ケロちゃんDS1回目の話、その2。

 浮かれて買ったはいいが、着ていくところがないままタンスの肥やしになっていたワンピを着込み、「やっぱ脚はそれなりに出すべきだよな」とショートブーツを履いていったんだが。
 バウの底冷えで早々に負け犬宣言、念のために持ってきていたブーツ用のレッグウォーマー着用。スターブーツなみの長さになるんだわ、コレ使うと。……脚が出ている部分はなくなった……。

 席に着くなり、緊張しまくりで無口なわたし。
 緊張ゆえに、友だちと話すときだけテンションが上がり、それ以外は陰気という(笑)。
 黙々とディナーを平らげた。ええ。さっきさんざん飲み食いしたはずなのに、フルコースをぺろり、なにひとつ残しませんでした。ドリンクもがばがば飲んでたし。

 はじまる直前に、ゆうひくん登場にわきたつ一部(笑)。わたしと、わたしの隣のテーブルのおふたりさん。
 ああ、やっぱり来てくれたんだね、ゆーひくん。バウ主演、大変だろうにさぁ。

 そしてはじまる、ショータイム。

 ………………………………………。

 なにか、語るべきですか?
 言葉なんぞありません。

 まとまりのないまま、とにかく書いてみると、こんな感じ。

 はじまったー、うわー、鼻の穴だぁー、うわっ、もう客席に降りますか、ええっ、こっち来る! ってゆーか、わたしの横通りますか、いや、通って下さい、立ち止まらないで、心臓止まりますがなっ。武蔵だ、武蔵だよお、視線の先にいるのはゆーひくんですか? あの、こっちも見てください、背中ばっか向けないで、ライトがまぶしい、浮かび上がるシルエット。鼻が高いなあ、あのカタチ好き。MCナシでトバす気満々、ついてきてくれと言わんばかりに。ショーか、ほんとにコレ、ショーなんだ。ケロが真ん中の時間なんだ。
 知っている曲が耳を通り、目を通る。どこを見ればいいんだろう。そか、ケロを見ればいいんだ。そんなことさえ、わからなくなる。

 タイムマシン。

 今、ここで、現在あるショーを見ているのにな。

 時代が場所が、自在に行きかうわけさ。

 ああ、ケロを愛した女たちが舞台にいる。なつかしい衣装。着ている娘さんたちは別の子たち。現在と過去が混在する。

 ゆさぶられるのは、記憶で。
 かき乱されるのは、心で。

 なつかしいのは、せつないのは、あなたが時を経たように、わたしも時を経ているからです。

 なにひとつとどまるモノはないのに、流転していくのに、記憶だけは、愛しさだけは、こんなにこんなにあざやかで。

 過去と現在が交差する。自在に行きかう。
 あのときのあなた、あのときのわたし。

 フアンに会えたことがうれしい。
 どれほど愛したか。

 でも、自分でも意外なほどの泣きツボは、『JFK』だった。

 先にプログラムを見たとき、「THE LAST “Legend and so on…”」ってあったんだよね。
 ラストプログラムのタイトルが、レジェンドなんだ……と、ぼーっと思っていた。
 だけどそこでどんな曲が流れるのかは、もちろんわかってなかった。

 そうか、『JFK』か。
 伝説か!
 円卓の騎士か!
 大好きな人を思って歌う歌。そして、恋を歌う歌。

 そのあとに、『夜のボート』が続けば、破壊力アップ。
 新公時代までタイムスリップさせてくれたら、泣くしかないわな……。

 
 大劇場では見ることのできなかった、サヨナラショー。
 それだけを独立させてくれたみたい。

 
 そーして1回目のディナーショーは終わったけれど、なんかすがすがしく充実感があった。
 だってまだ、千秋楽じゃないもん!
 あと2回あるもん!

 ええ。あと2回、フル参加しますわよ。

 だからなんだか、今はわくわくしている。
 明日も会える。
 まだ終わりじゃない。

 …………明日、終わってしまうときに、ガーガー泣いているかもしれないが。

 でも今は、終わりじゃない。

 過去と現在を行き来するタイムマシン。

 わたしはまだ、そのなかにいる。

         

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