さて、『龍星』の話。

 龍星@トウコ万歳、トウコすばらしい!!
 ……はもうさんざん書いたので、他の人の話。

 なんといっても、霧影@れおん。

 かっこいいんですけど。

 恥ずかしながらこのわたし、れおんくんを「かっこいい」と思ったの、はぢめてです……もぢもぢ。

 わたしはどうも、「真ん中」な人は好みじゃなくて。脇の人にときめく人間なんですよ。
 だから、真ん中スターオーラ燦々、「幼いけれど百獣の王」なれおんくんには、ときめかなくて。

 トウコちゃんだって、雪組でブイブイ言わせてたころは、好みじゃなかったんですよ。あのころは、そりゃーもー、すごいスター街道驀進していた人ですからね。
 しいちゃんだって、きらきら真ん中を上っていく若手スターのときは、好みじゃなかったんですよ。

 まったくの脇専門ではなく、真ん中に行きそうで行きそうにないあたりの人が、いちばん好みっぽいです。
 ケロちゃんも、「次こそは新公主役?!」とどきどきして見守っていたなあ。結局主演はできなかったけれど。

 そんな人間なんで、れおんくんの魅力は、理解はするけど興味のないものだったのですよ、わたし的に。

 それが、まあ。

 かっこいいじゃないですか、霧影!!

 揺るぎない、まっすぐな男。正しい男。
 ……いや、やってることは結構ひどいんですけどね。烏延将軍@星原せんぱいはもとより、恋愛関係になる花蓮@ウメのことも完全に騙しきるわけですから。
 花蓮とデキちゃうわりに、行動にブレがなく見えるのは、れおんくんの「まっすぐさ」由縁かな。不実なことをしているはずなのに、正しく見えちゃうんだもの。

 その、やっていることと、見えているものの差に、ずきゅんとキタかもしれない。

 密偵として金に潜入し、花蓮たちを騙しているというのに、彼には罪悪感や苦悩、迷いが見えない。
 いつもいつも、ヒーロー然としている。
 敵であることを隠して花蓮を抱いているのだと思っても、不実に見えないのはどーゆーことよ?
 花蓮に対して口にする愛の言葉は、全部本物だと思えてしまう。……騙しているくせに。罪悪感すらなさそうなのに。

 その鈍感さにも似た「正しさ」が、まちがっている感じで、わたしのハートに突き刺さるの(ややこしい・笑)。

 もちろん、霧影が花蓮を愛しているのは事実だと思う。彼女の名をつぶやいて死ぬのもわかる。

 でもやっぱり、素直に花蓮を愛しているふつーの感覚を持った男ならば、もっと苦悩して当然だと思うのよ。
 それがナイから、かえって霧影が素敵なの(笑)。

 人間として、どっか欠けていそうなところが、すごくそそる。
 

 異邦人がその土地に受け入れられるためのいちばん確実な方法は、その土地の人間と結婚すること。
 任務に忠実な霧影は、それを実行したんだと思う。
 花蓮を口説いたのは、霧影の方だろ。あの美丈夫ぶりで、自信満々に口説いてモノにしたんだろ。……想像すると萌えます。ハーレクインな世界だわ。

 思わせぶりな態度を取って、そのくせそっけないふりをする霧影。
「なによ、あんな男!」
 と思いながらも、霧影が気になってしょうがない花蓮。
 そして、ちょっとしたイベント時に強引なキス。
 混乱する花蓮をよそに、わざと「悪い、軽い冗談だ。まさか本気にしてないだろ?」てなことを言う霧影。
「本気にするわけない。バカにするな」
 と強がりつつ、内心めろめろな花蓮。

 押しては引き、好意を示してはひるがえし……の連続、ハーレクイン的王道展開てんこ盛り(笑)。

 見てみたいぞ、霧影と花蓮で。

 そしてもちろん、「なんでこんなに、本気になってるんだ、俺」ととまどう霧影もデフォルトで。「利用するだけのつもりだったのに……」と愕然としてくれなきゃだわ。

 ベッドシーンは、獣のよーに激しく求め合って(笑)。

 戦場などがいいですな。双方返り血つきの戦闘服のまま、地面にもつれあって転がるがよし。
 動物的に、本能の求めるままに。

 
 ああ、れおんも大人になったもんです。
 こんな大人な物語を想像できるよーな役を、やってくれるのですから。

 本物の霧影@囚われ人が目の前で死んでも。ぜんぜん平気だったしね。自分のことしか考えなくて。
 霧影の性格の歪さが、すごく素敵。

 
 花蓮@ウメちゃんはもー、アニメキャラ。

 なにもかも、予定調和というかお約束というか、アニメやマンガで5万回は見たキャラなので、誰もこのキャラをパクリとは言わんだろー、レベルのお手軽さ。
 登場するなり、「たらららら〜ん♪」ってわざとらしいヒロインメロディが流れるのも、笑える。
 服装はモモレンジャー。今どき戦隊モノの女の子でも、ここまでな格好はしてないぞってくらい、変身ヒロインなコスチューム。
 そして二刀流の女剣士。
 言動もキャラ立ても、とにかく1から10まで全部お約束。どっかで見たアニメキャラ。

 その笑えるアニキャラを、三次元で具現させた、ウメはすごい。

 すげー。
 ハマッてるよ、うめちゃん!!
 素敵。

 花蓮@ウメ、大好きですとも!
 きれいだし、かっこいい。説得力のある殺陣。シャープな動き。

 こんなにオトコマエなのに、霧影の横に立つとオトメなのがすごくわかる。
 男装しているのに、可憐な女性だとわかる。

 いいよなー。
 このウメちゃんを見るだけでも、この作品には意味があるよ。

 旅立つ霧影を行かせまいと立合いを挑む姿、完敗してなお、素手で向かっていく無様な姿が、いじらしくて泣ける。
 かっこわるさが愛しく思える人は、大好きだよ。

 
 れおんもウメも、歌、うまくなってたよね?
 びっくりだよー。デュエットがちゃんとデュエットになってたよ。
 ラストを締めるのがウメのソロかよ、とびびったのに、ぜんぜんOK、きれいな歌声だった。

 
 砂浬@みなみちゃんは、癒しの君。
 そのやさしさ、母のような包容力が発揮されていた。
 気位の高い姫君として登場するけど、キツさより「姫君」である美しさと政治の道具であるあわれさが見えてよかったな。

 クライマックス、愛する男を守るために剣を握って立ちはだかる強さに、涙が出る。
 どう考えたって、役に立ちそうにないのにね。かなうはずないのに、それでも立つんだね。愛するものを、その華奢な背中にかばって。

 孤独な龍星が、この姫君を愛するのが、わかる。
 とりたててふたりのエピソードはつづられていないのに、それでも、納得できてしまうんだ。

 龍星にとって、この女が救いだったんだと。

 ラヴシーンがいいんだよねー。
 悲しい怒りに爆発する砂浬を押さえ込む龍星が、とてつもなくかなしい顔をする。
 泣いているのは砂浬で、彼女を乱暴に扱っているのが龍星なのに。
 龍星はかなしい顔をして……吸い込まれるように、かなしい砂浬に口付ける。

 愛しくて、愛しさがこみあげてきて、我慢できなくなっちゃったんだなー。

 それがわかるから、強引なラヴシーンも美しくて、かなしい。

 
 ほんと、大好きだよ『龍星』。
 青年館も観に行きたいよ。……チケットないし、ちょっとはおとなしくしようとあきらめたけど。

 絶望にわらう、あの傷だらけの美しい人に会いたいなあ。


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