自慢することがある。

 わたしは、しあわせな人間だ。

 千秋楽、いろんな人から「倒れてませんか?」と聞かれた。実際に言われたり、メールだったり。
 お茶会で泣きすぎて、帰り道で貧血起こして倒れて、雨の中べちゃべちゃになって泣きながら這うようにして帰った。あんまり悲惨な姿だったので、もうネタにして笑うしかない、てな具合で、持ちネタのひとつにした。

 そしたら、いろんな人に聞かれたよ。

「大丈夫ですか?」

 ありがとう。
 大丈夫。

 FCに入っていないわたしは、楽屋口でケロちゃんを見送って、そこでおしまい。
 さあ、どうしよう?
 ねえ、どうしよう?

 なんだか途方に暮れるわたしの脇に、友だちがいる。

「おなかすいた。ごはん食べようよ」

 「MDはダビングして明日、送ってあげる。1日も早く聴きたいでしょう?」と言ってくれたモリナ姉さんと別れ、Be-Puちゃんとkineさんとファミレスへ。

 喋る喋る喋る。
 チープに食べて、ひたすら喋って。

 笑って。
 なんかもー、ひたすら笑って。

 ちょっとドーピング気味。立ち上がるために薬を多めに飲んで(使用上の注意は守りましょう・笑)。
 いいんだ、わたしは今ここで、笑っていたい。

 帰り道は珍道中。
 地図を片手にkineさんの家までドライブ。
 道はこれでいいの? なんかどんどん寂しくなるんですけど、周囲。行きはいいけど、帰れるのか??

 BGMは『ドルチェ・ヴィータ!』、エンドレス。
 ワタさんの歌、なに歌ってんだかわかんない、とわたしたちが言えば、kineさんが歌ってくれる。

 とにかく喋って、笑って。
 流れているのは『ドルチェ・ヴィータ!』、別れと痛みと喪失の歌。

 くっだらないこと言って笑っているBe-Puちゃんとkineさんの声を聞きながら、わたしはときどき泣きたくなる。
 わっと声あげて泣きたくなる。
 それでも、一緒になって、くっだらないこと喋って笑って。
 

 自慢することがある。

 わたしは、しあわせな人間だ。

 こんな夜に、こんな帰り道に、ひとりじゃない。
 喉が枯れるまで馬鹿話して笑う。

 ありがとうケロちゃん、こんな夜をありがとう。
 かなしくてかなしくて、そしてなにか突き抜けて、すこんとなんだかあたたかい。
 くるしいけど、癒されている。

 ありがとう。
 なんかもー、よくわかんないけど、ありがとう。

 かなしくてせつなくて、感謝の気持ちでいっぱいだ。
 今日同じ空間にいた人たち、響き渡る拍手の音、愛しそうに視線をめぐらしていたケロちゃん、動く空気、鳴る空気、ひとのこころが満ちているのがわかるよ、ありがとう。
 Be-Puちゃんもkineさんもモリナさんもチェリさんも、ありがとう。メールくれた人たちもありがとう。

 こんなに、大好きでいさせてくれて、ありがとう。

       

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