魔法のエレベータ。@汐美真帆ディナーショー
2004年11月17日 タカラヅカ 魔法のエレベータの話をしよう。
黒燕尾のダーリンと遭遇する、なんて、夢か妄想か、な出来事を経験できてしまった、あのエレベータだ。
だが、それを語る前にまず、ドリーさんのことから話すことにしよう。
ドリーさんとは、ディナーショーが初対面。
緑野をナンパしてくれた勇気ある人のひとり。
だが、このナンパの仕方がすごかった。
「緑野さん、よかったら僕と踊ってください」と言って声を掛けてくれるのがふつうだとしたら。
ドリーさんは、他の人と談笑しているわたしのもとへ突然現れ、「こあら、君は僕と踊るべきだ」と言って強引に手を取ってダンスの輪の中に連れ出してしまったよーな。
そんな衝撃的なナンパでした。ぽっ。
そんなドリーさんは、もちろん熱烈なケロちゃんファン。宝塚ホテルに宿を取り、ディナーショー、フル参加する構え。わざわざ3回分のドレスと、仕事用のパソコンをスーツケースに詰め込んでやってきたお嬢さん。
そのドリーさんのお部屋っていうのが。
ディナーショー出演の、4人娘の控え室の向かい、だった……。
なんといってもダーリンのディナーショー。3回ともお衣装を替えてのぞみたいのはヲトメ心。でも宝塚で宿泊していない身としては、昼夜とショーがある15日は衣装替えがしにくい。
14日はふつーにフェミニン路線のワンピで行くとして、さて15日はどうすべ。陳玄礼将軍に敬意を払って、中華風ドラゴン模様の派手こい服で行くことは決めたけど、着替えはどうしよう。昼と夜と、同じ服のままってのはなあ。いちお、トップスだけでも替えれば着替えたことになるかな。
てなときに、「部屋に荷物置いてもらっていいですよ」と言ってくれたドリーさんの存在はありがたい。
着替えの他に、kineさんに渡すビデオやDVDまで持っていたわたしは、けっこう大荷物だったんだ。
会ったばかりだというのに、チェリさんたちまで道連れに、わたしはドリーさんの部屋に押しかけた。
うん、ほんとに、ドリーさんの部屋の向かいは、4人娘の控え室でした。
ドリーさんの部屋に出入りする際、絶対誰か生徒さんに会う……。
ランチショーが終わったあと、ディナーショーまでの空き時間を、わたしたちはドリーさんの部屋でスカステをBGMに流しながら喋りまくっていたわけなんだけど。
ときおりしんとして、廊下の話し声に耳をすませてしまう……。
聞こえるのよ、娘さんたちの会話が。
他の生徒さんたちもいろいろやってきているようだし、スタッフやら家族やらが顔を出しているらしいし。でもってけっこう、廊下で喋ってるし。
顔は舞台化粧で、楽屋着姿の娘さんたちを、はじめて見た……。
あ、ちなみにケロちゃんの楽屋はどこか別の場所のようでした。
それが残念のよーな、ほっとしたよーな。
生徒さんたちの生の声と姿にどきどきしつつも、時間は過ぎ。
ディナーショーの開場時間まで、あとわずか。
見れば、みんなと喋りながらもドリーさんは3着目のドレスにしっかり着替え、準備万端。
んじゃ、行きますか……ってときに。
なんだか騒がしい廊下の外。
そう。ディナーショー開場まであと少しってこの時間。
廊下には、星組生たちの大群がいた。
ドアの穴からみんなで交代にのぞいて確かめたよ。
4人娘に会うために、現役星組生たちが押しかけてきてるんだよ……うじゃうじゃいるよー。
控え室は狭いから、入りきらないんだよね。だから少人数相手でも、娘さんたちは廊下に出て喋っていたりしたのに。
この人数じゃあ、どーしよーもない。
しかも、廊下も相当狭いんだけど。こんな人数がたむろするようには設計してないだろ。
「ど、どうする?」
「外、出られないよー」
「あのなかを突っ切っていくのは、ちょっと……」
臆するわたしたち。
しかし。
わたしたちは、なにがなんでも開場前に宝寿の間に着かなければならない。
何故ならばこのディナーショーは、自由席なのだ。
たしかにテーブルは決められている。だが、サザエさんちのちゃぶ台として使うことも出来そうな巨大丸テーブル内の席は、自由なんだよ。先着順なんだよ。
うっかりもののわたしとドリーさんは、ランチのとき出遅れて、残りモノのいちばん見にくい席しか取れなかったんだ。
絶対いちばんに受付を済ませ、いちばんいい席をGETするんだっ。
握り拳!
「行くしかない」
結論。
うなずき合い、わたしたちはドアを開ける。
うお。生徒さんたちがいっせいにこっちを見ますがなっ。
わたしたちを見ないでください、ジェンヌさんたち。
怪しいモノではありません。
ディナーショー出演者の控え室と、ディナーショー出席一般客の部屋を向かい同士に配置した宝ホがすべて悪いっす!
うつむき加減に小走りに去る。さささーっと、音校生のよーに1列になって、エレベータ前へ。
だって、じろじろ見ちゃいけないでしょう、プライベートタイムの生徒さんたちを。
ヅカファンはお行儀のよさが身上ですから。好きな人たちの迷惑になることは、いたしません。
つっても本心は。
ねえねえ、誰がいるのよ、誰と誰と誰っ?! じっくり顔が見たいよ、話が聞きたいよーっ!
と、思ってたけどなー(笑)。
みらんくんがいることだけはわかった。そのへんの学年の子がぞろりといた模様。
ああ、もっとちゃんと顔を見たかったなあ、と思いつつ、彼らの群を抜けたときに。
「ああっ」
と、いちばん後ろのドリーさんが悲鳴を上げた。
「あたし、スリッパのままっっ!!」
ドレスアップしたドリーさん。わざわざ3着お衣装を持ってきたドリーさん。
完璧なドレス姿なのに……足にはスリッパ@宝塚ホテル。
なんか声をあげながら、すごい勢いで部屋に戻る。
エレベータ前に着いたわたしたちは、爆笑。
もっと長く生徒さんたちを眺めていたい……と思っていたところに、ドリーさんの悲鳴、だからなあ。
ドリーさんが戻ってくるまでの間、エレベータ前から生徒さんの群を眺めていられました。わーい。
さて、かわいらしく取り乱したドリーさんが靴を履いて戻ってきた。
エレベータに乗り込みながら。
「なんかあわてちゃって、生徒さんにぶつかっちゃいました……」
ええ? 誰に誰に?
「わかりません。男役さんでした。背中に、口紅つけちゃったかも」
ななななんですとうっ?!
男役の背中に、チューしたってっ?!(鼻息)
エレベータの中できゃあきゃあ。
ええ、これがあの、「魔法のエレベータ」ですわよ。
誰誰誰〜〜?
ドリーさんが口紅をつけちゃった男の子はっ。
運命かもよ、それって(笑)。
……でも、いいよね……後ろからぶつかって、背中にChu!! なんてさ。少女マンガみたいじゃん。
あたしだったら、背中に口は当たらないよ……。後頭部に激突するわ……。しょぼん。
魔法のエレベータの話をしよう。
見知らぬ素敵な男の子(笑)にぶつかってしまったドリーさん、その話にわきたつわたしたち。
これからはじまる、ダーリン最後のディナーショー。テンション高めのわたしたちの、期待とせつなさとを包み込んで。
目的階に着き、魔法のエレベータを降りわたしたちの前に。
笑顔のしいちゃんがいた。
続く<…
黒燕尾のダーリンと遭遇する、なんて、夢か妄想か、な出来事を経験できてしまった、あのエレベータだ。
だが、それを語る前にまず、ドリーさんのことから話すことにしよう。
ドリーさんとは、ディナーショーが初対面。
緑野をナンパしてくれた勇気ある人のひとり。
だが、このナンパの仕方がすごかった。
「緑野さん、よかったら僕と踊ってください」と言って声を掛けてくれるのがふつうだとしたら。
ドリーさんは、他の人と談笑しているわたしのもとへ突然現れ、「こあら、君は僕と踊るべきだ」と言って強引に手を取ってダンスの輪の中に連れ出してしまったよーな。
そんな衝撃的なナンパでした。ぽっ。
そんなドリーさんは、もちろん熱烈なケロちゃんファン。宝塚ホテルに宿を取り、ディナーショー、フル参加する構え。わざわざ3回分のドレスと、仕事用のパソコンをスーツケースに詰め込んでやってきたお嬢さん。
そのドリーさんのお部屋っていうのが。
ディナーショー出演の、4人娘の控え室の向かい、だった……。
なんといってもダーリンのディナーショー。3回ともお衣装を替えてのぞみたいのはヲトメ心。でも宝塚で宿泊していない身としては、昼夜とショーがある15日は衣装替えがしにくい。
14日はふつーにフェミニン路線のワンピで行くとして、さて15日はどうすべ。陳玄礼将軍に敬意を払って、中華風ドラゴン模様の派手こい服で行くことは決めたけど、着替えはどうしよう。昼と夜と、同じ服のままってのはなあ。いちお、トップスだけでも替えれば着替えたことになるかな。
てなときに、「部屋に荷物置いてもらっていいですよ」と言ってくれたドリーさんの存在はありがたい。
着替えの他に、kineさんに渡すビデオやDVDまで持っていたわたしは、けっこう大荷物だったんだ。
会ったばかりだというのに、チェリさんたちまで道連れに、わたしはドリーさんの部屋に押しかけた。
うん、ほんとに、ドリーさんの部屋の向かいは、4人娘の控え室でした。
ドリーさんの部屋に出入りする際、絶対誰か生徒さんに会う……。
ランチショーが終わったあと、ディナーショーまでの空き時間を、わたしたちはドリーさんの部屋でスカステをBGMに流しながら喋りまくっていたわけなんだけど。
ときおりしんとして、廊下の話し声に耳をすませてしまう……。
聞こえるのよ、娘さんたちの会話が。
他の生徒さんたちもいろいろやってきているようだし、スタッフやら家族やらが顔を出しているらしいし。でもってけっこう、廊下で喋ってるし。
顔は舞台化粧で、楽屋着姿の娘さんたちを、はじめて見た……。
あ、ちなみにケロちゃんの楽屋はどこか別の場所のようでした。
それが残念のよーな、ほっとしたよーな。
生徒さんたちの生の声と姿にどきどきしつつも、時間は過ぎ。
ディナーショーの開場時間まで、あとわずか。
見れば、みんなと喋りながらもドリーさんは3着目のドレスにしっかり着替え、準備万端。
んじゃ、行きますか……ってときに。
なんだか騒がしい廊下の外。
そう。ディナーショー開場まであと少しってこの時間。
廊下には、星組生たちの大群がいた。
ドアの穴からみんなで交代にのぞいて確かめたよ。
4人娘に会うために、現役星組生たちが押しかけてきてるんだよ……うじゃうじゃいるよー。
控え室は狭いから、入りきらないんだよね。だから少人数相手でも、娘さんたちは廊下に出て喋っていたりしたのに。
この人数じゃあ、どーしよーもない。
しかも、廊下も相当狭いんだけど。こんな人数がたむろするようには設計してないだろ。
「ど、どうする?」
「外、出られないよー」
「あのなかを突っ切っていくのは、ちょっと……」
臆するわたしたち。
しかし。
わたしたちは、なにがなんでも開場前に宝寿の間に着かなければならない。
何故ならばこのディナーショーは、自由席なのだ。
たしかにテーブルは決められている。だが、サザエさんちのちゃぶ台として使うことも出来そうな巨大丸テーブル内の席は、自由なんだよ。先着順なんだよ。
うっかりもののわたしとドリーさんは、ランチのとき出遅れて、残りモノのいちばん見にくい席しか取れなかったんだ。
絶対いちばんに受付を済ませ、いちばんいい席をGETするんだっ。
握り拳!
「行くしかない」
結論。
うなずき合い、わたしたちはドアを開ける。
うお。生徒さんたちがいっせいにこっちを見ますがなっ。
わたしたちを見ないでください、ジェンヌさんたち。
怪しいモノではありません。
ディナーショー出演者の控え室と、ディナーショー出席一般客の部屋を向かい同士に配置した宝ホがすべて悪いっす!
うつむき加減に小走りに去る。さささーっと、音校生のよーに1列になって、エレベータ前へ。
だって、じろじろ見ちゃいけないでしょう、プライベートタイムの生徒さんたちを。
ヅカファンはお行儀のよさが身上ですから。好きな人たちの迷惑になることは、いたしません。
つっても本心は。
ねえねえ、誰がいるのよ、誰と誰と誰っ?! じっくり顔が見たいよ、話が聞きたいよーっ!
と、思ってたけどなー(笑)。
みらんくんがいることだけはわかった。そのへんの学年の子がぞろりといた模様。
ああ、もっとちゃんと顔を見たかったなあ、と思いつつ、彼らの群を抜けたときに。
「ああっ」
と、いちばん後ろのドリーさんが悲鳴を上げた。
「あたし、スリッパのままっっ!!」
ドレスアップしたドリーさん。わざわざ3着お衣装を持ってきたドリーさん。
完璧なドレス姿なのに……足にはスリッパ@宝塚ホテル。
なんか声をあげながら、すごい勢いで部屋に戻る。
エレベータ前に着いたわたしたちは、爆笑。
もっと長く生徒さんたちを眺めていたい……と思っていたところに、ドリーさんの悲鳴、だからなあ。
ドリーさんが戻ってくるまでの間、エレベータ前から生徒さんの群を眺めていられました。わーい。
さて、かわいらしく取り乱したドリーさんが靴を履いて戻ってきた。
エレベータに乗り込みながら。
「なんかあわてちゃって、生徒さんにぶつかっちゃいました……」
ええ? 誰に誰に?
「わかりません。男役さんでした。背中に、口紅つけちゃったかも」
ななななんですとうっ?!
男役の背中に、チューしたってっ?!(鼻息)
エレベータの中できゃあきゃあ。
ええ、これがあの、「魔法のエレベータ」ですわよ。
誰誰誰〜〜?
ドリーさんが口紅をつけちゃった男の子はっ。
運命かもよ、それって(笑)。
……でも、いいよね……後ろからぶつかって、背中にChu!! なんてさ。少女マンガみたいじゃん。
あたしだったら、背中に口は当たらないよ……。後頭部に激突するわ……。しょぼん。
魔法のエレベータの話をしよう。
見知らぬ素敵な男の子(笑)にぶつかってしまったドリーさん、その話にわきたつわたしたち。
これからはじまる、ダーリン最後のディナーショー。テンション高めのわたしたちの、期待とせつなさとを包み込んで。
目的階に着き、魔法のエレベータを降りわたしたちの前に。
笑顔のしいちゃんがいた。
続く<…
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