『春のおどり』をご覧になりませんか?@春のおどり
2006年4月17日 タカラヅカ「OSKをご存じですか」というメールが届いた。
えーと、はい、知ってます。大阪人のたしなみとして、認識はしています。
近鉄沿線のイベントに行くと、ミニ興行をしてくれていたりするので、そのときはありがたく観ておりました。地方博とかで、整理券さえGETすればタダで観られるヤツ。よろこんで並んだわ。
あと、テレビで何回か観たな。『レディ・アンをさがして』とか、菊池秀行原作のとか。
知っているけど、ナマをちゃんと観たことがない。
何故か。
たんに、出会いがなかったのですわ。
わたしは北大阪人で、阪急沿線で生まれ育った。南大阪の文化には、触れる機会があまりなくて。や、他の地域の人にゃーわからんだろうが、大阪ってキタとミナミではかなり文化も言葉もチガウのよ。
10代も終わりになれば行動範囲も広がり、南大阪にもアンテナが向くようになったけれど、そのころにはすでに「宝塚歌劇」と出会っており、びんぼーなわたしはヅカだけで手一杯、他のモノに趣味を広げる余裕がなかった。
お金さえあれば、観に行ってたんだけどなあ。
その昔堂島で働いていたころ、ドーチカの掲示板に『アップフェルラント物語』とか、『天上の虹』とか、ヲタク心をくすぐるポスターが貼ってあるのを、横目で眺めながら出勤していたもの。
OSK解散のニュースがあちこちで目にとまるころ、第九の練習で南大阪に行ったとき、友だちとの待ち合わせの近鉄駅で、ぼーっとポスターを眺め、タカラヅカの未来にも暗いものを感じていたり。
大阪で生きている以上、自然と目に耳に入ってくる。
タカラヅカではない、女性だけの歌劇団のこと。
紆余曲折の末OSKが復活し、興行していることも耳に入る。純粋に、よかったと思う。ヅカで手一杯のわたしには関係ないことでも、業界が活発になる話は聞いていてうれしい。
とゆー、それだけの認識。
そんなわたしに、「OSKの『春のおどり』ご覧になりませんか?」というお誘いが舞い込んできた。
ご招待ですってよ。えええっ、いいんですか?! 見ず知らずのわたしに?!
しっぽ振ってミナミの松竹座まで行きました。
招待主からインフォメ預けになっていたチケットを、ロビーで受け取ってビックリ。
最前列センターでした。
く、くらくらっ。
いいんですかっ、コレっ?!
なんか舞い上がって、開演までそのへんうろうろしてました。おー、花道だー。うわー、松竹座って係員多いなー。うろついてると、やたら目が合う(笑)。わたしってかなり不審者?
東京のHOTEL DOLLYから直行したので、大荷物だし(笑)。
ところで。
OSKこと「NewOSK日本歌劇団」のことを、わたしはなーんにも知りません。
存在を認識している、テレビで観たことがある、程度では、なんも知らんのと同じです。
そして、なにも知らないくせに、事前に予習はまったくしとりません。
予備知識、キライなんだわ。
勉強しなきゃたのしめないよーなものは、べつにたのしみたいと思わないクチ。
なんにも知らないわからない、知識レベルの低いわたしのよーな者が観て、ふつーにたのしめるものでなきゃ、つまんない。
通な人だけが楽しめるもの、知識人だけが理解できる高尚なものなんて、興味ないもん。
……たんに、生来のナマケモノで、勉強が大嫌い、とゆーだけのことでもあるんだけど(笑)。
そんなわたしが、わけわかってないまま観劇開始。
『春のおどり』は第一部が「義経桜絵巻」とある。ポスターも義経モノの扮装になっている。
さあ、予備知識のないうっかりモノがこれだけの情報で席に坐り、なにを思うか。
タイトルが『春のおどり』だから、日舞ショーだよね?
わたしの単純なのーみその認識は、「おどり」=日舞、「ダンス」=洋舞なのだった!!
義経をテーマにした日舞ショーだと思ったの!!
第二部のタイトルは、まーったく目に入ってなかったの。だってポスター義経だし! 『春のおどり』だし!
ちなみに、第二部タイトルは、「ハッピー・ゲーム−人生は素晴らしいゲーム!−」です。
こんなタイトルなのに、それでもあたしゃ、日舞ショー2本立てだと、信じ込んでいた。
だってだって、『春のおどり』なんだもん! 「おどり」って言えば、日舞なんだもんっ。
『義経桜絵巻』と『ハッピー・ゲーム』なら、日本物と洋物の2本立てなんだなってわかったけど、通しタイトルが『春のおどり』だから、わかんなかったんだもん!!
日本物『春のおどり』の中に、義経ショーと部分的に洋物テイストも入れた和物ショーがあるんだと思ってたんだもん、『花扇抄』みたいに!
……すんません、めっさ無知で。
と、ここまでなーんもわかっていないまま、第一部。
なにしろ、日舞ショーだと思い込んでいたから。
芝居だったので、おどろいた。
ミュージカルだったの?
いや、たしかにあのポスターからすれば、そんな感じはしたけど、だってタイトルが『春のおどり』だから(以下略)。
芝居? ミュージカル? と、アタマが「???」だったので、相当出遅れる(笑)。
そうか、芝居なんだ、歴史ミュージカルなんだ、やーんたのしー。
と、アタマを切り替えたあたりで狐が登場し、幻想シーン突入。
で、びっくりする(笑)。
なまじそこまでが、忠実に大河歴史物っぽい(大河歴史物名場面集? 物語はかなりつぎはぎ風味)展開だったので。
終わりそうだけど、これで終わるとしたら、やっぱりこれは歴史ミュージカルではなく、ショーだったのか? と、さらに混乱。
ほんとーにそこで、終わってしまった。
うわーうわーうわー。
せっかくの超良席で、なにやってんですかわたし!!
クチぽかんと開けたまま、終わっちゃったよ。
無知ゆえの混乱があったことは置くとして(笑)。
芝居だとしても和物ショーだとしても、わたし的にたぶん、「ファンタジー」が足りなかったなと。
ストーリーを解説するまでもない、みんなが知っているままの『義経記』をネタにわかりやすいシーンや有名なシーンを再現し、ひとつの物語にしてあるわけなんだけど。
有名どころにこだわったせいなのか、話の端折り方はすごい。タッキーの大河ドラマのように、源義朝と常盤御前の都落ちからはじまるんだもの。えーとコレ、何時間の芝居だ? このペースでやって、牛若丸はいつ義経になるんだ? 時間の単位が大きすぎないか?
場面場面で時間も出来事も気前よくぽーんと跳び、そのくせ場面場面でちゃんと「芝居」をする。
その真面目に「歴史芝居」な部分と、「狐登場」のギャップに、伏線プリーズ!と、思いました。
「歴史芝居」と「狐」の間をつなぐ、「ファンタジー」があればなあ。
てゆーかソレってたんに、わたしの好みってだけだけど。
オープニングから、「失われたもの」感が強ければ強いほど、途中の栄華がせつないというか。
つっても、『春のおどり』だもんな。辛気くさいオープニングはできないか……。
幕開き、舞台狭しと居並ぶきらびやかな中世貴族の、見目麗しさ華やかさに息をのむ、のは、日本物の醍醐味だもんなー。
ただ、『義経記』はあまりにオイシイ題材だから、よりファンタジーであった方がわたしの好みだったと思う。あれほどストーリーつぎはぎ「物語は知っていて当然。名場面を見てたのしんでくれ」な作りなだけに。
つぎはぎ感をフォローするためにも、「ファンタジー」が必要だったなと思う。
とまあ、いつものよーに、物語の構成についてうだうだ考えてみるところから、わたしの初OSK体験記ははじまるのだ。
えーと、はい、知ってます。大阪人のたしなみとして、認識はしています。
近鉄沿線のイベントに行くと、ミニ興行をしてくれていたりするので、そのときはありがたく観ておりました。地方博とかで、整理券さえGETすればタダで観られるヤツ。よろこんで並んだわ。
あと、テレビで何回か観たな。『レディ・アンをさがして』とか、菊池秀行原作のとか。
知っているけど、ナマをちゃんと観たことがない。
何故か。
たんに、出会いがなかったのですわ。
わたしは北大阪人で、阪急沿線で生まれ育った。南大阪の文化には、触れる機会があまりなくて。や、他の地域の人にゃーわからんだろうが、大阪ってキタとミナミではかなり文化も言葉もチガウのよ。
10代も終わりになれば行動範囲も広がり、南大阪にもアンテナが向くようになったけれど、そのころにはすでに「宝塚歌劇」と出会っており、びんぼーなわたしはヅカだけで手一杯、他のモノに趣味を広げる余裕がなかった。
お金さえあれば、観に行ってたんだけどなあ。
その昔堂島で働いていたころ、ドーチカの掲示板に『アップフェルラント物語』とか、『天上の虹』とか、ヲタク心をくすぐるポスターが貼ってあるのを、横目で眺めながら出勤していたもの。
OSK解散のニュースがあちこちで目にとまるころ、第九の練習で南大阪に行ったとき、友だちとの待ち合わせの近鉄駅で、ぼーっとポスターを眺め、タカラヅカの未来にも暗いものを感じていたり。
大阪で生きている以上、自然と目に耳に入ってくる。
タカラヅカではない、女性だけの歌劇団のこと。
紆余曲折の末OSKが復活し、興行していることも耳に入る。純粋に、よかったと思う。ヅカで手一杯のわたしには関係ないことでも、業界が活発になる話は聞いていてうれしい。
とゆー、それだけの認識。
そんなわたしに、「OSKの『春のおどり』ご覧になりませんか?」というお誘いが舞い込んできた。
ご招待ですってよ。えええっ、いいんですか?! 見ず知らずのわたしに?!
しっぽ振ってミナミの松竹座まで行きました。
招待主からインフォメ預けになっていたチケットを、ロビーで受け取ってビックリ。
最前列センターでした。
く、くらくらっ。
いいんですかっ、コレっ?!
なんか舞い上がって、開演までそのへんうろうろしてました。おー、花道だー。うわー、松竹座って係員多いなー。うろついてると、やたら目が合う(笑)。わたしってかなり不審者?
東京のHOTEL DOLLYから直行したので、大荷物だし(笑)。
ところで。
OSKこと「NewOSK日本歌劇団」のことを、わたしはなーんにも知りません。
存在を認識している、テレビで観たことがある、程度では、なんも知らんのと同じです。
そして、なにも知らないくせに、事前に予習はまったくしとりません。
予備知識、キライなんだわ。
勉強しなきゃたのしめないよーなものは、べつにたのしみたいと思わないクチ。
なんにも知らないわからない、知識レベルの低いわたしのよーな者が観て、ふつーにたのしめるものでなきゃ、つまんない。
通な人だけが楽しめるもの、知識人だけが理解できる高尚なものなんて、興味ないもん。
……たんに、生来のナマケモノで、勉強が大嫌い、とゆーだけのことでもあるんだけど(笑)。
そんなわたしが、わけわかってないまま観劇開始。
『春のおどり』は第一部が「義経桜絵巻」とある。ポスターも義経モノの扮装になっている。
さあ、予備知識のないうっかりモノがこれだけの情報で席に坐り、なにを思うか。
タイトルが『春のおどり』だから、日舞ショーだよね?
わたしの単純なのーみその認識は、「おどり」=日舞、「ダンス」=洋舞なのだった!!
義経をテーマにした日舞ショーだと思ったの!!
第二部のタイトルは、まーったく目に入ってなかったの。だってポスター義経だし! 『春のおどり』だし!
ちなみに、第二部タイトルは、「ハッピー・ゲーム−人生は素晴らしいゲーム!−」です。
こんなタイトルなのに、それでもあたしゃ、日舞ショー2本立てだと、信じ込んでいた。
だってだって、『春のおどり』なんだもん! 「おどり」って言えば、日舞なんだもんっ。
『義経桜絵巻』と『ハッピー・ゲーム』なら、日本物と洋物の2本立てなんだなってわかったけど、通しタイトルが『春のおどり』だから、わかんなかったんだもん!!
日本物『春のおどり』の中に、義経ショーと部分的に洋物テイストも入れた和物ショーがあるんだと思ってたんだもん、『花扇抄』みたいに!
……すんません、めっさ無知で。
と、ここまでなーんもわかっていないまま、第一部。
なにしろ、日舞ショーだと思い込んでいたから。
芝居だったので、おどろいた。
ミュージカルだったの?
いや、たしかにあのポスターからすれば、そんな感じはしたけど、だってタイトルが『春のおどり』だから(以下略)。
芝居? ミュージカル? と、アタマが「???」だったので、相当出遅れる(笑)。
そうか、芝居なんだ、歴史ミュージカルなんだ、やーんたのしー。
と、アタマを切り替えたあたりで狐が登場し、幻想シーン突入。
で、びっくりする(笑)。
なまじそこまでが、忠実に大河歴史物っぽい(大河歴史物名場面集? 物語はかなりつぎはぎ風味)展開だったので。
終わりそうだけど、これで終わるとしたら、やっぱりこれは歴史ミュージカルではなく、ショーだったのか? と、さらに混乱。
ほんとーにそこで、終わってしまった。
うわーうわーうわー。
せっかくの超良席で、なにやってんですかわたし!!
クチぽかんと開けたまま、終わっちゃったよ。
無知ゆえの混乱があったことは置くとして(笑)。
芝居だとしても和物ショーだとしても、わたし的にたぶん、「ファンタジー」が足りなかったなと。
ストーリーを解説するまでもない、みんなが知っているままの『義経記』をネタにわかりやすいシーンや有名なシーンを再現し、ひとつの物語にしてあるわけなんだけど。
有名どころにこだわったせいなのか、話の端折り方はすごい。タッキーの大河ドラマのように、源義朝と常盤御前の都落ちからはじまるんだもの。えーとコレ、何時間の芝居だ? このペースでやって、牛若丸はいつ義経になるんだ? 時間の単位が大きすぎないか?
場面場面で時間も出来事も気前よくぽーんと跳び、そのくせ場面場面でちゃんと「芝居」をする。
その真面目に「歴史芝居」な部分と、「狐登場」のギャップに、伏線プリーズ!と、思いました。
「歴史芝居」と「狐」の間をつなぐ、「ファンタジー」があればなあ。
てゆーかソレってたんに、わたしの好みってだけだけど。
オープニングから、「失われたもの」感が強ければ強いほど、途中の栄華がせつないというか。
つっても、『春のおどり』だもんな。辛気くさいオープニングはできないか……。
幕開き、舞台狭しと居並ぶきらびやかな中世貴族の、見目麗しさ華やかさに息をのむ、のは、日本物の醍醐味だもんなー。
ただ、『義経記』はあまりにオイシイ題材だから、よりファンタジーであった方がわたしの好みだったと思う。あれほどストーリーつぎはぎ「物語は知っていて当然。名場面を見てたのしんでくれ」な作りなだけに。
つぎはぎ感をフォローするためにも、「ファンタジー」が必要だったなと思う。
とまあ、いつものよーに、物語の構成についてうだうだ考えてみるところから、わたしの初OSK体験記ははじまるのだ。
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