悪いヤツに会いたい。@Ernest in Love
2005年10月21日 タカラヅカ「樹里ちゃん、もう退団しちゃいましたよ」
と、いろんな人に言われつつ。
ええ、感想書くの遅くなっちゃったけど、とりあえず書く。
日生『Ernest in Love』、オサコンの狭間に1回だけ観ました。
席は最前列上手端。
作品は梅芸で複数回観てるから、こちらは端でもなんでもいい、全体なんか見えなくてもいい、樹里ちゃんだけを観に行った。
男役の樹里ちゃんを記憶に刻むために。
オペラグラスなしで見られる席にこだわったんだ。
鳥かごが降りてこず、最初からオケが籠の中だったことにおどろきつつ、開幕。
最前列の醍醐味っつったらもー、人間が目の前であること。
モブの若者たちが、ずーっと目の前でごちゃごちゃやっている。月組梅芸でも最前列に坐ったんで、既視感に囚われる。姿樹えり緒くんの顔を思わず探してしまうほど(月アーネストでよっぽど脳裏に焼き付いたらしい)。
若者たちは至極真面目に市民だの農民だのを演じていたが……えー、わたしにLockOnしてくれたの、大門くん? やたら目が合うわ、微笑んでくれるわで、おばさんすげーたのしかったんですが。
モブの子たちは近いんだが、主要人物は遠い(笑)。
アーネストの登場シーンなんか、ものすごい仰角で顔が見えない……やーん樹里ちゃん、早く降りてきてーっ。
全編「樹里ちゃん!!」と意気込んでいたせいか、作品自体はさらりと流れました。わたし的に。
わたしは最初、月組バージョンを見たときに「この作品も役も、樹里ちゃんに合ってるよね。よかった」と思った。
ずっとそう思っていたし、安心していたんだ。
樹里ちゃんならきっと、たのしいものを見せてくれるって。
でも、実際に見てみると、どうもチガウ気がした。
そうか……わたしはべつに、樹里ちゃんにこーゆー作品も役も求めてなかったんだな。
主演なのはうれしいし、これからも続く彼の男役人生のなかのひとつなら、ほんとに心からよろこんだけど……これが最後かと思うと、ちょっとチガウんだ。
とゆーことに、今さら気づいたんだ。
そーなのよ……わたしが樹里に求めているモノって。
悪いヤツなのよっ!!
セシリィ気分で歌って踊りたいわ。わたしが求めているのはワルな樹里ちゃんだったのよー。
レオン@マラケシュまでハードにならない、粋な小悪党。
えくぼを見せてにやけてて、顔立ちよりもそのスタイルと性格で「色男」に見せてしまう女の敵。
アルジャノンか……そうか、アルジの方が見たかったのか、わたし。
実際に見るまで気づかないあたり、鈍いですよ。
それでかしら。作品自体はさらりと。
活き活きとした樹里ちゃんに、アーネストくんは「小さい」気がした。
役者としての樹里ちゃんには「小さい」役で、スターとしての樹里ちゃんには少し荷の重い役だと思った。
アーネストってのは、「スター」がやるべき役なんだなあ、と。職人系でも2番手系でもなく、まぎれもなく「真ん中」の人がやってこそいちばん輝く役。
わたしは樹里ちゃん好きだからそれゆえに目がくらんでいたけど、そっか、アーネストよりアルジャノンがハマる人だったよね。
素の樹里ちゃんは笑いのセンスのある人で、エンターティナーだと思うけれど、役者としてのもっとも高いスキルは「深刻芝居」だった。悲劇系というか。死ぬ演技うまいんだよね。ドラマティックに殺したくなる役者なんだよね。
最後の最後に、「樹里咲穂」を再確認したよ。
さらりとわたしの前を流れていった物語だったのに。
クライマックスで、わたしは一気に流れの中に引き込まれた。
ええ、孤児アーネストの独唱ですよ。ブラックネル夫人にどーしても結婚を許してもらえず、「家族が欲しかった」と歌うアーネストの最大の見せ場。
上手ですから、目の前です、アーネスト@樹里。
それまでわたし、「物語」の外にいたのに。傍観者だったのに。
一気に、彼らと同じ場所にいた。舞台の上、うなだれるアーネストの傍ら。
それまで、あんなに地味(失礼)だったアーネストに、全部持っていかれた。
ハートがぐわんぐわんと揺れて回って、可聴音域を超えたところでずっと共鳴しているような感じ。
そうだ、これが樹里咲穂だ。
深刻芝居になると、全部持っていくんだから。小粋なコメディの白い二枚目だと他に負け気味だったのに。
アーネストはわたしが求めた「悪いヤツ」ではなかったけれど、結局のところ、これでよかったのかもしれない。
樹里ちゃんをいろんな意味で堪能した。
ミニ・フィナーレの陽気さ、たのしさに心の中で一緒に歌いつつ手拍子して、カテコではご機嫌でスタオベしてきました。
グウェンドレン@あすかは、手堅い感じ。
手強い感じ、も、する(笑)。
和を保っている印象だ。やりすぎず、暴走せず。樹里ちゃんにすべてを預けている感じ。
相手役に従い、立てる。いい娘役になったんだなあ。
セシリィ@一花ちゃんは、ものすげーかわいいっ。
ちっちゃくてパワフルで、ゴムマリみたい。家に持って帰りたい(笑)。
アルジャノン@らんとむとのバランスもいい。
らんとむさんは、どんどんオトコマエに。
どんどん華やかに。
いかにも「ヅカのスタァ」って感じがすばらしい。
……ただわたしは、アルジャノン役はどーしても、きりやんが忘れられないっす……。
なんでか考えたんだよね。
こんなにこんなにすてきならんとむアルジが、どーしてわたしに響いて来ないのか。
明解でした。
毒のなさ。
そっか。
きりやんのアルジャノンには、「毒」があったんだ。
ほんとに性格悪そうっていうか、それこそあさこアーネストを押し倒してヤッちゃってもぜんぜん悪びれないで「君だって楽しんだじゃないか」とか言っちゃいそうな、本質的な歪さ。
それが、ツボだったんだわ。ときめきだったんだわ。
らんとむさん、いい人なんだもん……健康そうなんだもん……。陽性のおぼっちゃまには、ときめかない……。
や、その、あくまでもわたしの好みの話。
世間の評価とはなんの関係もありません。
あとは、越リュウの不在に胸を焦がしつつ。(まりん氏に含むところはございません)
さて。
来年のガラコン。樹里ルキーニを聴きに行けるかしら……。最近チケ運も尽きた感じやしなー。
と、いろんな人に言われつつ。
ええ、感想書くの遅くなっちゃったけど、とりあえず書く。
日生『Ernest in Love』、オサコンの狭間に1回だけ観ました。
席は最前列上手端。
作品は梅芸で複数回観てるから、こちらは端でもなんでもいい、全体なんか見えなくてもいい、樹里ちゃんだけを観に行った。
男役の樹里ちゃんを記憶に刻むために。
オペラグラスなしで見られる席にこだわったんだ。
鳥かごが降りてこず、最初からオケが籠の中だったことにおどろきつつ、開幕。
最前列の醍醐味っつったらもー、人間が目の前であること。
モブの若者たちが、ずーっと目の前でごちゃごちゃやっている。月組梅芸でも最前列に坐ったんで、既視感に囚われる。姿樹えり緒くんの顔を思わず探してしまうほど(月アーネストでよっぽど脳裏に焼き付いたらしい)。
若者たちは至極真面目に市民だの農民だのを演じていたが……えー、わたしにLockOnしてくれたの、大門くん? やたら目が合うわ、微笑んでくれるわで、おばさんすげーたのしかったんですが。
モブの子たちは近いんだが、主要人物は遠い(笑)。
アーネストの登場シーンなんか、ものすごい仰角で顔が見えない……やーん樹里ちゃん、早く降りてきてーっ。
全編「樹里ちゃん!!」と意気込んでいたせいか、作品自体はさらりと流れました。わたし的に。
わたしは最初、月組バージョンを見たときに「この作品も役も、樹里ちゃんに合ってるよね。よかった」と思った。
ずっとそう思っていたし、安心していたんだ。
樹里ちゃんならきっと、たのしいものを見せてくれるって。
でも、実際に見てみると、どうもチガウ気がした。
そうか……わたしはべつに、樹里ちゃんにこーゆー作品も役も求めてなかったんだな。
主演なのはうれしいし、これからも続く彼の男役人生のなかのひとつなら、ほんとに心からよろこんだけど……これが最後かと思うと、ちょっとチガウんだ。
とゆーことに、今さら気づいたんだ。
そーなのよ……わたしが樹里に求めているモノって。
悪いヤツなのよっ!!
セシリィ気分で歌って踊りたいわ。わたしが求めているのはワルな樹里ちゃんだったのよー。
レオン@マラケシュまでハードにならない、粋な小悪党。
えくぼを見せてにやけてて、顔立ちよりもそのスタイルと性格で「色男」に見せてしまう女の敵。
アルジャノンか……そうか、アルジの方が見たかったのか、わたし。
実際に見るまで気づかないあたり、鈍いですよ。
それでかしら。作品自体はさらりと。
活き活きとした樹里ちゃんに、アーネストくんは「小さい」気がした。
役者としての樹里ちゃんには「小さい」役で、スターとしての樹里ちゃんには少し荷の重い役だと思った。
アーネストってのは、「スター」がやるべき役なんだなあ、と。職人系でも2番手系でもなく、まぎれもなく「真ん中」の人がやってこそいちばん輝く役。
わたしは樹里ちゃん好きだからそれゆえに目がくらんでいたけど、そっか、アーネストよりアルジャノンがハマる人だったよね。
素の樹里ちゃんは笑いのセンスのある人で、エンターティナーだと思うけれど、役者としてのもっとも高いスキルは「深刻芝居」だった。悲劇系というか。死ぬ演技うまいんだよね。ドラマティックに殺したくなる役者なんだよね。
最後の最後に、「樹里咲穂」を再確認したよ。
さらりとわたしの前を流れていった物語だったのに。
クライマックスで、わたしは一気に流れの中に引き込まれた。
ええ、孤児アーネストの独唱ですよ。ブラックネル夫人にどーしても結婚を許してもらえず、「家族が欲しかった」と歌うアーネストの最大の見せ場。
上手ですから、目の前です、アーネスト@樹里。
それまでわたし、「物語」の外にいたのに。傍観者だったのに。
一気に、彼らと同じ場所にいた。舞台の上、うなだれるアーネストの傍ら。
それまで、あんなに地味(失礼)だったアーネストに、全部持っていかれた。
ハートがぐわんぐわんと揺れて回って、可聴音域を超えたところでずっと共鳴しているような感じ。
そうだ、これが樹里咲穂だ。
深刻芝居になると、全部持っていくんだから。小粋なコメディの白い二枚目だと他に負け気味だったのに。
アーネストはわたしが求めた「悪いヤツ」ではなかったけれど、結局のところ、これでよかったのかもしれない。
樹里ちゃんをいろんな意味で堪能した。
ミニ・フィナーレの陽気さ、たのしさに心の中で一緒に歌いつつ手拍子して、カテコではご機嫌でスタオベしてきました。
グウェンドレン@あすかは、手堅い感じ。
手強い感じ、も、する(笑)。
和を保っている印象だ。やりすぎず、暴走せず。樹里ちゃんにすべてを預けている感じ。
相手役に従い、立てる。いい娘役になったんだなあ。
セシリィ@一花ちゃんは、ものすげーかわいいっ。
ちっちゃくてパワフルで、ゴムマリみたい。家に持って帰りたい(笑)。
アルジャノン@らんとむとのバランスもいい。
らんとむさんは、どんどんオトコマエに。
どんどん華やかに。
いかにも「ヅカのスタァ」って感じがすばらしい。
……ただわたしは、アルジャノン役はどーしても、きりやんが忘れられないっす……。
なんでか考えたんだよね。
こんなにこんなにすてきならんとむアルジが、どーしてわたしに響いて来ないのか。
明解でした。
毒のなさ。
そっか。
きりやんのアルジャノンには、「毒」があったんだ。
ほんとに性格悪そうっていうか、それこそあさこアーネストを押し倒してヤッちゃってもぜんぜん悪びれないで「君だって楽しんだじゃないか」とか言っちゃいそうな、本質的な歪さ。
それが、ツボだったんだわ。ときめきだったんだわ。
らんとむさん、いい人なんだもん……健康そうなんだもん……。陽性のおぼっちゃまには、ときめかない……。
や、その、あくまでもわたしの好みの話。
世間の評価とはなんの関係もありません。
あとは、越リュウの不在に胸を焦がしつつ。(まりん氏に含むところはございません)
さて。
来年のガラコン。樹里ルキーニを聴きに行けるかしら……。最近チケ運も尽きた感じやしなー。
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