それは、漢の世界。(幻想スモーク付き)@長崎しぐれ坂
2005年5月13日 タカラヅカ この芝居は、なにをどうやって、どこを狙ったものなんだろう……。
観ていて、うろたえた。
いたたまれなくて、どーしようかと思った。
星組公演『長崎しぐれ坂』初日観劇。
相変わらず、予備知識なんぞありません。原作があることすら、よくわかってなかった。
ので、なにも知らずに観て、客席でひとりひそかに悶絶した。
どんな話かって?
ワタル兄貴、漢の純愛一本勝負! 漢の世界に女はいらねえ、フンドシ芝居ここに極まれりっ!!
……て感じかしら。
ねえこれ、檀ちゃん退団公演だよね? 檀れい様の最後の芝居だよね?
だから当然、ヒロインは檀ちゃんだと思ってたし、男ふたりに女ひとりの物語だから、トドとワタルが檀ちゃんを取り合う話だと思ってたの!
まさか、ワタルと檀ちゃんが、トドを取り合う話だとはっ!
なに考えてんだ、植田紳爾!!
阿鼻叫喚、まさかの ワタ × トド !!
オスカルとアンドレのガラスの馬車のよーな、はたまたトートとシシィの昇天シーンのよーな、幻想的スモークがんがん流した小舟の上で、野郎ふたりでENDマークって、正気ですか?!
なんでトドがワタルの腕の中で死ぬんですか。腕の中で、虫の息で歌っちゃいますか。
つーか、その抱き方はなんですか。
ワタルの開いた脚の間に、トドがいるんですか。
ワタル兄貴……漢前過ぎです……。
こまった。こまったよ、ほんと。
わし、腐女子じゃけん、男ふたりラヴシーンなら、かじりつきで見るんだけどな。
このラストシーンは、思わずオペラグラスおろしちゃったよ。
居心地悪すぎて。
チガウ……チガウんだよ、植爺。腐女子が見たいホモはこんなんぢゃないのっ。耽美やボーイズラブは見たいけど、さぶは見たくないのっ(滝涙)。
あたしゃおやぢ受OKな人間だから、トドだからワタさんだからどうじゃない。描き方がひでーっつー話よ。
野郎ふたりでフンドシ愛やるならやるで、描き方考えようよ……。
とにかく、バランスの悪い芝居で、あちこちまちがいまくってるので、予断が許されないの。
テキ(植爺)は、我々の想像の斜め上を行くって感じ。
細部の脚本と演出がめちゃくちゃだから、次にどうなるのかわからない。てゆーかこの芝居、どこに行くの……?
つか、誰かわたしに、ヒロインおしま@檀れいの存在意義を教えてください。
檀ちゃんコレで退団なんだよ? 最後なんだよ? なんで野郎二人のラヴ芝居で、当て馬やってんのよーっ(涙)。
えー、ストーリーは。
伊佐次@トド、卯之助@ワタル、おしま@檀ちゃんは、江戸で育った幼なじみの仲良し3人組。
しかし時は流れ、彼らは長崎の唐人屋敷で再会した。
伊佐次は大悪党のお尋ね者、治外法権の唐人屋敷内でしか生きられない男。
卯之助は長崎奉行所の下っ端十手持ち。
おしまは堺商人の妾で、芸者。
伊佐次とおしまは子どものころから想い合っていたそーな。しぐれ坂で再会するなりラヴ一直線。びっくりだ。
ふたりを会わせたのは、卯之助。この男、奉行所仲間には「伊佐次を捕まえるのはこの俺。誰にも手は出させない」と言い、そのくせ伊佐次の前では気のいい幼なじみ。なんか素敵にコウモリ野郎。
伊佐次とおしまの恋の取り持ち役をしたりと、一見いいヤツなんだが、とにかく随所に感じられる、落ち着きの悪いコウモリ気質。
伊佐次とおしまの恋が、外野と観客置き去りで、
「あなたといると、パリに戻った気がするんです。もうやり直せない……」
「パリという名の、夢の名残に」
ーーいちゃいちゃ。
「いま、なんて」
「パリに行こう」
「無理よ」
「無理じゃない。やり直すんだ、パリで」
ーーいちゃいちゃ。
と、さんざん盛り上がってくると。(注・パリを「江戸」に変換して読んでください。つい数日前までやっていた芝居と同じことゆーてます)
それまで伊佐次とおしまの味方だったはずの卯之助、突然ふたりを引き裂きにかかる。
おしまのパトロンの旦那@立さんに、チクリやがんの。「あんたのお妾さん、浮気してまっせ」と。
旦那にバレてしまったおしまは、泣く泣く伊佐次を捨てて、堺へ帰ることに。ええっ、帰っちゃうの?!
もちろん、旦那と安定した生活を捨てて、破滅しか待っていないだろう伊佐次との愛に生きるという選択肢はあったんだが。彼女はそれを選ばなかった。
おしまに惚れきっていた伊佐次は、彼女に会えないことに飲んだくれる。ふたりでパリ江戸を夢見、失った美しい日々を夢見ていたのに。もうマラケシュ唐人屋敷で死んだも同然の日々を過ごすのは限界だ、外へ出よう! おしまに会いに行くぞぉー、たとえそれが破滅を意味しても……てな展開だったところへ。
卯之助登場、おしまが伊佐次を捨ててパトロンと行ってしまったことをチクッたうえで、怒濤の愛の告白。
「子どものころから、お前が好きだったんだっ。奉行所の手先をやっているのも全部、お前を守りたいからだっっ」
なんですかそりゃ。トド様……ぢゃねえ、伊佐次(32歳)ぼーぜん。恋人おしま(28歳)には裏切られるわ、親友卯之助(32歳)にはコクられるわ……どーしろっつーんだ。
混乱した伊佐次、自殺行為だとわかっていながら唐人屋敷を出る。まあ大変。
外に出てしまえば、伊佐次は殺してOKの極悪人、捕まっても死刑確実。卯之助はなんとか伊佐次を助けよーとするし、助けられなかったら、俺がこの手で殺してやるとか、コウモリ気質全開。てめーがおしまを追い払うから、そのうえ弱くなったところにここぞとばかりつけ込んでコクったりするから、伊佐次パニクッてんぢゃん!
卯之助がおしまを説得し、ふたりで唐人屋敷で暮らすことができりゃ問題なかったし、おしまが去ったにしろ、伊佐次のために身を引いたとか言いくるめりゃよかったものを。
んでどーすんだ、もう破滅しか残ってないぞ。
「パリへなんか、行けるわけがないじゃないか……」
「冗談じゃない。俺は、こんなことで終わりになるもんか!」
「砂漠へ逃げるんだ!」
台詞めちゃくちゃだが、こんな感じで、伊佐次は卯之助に守られながら小舟へ。そこにまさかの銃声。
どさくさにまぎれて卯之助も小舟に乗り込み、伊佐次と愛の逃避行。
船はどこへ行くんですか?
撃たれた伊佐次は、卯之助の腕の中で息を引き取る。
ああ怒濤の、野郎愛芝居。
あの。
ヒロインおしまの立場は? てめえの保身大事でバックレて終わりっすか? しかも、「卯之助はアタシに対して横恋慕している」と勘違いしたまま。
ただのバカですがな……。てか、出番少なすぎ。
どうしよう、この芝居。
観ていて、うろたえた。
いたたまれなくて、どーしようかと思った。
星組公演『長崎しぐれ坂』初日観劇。
相変わらず、予備知識なんぞありません。原作があることすら、よくわかってなかった。
ので、なにも知らずに観て、客席でひとりひそかに悶絶した。
どんな話かって?
ワタル兄貴、漢の純愛一本勝負! 漢の世界に女はいらねえ、フンドシ芝居ここに極まれりっ!!
……て感じかしら。
ねえこれ、檀ちゃん退団公演だよね? 檀れい様の最後の芝居だよね?
だから当然、ヒロインは檀ちゃんだと思ってたし、男ふたりに女ひとりの物語だから、トドとワタルが檀ちゃんを取り合う話だと思ってたの!
まさか、ワタルと檀ちゃんが、トドを取り合う話だとはっ!
なに考えてんだ、植田紳爾!!
阿鼻叫喚、まさかの ワタ × トド !!
オスカルとアンドレのガラスの馬車のよーな、はたまたトートとシシィの昇天シーンのよーな、幻想的スモークがんがん流した小舟の上で、野郎ふたりでENDマークって、正気ですか?!
なんでトドがワタルの腕の中で死ぬんですか。腕の中で、虫の息で歌っちゃいますか。
つーか、その抱き方はなんですか。
ワタルの開いた脚の間に、トドがいるんですか。
ワタル兄貴……漢前過ぎです……。
こまった。こまったよ、ほんと。
わし、腐女子じゃけん、男ふたりラヴシーンなら、かじりつきで見るんだけどな。
このラストシーンは、思わずオペラグラスおろしちゃったよ。
居心地悪すぎて。
チガウ……チガウんだよ、植爺。腐女子が見たいホモはこんなんぢゃないのっ。耽美やボーイズラブは見たいけど、さぶは見たくないのっ(滝涙)。
あたしゃおやぢ受OKな人間だから、トドだからワタさんだからどうじゃない。描き方がひでーっつー話よ。
野郎ふたりでフンドシ愛やるならやるで、描き方考えようよ……。
とにかく、バランスの悪い芝居で、あちこちまちがいまくってるので、予断が許されないの。
テキ(植爺)は、我々の想像の斜め上を行くって感じ。
細部の脚本と演出がめちゃくちゃだから、次にどうなるのかわからない。てゆーかこの芝居、どこに行くの……?
つか、誰かわたしに、ヒロインおしま@檀れいの存在意義を教えてください。
檀ちゃんコレで退団なんだよ? 最後なんだよ? なんで野郎二人のラヴ芝居で、当て馬やってんのよーっ(涙)。
えー、ストーリーは。
伊佐次@トド、卯之助@ワタル、おしま@檀ちゃんは、江戸で育った幼なじみの仲良し3人組。
しかし時は流れ、彼らは長崎の唐人屋敷で再会した。
伊佐次は大悪党のお尋ね者、治外法権の唐人屋敷内でしか生きられない男。
卯之助は長崎奉行所の下っ端十手持ち。
おしまは堺商人の妾で、芸者。
伊佐次とおしまは子どものころから想い合っていたそーな。しぐれ坂で再会するなりラヴ一直線。びっくりだ。
ふたりを会わせたのは、卯之助。この男、奉行所仲間には「伊佐次を捕まえるのはこの俺。誰にも手は出させない」と言い、そのくせ伊佐次の前では気のいい幼なじみ。なんか素敵にコウモリ野郎。
伊佐次とおしまの恋の取り持ち役をしたりと、一見いいヤツなんだが、とにかく随所に感じられる、落ち着きの悪いコウモリ気質。
伊佐次とおしまの恋が、外野と観客置き去りで、
「あなたといると、パリに戻った気がするんです。もうやり直せない……」
「パリという名の、夢の名残に」
ーーいちゃいちゃ。
「いま、なんて」
「パリに行こう」
「無理よ」
「無理じゃない。やり直すんだ、パリで」
ーーいちゃいちゃ。
と、さんざん盛り上がってくると。(注・パリを「江戸」に変換して読んでください。つい数日前までやっていた芝居と同じことゆーてます)
それまで伊佐次とおしまの味方だったはずの卯之助、突然ふたりを引き裂きにかかる。
おしまのパトロンの旦那@立さんに、チクリやがんの。「あんたのお妾さん、浮気してまっせ」と。
旦那にバレてしまったおしまは、泣く泣く伊佐次を捨てて、堺へ帰ることに。ええっ、帰っちゃうの?!
もちろん、旦那と安定した生活を捨てて、破滅しか待っていないだろう伊佐次との愛に生きるという選択肢はあったんだが。彼女はそれを選ばなかった。
おしまに惚れきっていた伊佐次は、彼女に会えないことに飲んだくれる。ふたりで
卯之助登場、おしまが伊佐次を捨ててパトロンと行ってしまったことをチクッたうえで、怒濤の愛の告白。
「子どものころから、お前が好きだったんだっ。奉行所の手先をやっているのも全部、お前を守りたいからだっっ」
なんですかそりゃ。トド様……ぢゃねえ、伊佐次(32歳)ぼーぜん。恋人おしま(28歳)には裏切られるわ、親友卯之助(32歳)にはコクられるわ……どーしろっつーんだ。
混乱した伊佐次、自殺行為だとわかっていながら唐人屋敷を出る。まあ大変。
外に出てしまえば、伊佐次は殺してOKの極悪人、捕まっても死刑確実。卯之助はなんとか伊佐次を助けよーとするし、助けられなかったら、俺がこの手で殺してやるとか、コウモリ気質全開。てめーがおしまを追い払うから、そのうえ弱くなったところにここぞとばかりつけ込んでコクったりするから、伊佐次パニクッてんぢゃん!
卯之助がおしまを説得し、ふたりで唐人屋敷で暮らすことができりゃ問題なかったし、おしまが去ったにしろ、伊佐次のために身を引いたとか言いくるめりゃよかったものを。
んでどーすんだ、もう破滅しか残ってないぞ。
「パリへなんか、行けるわけがないじゃないか……」
「冗談じゃない。俺は、こんなことで終わりになるもんか!」
「砂漠へ逃げるんだ!」
台詞めちゃくちゃだが、こんな感じで、伊佐次は卯之助に守られながら小舟へ。そこにまさかの銃声。
どさくさにまぎれて卯之助も小舟に乗り込み、伊佐次と愛の逃避行。
船はどこへ行くんですか?
撃たれた伊佐次は、卯之助の腕の中で息を引き取る。
ああ怒濤の、野郎愛芝居。
あの。
ヒロインおしまの立場は? てめえの保身大事でバックレて終わりっすか? しかも、「卯之助はアタシに対して横恋慕している」と勘違いしたまま。
ただのバカですがな……。てか、出番少なすぎ。
どうしよう、この芝居。
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