観終わって、休憩時間にいったん外に出て仕事の電話を済まし、再度劇場に戻って『タカラヅカ・グローリー』観劇。
劇場を出たのが5時前。隣の映画館で6時台の指定席チケットを買っておいてから、食事へ。
無事2本目の映画、『花咲ける騎士道』を観終わって帰路へ。
タカラヅカ観て映画2本観て3500円!!
……なんかものすげー感動でしたわ……。
金は無いけどフィクションが観たい人間には、夢のよーな1日。
☆
さて、すでに何回観たのか忘却の彼方の『スサノオ』ですが。
いちばん観たいところを見せないのがキムシンなんだな、とつくづく思いました。
『不滅の棘』でいちばん観たいと思えるのは、エロール@おさ様の寝顔だった。
あの黄色い椅子に無造作に坐り、そのまま眠ってしまった「真実の顔」。
スーパースター・エロール様でもなんでもない、永遠の命と永遠の痛みに疲れはてた年老いた魂を持つ男の寝顔。
キムシンはわざと、エロールの寝顔を観客に見せなかった。
だからこそ、わたしたちはそれぞれが自分で、自分がもっともせつなく愛しい気持ちになる寝顔を想像するしかなかった。
それと同じように。
イナダヒメ@まーちゃんに剣を向けるスサノオ@コム姫の顔は、わたしたちに見せないのね。
「打ち捨てられて満たされずにいる愛の仮の姿」だと、「ほんとうは彼女を愛していた」のだと、自分を護るために気付かないよう封印してきた真実をことごとく指摘され、逆ギレするスサノオ。
その姿こそがまさに、「打ち捨てられて満たされずにいる愛の仮の姿」だよね。
彼女の愛が欲しくて駄々をこねたのに、その駄々ゆえに愛どころか彼女自身すら失って。
せめて虚勢で自分を護ろうとしていたのに、その殻すら見知らぬ少女に論破されて。
少年は、武器をふりかざす。
追い詰められて。
殺される小動物が、悲鳴を上げながら捕食者に向かっていくように。
それが、イナダヒメの言う、「暴力は打ち捨てられて満たされずにいる愛の仮の姿」だよね。
ふるいたくて振り上げた拳じゃない。追い詰められて追い詰められて、他の選択肢をなくして、そして振り上げた、かなしい拳なんだよ。
もちろんそれは、弱いからさ。まちがっているからさ。余裕がないからさ。
自分が劣っていることを理由に、暴力をふるっていいはずがないよ。
だから彼は責められてしかるべきだ。
だけど。
彼の弱さも、彼の罪も、なんとかなしく、いとしいことか。
語るイナダヒメに、「やめろ」と叫んで剣を突きつけるスサノオ。
観客席に向ける背中。
彼の表情は見えない。
わざとだね。わざと、見せない演出になっている。
わたしたちが見るのは、彼を見つめる、彼の瞳に映るイナダヒメの顔のみ。
スサノオの罪と慟哭を受け止め、赦す聖少女の微笑のみ。
後半、「虚しい」と地面に這いつくばって泣くスサノオの顔も、やっぱり見えないよね。
いちばん観たいところを、わざと見せないの。
にくいな、と思う(笑)。
ってことで、本日のわたしの予算は3500円。
3500円で、『スサノオ』と映画2本観るのー。
東宝の立ち見は、たった1500円なんですよ。そして、立ち位置が指定済みなんで争奪戦もしなくていいし、取られる心配なく席をはずせるし、後ろに人が立たないから圧迫感もないし。いいことずくめ。
しかもムラとちがって都会の真ん中だから、朝から並びに行ってもいくらでもつぶしがきく。
ハンパな席に高い金を出すより、立ち見の方がはるかに好き。とくに『スサノオ』は2階席の方がおいしいし、何度も観ているし。
朝10時に劇場到着、立ち見のセンターブロックを手に入れる。センターはサイドより1列前だから、BB席2500円よりおいしい。わーいわーい、最良の場所だわ。
その足で郵便局に行き、交換するチケットを発送したりなんだりしてから、劇場向かいの映画館へ。『白いカラス』を見て、盛大に泣く。
映画が終わったのが1時20分。いそいそと劇場へ。
『スサノオ』を観終わって、休憩時間にいったん外に出て仕事の電話を済まし、再度劇場に戻って『タカラヅカ・グローリー』観劇。
劇場を出たのが5時前。隣の映画館で6時台の指定席チケットを買っておいてから、食事へ。
無事2本目の映画、『花咲ける騎士道』を観終わって帰路へ。
タカラヅカ観て映画2本観て3500円!!
……なんかものすげー感動でしたわ……。
金は無いけどフィクションが観たい人間には、夢のよーな1日。
☆
さて、すでに何回観たのか忘却の彼方の『スサノオ』ですが。
いちばん観たいところを見せないのがキムシンなんだな、とつくづく思いました。
『不滅の棘』でいちばん観たいと思えるのは、エロール@おさ様の寝顔だった。
あの黄色い椅子に無造作に坐り、そのまま眠ってしまった「真実の顔」。
スーパースター・エロール様でもなんでもない、永遠の命と永遠の痛みに疲れはてた年老いた魂を持つ男の寝顔。
キムシンはわざと、エロールの寝顔を観客に見せなかった。
だからこそ、わたしたちはそれぞれが自分で、自分がもっともせつなく愛しい気持ちになる寝顔を想像するしかなかった。
それと同じように。
イナダヒメ@まーちゃんに剣を向けるスサノオ@コム姫の顔は、わたしたちに見せないのね。
「打ち捨てられて満たされずにいる愛の仮の姿」だと、「ほんとうは彼女を愛していた」のだと、自分を護るために気付かないよう封印してきた真実をことごとく指摘され、逆ギレするスサノオ。
その姿こそがまさに、「打ち捨てられて満たされずにいる愛の仮の姿」だよね。
彼女の愛が欲しくて駄々をこねたのに、その駄々ゆえに愛どころか彼女自身すら失って。
せめて虚勢で自分を護ろうとしていたのに、その殻すら見知らぬ少女に論破されて。
少年は、武器をふりかざす。
追い詰められて。
殺される小動物が、悲鳴を上げながら捕食者に向かっていくように。
それが、イナダヒメの言う、「暴力は打ち捨てられて満たされずにいる愛の仮の姿」だよね。
ふるいたくて振り上げた拳じゃない。追い詰められて追い詰められて、他の選択肢をなくして、そして振り上げた、かなしい拳なんだよ。
もちろんそれは、弱いからさ。まちがっているからさ。余裕がないからさ。
自分が劣っていることを理由に、暴力をふるっていいはずがないよ。
だから彼は責められてしかるべきだ。
だけど。
彼の弱さも、彼の罪も、なんとかなしく、いとしいことか。
語るイナダヒメに、「やめろ」と叫んで剣を突きつけるスサノオ。
観客席に向ける背中。
彼の表情は見えない。
わざとだね。わざと、見せない演出になっている。
わたしたちが見るのは、彼を見つめる、彼の瞳に映るイナダヒメの顔のみ。
スサノオの罪と慟哭を受け止め、赦す聖少女の微笑のみ。
後半、「虚しい」と地面に這いつくばって泣くスサノオの顔も、やっぱり見えないよね。
いちばん観たいところを、わざと見せないの。
にくいな、と思う(笑)。
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