ここんとこ、わたしは友だちのリンコさんの会社でアルバイトをしている。
 そこで、周囲の人たちに言われたんだ。

「さすがリンコさんのお友だちだけあって、背が高いですね」

 えーと?
 その日本語は、まちがってないか?

 「友だち」であることと、「背が高い」ことになんの因果関係があると?

 たしかにリンコさんはこのわたしから見ても「うわ、この女デケェ」と思えるくらい、背が高いねーちゃんだよ。
 ひょっとしたら唯一か? という、わたしよりも背の高い女の友人だ。

 だがこの場合、
「さすがリンコさんの親戚だけあって、背が高いですね」
 とか(もちろん、赤の他人だが)、
「さすがリンコさんのバレー部時代のお友だちだけあって、背が高いですね」
 とかいう使い方をするもんだろ?(共に運動部に所属していたことなどないが)

 日本語変だぞ?

 しかしみんな口々に「私もそう思った」「僕も」などと追従する。

 あのー、リンコさんとは前に同じ職場にいたという縁で今もつきあいがあるっちゅーだけで、身長で選んだ友だちじゃないっすよ、お互い。

「同じ職場? 背が高くないとできない仕事だったんですか?」

 どんな仕事ですか、ソレは。

 仕方ないので、てきとーに話をする。

「そうなのよ、身長制限がある仕事でね。履歴書に身長記入欄があるの」
「えー、すごーい」
 てきとー、てきとー。
 ついでにもひとつてきとー。

「面接で、水着審査まであったんですよ」

「………………」

 ど、どーしてそこで黙るんですかみなさんっ。
 引くんですかみなさんっ。

 気をつけよう、スベるとかなしいお調子者(こあら心の標語)。


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