黒柳徹子は、どんどん株を下げている……。

 わたしの中でね。

 『愛・地球博』のサル池イベントのナレーションで、最悪にウザいうるさい金属音で棒読みをし、大いに株を下げた。
 たのむよ、プロを使ってくれよ。アナウンサーでも声優でもない人が、声だけで解説をしたり、演技をするなんて無理なんだからさ。

 そこへもって、『花の道 夢の道 永遠の道』の「声の出演」だ。

 『花の道』はバカ高い料金を取る言い訳に、チャリティーを謳っている。便利な言葉だ、チャリティー。チケ代の何割を寄付したのか秘密だから、割高だったチケ代が正しい価格設定だったのかは永遠の謎として歴史に刻まれる。
 ま、ユニセフに寄付、つーことで、親善大使だかの黒柳徹子氏にご出演……いただくはずが、来てもらえなかったんだってさ。
 それで、「声だけ」出演。録音されたメッセージを聞くことになった。

 この録音メッセージがまた、ひどかった。

 長いんだわ。
 喋る喋る。
 それも、空気読めない系の喋り。
 要点を簡潔にまとめられず、本能のままにだらだら喋る。
 しかも、噛みまくり、てにをは間違い、言い直しなど、耳障りに尽きる。

 生ならいいのよ。
 要点ズレてても、てにをは変でも、噛んでもまちがっても、実際にそこにいて、その場で喋っているならそれもアリだ。
 しかしコレ、録音なのよ?
 なんで文章まとめないの? まちがった言葉を平気で使うの? 言い間違いをそのままにしておくの?
 これが書籍なら、執筆依頼をされて、下書きのまま渡したようなもんだよ? 手書きで、まちがったところにバツ印つけて、横に小さく書き直してあったり、誤字脱字だらけ、それをそのまま書籍として印刷してあるよーな。そんな感じだよ。
 プロとして、それはどうなの?

 ありがたがって拝聴しなければならないよーなメッセージではなかったよ、ほんとに。

 本人に出演してももらえず、こんな「下書き」みたいなメッセージだけもらって、歌劇団、ナメられてるなあ、と、とほほな気持ちになった。

 
 それでなくても、この『花の道』イベントは、構成がひどく、「客をたのしませること」は考えていなかった。
 出演者が1シーン登場し、劇場の熱が少し上がったかな、というときに、わざわざ「小林大先生様のありがたいお言葉」を朗読し、水を差す。
 そうやって凍りついた劇場を、次の出演者が1シーン登場することによって少し温度を上げ、また「大先生のありがたいお言葉」で冷却する。
 その繰り返しだからなあ。
 司会者がうまければまだマシだったんだが、これまたひどい出来でなあ……。声は美しいし、情感もこもっていて、そーゆーところはよかったんだけど。なにしろ、噛みまくりでなあ……。あと、原稿が日本語変なところもあって(2回とも同じまちがいをしていたから、原稿自体がまちがってるんだろ)、耳障りなんだよなあ。
 

 第2部のOG編がよかったのは、そんなものすげーブリザード吹き荒れるよーなマイナス何度の世界でも、彼らが独自の熱で場を盛り上げる術を持っていたためだ。

 現役生たちは、そこまでの芸を極めていない。
 なのでどーしても、この構成では本来の力を発揮できない。

 サムいイベントだったよ(笑)。
 タカラヅカと出演者を愛していなければ、見ていられないよーな世界だった(笑)。

 
 さて、最後の最後、現在スケジュールが空いている生徒全員で「大先生様を讃える歌」を歌う。
 や、歌詞は聴いてないんでよくわかんない。タイトルが「花の道讃歌」だから、そーゆー意味だったんじゃないかと。

 オケ席の奥にある大階段に、袴姿で全員集合。
 歌なんか聴いてる場合じゃないって。誰がどこにいるのか、探しているだけで終わってしまう(笑)。

 前もってkineさんに教えてもらっていたので、わたしは見事に一発でまっつを見つけた。
 オペラをひょいとのぞいたその1回目に、まっつがちゃんと視界の真ん中にいたのよ。

 まっつは、素顔化粧でした。

 ショーに出演していた人は舞台化粧、それ以外は素顔化粧。圧倒的に素顔が多いのに……まっつの両隣は、よりによって舞台化粧さんだった。

 まっつ……視覚効果でさらに薄いよ……。

 第1部の音校生のよーに、ものすげー神妙なカオで歌ってましたよ。

 
 すげーなー、と思ったのがみわっち。
 この人最近、戦闘意欲にあふれているよねええ。
 こんなしどころのないショーでも、ガンガン自分を売りにかかってるし、最後の大階段合唱でも、譜面をほとんど見ずににこにこ微笑みながら歌ってるのよ。客席に目線配ってるのよ。
 他の人たち、みんなうつむいて譜面とにらめっこしてるのにねえ。

 ともちの後ろが七帆だったことに、人知れずウケる。(あれ? 十輝だったっけ? 記憶が薄れて自信がなくなったぞ? とにかく、でかくて薄い素顔の人・笑)
 やっぱアレですか、ともちの後ろが小柄な娘役さんだったりしたら、隠れてしまって見えないからですか。
 わたしも先日の『1万人の第九』でアリーナ席だったんだけどさー、ふつーに歌ってたら、後ろの人から「あなたがでかすぎて、前が見えません。右側に寄ってもらえますか」てなことをお願いされたもんなあ。ひな壇だったのに……段差より、わたしのカラダの方がでかかったですか、そうですか。
 ともちだって、娘役さんとの身長差、段差よりも大きいよねえ。なんかリアルにうなずいてしまったわ。

 そのかとまっつは、いつも対の位置。ふたり同時に見られないのがつらい。
 そのか、リアル男子だ……かっこいー……。

 脳を鍛えるパズルでもやっている気分。
 「**はどこだ」と、ひとりずつ時間内にさがしていくの。
 あんまり真剣にやっていると、目眩がしてくる。カオカオカオ。ふつーのカオの間に、ふっと濃い舞台化粧。うおっ。
 オペラグラスの視界が、肌色で埋まってる。

 
 にしても、大変だったねみんな。
 大階段の1段って、20数センチ、足の大きさくらいしかないんだよね?
 そこにあの人数でぎっしり整列したまま、ずいぶんな時間直立不動で待たされていたわけでしょ? ひとりふらついただけで、大惨事になりかねない状態で。
 そりゃみんな、カオがこわばっているわけだ。上の方の下級生とか、ひたすら気の毒だったよ。さぞつらく、こわかったろう。
 無事に終わって良かった。

 
 なにはどうあれ、ナマで観たからたのしめた。
 やっぱライヴであることってのは、大きい。
 しかしやっぱ、商業演劇集団として、こんな身内マンセー舞台を「興行」としてやる歌劇団には疑問が残る。
 ほんと変なとこだ、タカラヅカって。

 
 でもって、最後に私信。

 木ノ実さん、『花の道』チケ、ありがとうございました。
 こんな、よろこんでるんだが、クサしてるんだかわかんない感想になってしまってすみません。

 でもってぜひ今度、まっつ語りしましょー!!
 まっつ語りに飢えてますからわたし!
 まっつまっつまっつ。


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