ヒーローにはなれても、神様になれなかった彼の物語。@スパイダーマン 2
2004年7月22日 映画
1日ズレてるけど、昨日の分の日記を今日書いておきます。
夏休みなんだね、世の中。
それを失念していたので、大阪・梅田で途方に暮れたよ。
てゆーのも映画館、軒並み2回分先までsold-outなんですが。
2回分先、ってソレ、4時間待ちってこと?!
なんじゃそりゃあ。
夏休み入って最初の水曜日か……そりゃ、映画館も混むわな。
暑くなってからこっち、映画を見る本数が減ってしまったのことよ。だって、いつもの映画館までとても行けないもん。40分も自転車乗ってたら死ぬって。
仕方なく、映画を見るためだけに梅田まで出るハメになるんだけど……あああ、そうか、夏休みか……梅田は人でいっぱいニャ。いつもの映画館なら、こんなに混むことはないのに……郊外型シネコン万歳。
見るつもりだった映画が売り切ればかりで、「なんでもいい、見られる映画はどれよ?」と映画館をはしごして、よーやくたどりついたのが、『スパイダーマン2』でした。
こーゆービッグタイトルは複数の映画館が複数のスクリーンを使って一斉に上演しているので、どこかのスクリーンには空きがあるのさ。ありがたいねえ。
もっとも、こーゆービッグタイトルに興味がなかった場合は地獄だけどな。どこへ行っても同じタイトルしか上演してないっちゅーことやから。
場所はナビオTOHOプレックス、しかもシアター1。
ええ、先日『ペイチェック』を見たスクリーン。
……ちょっと期待しました、春野寿美礼に会えることを。
ナビシネ随一の巨大スクリーンで歌い踊る寿美礼ちゃんに再会できるかと、早いウチからシートに坐ってスタンバってたんですが……。
会えませんでした。ちぇー。もうVISAのCMやってないんだー。
まあ、なにはともあれ、『スパイダーマン2』。
『1』がけっこうたのしかったし、口コミで耳にする評判もよいようなので、わりかし期待してました。
期待以上。
てゆーか、ものすげーおもしろかった。
実はまだ他にも感想書いてない映画が何本もあるんだが(おぼえているだけで4本。他にもあるかな……なんか最近物忘れひどいから、忘れてるかな……)、それを置いておいて、先にこっちの感想書く!
せつない系の恋愛映画が好きなら、ぜひ見るべし!!
監督サム・ライミ、出演トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト。
そもそも『1』のわたし的「つかみ」となったのは、最初のピーター@トビー・マグワイアのナレーションだったんだよね。
「これはある女の子をめぐる話」だっけ? 『スパイダーマン』という強烈な特撮ヒーローもののタイトルで、最初のナレーションがコレ。
特別でもなんでもない、どこにでもある、恋の物語。
ふつうの男の子の、ふつうの恋の物語。
そう。
設定がとんでもない物語の場合、そこに出てくる人間たちはどこまでも「平凡」である必要がある。
べつの惑星が舞台でも、異世界ファンタジーでも、大昔でも未来でも。
設定を現代社会にしないなら、キャラクタは絶対に、リアリティを追求しなければならない。
そうしなければ、「物語」が成立しなくなる。ありえない舞台でありえないものたちがありえないことをする話に、誰が感情移入できるだろうか。
反対に、現代社会やら、わたしたちのいるところと地続きの舞台設定の場合は、キャラをとんでもなくするとおもしろくなる。平凡な世界に、型破りなキャラクタを、って。
ありえない舞台では、ありがちなキャラとその言動を。ありがちな舞台では、ありえないキャラとその言動を。
『スパイダーマン2』を見ていちばん「近いな」と感じたのは、あの『タイタニック』。
舞台設定やそこで起こる出来事はとーんでもないことになってんだけど、そこにいる人たちはものすげーふつーに恋愛やら青春やらをやっている。
物語のとんでもなさと、そこに生きる人たちのリアリティ。
それが鮮烈で、きもちいい。
あ、でも『タイタニック』は、同じ恋愛モノでも「ラヴラヴもの」であり、『スパイダーマン2』は「すれちがいもの」なのよねー。
両想いのふたりが、互いに誤解したりなんだりで盛大にすれ違っちゃう、見ていて「痛い」系の話なのよねー。
精神的に痛い恋愛が好きな人には、ツボな物語だと思う、『スパイダーマン2』。わたしのツボにクリティカル・ヒット。わーん、痛いー、痛くてキモチいいー(笑)。
前回の大騒ぎから2年、ピーター@トビー・マグワイアはなんとも不器用な日々を送っている。だってヒーロー・スパイダーマンと貧乏大学生の二重生活だ、うまくいくはずがない。
マスクかぶって無償の人助けしてたら、アルバイトも勉強もろくにやってるヒマがないんだ。
ピーター最愛のMJ@キルスティン・ダンストは女優として活躍、エリート青年とつきあっている模様。ヒーローをやるために、ピーターの人生は真っ暗闇。恋をあきらめ、夢をあきらめ? 約束を守れないいい加減なヤツだと後ろ指をさされ、親友に罵られ、貧乏で、大切な唯一の家族である年老いた叔母にもなにもしてやれず?
迷うピーターはついに、ヒーロー廃業を決心。手作りのスパイダーマン・スーツ(色落ちするので、洗濯には注意必要)を街角のゴミ箱へ……。
ピーターの迷いっぷりがいい。
彼の苦悩とヘタレ具合が、なんとリアルで愛しいことか。
たまたま彼の抱えている事情が「ヒーロー」だってことなだけで、それ以外の彼の日常は、誰にでもありえることなんだ。
一生懸命やっているのに、運が悪くてうまくいかない。
両想いだってわかっているのに、愛していると伝えられない。
誤解なんだけど、それを説明することができない。
自分も不幸だけど、周囲にも迷惑な存在だよね。
言い訳したいよ、今すぐに! わたしは悪くなんかないんだって。仕方がないの、わたしにもこれが精一杯なの。わたしを理解してよ。わたしを赦してよ。同情してよ、ほめてよ、感謝してよ!
……でも、言えない、ということ自体、自業自得なんだよね。わたしがヘタレだから、こんなふうになっちゃうんだよね。わたしが神様みたいになんでもできるなら、わたし自身も救うし、こんなふうに周囲に迷惑をかけたりもしないですむのに。
結局、わたしが力不足だってことなんだよ……。
そーゆー痛さ。
ヒーローであることを隠して生きるために、いろいろつらい目に遭うピーターくん。でもソレ、自業自得だし。君がヒーローやりながらなお、ピーターとしての生活も完璧にできるくらい有能な男なら、なんの問題もなかったんだよ。世間一般の変身ヒーローみたいに。
そうできないのは、自分のせい。そもそも変身しなくてもヘタレだったし、ヒーローになってなお、日常ではヘタレでしかない、そうとも人はそうそう変われるモノじゃないんだ。
わたしかもしれない・あなたかもしれない傷みを抱いて、ヘタレ男ピーターくんは、今日も自分にできることをやっている。目の前の問題と精一杯戦っている。
なんとも歯がゆい不器用ぶりで。
そーゆー痛さがいいのね。
ヒーローものなのに、なんとも開放感のない主人公。アクション・シーンの視覚的開放感とは対照的に。
たのしいので、つづく。
夏休みなんだね、世の中。
それを失念していたので、大阪・梅田で途方に暮れたよ。
てゆーのも映画館、軒並み2回分先までsold-outなんですが。
2回分先、ってソレ、4時間待ちってこと?!
なんじゃそりゃあ。
夏休み入って最初の水曜日か……そりゃ、映画館も混むわな。
暑くなってからこっち、映画を見る本数が減ってしまったのことよ。だって、いつもの映画館までとても行けないもん。40分も自転車乗ってたら死ぬって。
仕方なく、映画を見るためだけに梅田まで出るハメになるんだけど……あああ、そうか、夏休みか……梅田は人でいっぱいニャ。いつもの映画館なら、こんなに混むことはないのに……郊外型シネコン万歳。
見るつもりだった映画が売り切ればかりで、「なんでもいい、見られる映画はどれよ?」と映画館をはしごして、よーやくたどりついたのが、『スパイダーマン2』でした。
こーゆービッグタイトルは複数の映画館が複数のスクリーンを使って一斉に上演しているので、どこかのスクリーンには空きがあるのさ。ありがたいねえ。
もっとも、こーゆービッグタイトルに興味がなかった場合は地獄だけどな。どこへ行っても同じタイトルしか上演してないっちゅーことやから。
場所はナビオTOHOプレックス、しかもシアター1。
ええ、先日『ペイチェック』を見たスクリーン。
……ちょっと期待しました、春野寿美礼に会えることを。
ナビシネ随一の巨大スクリーンで歌い踊る寿美礼ちゃんに再会できるかと、早いウチからシートに坐ってスタンバってたんですが……。
会えませんでした。ちぇー。もうVISAのCMやってないんだー。
まあ、なにはともあれ、『スパイダーマン2』。
『1』がけっこうたのしかったし、口コミで耳にする評判もよいようなので、わりかし期待してました。
期待以上。
てゆーか、ものすげーおもしろかった。
実はまだ他にも感想書いてない映画が何本もあるんだが(おぼえているだけで4本。他にもあるかな……なんか最近物忘れひどいから、忘れてるかな……)、それを置いておいて、先にこっちの感想書く!
せつない系の恋愛映画が好きなら、ぜひ見るべし!!
監督サム・ライミ、出演トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト。
そもそも『1』のわたし的「つかみ」となったのは、最初のピーター@トビー・マグワイアのナレーションだったんだよね。
「これはある女の子をめぐる話」だっけ? 『スパイダーマン』という強烈な特撮ヒーローもののタイトルで、最初のナレーションがコレ。
特別でもなんでもない、どこにでもある、恋の物語。
ふつうの男の子の、ふつうの恋の物語。
そう。
設定がとんでもない物語の場合、そこに出てくる人間たちはどこまでも「平凡」である必要がある。
べつの惑星が舞台でも、異世界ファンタジーでも、大昔でも未来でも。
設定を現代社会にしないなら、キャラクタは絶対に、リアリティを追求しなければならない。
そうしなければ、「物語」が成立しなくなる。ありえない舞台でありえないものたちがありえないことをする話に、誰が感情移入できるだろうか。
反対に、現代社会やら、わたしたちのいるところと地続きの舞台設定の場合は、キャラをとんでもなくするとおもしろくなる。平凡な世界に、型破りなキャラクタを、って。
ありえない舞台では、ありがちなキャラとその言動を。ありがちな舞台では、ありえないキャラとその言動を。
『スパイダーマン2』を見ていちばん「近いな」と感じたのは、あの『タイタニック』。
舞台設定やそこで起こる出来事はとーんでもないことになってんだけど、そこにいる人たちはものすげーふつーに恋愛やら青春やらをやっている。
物語のとんでもなさと、そこに生きる人たちのリアリティ。
それが鮮烈で、きもちいい。
あ、でも『タイタニック』は、同じ恋愛モノでも「ラヴラヴもの」であり、『スパイダーマン2』は「すれちがいもの」なのよねー。
両想いのふたりが、互いに誤解したりなんだりで盛大にすれ違っちゃう、見ていて「痛い」系の話なのよねー。
精神的に痛い恋愛が好きな人には、ツボな物語だと思う、『スパイダーマン2』。わたしのツボにクリティカル・ヒット。わーん、痛いー、痛くてキモチいいー(笑)。
前回の大騒ぎから2年、ピーター@トビー・マグワイアはなんとも不器用な日々を送っている。だってヒーロー・スパイダーマンと貧乏大学生の二重生活だ、うまくいくはずがない。
マスクかぶって無償の人助けしてたら、アルバイトも勉強もろくにやってるヒマがないんだ。
ピーター最愛のMJ@キルスティン・ダンストは女優として活躍、エリート青年とつきあっている模様。ヒーローをやるために、ピーターの人生は真っ暗闇。恋をあきらめ、夢をあきらめ? 約束を守れないいい加減なヤツだと後ろ指をさされ、親友に罵られ、貧乏で、大切な唯一の家族である年老いた叔母にもなにもしてやれず?
迷うピーターはついに、ヒーロー廃業を決心。手作りのスパイダーマン・スーツ(色落ちするので、洗濯には注意必要)を街角のゴミ箱へ……。
ピーターの迷いっぷりがいい。
彼の苦悩とヘタレ具合が、なんとリアルで愛しいことか。
たまたま彼の抱えている事情が「ヒーロー」だってことなだけで、それ以外の彼の日常は、誰にでもありえることなんだ。
一生懸命やっているのに、運が悪くてうまくいかない。
両想いだってわかっているのに、愛していると伝えられない。
誤解なんだけど、それを説明することができない。
自分も不幸だけど、周囲にも迷惑な存在だよね。
言い訳したいよ、今すぐに! わたしは悪くなんかないんだって。仕方がないの、わたしにもこれが精一杯なの。わたしを理解してよ。わたしを赦してよ。同情してよ、ほめてよ、感謝してよ!
……でも、言えない、ということ自体、自業自得なんだよね。わたしがヘタレだから、こんなふうになっちゃうんだよね。わたしが神様みたいになんでもできるなら、わたし自身も救うし、こんなふうに周囲に迷惑をかけたりもしないですむのに。
結局、わたしが力不足だってことなんだよ……。
そーゆー痛さ。
ヒーローであることを隠して生きるために、いろいろつらい目に遭うピーターくん。でもソレ、自業自得だし。君がヒーローやりながらなお、ピーターとしての生活も完璧にできるくらい有能な男なら、なんの問題もなかったんだよ。世間一般の変身ヒーローみたいに。
そうできないのは、自分のせい。そもそも変身しなくてもヘタレだったし、ヒーローになってなお、日常ではヘタレでしかない、そうとも人はそうそう変われるモノじゃないんだ。
わたしかもしれない・あなたかもしれない傷みを抱いて、ヘタレ男ピーターくんは、今日も自分にできることをやっている。目の前の問題と精一杯戦っている。
なんとも歯がゆい不器用ぶりで。
そーゆー痛さがいいのね。
ヒーローものなのに、なんとも開放感のない主人公。アクション・シーンの視覚的開放感とは対照的に。
たのしいので、つづく。
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