「この手帳、ぜひ大劇場で落として欲しい」

 と、友人たちから言われる。

 2005-10-16の日記にある、タカラヅカスケジュール帳のことですよ。
 表紙がまっつ、裏表紙がそのか。

「それで、放送されるの。『表紙がまっつ、裏表紙がそのかの手帳を落とされたお客様……』って」

 放送されないわよっ。劇場が落とし物程度でいちいち放送するわけないでしょう。
 落とした客が自分でカウンターに「落とし物届いてないですか?」って聞きに行くのよ。

「じゃあ緑野さんが自分で行くんだ。
『手帳、届いてませんか』
『どのような手帳でしょう?』
『表紙がまっつ、裏表紙がそのかの手帳なんですけど……』
 自分で言うわけだ」

 ややややめてよーっ!!
 それこそ羞恥プレイじゃないのよーっ。
 落とすもんかっ。死んでも落とさないぞっ。

「でも、あたしが拾った人なら、自分で落とし主に連絡するかな。だって、こんな手帳拾ったら、ぜひ持ち主に会ってみたいと思うもん」

 そこであがる同意の声。
 なによソレ。この手帳はキャトレで売っていた公式グッズよ。表紙に舞台写真を入れることだってキャトレが認めていた使い方よ。
 わたしは常識の範囲内で生きているだけよ。ひとさまの興味を引くはずがないわ。
 それとも、まっつとそのかの写真がいけないというの?

「この中身見たら、絶対カオ見てみたいと思うって」

 中身。
 キャトレで売っていた、スケジュールシールはほんの小さなものなのに380円もした。あれっぽっちのシールじゃぜんぜん足りない。わたしの1年の観劇スケジュールをフォローするためには、少なくとも10枚は買わなきゃ。
 10枚っつーと、3800円? じ、冗談じゃないわ。あんなシールごときに3800円も出せない。あれくらい、自分で作れるじゃない。

 つーことで、作った。
 スケジュールシール、自分で。

 初日新公千秋楽、友会入力発売日、そして自分の観劇日。組カラー別にシールを作り現在わかっているだけの日程を貼り込み、『ベルばら』は全役替わり日程まで1日ずつシールで貼り分けた。
 シール制作は試行錯誤、もっとも便利な大きさやレイアウトにこだわり、そのあとなによりも、1枚ずつ手帳に貼り込んでいく作業が大変で、全部で半日かかった。

 やりだしたら、無我夢中でね。無心の境地で制作した手帳なんだけど。

 たしかに、その……なんかものすげー、タカラヅカ大好き、タカラヅカが人生のすべて! って感じの手帳になってるわね……。

「こんな手帳拾ったら、いったいどんな人が持ち主なのか、見てみたいと思うよ。あんまり、すごいから」

 …………。

 落とさない。
 落とさないからねっ。
 そんな恥ずかしいことになってたまるかぁーっ。

 そんなに恥ずかしい手帳になっていること、そんな恥ずかしい人生になっていること、自覚してなかったよ。

 ただ、表紙がまっつだから(舞台写真を堂々と入れていることね)恥ずかしいのかと思っていた。

 あー、でもでも。
 まっつといえばさあ。

 今のわたしの待ち受け画像、まっつなの!!

 柚さんいつもありがとう。
 もらったまっつ画像を加工して、待ち受けにしちゃったわ。
 素顔のふつーにきれーなおねーさんのまっつではなくて、投げチュー@おしょーずのまっつ!!
 なんかもう、このまっつの恥ずかしさが群を抜いていてねえ。転げ回りたいよーな恥ずかしさなの!!
 大きな画像の方は、日々何度となく眺めては、にまにましてる。やっぱ美貌のトド様やめて、まっつを壁紙にしようかなあ……。

 まっつの投げチュー写真が自慢で自慢で。
 会う人にもれなく携帯待ち受けを見せては自慢してる。この恥ずかしさがたまらないのよお。まっつは恥ずかしいのがいいよねえ。
 みんなもれなく笑ってくれるし。

 ……はっ。
 恥ずかしいのはまっつでなくわたしの行動か。生き方か。

 
 年末だからか、いろんな人たちが「2005年の観劇回数」を報告し合っている。
 みんなすごいわねえ、と笑って聞いていたのだけど。

「緑野さんは何回ですか?」

 と最初に聞かれたのが、自宅で電話で話しているときだったのよね。んで、気軽に、そのときそばに置いてあった「チケットの半券の束」を手にとって、数えだした。
 ヅカだけ、今年の分だけをてきとーに突っ込んである束よ。マメな性格ではないので、これで全部じゃない。財布や手帳、いろんな鞄に半券はまだ入れっぱなしになっている。プログラムに挟み込んでいたりもする。
 全部じゃないのに……数えても数えても、まだ厚みがある。
 あれえ?

 ……半券だけで判断して。

 2005年。わたしは、3日に1度はヅカを観劇していたようです。

 そんな人生って……っ!!
 まちがってる。
 まちがってるよママン!!

 ご贔屓不在なのよ? 今年は落ち着こう、って、年初にあちこちで宣言していたのよ?
 なのになんで、こんなバカみたいな回数観てるの?
 それも、地元関西だけじゃないのよ? 東京だの博多だの名古屋だの……交通費その他モロモロを考えると目眩がする。

 お、落ち着こう。来年こそは、観劇回数を減らそう。

 目指せ、2ケタ!!

 2006年の観劇回数は、99回以下を目指します。
 まっつ手帳を握りしめつつ、誓うのだった。


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