「きれいだわ」
「でしょう? だから、高く売れる。本当の値段以上にね。みんな、騙される」

 えー、これらの台詞ですが。
 リュドヴィークとオリガが話しているのは、砂漠の薔薇、デザートローズのことです。

 リュドヴィークにとって、デザートローズは売り物。そして、リュドヴィークの商売って、デザートローズを売ることだけじゃないよね? 上流階級のおばさま方のお相手も、彼の仕事のうちよね。でもって、デザートローズを売りつける相手だってたぶん、上流階級のおばさま方よね。
 つまり、デザートローズを売ることと、リュドヴィーク自身を売ることは、イコールだよね(笑)。

 ちらりとお話しした見知らぬオサファンが熱っぽく語っていた。
「リュドは、オリガにはデザートローズを売りたくないのよ。だから、オリガが欲しがっているのに、絶対に触らせないの」
 た、たしかに。手渡して、もっとよく見せてあげればいいのに、絶対渡さないなあ。

 デザートローズとは、リュド自身のこと。
 デザートローズを売るというのは、リュドを売る相手のこと。

 あー、そう考えると素敵ですね。

「きれいだわ」
「でしょう? だから、高く売れる。本当の値段以上にね。みんな、騙される」

 全部全部、リュドヴィークのこと。

「それが、わたしの商売。有り体に言えば、男娼です」

 砂漠の薔薇、リュドヴィーク。
 君は薔薇より美しい。

 
 えー、日付は千秋楽の日ですが、まだ2回目の博多遠征の話です。
 20日、21日のことね。
 順を追って書いていかないと、破綻するんだもん。
 
 
 21日にわたし、オサ様の「福岡限定四つ切り写真」を買ってしまいましたよ。

 デザートローズを手にしたリュドヴィークの写真。サインとメッセージ入り。
 ヅカファン歴長いけど、四つ切りに手を出したのははじめてだよ。やっぱ特別なんだよなあ、リュドヴィークは。デザートローズと、それについてのメッセージがなければ、たぶん買ってない。

 この写真、とても売れ行きがいいようで。
 初日に来たときは、そんなものは売っていない。初日に撮った写真だろうから、商品として販売されるのはそれよりあと。
 そしてわたしは20日ぶりに博多へやってきて、だけど来るのは2回目だから売店はのぞかない。
 おかげで、2日間連続で劇場にいたのに、そんな写真があると気づいたのは2日目になってから。
 どーしよー、買おうかな、でも四つ切りなんて高いだけでどーしろと? と迷っている数分の間に。

 売り切れた。

 わたしの目の前で、飾ってあった見本がはずされた。店員さんに聞いてみたが、見本は売れないのかな、それとも見本すら誰かが先に買ったのかな、売り切れとのこと。

 そうなると、俄然欲しくなるじゃないか。
「キャトレに行く!」
 と宣言したわたしは、昼公演と夜公演の間に、kineさんにつきあってもらって福岡キャトレを目指した。

 微妙に遠い福岡キャトレ。片道優に15分。

 せっかくたどりついたキャトレでも、目指す限定写真はなかった。
 いや、あった。
 店頭ではなく、カウンターの中に。
 店員さんが、その限定写真に住所カードをつけているところだった。

 店頭にはない、店員が住所の書かれたカードを1枚ずつ写真につけていっている、そりゃどう考えたって予約分や通販分しか在庫がないってことだ。
 わたしは血相変えて聞いたさ。
「コレが欲しいんですが、売ってもらえますか」
 指さしたオサ様限定写真には、すでに誰かの住所カードがそえられている。
 店員さんはあわてて写真の束を数え、他の店員さんに確認を取った上で「はい、お売りできます」と答えてくれた。

 マジ、数なかったんだ……。
 数えてみて、予約分しか残ってなかったら、断られてたんだ……。

 よろこんだわたしはつい、ついでにまっつとそのかの写真も買ってしまった。こっちはふつーの舞台写真サイズで、四つ切りじゃないけど。
 写真はキリがないから買わないようにしてたのに〜〜、買っちゃったよおお。

 でもいいんだっ。
 買った写真は全部秀逸だよ。
 そのかのかっこいいことったら!! えっ、ここでそのかかよ?!



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