攻は誰だ。−腐女子注意報?−@龍星
2005年10月8日 タカラヅカ 初日を観たとき、ハイディさん夫妻とkineさんとメシを食いながら、わたしは言いました。
「龍星はいい受だけど、攻が舞台にいないんだよね。それでも萌えが存在するのは、攻は客席にいる『このわたし』と思えるからかな」
龍星@トウコ受。わたし@観客攻。
や、本気でそう思ったんで、口にしたんですが。
またしても、友人たちが一斉に不穏などよめきをあげました。
……なんでだろう……わたしは、それほど奇異な意見を言っているつもりはないんだが。わたしのよーな凡庸な人間が考えることなんか、世のほとんどの人が考えている、と思って口にするんだが。
「そんなことを考えるのは緑野さんだけ」
と言われると、しょんぼりです。
こーやってブログに書いても、賛同者なんかちっとも現れないしな、いつも。
いやいや、賛同者がなくても、聞いてくれる人たちがいるのはありがたいですとも。
友人たちは、わたしの「萌え」に賛同してはくれませんが、とりあえず否定はしないので。笑ったり脱力したりしながらも、受け入れてくれるので、わたしは恵まれていますとも。
まあなんにせよ、星組DC公演『龍星』の話。
初日に観たときは、とにかくもー、トウコちゃんに圧倒されて帰りました。
他の人たちもがんばってはいたけど、トウコのひとり勝ち状態というか、誰も彼女のいる場所に到達していない印象。
主役的ではない主人公を、実力で真ん中に据え、劇場を自分のオーラで埋め尽くしていた。
トウコから、ナニカ出てるのが見えたよ。
この人は「真ん中」に置くとコレをやるよね。「場」を自分の「気」で満たす。空気を自在に操る。
「助演」しているときは感じない。「主演」のときだけ発散するオーラ。
「真ん中」に立つべき人だなあと思う。素直に。
……ハコの大きさ云々はわかりませんがね。2500人収容の大劇場で、同じようにオーラを放てるかどうかは、まだ観てないんでわかりませんが。
バウも青年館も余裕でOKだった。DCも大丈夫。と、段階を踏んで「真ん中」オーラ実証。さて、次に大きなハコはどこで、それはいつかな。
初日の「トウコひとり勝ち」状態を目にしたあとでは、「萌えだけど、攻がいない」としか思えなかったのよ。
だって、誰も龍星と同じ地球に立ってないんだもん。わたしは設定資料だけ見て萌える性癖はないの。「物語」にしか「作品」にしか萌えない。
たったひとりで、ひとりぼっちで凄絶な姿をさらし、客席をすすり泣きで埋めてしまう龍星。
彼に萌えるとしたら、カプではなく単体。
攻はいないのに、ひとりで受。
そんなのアリ?
受単体なのに萌えなんて、ふつーは萌えが鈍るよね。
いやいや、攻はいますとも。
ずばり「観客」が攻視点でしょう!!
あまりに哀れな、痛々しい龍星を見て「あたしが守ってあげたい!」とか、「泣いていいのよ!」とか、「名前なんか関係ない、あなたを愛してる!」とか、思ってるでしょう、観客のみなさん!
それが、「攻視点」ですよ。
龍星の妃砂浬@みなみちゃんもまた、見事に攻視点で龍星を愛していたでしょう?
消えてしまいそうな背中を見て、守ってあげたくなるわけですよ。
守られたいとか甘やかされたいとかじゃないの。「わたしが」彼になにかしてあげたい。彼の盾になりたい、やすらぎになりたい。「わたしに」ではない。
能動的な愛の衝動。
それが、攻ってことですよ。
わたしだけじゃないでしょ?
他にもみんな、攻になって龍星を見つめていたでしょ? ね、みなさん?!
とまあ、思わず冒頭からイタい語りをしてしまいましたが。
今回は「萌えカプ」についての話(笑)。
『龍星』でいちばんわかりやすいのは、主従カプだ。秘密を抱える孤高の皇帝龍星と、その忠臣飛雪@あかしは、「設定」だけなら萌えだろー。脚本だけ読んでも萌えかな。
でも、実際に舞台で見るとちっとも萌えない。
ほら、アレだ。『花恋吹雪』の五右衛門と才蔵が設定と脚本だけなら萌えだったのに、実際の舞台ではちっとも萌えなかったのと同じだな。
『花恋吹雪』のときに、歯がみしたもの。「才蔵に色気があれば、どんなに萌えただろう! なんであんなにただの『余裕のない優等生』なのよーっ!」と。
今回の『龍星』を見て、「頼むよ、忠臣には色気のある人を使ってくれよ。才蔵の二の舞だよ」と思っていたんだが。
2回目以降の観劇では、あかしくん、成長してましたっ!!
あ、あれ? あかしなのに、かっこいいぞ!!(失礼な)
設定的には「クールな片腕」であったはずの飛雪が、初日は体育会系の暑苦しい男の子だったのよね。
「冷静」とか言われると首を傾げてしまうよーな、そぐわないキャラクタ。
服装は真っ黒でがんばってるけどさー。李宰相の死体持ち上げるのもうまくできずに、死体のはずの宰相に「協力」してもらってようよう持ち上げていたし、なんかこー、トホホなクールキャラだなー。
だったのに。
飛雪が、かっこいいですよ、奥さん!!(誰)
ちゃんと「クール」になってますよ。孤高の龍星の腹心たり得る風格がありますよ。
あかしだって先入観がなければ、十分萌えられます。(失礼な)
顔が大きいのも、本物の男性っぽくていいよね。日本人男性は五等身が基本だもんね。
骨太な容姿は、ストイックな風情を身につけられれば武器になりますよ。
初日も、暑苦しい小物感はあったものの、龍星への愛は強く伝わっていたので、それが日を重ねるにつれ役割通りの「クール」キャラになっていってくれると、さらに際立ちます。
静かに熱く、皇帝を愛する忠臣。
身分をわきまえ、光を支える影であることを信条とする男。
いい感じにできあがっていて、うれしかった。
この役が万が一ケロなら、きっと別の物語になってしまっただろうから、あかしぐらいの抑え方が正しいんだと思う。ここでケロを思い出すあたり、あたしもアレだが。
でも、ケロがこの役をやったら、えらいことになってたよねえ? ウバルドが「失恋逆ギレ男」になったよーなもんで、飛雪もストーリー曲げるとこまで暴走しちゃうよねえ?(笑)
飛雪がいい男になってくれていたので、「観客攻」とか言わなくてもすむようになりました。
素直に飛雪×龍星で萌えておきます。
あ、もちろんプラトニックですよ。
主従カプはプラトニック推奨。惚れている方(家臣)がぎりぎりまで自分を律するのだー。据え膳にも手を出さないのだー。
いっそできあがっちゃった方が受姫を救えるのに、堅物な攻家臣は手を出さないの。カラダのつながりがあった方が、孤独な夜に抱きしめてくれる腕があった方が、受姫はやすらげるのに……堅物家臣にはソレがわからないのよーっ。自分が触れてはならない人だ、と思い込んで悶々としているの。
萌え。
「龍星はいい受だけど、攻が舞台にいないんだよね。それでも萌えが存在するのは、攻は客席にいる『このわたし』と思えるからかな」
龍星@トウコ受。わたし@観客攻。
や、本気でそう思ったんで、口にしたんですが。
またしても、友人たちが一斉に不穏などよめきをあげました。
……なんでだろう……わたしは、それほど奇異な意見を言っているつもりはないんだが。わたしのよーな凡庸な人間が考えることなんか、世のほとんどの人が考えている、と思って口にするんだが。
「そんなことを考えるのは緑野さんだけ」
と言われると、しょんぼりです。
こーやってブログに書いても、賛同者なんかちっとも現れないしな、いつも。
いやいや、賛同者がなくても、聞いてくれる人たちがいるのはありがたいですとも。
友人たちは、わたしの「萌え」に賛同してはくれませんが、とりあえず否定はしないので。笑ったり脱力したりしながらも、受け入れてくれるので、わたしは恵まれていますとも。
まあなんにせよ、星組DC公演『龍星』の話。
初日に観たときは、とにかくもー、トウコちゃんに圧倒されて帰りました。
他の人たちもがんばってはいたけど、トウコのひとり勝ち状態というか、誰も彼女のいる場所に到達していない印象。
主役的ではない主人公を、実力で真ん中に据え、劇場を自分のオーラで埋め尽くしていた。
トウコから、ナニカ出てるのが見えたよ。
この人は「真ん中」に置くとコレをやるよね。「場」を自分の「気」で満たす。空気を自在に操る。
「助演」しているときは感じない。「主演」のときだけ発散するオーラ。
「真ん中」に立つべき人だなあと思う。素直に。
……ハコの大きさ云々はわかりませんがね。2500人収容の大劇場で、同じようにオーラを放てるかどうかは、まだ観てないんでわかりませんが。
バウも青年館も余裕でOKだった。DCも大丈夫。と、段階を踏んで「真ん中」オーラ実証。さて、次に大きなハコはどこで、それはいつかな。
初日の「トウコひとり勝ち」状態を目にしたあとでは、「萌えだけど、攻がいない」としか思えなかったのよ。
だって、誰も龍星と同じ地球に立ってないんだもん。わたしは設定資料だけ見て萌える性癖はないの。「物語」にしか「作品」にしか萌えない。
たったひとりで、ひとりぼっちで凄絶な姿をさらし、客席をすすり泣きで埋めてしまう龍星。
彼に萌えるとしたら、カプではなく単体。
攻はいないのに、ひとりで受。
そんなのアリ?
受単体なのに萌えなんて、ふつーは萌えが鈍るよね。
いやいや、攻はいますとも。
ずばり「観客」が攻視点でしょう!!
あまりに哀れな、痛々しい龍星を見て「あたしが守ってあげたい!」とか、「泣いていいのよ!」とか、「名前なんか関係ない、あなたを愛してる!」とか、思ってるでしょう、観客のみなさん!
それが、「攻視点」ですよ。
龍星の妃砂浬@みなみちゃんもまた、見事に攻視点で龍星を愛していたでしょう?
消えてしまいそうな背中を見て、守ってあげたくなるわけですよ。
守られたいとか甘やかされたいとかじゃないの。「わたしが」彼になにかしてあげたい。彼の盾になりたい、やすらぎになりたい。「わたしに」ではない。
能動的な愛の衝動。
それが、攻ってことですよ。
わたしだけじゃないでしょ?
他にもみんな、攻になって龍星を見つめていたでしょ? ね、みなさん?!
とまあ、思わず冒頭からイタい語りをしてしまいましたが。
今回は「萌えカプ」についての話(笑)。
『龍星』でいちばんわかりやすいのは、主従カプだ。秘密を抱える孤高の皇帝龍星と、その忠臣飛雪@あかしは、「設定」だけなら萌えだろー。脚本だけ読んでも萌えかな。
でも、実際に舞台で見るとちっとも萌えない。
ほら、アレだ。『花恋吹雪』の五右衛門と才蔵が設定と脚本だけなら萌えだったのに、実際の舞台ではちっとも萌えなかったのと同じだな。
『花恋吹雪』のときに、歯がみしたもの。「才蔵に色気があれば、どんなに萌えただろう! なんであんなにただの『余裕のない優等生』なのよーっ!」と。
今回の『龍星』を見て、「頼むよ、忠臣には色気のある人を使ってくれよ。才蔵の二の舞だよ」と思っていたんだが。
2回目以降の観劇では、あかしくん、成長してましたっ!!
あ、あれ? あかしなのに、かっこいいぞ!!(失礼な)
設定的には「クールな片腕」であったはずの飛雪が、初日は体育会系の暑苦しい男の子だったのよね。
「冷静」とか言われると首を傾げてしまうよーな、そぐわないキャラクタ。
服装は真っ黒でがんばってるけどさー。李宰相の死体持ち上げるのもうまくできずに、死体のはずの宰相に「協力」してもらってようよう持ち上げていたし、なんかこー、トホホなクールキャラだなー。
だったのに。
飛雪が、かっこいいですよ、奥さん!!(誰)
ちゃんと「クール」になってますよ。孤高の龍星の腹心たり得る風格がありますよ。
あかしだって先入観がなければ、十分萌えられます。(失礼な)
顔が大きいのも、本物の男性っぽくていいよね。日本人男性は五等身が基本だもんね。
骨太な容姿は、ストイックな風情を身につけられれば武器になりますよ。
初日も、暑苦しい小物感はあったものの、龍星への愛は強く伝わっていたので、それが日を重ねるにつれ役割通りの「クール」キャラになっていってくれると、さらに際立ちます。
静かに熱く、皇帝を愛する忠臣。
身分をわきまえ、光を支える影であることを信条とする男。
いい感じにできあがっていて、うれしかった。
この役が万が一ケロなら、きっと別の物語になってしまっただろうから、あかしぐらいの抑え方が正しいんだと思う。ここでケロを思い出すあたり、あたしもアレだが。
でも、ケロがこの役をやったら、えらいことになってたよねえ? ウバルドが「失恋逆ギレ男」になったよーなもんで、飛雪もストーリー曲げるとこまで暴走しちゃうよねえ?(笑)
飛雪がいい男になってくれていたので、「観客攻」とか言わなくてもすむようになりました。
素直に飛雪×龍星で萌えておきます。
あ、もちろんプラトニックですよ。
主従カプはプラトニック推奨。惚れている方(家臣)がぎりぎりまで自分を律するのだー。据え膳にも手を出さないのだー。
いっそできあがっちゃった方が受姫を救えるのに、堅物な攻家臣は手を出さないの。カラダのつながりがあった方が、孤独な夜に抱きしめてくれる腕があった方が、受姫はやすらげるのに……堅物家臣にはソレがわからないのよーっ。自分が触れてはならない人だ、と思い込んで悶々としているの。
萌え。
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