嗤うリュドヴィーク。@マラケシュ・紅の墓標
2005年8月3日 タカラヅカ 昨日からの続き。
だからこそ、これは夢かもしれないと思った。
リュドヴィーク@オサの見ている夢。
夢の奥津城、マラケシュにて。
愛した女がいた。パリで。金の薔薇を贈った。彼女の罪をかぶって逃げた。
気の置けない仲間がいた。顔を合わせれば憎まれ口ばかりだが、互いを認め合っていた。
それらすべてを、抱きしめあえる女。
だけど、リュドが抱いている女には「顔」がない。幻の女。
行方不明の夫を捜しにマラケシュまで来た? はじめから、こんな女はいない。なにもかも、リュドが作り上げた幻。
それはすべて、リュドの見ている夢。
リュドが欲しかったもの。
リュドが得られないもの。
そして。
リュドの作り上げた幻は、彼が見ている夢は、醒めるときが来た。
ナイフを持った男、ギュンター。
薔薇に憑かれた男はリュドを刺す。
己れの腹に残ったナイフを引き抜く。血に汚れた刃物。
リュドはゆっくりとその凶器を握り直す。
これは凶器か。これは狂気か。
リュドはギュンターを見つめる。ナイフを構え。
そして、わらう。
おびえる男を前にして、ナイフを構えて嗤う。
嗤いながら、ギュンターを刺す。
刺し殺す。
嗤う。わらうんだ。
何故。
ひとりぼっちのリュドヴィーク。
こんなたくさんの人がいるのに、みんなあなたに関わっていたり、また愛していたりもするのに、あなたと同じ世界にいる者はひとりもいない。
たしかにここにいるのに、あなたの手は誰にも触れられない。あなたの声は誰にも届かない。
東宝版では、リュドヴィークはたくさんの人を愛していた。
同じ地平で戦い合うよーな、隙を見せた方がそこから奈落へ落ちるよーな、とてつもないテンションと濃度で愛し合ったイヴェット@あすか。
無防備な笑顔を見せ、憎まれ口を叩きながらも愛し合っていた、レオン@樹里ちゃん。
主役級の人たちが、ちゃんとリュドヴィークと同じ世界にいた。対等な能力で並び立っていた。
それが、博多座版にはなかった。
リュドだけが別次元にいて、誰ともふれあうことがなかった。
なにもかもが夢。彼が見ていた夢。
そんな、とてつもない舞台だった。
砂色の群衆劇の中、リュドだけに他の色がある。
彼だけは、そこに重なった別の世界で生きているから。
出来映えとしてどうなのかはわからないが、わたしは萌えたよ。リュドヴィークの孤独感に。
誰にも届かない想いに。
わらいながら人を殺す姿に、戦慄した。
だからこそ、これは夢かもしれないと思った。
リュドヴィーク@オサの見ている夢。
夢の奥津城、マラケシュにて。
愛した女がいた。パリで。金の薔薇を贈った。彼女の罪をかぶって逃げた。
気の置けない仲間がいた。顔を合わせれば憎まれ口ばかりだが、互いを認め合っていた。
それらすべてを、抱きしめあえる女。
だけど、リュドが抱いている女には「顔」がない。幻の女。
行方不明の夫を捜しにマラケシュまで来た? はじめから、こんな女はいない。なにもかも、リュドが作り上げた幻。
それはすべて、リュドの見ている夢。
リュドが欲しかったもの。
リュドが得られないもの。
そして。
リュドの作り上げた幻は、彼が見ている夢は、醒めるときが来た。
ナイフを持った男、ギュンター。
薔薇に憑かれた男はリュドを刺す。
己れの腹に残ったナイフを引き抜く。血に汚れた刃物。
リュドはゆっくりとその凶器を握り直す。
これは凶器か。これは狂気か。
リュドはギュンターを見つめる。ナイフを構え。
そして、わらう。
おびえる男を前にして、ナイフを構えて嗤う。
嗤いながら、ギュンターを刺す。
刺し殺す。
嗤う。わらうんだ。
何故。
ひとりぼっちのリュドヴィーク。
こんなたくさんの人がいるのに、みんなあなたに関わっていたり、また愛していたりもするのに、あなたと同じ世界にいる者はひとりもいない。
たしかにここにいるのに、あなたの手は誰にも触れられない。あなたの声は誰にも届かない。
東宝版では、リュドヴィークはたくさんの人を愛していた。
同じ地平で戦い合うよーな、隙を見せた方がそこから奈落へ落ちるよーな、とてつもないテンションと濃度で愛し合ったイヴェット@あすか。
無防備な笑顔を見せ、憎まれ口を叩きながらも愛し合っていた、レオン@樹里ちゃん。
主役級の人たちが、ちゃんとリュドヴィークと同じ世界にいた。対等な能力で並び立っていた。
それが、博多座版にはなかった。
リュドだけが別次元にいて、誰ともふれあうことがなかった。
なにもかもが夢。彼が見ていた夢。
そんな、とてつもない舞台だった。
砂色の群衆劇の中、リュドだけに他の色がある。
彼だけは、そこに重なった別の世界で生きているから。
出来映えとしてどうなのかはわからないが、わたしは萌えたよ。リュドヴィークの孤独感に。
誰にも届かない想いに。
わらいながら人を殺す姿に、戦慄した。
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