第46回『宝塚舞踊会』に行ってきました。

 えっ、今年も? 去年が人生最初で最後じゃなかったの?
 ……ええ、わたしもそう思っていましたよ。

 でもさ。ゆーひくんが出るんじゃ、観に行くしかないでしょう?

 まあ今年は、去年ほどがんばらず、そこそこの席でお安く観ました。

 去年の経験から、「1階S席センターから下手がオイシイ」とわかっていたので、下手をゲッチュ。花道が近くてたのしかった。

 今年の舞踊会の印象は、地味でした。

 出演者云々じゃなく、プログラム自体が。構成全体が。
 ほんとに「発表会」って感じ。
 去年、「発表会だと思ってたけど、ちがった。日本物ショーの方が近いや」と思ったのを、覆してくれました。

 帰宅してから去年のプログラムを本棚から引っ張り出したところ、表紙にでかでかと「宝塚歌劇90周年記念」と書いてあるから、去年が特別公演だったのかも。
 内容も3部構成で、凝っていたもんなー。

 ところが今年は「第*部」とかはなく、演目がひとつずつ独立して並んでいるだけ。
 うわー、テンションがチガウ……。

 
 日舞になんの興味も知識もないわたしには、少々つらい公演でした。
 なにしろわたしゃとことん俗な人間なんで、エンタメ以外ついてゆけないのよ……高尚なモノは理解できなくて。
 去年がたのしかったから、今年もたのしいと思い込んでいたよ……そうか、舞踊会ってこーゆーノリなんだ……。

 
 ま、それはともかく。

 劇団もそーゆーとこをわかっているのか、いわゆる「スター」の出ている場面だけは「エンタメ」系の演目でした。

 休憩を挟む前半(1幕2幕の区切りがないので、こーゆー呼び方をするしかない)のトリ、ゆみこちゃんとみわっちと大伴さんの「越後獅子」。

 タップダンスがありました。

 またしても!
 今年はタップの年なんですか、歌劇団。何連続タップダンス観てるんだろー(笑)。

 角兵衛獅子の被り物つきで登場した3人、ひとりずつお着替えをし、一枚歯の高下駄を鳴らして踊ります。うわー、日舞タップだー。
 てゆーか、一枚歯の高下駄って……うっかり踏み損なったら捻挫必至。えらいことやらせるなあ。見ててドキドキ。
 でも、かわいくてたのしいシーン。

 ええ、ゆみこちゃんとみわっち。ふたりで手をつないでタップ踊っちゃいますよ!!
 プリチー!!
 客席からは、笑いが。
 その微笑ましさにね。

 そして次は、新体操のリボン演技。3人揃って幅広の布をくるくる回します。
 いやアレ、すげー大変だろ。細いリボン回すのでもすげー腕力いるだろーに、あんなに太い布を……。女性向きの振付じゃないんだよな。大変だよな、男役。

 ひさびさに見るゆみこちゃんの青天。やっぱいなせだわ。
 角兵衛獅子の被り物も似合ってたし(笑)。
 きゅっと引き締めた口元、そしてチャームポイントのほっぺのえくぼがデフォルト状態。かわいーかわいー。

 でもさ。
 ゆみこでなにがいちばんハァハァしたかって。

 生着替えですよ、生着替え!!

 舞台の上で客席に背中を向けて、衣装替えをするのね。ゆみこだけ、2回も(他のふたりは1回だけ)。
 裃姿のおじさんに介添えさせて。

 その姿がね、なんかもー、すごく「きゃ〜〜!!」なのよ!(笑)

 うわー、ちょこんと坐ってるー。やだー、着替えさせられてるー。下駄履かせてもらってるー。
 全部全部、受動態。ゆみこ自身はなにもせず、坐っているだけ。おじさんがその足元にかしづき、すべてを整える。
 や、ゆみこに限らず誰だってそうなんだけど。そーゆーもんなんだろーけど。

 相手がゆみこだと、萌えました(笑)。

 
 もう1組の「スター」は後半の、ゆうひ、らんとむ、ほっくんの「独楽」。
 ゆみこたちがエンタメ系で来たから、ゆうひたちは二枚目路線で来るかと思いきや、さらに愉快系になっとりました。

 てゆーか、台詞付き。
 日舞発表会で、男役の台詞を聞けるとは思わなかった……ゆーひくんの台詞からはじまるんだもんよ。

 独楽売りダンスなんで、口上付きでわざとらしい独楽の小道具を使ってみたりと、あちこちで笑いが起こっていた。
 青天ではなく、バンダナみたいな帽子。時代劇の露天商がかぶっているよーな。
 こちらも生着替え有り(笑)。でもそれほど萌えず。

 わたし的ポイントは、ゆーひくんの口角が上がっていたこと。

 なんか、やさしい表情になってるね、ゆーひくん。
 口角が上がっていることなんか、以前はそうそうなかったから、なんだか新鮮でした。
 学年順だからなんだろーけど、この面子でもセンターだしね。「スター」だしね。
 いろんなことが新鮮。

 
 自分的にちょっとびっくりだったのは、月組下級生よりも、花組下級生の方が見分けがついてしまうこと。
 ……あたしはいったい、いつから花担に……?

 そしてなんといっても、マギーの「スター」っぷりの良さにもおどろいたな(笑)。
 ゆみこ組とゆーひ組がお笑い系だったので、純然たる二枚目系シーンを踊ったのはマギーなのよ。5人口なんだけど、センター、マギー。ひとりだけ登場して、他の4人はあとから出てくる趣向。
 すげー。

 
 フィナーレは、お着替えの間に合う出番の人たちは全員緑の袴姿。

 ここでのゆーひ組がまた、すごかった。
 ……「桃太郎」やるんだもん……。とことんまで、コメディ担当らしい。プログラムには彼らトリオのこと「次代を期待されている二枚目の三人」と紹介されてるんだけどな……お笑い担当ですかそうですか。

 ほっくんが犬で、とむがサルで、ゆーひが雉。……鳴きます、3匹とも。

 鳴くんだもんよ……それぞれのナマモノになって。まさか舞踊会で、雉の鳴き真似してくれるとはな、ゆーひくん……。

 いちばんノリノリで腰を振っていたのが、ほっくん。えーとキミ、おもしろいけどやりすぎてないか? 笑いを取りすぎているよーな……や、でもそのたのしそーな姿が素敵。

 
 「スター」の扱いがここまでお笑いで統一されると、つくづく「去年は特別だったんだな」と思った。
 そして。

 去年でよかったな。と、思った。

 端正だった。去年のゆーひくんのシーンは。ドシリアスだった。真っ向勝負だった。

 ケロとゆーひの並びを見ることが出来た、最後の場面があの端正なシーンでよかったと、端正なフィナーレでよかったと、心から思った。

 今年の愉快な演出が悪いわけじゃないよ。とってもたのしかったし、あのやわらかい表情を見ることが出来たのはうれしい。
 ただ。

 去年は、あの舞踊会は特別だったんだ。
 わたしにとって。

 そのわたしにとっての特別が、さらに愛しいモノになった気がしたんだ。

 
 ま、なんにせよもう、今度こそ最後の舞踊会だ。いくらなんでも、もうゆーひくんは出ないだろうし。

「まっつが出たら、どうするんですか? 観るでしょ? そのまつで踊られたりしたら、どーするんですか?」
 nanakoさんは、悪魔のささやき。

 うわーん。まっつが出るなら、観に行っちゃうよぅ。


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