お茶会のために上京するのは何ヶ月も前に決まっていたことなのに、交通機関の予約をきれーさっぱり忘れていた。
 いつものバスが売り切れ!!
 あわてて他のバスを探す。
 ……がっ、すべて売り切れてるってばよ。びっくりだ。
 ネットで探せるところは上から順に空席情報をクリックしていったけれど、全部「残席数0」。

 仕方ないなー、めんどくせーけどあそこにするか。

 と、昔何度か使ったバス会社に電話する。今どき電話。HPなし。

「はい、あと40席ほどありますので、大丈夫ですよ」

 ……あれほど、他社のバスは売り切れてるのに、40席ってそんな……(笑)。
 いつもいつも、ここのバスは「売り切れることはまずないですから、ご安心を」って素敵なセールストークしてるもんな。それってどうなの?(笑)

「では、チケットを買いに店頭まで来てください」

 と言われるので、めんどくせーのだ。この現代に、現金持って買いに出かけなきゃならないなんて。自宅でネット入金とかさせてくれよー。

 いつも絶対売り切れない、という安心感があるから、好きは好きだけどな(笑)。

          ☆

 さて、DVDレコーダが復活したので(修理のにーちゃんを迎え入れるための掃除に疲れ果てた)、さっそく『花舞う長安』を見ました。
 ええ、発売前日にいそいそキャトレに買いに行きましたわよ。

「あっ、やっぱりもう売ってる。買わねばっ」
 とよろこぶわたしに、Be-Puちゃんがひとこと。
「でも今日、見られないのよね」

 …………そーよ、見られないわよっ。レコーダ故障してるからなっ。泣。

 でも買う。

「どーせ今見られないなら、先にあたしに貸してよ。レコーダが直った日に電話くれたら、緑野さんちまで届けに行くから」

 やだっ。封を切るのもいちばん最初に見るのも、購入したわたしだ〜〜っ。

 がるがると吠えるわたしに、Be-Puちゃんは「はいはい」といなしてくれる。
「んじゃレコーダ復活したら、教えてよ。見に行くから」
 それならヨシ。上映会するかい?

 
 『花舞う長安』を見た、といっても、バスの残席探ししながら流していただけだから、集中して見ていたわけじゃない。このソフトはひとえに、『ドルチェ・ヴィータ!』のためだけに買ったので、『花舞う長安』は不可抗力で勝手にくっついていただけ。まあ、おまけ程度の気持ちで眺めた。
 おかげで、アングルが気に入らないとかの不満もない。熱意もない。まー、こんなもんぢゃろ、って感じ。

 
 さて、その『花舞う長安』で。

 わたしのいちばん好きな、玄宗の台詞を白状しましょう。

 安禄山が反乱を起こし、玄宗たちは敗走、「悪の源は楊貴妃にあり、楊貴妃を殺せ」と民衆が言ってるよん、と最後の忠臣たちが玄宗を説得しているシーンにて。

 玄宗が言う、

「黙れ! このたびの事件、お前たちにも責任があろう」

 という台詞。

 いやーもー、すばらしい台詞ですね。
 それまで玄宗は人畜無害のバカだったんですが、この台詞で傍迷惑なバカに成り下がるという、決定打台詞ですよ。
 てめーの阿呆さを弱い立場のモノに押しつけ、自分を正当化するいやらしさ。
 ……ここまでバカだったのかっ!! と、観客を絶望の谷に突き落とす、究極の最悪台詞。

 ワタさんファンはきっと、この台詞を憎んでいると思います。
 せめてこの台詞がなければ、最低限玄宗の人格をフォローすることができるのに、と、ハンケチを噛みしめていると思います。

 でもわたしは、この台詞が大好きなのだ。

 だって。
 愛する玄宗にこう言われたときの、陳玄礼@ケロの傷ついた表情が絶品だから。

 いやあ、いいですよ、玄宗。もっと言っちゃって!! ひどいこと言って、陳玄礼を傷つけてくれっ!
 おちゃめなこと言って笑っているときより、目つき鋭く悪だくみしているときより、陳玄礼……というかケロちゃんは、傷ついた顔をしているときの方が、色っぽいから。

 だもんでこのシーンは、終始ケロの表情が絶妙です。
 陳玄礼、傷つきまくり、苦しみまくりだから。

「貴妃を殺すなら、私を殺せ!」
 も、いいですな。
 このときの陳玄礼がまた、いい顔します。

 そっか……そんなに玄宗が好きか……。
 この阿呆男に惚れきってるのか……。ほろり。

 DVDにはもちろん、ろくに映ってませんがな。玄宗とか楊貴妃とか映しているから。
 しかも玄宗、「ぼーぜん」バージョンじゃん、これ。絶叫しないし、崩れ落ちないんだ……。

 ぼーぜんバージョンの玄宗と、それを最後まで見守る陳玄礼は、「玄宗のヤツ、絶対陳玄礼のこと逆恨みするぞ」と思えて、それはそれでたのしかった。
 玄宗の弱っちぶりと、小物ぶり、なさけなさが実にいい。なにしろ「このたびの事件、お前たちにも責任があろう」とか言っちゃう人ですから! 楊貴妃が殺されたのは、自分以外の誰かのせいにするにちがいない! ってことで!
 ぜひそのことで、陳玄礼を責めてくれ。
 ソレって完璧にただの言いがかりじゃん、てなことで責められ、耐える陳玄礼が見たいっ。ハァハァ。

 ムラの後半の、絶叫バージョンはねえ。あまりにも玄宗が痛々しいのと、最後まで陳玄礼が後ろに立っているのがわかるよーになんとなくライトが残るよーになったせいもあり、「なにをしているアンドレ、ぢゃねえ、陳玄礼、そこで玄宗を抱きしめろ」と、拳を握っちゃうのだわ。
 そのまま別次元・別物語突入していいからっ。抱きしめろ、傷ついた小鳥ちゃん(ばかデカイが・笑)を抱いてなぐさめてやれっ、と思う。
 抱きしめたら、すがりついてくるよね、アレは(笑)。そのまま、ヤっちゃえるよねえ? そんなときでもすけべ心ではなく、あくまでも玄宗の心だけを思いやり、耐える表情の陳玄礼が見たい。ハァハァ。

 
 えーと、まあとどのつまり。

 ワタルくんがやっているから、玄宗のことは好きよ。他の人だったら、好きになれなかっただろうさ。
 ケロちゃんがやっているから、陳玄礼を好きなのと同じで。

 玄宗がワタさんで、陳玄礼がケロだから、とりあえず力一杯萌えておきます。

         

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