四日市まで公演を追いかけたのは、もちろん水くんのためだ。

 レイ@水に会いたかった。

 なんかもー、ひさびさのときめき。ひさびさの恋。
 わたしは攻キャラスキーなので、好きな人がかっこいー攻キャラをやってくれてると、ものごっつーときめくのよ。
 (まっつさんは、ヘタレな攻キャラをやってくれると、悶絶モノでときめきます)

 レイさえ見られればいい。オペラピン取り上等。それだけの想いで出掛け、実際水くんが出てきたときはもれなく水くんしか見なくて、作品全体も他のキャラも一切無視して至福のときを味わった。

 あああ、水夏希かっこいー。溜息。

 ここ1年くらい、とほほな水しぇんばかり見ていたせいか、忘れていたんですよ。
 水くんがこんなにかっこいいこと。
 そしてわたしが、水くんをこんなに大好きだということ。

 わたし、ご贔屓の出演する公演は抽選に当たらない、という悲しいジンクスを持っていまして。

 ケロがいたときは、例外なく、ケロのいる公演ははずれつづけていました。
 当選確率3分の1だった『血と砂』三番街発売日に、友人拝み倒して動員して、6人で臨んで全員はずれたんですよ。ありえない。
 確率計算にはまってないじゃん!! ありえないじゃん!!

 魂を悪魔に売り渡してもッッと切望した『ドルチェ・ヴィータ!』のときとかも、友会も一般も1枚も手に入れられず地に伏して泣いたし。

 ケロがいる限り月組チケ運は皆無、ケロが星組に異動したのちは、星組運が皆無になりました。
 で、ケロさえいなけりゃ、月組運も星組運も廻ってくるのよね。檀ちゃん東宝楽も自力で取れたし、さえちゃんエリザなんか、三番街で8番引いて、日付も席も選び放題だったし。

 それと同じことが、水くんにも言えた。

 水くんがいた宙組は、カケラもチケ運がなかった。
 当たらない。とにかくもー、カケラも手に入らない。
 宙組は人気だから仕方ない。そう思っていたのだけど。

 友会で東宝チケが大当たりしたことがあった。
 超良席だの千秋楽だの新公だの。どーんと気前よく当たった。

 『白昼の稲妻』だった。

 水くん、出てないじゃん!!

 ありがたく、トウコ姫のランブルーズを観劇しましたけども。いそいそと千秋楽観に上京しましたけども。
 ……そうか、宙組本公演でも東宝でも、水くんさえ出ていなければ当たるんだ……手に入るんだ……遠い目。

 それまでわたしは、雪組がいちばん当たる人だった。
 雪組だけはとくに苦労しなくても手に入ったし、他組チケと交換する余裕すらあった。

 だがしかし。
 水くんが雪にやってくるなり、雪組運が壊滅した。

 宙組が0列センターとかサヨナラショー付き千秋楽とか当たってるのに、雪組が平日さえはずれるってどういうこと?!

 いや、もうねえ、あまりにあからさまなんで、脱力するばかりですよ。

 好きな人の出演作品は、チケ運皆無。
 これが、わたしの背負ったカルマなんだわ。

 ケロと水くんの公演は、手に入らない。
 もう、あきらめていたよ。

 当然、『銀の狼』のチケットも手に入らなかった。
 でもそのときにはすでに、わたしは達観していた。

 どーせ水くんの公演は手に入らないのよ。
 神様がわたしに、「水夏希を見るな」と言っているのよ。

 あれほど何年も当たっていた雪組が、ぴたりと当たらなくなったことへのショックと、『霧ミラ』『ワンダーランド』の水夏希の扱いと作品のヘボさに絶望し、雪組は立ち見かB席で1回観るだけでいいや。そのぶん他の組を観よう。
 と、思っていたの。

 だから『銀の狼』梅芸も、発売日に初日初回B席1枚だけ取って、あとは無視した。
 需要があるかどうかわからないから、複数枚取る気にもならなかった。良席を取る努力もしなかった。
 いいよ、だって雪組だし。1回観ればいいの。ライヴにこだわるから観るだけなの。

 そんな、はてしないローテンションだった。

 
 後悔。

 嵐のよーな後悔ッッ!!

 
 うわあああぁぁん。
 『銀狼』、ものすげーいいよう。
 コム姫美しい、まーちゃんかっこいー、キム萌え、ハマコ素敵。まちかノリノリ〜。

 そしてそして。

 水夏希、復活。

 わたしのなかで、水くんが復活した。

 なんでわたし、忘れていたの?
 わたし、水くん好きだったんじゃん!!

 好きだって認めるまでに何年もかかって、よーやく「好き(赤面)」と言えるよーになった何年か越しのダーリンなのにっ。

 やほひ小説書きたいくらい好きじゃない、彼のこと!(そーゆー尺度はやめなさい)

 
 梅芸で初日に1回観ただけ。
 あとは、サバキ待ちしたけど取れなかった。

 もう観られないんだ、とわかると、いつまでも引きずった。
 会う人会う人に、「『銀の狼』観たいー」とぐちぐちつぶやいた。

 レイが好き。
 会いたい。

 たった一度の逢瀬だったから、美しい思い出だけが胸に広がり瞼に残り、せつない慕情がつのるばかり。

 めそめそめそ。

 ごめんよ、水くん。
 次からは、がんばる。
 君の出ている公演は、全力を挙げてチケ取りするよ。こんな後悔はもうしたくない。

 追いかけて四日市。
 公演2週間前をきっていても、なお売れ残っている1階席。てゆーか、当日も後ろと2階はガラガラ。
 これなら、発売日に真面目に動いていれば、いくらでも良席が手に入ったんぢゃあ……? ううう、後悔先に立たず。

 いろいろ葛藤はあったものの。

 会えてよかった、レイ@水くん。

 てゆーか、会いたかった。

 しばらく忘れていたこのときめき。この昂揚。
 

 愛している人が好き。

 他人を愛して、それを隠さない人が好き。

 まぶしい光そのものというより、少し翳った人が好き。
 真ん中よりも、ちょっと横に立つ人が好き。
 毒を持っている人が好き。弱さを持っている人が好き。

 
 シルバ@コム姫にベタ惚れで、それを隠しきれずに瞳から指先からアゴからありとあらゆる細胞から、エロと愛がダダ漏れ中のレイ@水くんに、めろめろです。

 ハァハァ。

 せつない恋を堪え忍んでいる色男に、とことん恋してしまいました。

 わたし、両想いより片想いが好物なんですよ!!

 ヴィットリオ・Fくん@落陽のパレルモが、あんなにあんなに素敵で愛がダダ漏れでわたしのツボを直撃しているのに、ここまでとろけられなかったのって、きっと彼が愛に恵まれた両想い男だったからだわ。
 あのキャラで片想いに悶えていたら、わたし絶対ハマってたー。
 

 『銀狼』が素敵なのは、全編に漂うこのやるせない悲しみ。

 レイとシルバはプラトニック希望だったが、ライン越えしちゃってても仕方ないか、とか、思いました(笑)。
 抱いても抱かれても、きっと気持ちが溶け合うことはないんだろう。きっときっと、レイはせつないままだ。
 それを思うと、たまりません。思い切り痛い救いのない恋愛小説とか読みたいです、この男たちで。

 てゆーかもう、水しぇん……大好き……。ほろほろ。

 

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