超える力を。@新人公演『エリザベート』
2005年2月22日 タカラヅカ 思ったこと。
濃いさららんは、後ろからすっ転ばしたくなるが、マギーは濃くてもなんとも思わない。
そっか、マギーは濃くて当たり前なんだな。ぜんぜん違和感ないや。
て、ゆーかさ。
エルマーってのは、いつからこんな濃い役にっ?!(笑)
月組新人公演『エリザベート』行って来ました。
トート@もりえ、エリザベート@まだ研3なりたてのねねちゃん、という力技な公演。
そういやわたしは、『エリザベート』の新公は、初演の雪組以来はじめてなのだわ。この間の花組のときとかも、こんな略し方してたの?
構成悪っ。
『エリザベート』って作品は、省略が難しいんだってことが、よくわかった。
某虚匠の大作とか、演出悪すぎの大作『ファントム』とかは、新公ぐらい省略しちゃった方が風通しが良くていいのに、てなもんだったが。
『エリザベート』は省略しちゃうと興ざめする。テンション下がるしつなぎも悪いし、きびしいなあ。演出家のせいなのかしら?
雪組のときはシーンの省略があるのみで、変な蛇足解説はなかったし、そもそも休憩挟んでの2幕構成だったからなぁ。別物だから比べちゃいかんのだろうが、なんともつらい演出になってたわ今回。
なにしろ、プロローグがないし。
びっくりしました。ルキーニが出てくるだけで、あとはそのままシシィ登場。トート閣下は? 主役はいつ出てくるの??
あのプロローグがないと、どれだけ盛り下がるか、痛感したよ。
仕方ないことなのかもしれないが、大勢口で盛り上げるシーンが軒並みカットになっている。ちまちましたシーンのみでつながった『エリザベート』……盛り上がらないってそんなの。
もちろん、多少構成が悪くても制限があっても、出演者に力があれば、ひっくり返せる。比べてすまんが雪エリザ新公なら、この構成でもなんとかしてしまったと思う。なにしろトート@トウコ、エリザベート@美里ちゃんという布陣だ。今でもありゃあどえりゃー新公だったと思う。
新公初主演で「歌手」という札のついていないふたりが主演するのは、そりゃあ大変でしょう……なにしろ『エリザベート』だし。
ほんとに、全編「大変だなあ」「がんばれよー」で覆い尽くされてました。うん、よくがんばった。
しかし……トートより手に汗握った「大役」はルキーニ@ひろみちゃんだよねえ?
ストーリーが省略されまくってるから、「解説」しなきゃいけないし、派手なシーンが軒並みカットで盛り下がっているのをひとりぼっちでナレーションだけで盛り上げて、次のシーンにつなげなきゃならないんだもの。
うっわー、きっつぅ……が、がんばれひろみ、負けるなひろみ。ゆら組長も応援しているぞ。客席で立ち上がってポーズとってくれるくらい、応援してくれてるじゃん、がんばれー(笑)。
ひろみちゃんは噛みまくり、台詞が出ないのか変な間をときおりすこーんとかっとばしながら、それでも活き活きと演じていました。どんなに失敗しても(ほんとに、どんなに、だわ。たくさんしていたわ)、めげることなく「ルキーニ」のままつなげていく「しょー・ますと・ごー・おん」な精神に感心しましたよ。
そう、失敗ぐらいで素に戻ってはいかんのだ。反省はあとでもできる。今は、今すべきことを誠心誠意、全霊をあげて行え。
前向きな姿に好感。
新人公演ってのは、こうでなきゃね。
技術は二の次、とにかくがんばること。
いちおー、ある程度のレベルはクリアしていたんじゃないですか?
うまくないけど、椅子から落ちるほどのこともなかったし。この学年の及第点ってやつ? それは大丈夫だったんじゃないかと。
それよりもただひたすら「がんばったね」という感想が先に出るよ。
ただ、こういった「力のある作品」の場合、「通常の新公」の枠を超えたサプライズがあることがある。作品のパワーがその役者の通常の枠を超えた力を引き出してしまい、おっそろしい感動の波が起こったりするんだ。
作品がもともと10の枠しかなかったら、ほんとは20の力を持っている役者も、10の力しか出せないじゃん。とくにキャリアの薄い新人の場合ね。
ところが20や30の枠を持った作品なら、いつも10しか知らない新人でも「えっ、まだ上を出していいんだ?」てなもんで本人も知らない能力を解放したりするんだよ。
それを期待していたんだが……なかったな。
10の力をもともと持っている人たちは、素直に10の力でがんばってました。作品の力は20以上はあったと思うけど……誰も「未知の能力」を解放することはなかったね。
おとなしく及第点。
ところでいちばん実力があるのって、龍真咲っすか?
この人ひとり、めちゃ余裕だったんですが。
歌がうまいことは知っていたけど、ほんとにふつーに余裕にうまかったぞ。
歌も演技も存在も。
ただ、ちと声量ありすぎ? ルドルフ@真咲とトート@もりえだと、ルドルフ声でかすぎ(笑)。トートの声を消しちゃイカンよ、受キャラのくせに(受に見えませんでしたとも!)。
あとなんといってもエルマー@マギーの安定したうまさと濃さ(笑)。
エルマーっていつからこんな役になったんだ? 二枚目の青年貴族じゃなかったのか? 濃いとゆーか強いとゆーかくどいとゆーか。
キャラが立ってます。愉快です。
トートは力不足・華不足・存在感不足といろんな課題を山積みにして、いっぱいいっぱい。エルマーよりもルドルフよりも弱そう……ゲフンゲフン。
シシィはとにかく若くて若くて若くて、それ以上を求めるのも酷だよな、というかわいらしさ。
あ、でもねねちゃん、歌はどんどんよくなっていった。たった2時間足らずの間に。そうとも、若いんだからこの経験を吸収してくれ。まだ表情の数が限られていて、いつも同じ八の字眉毛のこまったカオをしていたのが印象に残った(笑)。
だからなおさら、昇天のときのかわいい、さっぱりした笑顔がすがすがしい。……演技じゃなかったかもしれんが(笑)。
フランツ@めおちゃんは……とりあえず、素顔はあんなにきれいなのになあ。なんでかなあ。背も高いし、スタイルもいいのになあ。なんであんなに舞台では透明人間なんだろう……。
なんでこの面子で『エリザベート』なのかな、と思うよ。
『エリザベート』は、「枠を超えたサプライズ」を期待できる作品なのに。役者の潜在能力まで引き出せるかもしれない作品なのに。
ポテンシャルの高さのある人に、やらせてほしかったよ……守りに入らないでさ。ねねちゃんの抜擢は、それを期待したのかもしれないが、それならトートは別の人にさせるべきだった。どっちも素人じゃ支え合うこともできないじゃん。
いっそ、マギーか真咲にトートをやらせたら、大化けしたかもしんねーのになー、と、心から悔やまれる。
『エリザベート』という「作品」がね。
や、もりえちゃんに含みはないすよ。「作品」についてだけの勝手な言い分さ〜〜。
濃いさららんは、後ろからすっ転ばしたくなるが、マギーは濃くてもなんとも思わない。
そっか、マギーは濃くて当たり前なんだな。ぜんぜん違和感ないや。
て、ゆーかさ。
エルマーってのは、いつからこんな濃い役にっ?!(笑)
月組新人公演『エリザベート』行って来ました。
トート@もりえ、エリザベート@まだ研3なりたてのねねちゃん、という力技な公演。
そういやわたしは、『エリザベート』の新公は、初演の雪組以来はじめてなのだわ。この間の花組のときとかも、こんな略し方してたの?
構成悪っ。
『エリザベート』って作品は、省略が難しいんだってことが、よくわかった。
某虚匠の大作とか、演出悪すぎの大作『ファントム』とかは、新公ぐらい省略しちゃった方が風通しが良くていいのに、てなもんだったが。
『エリザベート』は省略しちゃうと興ざめする。テンション下がるしつなぎも悪いし、きびしいなあ。演出家のせいなのかしら?
雪組のときはシーンの省略があるのみで、変な蛇足解説はなかったし、そもそも休憩挟んでの2幕構成だったからなぁ。別物だから比べちゃいかんのだろうが、なんともつらい演出になってたわ今回。
なにしろ、プロローグがないし。
びっくりしました。ルキーニが出てくるだけで、あとはそのままシシィ登場。トート閣下は? 主役はいつ出てくるの??
あのプロローグがないと、どれだけ盛り下がるか、痛感したよ。
仕方ないことなのかもしれないが、大勢口で盛り上げるシーンが軒並みカットになっている。ちまちましたシーンのみでつながった『エリザベート』……盛り上がらないってそんなの。
もちろん、多少構成が悪くても制限があっても、出演者に力があれば、ひっくり返せる。比べてすまんが雪エリザ新公なら、この構成でもなんとかしてしまったと思う。なにしろトート@トウコ、エリザベート@美里ちゃんという布陣だ。今でもありゃあどえりゃー新公だったと思う。
新公初主演で「歌手」という札のついていないふたりが主演するのは、そりゃあ大変でしょう……なにしろ『エリザベート』だし。
ほんとに、全編「大変だなあ」「がんばれよー」で覆い尽くされてました。うん、よくがんばった。
しかし……トートより手に汗握った「大役」はルキーニ@ひろみちゃんだよねえ?
ストーリーが省略されまくってるから、「解説」しなきゃいけないし、派手なシーンが軒並みカットで盛り下がっているのをひとりぼっちでナレーションだけで盛り上げて、次のシーンにつなげなきゃならないんだもの。
うっわー、きっつぅ……が、がんばれひろみ、負けるなひろみ。ゆら組長も応援しているぞ。客席で立ち上がってポーズとってくれるくらい、応援してくれてるじゃん、がんばれー(笑)。
ひろみちゃんは噛みまくり、台詞が出ないのか変な間をときおりすこーんとかっとばしながら、それでも活き活きと演じていました。どんなに失敗しても(ほんとに、どんなに、だわ。たくさんしていたわ)、めげることなく「ルキーニ」のままつなげていく「しょー・ますと・ごー・おん」な精神に感心しましたよ。
そう、失敗ぐらいで素に戻ってはいかんのだ。反省はあとでもできる。今は、今すべきことを誠心誠意、全霊をあげて行え。
前向きな姿に好感。
新人公演ってのは、こうでなきゃね。
技術は二の次、とにかくがんばること。
いちおー、ある程度のレベルはクリアしていたんじゃないですか?
うまくないけど、椅子から落ちるほどのこともなかったし。この学年の及第点ってやつ? それは大丈夫だったんじゃないかと。
それよりもただひたすら「がんばったね」という感想が先に出るよ。
ただ、こういった「力のある作品」の場合、「通常の新公」の枠を超えたサプライズがあることがある。作品のパワーがその役者の通常の枠を超えた力を引き出してしまい、おっそろしい感動の波が起こったりするんだ。
作品がもともと10の枠しかなかったら、ほんとは20の力を持っている役者も、10の力しか出せないじゃん。とくにキャリアの薄い新人の場合ね。
ところが20や30の枠を持った作品なら、いつも10しか知らない新人でも「えっ、まだ上を出していいんだ?」てなもんで本人も知らない能力を解放したりするんだよ。
それを期待していたんだが……なかったな。
10の力をもともと持っている人たちは、素直に10の力でがんばってました。作品の力は20以上はあったと思うけど……誰も「未知の能力」を解放することはなかったね。
おとなしく及第点。
ところでいちばん実力があるのって、龍真咲っすか?
この人ひとり、めちゃ余裕だったんですが。
歌がうまいことは知っていたけど、ほんとにふつーに余裕にうまかったぞ。
歌も演技も存在も。
ただ、ちと声量ありすぎ? ルドルフ@真咲とトート@もりえだと、ルドルフ声でかすぎ(笑)。トートの声を消しちゃイカンよ、受キャラのくせに(受に見えませんでしたとも!)。
あとなんといってもエルマー@マギーの安定したうまさと濃さ(笑)。
エルマーっていつからこんな役になったんだ? 二枚目の青年貴族じゃなかったのか? 濃いとゆーか強いとゆーかくどいとゆーか。
キャラが立ってます。愉快です。
トートは力不足・華不足・存在感不足といろんな課題を山積みにして、いっぱいいっぱい。エルマーよりもルドルフよりも弱そう……ゲフンゲフン。
シシィはとにかく若くて若くて若くて、それ以上を求めるのも酷だよな、というかわいらしさ。
あ、でもねねちゃん、歌はどんどんよくなっていった。たった2時間足らずの間に。そうとも、若いんだからこの経験を吸収してくれ。まだ表情の数が限られていて、いつも同じ八の字眉毛のこまったカオをしていたのが印象に残った(笑)。
だからなおさら、昇天のときのかわいい、さっぱりした笑顔がすがすがしい。……演技じゃなかったかもしれんが(笑)。
フランツ@めおちゃんは……とりあえず、素顔はあんなにきれいなのになあ。なんでかなあ。背も高いし、スタイルもいいのになあ。なんであんなに舞台では透明人間なんだろう……。
なんでこの面子で『エリザベート』なのかな、と思うよ。
『エリザベート』は、「枠を超えたサプライズ」を期待できる作品なのに。役者の潜在能力まで引き出せるかもしれない作品なのに。
ポテンシャルの高さのある人に、やらせてほしかったよ……守りに入らないでさ。ねねちゃんの抜擢は、それを期待したのかもしれないが、それならトートは別の人にさせるべきだった。どっちも素人じゃ支え合うこともできないじゃん。
いっそ、マギーか真咲にトートをやらせたら、大化けしたかもしんねーのになー、と、心から悔やまれる。
『エリザベート』という「作品」がね。
や、もりえちゃんに含みはないすよ。「作品」についてだけの勝手な言い分さ〜〜。
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