最近ヅカの話ばっか書いてる気がするが……。

 先日は、友人・音さんの結婚式でした。
 おめでとーおめでとー。
 しあわせになってくれ音さん。てゆーか、なにがあっても力尽くでしあわせになるのが音さんだ。ぜんぜん心配してないけどな(笑)。

 結婚式には、その人の人生が現れるなあ、としみじみ思った。

 わたしの後ろのテーブルに坐っているのは、どうやら音さんの学生時代の友人たち。中学のころとか、幼なじみとか。
 そして、わたしのいるテーブルは、同じ店で働いていたわたしやリンコさん、シンくん(仕事で欠席)の奥さんのくるみちゃん。それから音さんのアナウンス学校時代の友人と、英会話学校時代の恩師と友人。
 わたしの前のテーブルにいるのが、音さんと旦那のアメリカ留学時代の友人たち。

 うわー、年表だ、コレ。
 幼なじみ、学生時代。
 それから、モラトリアムだったころ。
 DJになる、という目標を持って生きはじめたころ。
 夢のために語学留学した時代。

 音さんの人生が、出会った人たちで彩られている。

 わたしと音さんが出会ったのは、モラトリアムのころだ。
 音さんもわたしも、同じ店で働いていた。若さと時間はあるけれど、自分になにができるのかはわかっていなかったころ。
 やがて音さんは目標を見つけ、夢のための努力をはじめた。
 アナウンスの学校に通い、英会話スクールにも通った。

 わたしは毎日のよーに、彼女の勉強の手伝いをしていた。

 彼女がアナウンスの台詞を暗記するための相方になったり、解答用紙を見ながら、彼女のでたらめな英語を添削したりした。
 毎日、笑いが絶えなかった。
 音さんはとにかくパワフルで、失敗もがむしゃらな努力も暗さを一切持たなかった。
 とことん陽気で、愉快だった。

 DJになる、という彼女の夢を、誰も笑わなかった。
 というより、惜しんだ。

「音さん、DJ目指してるの? もったいない!!」

 だってラジオのDJって、声だけで姿が見えないんだもん。
 音さんは、声や喋り方という聴覚でたのしむだけにとどまらず、視覚的にもとてつもなく愉快な人だった。
 とにかく、じっとしていない人で。
 ゼスチャーしまくり、踊りまくり。表情は豊かを通り越して百面相、「1分おとなしくしていたら、しゃぶしゃぶをおごってやる」と言われ、おとなしくできなかったくらい、どこまでもにぎやかな人。

 だから彼女がアメリカに行くと決まったときは、

「音さん、ついにアメリカにストリートパフォーマーの修業に行くんだって?!」

 と、デマがとんだ(笑)。
 語学留学だっつーの。DJやるなら英語は必須だから。

 そしてわたしたちの関心は、ひとつだった。

「音さんのキャラクタは、世界でも通用するか否か」

 答えはYES、われらが音さんはアメリカでも音さんだった。彼女から送られてくる手紙は抱腹絶倒、彼女の卓越したお笑い芸人ぶりはアメリカ人のみならず、各国から集まった留学生たちにも絶大な支持を集めていた。

 なんで音さん、芸人目指さなかったのかなあ。
 世界とれたと思うんだけどなあ。
 わたしの人生で出会った人の中で、もっとも愉快な人が音さんだ。ひとを笑わせる天才。しかも天然。善良で愛くるしい人柄。

 まあなにはともあれ。
 音さんの人生に乾杯。

 
「しかし、ドレスだとやっぱすごいねえ、胸」
 と、わたしたちはこっそり音さんのボリューム感あふれる胸の話なんかしてたりする。
 シンくんが欠席してたおかげで、女ばかりだったもんでな(笑)。

 もともと小柄でぽっちゃりさんだった音さんは、アメリカから帰ってきたら、さらにキャラクタを際立たせる姿になっていた。
 …………風船に近いよーな、潔い体型になってたのだわ…………。
 キモいデブではなく、ころころとかわいいおでぶさん。つやつやのほっぺをつつきたくなるような。ほとんど着ぐるみ怪獣キャラ(笑)。
 いつもにこにこ、怒っていても泣いていても、笑っているようにしか見えない顔。超音波のよーなアニメ声。
 一度見たら忘れられない姿と言動。つか、キャラ立ち過ぎ。
 彼女のいるところには、いつもあたたかい笑い声が満ちる。

 そんな音さんの胸は、そりゃーもー、すばらしい大きさでした。胸元の大きく開いたドレスだから、いつもよりさらに強調されている。
 ドッジボールがふたつついてるよ……。

「緑野さんだって、立派じゃないですか」
 と、くるみちゃんに言われ、かえってわたしは恐縮した。

 すみません……コレ、ウソ胸なんです……。下着の威力です……実力ではありません……。

 リンコさんはリンコさんで、

「緑野さんソレ、シンの結婚式のときと同じ服だよね」

 と、突っ込んでくれるし。

 悪かったわねー、一張羅なのよー、他にドレス持ってないのよーっ。
 アクセとショールを替えてるんだから、大目に見てよぅ。

 
 陽気で愉快な宴の席でした。
 音さんのお父さんにはじめてお会いしたんだが、あまりに音さんそっくりでウケてしまった……。ここまで似ているとわ……遺伝子ってすごい。
 音さんの芸人の血は父親譲りなんだわ、と納得。
 そしてわたしは、何故かそのお父さんと腕を組んで写真を撮ってもらった。いや、あまりにプリチーなパパだったから……(笑)。
 
 親族出席の披露宴だというのに、新郎側の友人たちはどこまでもマイペースで、裸踊りまで披露してくれた。さすが元ラグビー部だね……体育会系って……(笑)。
 でもなー、あまり見たくなかったよ、野郎どもの毛尻なんぞ……。

 
 しかしまあ、こうしてまたひとり、友人が嫁に行ってしまったのだなあ。音さんはとっくの昔にダーリンと一緒に暮らしていて、今さらのお式だったとはいえ。

 ねえ、残ったのはわたしとリンコさんだけだよ?
 どうする、リンコさん?

        

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