部分的大河ロマン。@ノン ノン シュガー!!
2007年3月8日 タカラヅカ さて、ひょっとしたら公園生活者?のヒロイン、シェイラ@さゆ。
鞄を盗まれ無一文の着た切り雀、のわりにドレスをいろいろ着替えて現れる。どうやってるんだろう……。やっぱり、キング@萬ケイ様から「ジョニーの手当に使え」と言って渡されたお金を着服したのかしら。服は買えても、住むところは買えない……よね? どうしてるんだ?
最後の最後に「ホテルに宿泊している」ということがわかるのだが、ソレもまた謎だ。そのお金はどこから……。
なーんて謎がゴロゴロしていてめずらしくもない素敵作品、『ノン ノン シュガー!!』の、あってなきがごとしストーリーを追ってみよう、その2。
シェイラは超お嬢様で、幼いころから自由に遊ぶことも許されず、えんえんバイオリンのレッスンを強制されてきたらしい。
家出の直接の原動力は、「ウィーンに留学、1年後には世界的なバイオリンのコンテストに出場」が親に決められてしまったため。
シェイラの夢はバイオリニストではない。ブロードウェイに立つことだ。
夢は大きい方がすばらしい。
ジョニー@キムをはじめとする若者たちは、そんな彼女を仲間として暖かく迎え入れる。
……のは、べつにいいんだけど。
2幕になってまた謎の展開をはじめる。
シェイラの鞄を盗んだ不良@コマたちが、ライヴハウス「ノン・ノン・シュガー」に現れた。「鞄を返して、あれがないとウィーンに行けない」てなことをシェイラは主張する。
ここまで言うからには、「鞄」は大切なアイテムなのだろう。
だが、「鞄」ネタは、これ以降出てこない。
てゆーかシェイラ、ウィーンに行くのが嫌で家出して来たんだよね? 実はウィーンに行く気満々なのか。
不良どもは「ノン・ノン・シュガー」で大暴れ、ケンカの弱いジョニーはあっさり敗北。
不良たちが出ていったあと、ジョニーも店を飛び出す。弱っちい自分が許せなくて、落ち込んでいるらしい。
ここまではいいんだが。
ジョニーを心配して追いかけてきたシェイラに、ジョニーは怒鳴り散らす。
「お前とオレは住む世界がちがうんだ。オレがどれだけびんぼーだったと思う、お金持ちのお嬢様にわかるもんか!」
ケンカに負けたことと、びんぼーに、なんの関係が?!!
お金持ちのK・BOY@キング蓮城もケンカに負けてましたが、なにか?
「びんぼー経験なんかわかんないわ! わかんなかったらジョニーのそばにいちゃいけないの?!」
シェイラも負けちゃいない。
ふたりして、身分違いの恋のクライマックスをやる気満々で演じはじめる。
えーと……どっからこんな展開に?
不良にボコられた、かっこわるかった、ってだけだよね?
それともナニ、わたしの知らないところで、「身分違いの恋」ネタのエピソードが展開されていたの?!
さんざん怒鳴りあったあと、ジョニーは気が変わってシェイラを抱きしめる。
「『ノン・ノン・シュガー』へ行こう。オレたちが出会った店へ」
……展開に、ついていけない。
なにがあったの?
いつの間になにがあって、大河ロマンのクライマックスみたいなシーンが繰り広げられているの?
なんか、公演時間数時間分、話がとんでる?
これってなにかのダイジェスト?
くらくらしている間に、舞台ではさらに大変なことが。
1幕で「愛はタイフーン」つーかストーカーっつーか、男の職場に押し掛けて「愛してるのよ!」「どーして会ってくれないの?!」と大騒ぎをし、でも「歌ってよ」と周囲におだてられるとノリノリで歌っちゃうとゆー、ぶっとんだキャラクタを披露した女優ザザ@ヒメ。
存在を忘れられたころによーやく再登場、いきなりドシリアス。
キング@萬ケイ様相手に「大人の恋の破局」をドラマティックに演じる。
「おれはひとりの女を愛することはできないんだ」
「あたしはアナタなしでは生きていけないっ!!」
てなやりとりののち。
「最後にキスして……思い出にするの」
なんつー、ベッタベタな展開てんこ盛り、昭和中期気分をさんざん味あわせてくれたあと。
ザザ、自殺。
あちゃー。やっちまったよヲイ。のーてんき内容無しコメディなのに、「盛り上げるためには、とりあえず殺しておけ」系の展開。
てゆーかまぁ、お約束?
「青春群像モノ」っていったら絶対誰か自殺しなければならないからなー。テレビドラマでも、「青春群像劇」「仲間たちとの友情」をメインに謳う場合は新番組予告段階で「さーて、自殺するのは誰かな」と予想ゲームができるくらい定番だもんな。
ザザの死が引き金になって、さらにベッタベタ展開スタート。
1幕で長々と時間を取ってジョニーのママ@圭子女史のエピソードが回想シーンとして挿入されていたが、だからナニ? という、意味のない使われ方をしていたんだ。
ジョニーにはやさしいママがいたが、死んでしまった。これだけのことを、歌とダンスでえんえん説明するの。で、そこまでやって、なにか現在につながるのかと思えば、ソレはソレで終わり。
……なんのための回想シーン?! 圭子女史に見せ場を作るためだけ?! たこ足ドレスを着て、ドスをきかせて歌う圭子女史はすばらしかったけれど! 見せてくれてうれしかったけれど。でも、なんて意味のないシーンなんだ。
その意味無しシーンのオチが、2幕にあった。
なんと、あのやさしいママは、男に振られたその足で、我が子の前で投身自殺するのだ。
ヲイヲイヲイ! 1幕の意味のないシーンで、いやな予感はしていたけれど。
6才の息子残して投身自殺。
しかも、彼の目の前で。
「母親」として、やっていいことぢゃない……。同じパターンでも精神を病んでいた『パレルモ』より、さらにひでー展開だ。正気なのに、わざわざ息子の前で死んでみせるんだから。
もちろん、ジョニーは母の自殺がトラウマになっている。
取り乱すジョニーを、シェイラが慰める。はいはいはい。
なんとか落ち着いたジョニーは、「キングのためにザザは死んだんだ」つーことで、キングの元へ。
哀れな最期を遂げたザザのために、1日ぐらい喪に服してもいいじゃないか、と言うジョニーに、キング様はまったく取り合わない。
彼は信念を持ってステージに上がる。何故ならば、彼は「スター」だからだ。彼の歌を必要とする人々がいるのだから、彼はなにがあっても歌い続けなければならない。
その責任と覚悟を目の当たりにし、甘ちゃんジョニーは猛反省。
「オレはキングにはなれない……歌手になる夢をあきらめるよ!」
この思考回路が、よくわからない。
キングはひとつの生き方であり、この世の価値観のすべてではない。
なのに、あるひとつの行動パターンの真似が出来ないからといって、「歌手」をあきらめるっちゅーのはなんなんだ? キングと歌手はイコールではないぞ?
いくらジョニーがキングにあこがれていたといってもだな……。
思考が短絡的すぎて、目眩がする。
もちろん、ジョニーの夢が「キングになること」であったなら、コレはコレでいい。
だがその場合、「夢をあきらめる」のではなく、「目が覚めた。オレはオレであって、キングのコピーじゃないんだ」であるべきだ。
でもって「目が覚める」のだから、「キングを尊敬する」「キングの真似をしたい」というエピソードではそこにつながらない。
わけわかんねぇ……。
途方に暮れつつ、続く。
鞄を盗まれ無一文の着た切り雀、のわりにドレスをいろいろ着替えて現れる。どうやってるんだろう……。やっぱり、キング@萬ケイ様から「ジョニーの手当に使え」と言って渡されたお金を着服したのかしら。服は買えても、住むところは買えない……よね? どうしてるんだ?
最後の最後に「ホテルに宿泊している」ということがわかるのだが、ソレもまた謎だ。そのお金はどこから……。
なーんて謎がゴロゴロしていてめずらしくもない素敵作品、『ノン ノン シュガー!!』の、あってなきがごとしストーリーを追ってみよう、その2。
シェイラは超お嬢様で、幼いころから自由に遊ぶことも許されず、えんえんバイオリンのレッスンを強制されてきたらしい。
家出の直接の原動力は、「ウィーンに留学、1年後には世界的なバイオリンのコンテストに出場」が親に決められてしまったため。
シェイラの夢はバイオリニストではない。ブロードウェイに立つことだ。
夢は大きい方がすばらしい。
ジョニー@キムをはじめとする若者たちは、そんな彼女を仲間として暖かく迎え入れる。
……のは、べつにいいんだけど。
2幕になってまた謎の展開をはじめる。
シェイラの鞄を盗んだ不良@コマたちが、ライヴハウス「ノン・ノン・シュガー」に現れた。「鞄を返して、あれがないとウィーンに行けない」てなことをシェイラは主張する。
ここまで言うからには、「鞄」は大切なアイテムなのだろう。
だが、「鞄」ネタは、これ以降出てこない。
てゆーかシェイラ、ウィーンに行くのが嫌で家出して来たんだよね? 実はウィーンに行く気満々なのか。
不良どもは「ノン・ノン・シュガー」で大暴れ、ケンカの弱いジョニーはあっさり敗北。
不良たちが出ていったあと、ジョニーも店を飛び出す。弱っちい自分が許せなくて、落ち込んでいるらしい。
ここまではいいんだが。
ジョニーを心配して追いかけてきたシェイラに、ジョニーは怒鳴り散らす。
「お前とオレは住む世界がちがうんだ。オレがどれだけびんぼーだったと思う、お金持ちのお嬢様にわかるもんか!」
ケンカに負けたことと、びんぼーに、なんの関係が?!!
お金持ちのK・BOY@キング蓮城もケンカに負けてましたが、なにか?
「びんぼー経験なんかわかんないわ! わかんなかったらジョニーのそばにいちゃいけないの?!」
シェイラも負けちゃいない。
ふたりして、身分違いの恋のクライマックスをやる気満々で演じはじめる。
えーと……どっからこんな展開に?
不良にボコられた、かっこわるかった、ってだけだよね?
それともナニ、わたしの知らないところで、「身分違いの恋」ネタのエピソードが展開されていたの?!
さんざん怒鳴りあったあと、ジョニーは気が変わってシェイラを抱きしめる。
「『ノン・ノン・シュガー』へ行こう。オレたちが出会った店へ」
……展開に、ついていけない。
なにがあったの?
いつの間になにがあって、大河ロマンのクライマックスみたいなシーンが繰り広げられているの?
なんか、公演時間数時間分、話がとんでる?
これってなにかのダイジェスト?
くらくらしている間に、舞台ではさらに大変なことが。
1幕で「愛はタイフーン」つーかストーカーっつーか、男の職場に押し掛けて「愛してるのよ!」「どーして会ってくれないの?!」と大騒ぎをし、でも「歌ってよ」と周囲におだてられるとノリノリで歌っちゃうとゆー、ぶっとんだキャラクタを披露した女優ザザ@ヒメ。
存在を忘れられたころによーやく再登場、いきなりドシリアス。
キング@萬ケイ様相手に「大人の恋の破局」をドラマティックに演じる。
「おれはひとりの女を愛することはできないんだ」
「あたしはアナタなしでは生きていけないっ!!」
てなやりとりののち。
「最後にキスして……思い出にするの」
なんつー、ベッタベタな展開てんこ盛り、昭和中期気分をさんざん味あわせてくれたあと。
ザザ、自殺。
あちゃー。やっちまったよヲイ。のーてんき内容無しコメディなのに、「盛り上げるためには、とりあえず殺しておけ」系の展開。
てゆーかまぁ、お約束?
「青春群像モノ」っていったら絶対誰か自殺しなければならないからなー。テレビドラマでも、「青春群像劇」「仲間たちとの友情」をメインに謳う場合は新番組予告段階で「さーて、自殺するのは誰かな」と予想ゲームができるくらい定番だもんな。
ザザの死が引き金になって、さらにベッタベタ展開スタート。
1幕で長々と時間を取ってジョニーのママ@圭子女史のエピソードが回想シーンとして挿入されていたが、だからナニ? という、意味のない使われ方をしていたんだ。
ジョニーにはやさしいママがいたが、死んでしまった。これだけのことを、歌とダンスでえんえん説明するの。で、そこまでやって、なにか現在につながるのかと思えば、ソレはソレで終わり。
……なんのための回想シーン?! 圭子女史に見せ場を作るためだけ?! たこ足ドレスを着て、ドスをきかせて歌う圭子女史はすばらしかったけれど! 見せてくれてうれしかったけれど。でも、なんて意味のないシーンなんだ。
その意味無しシーンのオチが、2幕にあった。
なんと、あのやさしいママは、男に振られたその足で、我が子の前で投身自殺するのだ。
ヲイヲイヲイ! 1幕の意味のないシーンで、いやな予感はしていたけれど。
6才の息子残して投身自殺。
しかも、彼の目の前で。
「母親」として、やっていいことぢゃない……。同じパターンでも精神を病んでいた『パレルモ』より、さらにひでー展開だ。正気なのに、わざわざ息子の前で死んでみせるんだから。
もちろん、ジョニーは母の自殺がトラウマになっている。
取り乱すジョニーを、シェイラが慰める。はいはいはい。
なんとか落ち着いたジョニーは、「キングのためにザザは死んだんだ」つーことで、キングの元へ。
哀れな最期を遂げたザザのために、1日ぐらい喪に服してもいいじゃないか、と言うジョニーに、キング様はまったく取り合わない。
彼は信念を持ってステージに上がる。何故ならば、彼は「スター」だからだ。彼の歌を必要とする人々がいるのだから、彼はなにがあっても歌い続けなければならない。
その責任と覚悟を目の当たりにし、甘ちゃんジョニーは猛反省。
「オレはキングにはなれない……歌手になる夢をあきらめるよ!」
この思考回路が、よくわからない。
キングはひとつの生き方であり、この世の価値観のすべてではない。
なのに、あるひとつの行動パターンの真似が出来ないからといって、「歌手」をあきらめるっちゅーのはなんなんだ? キングと歌手はイコールではないぞ?
いくらジョニーがキングにあこがれていたといってもだな……。
思考が短絡的すぎて、目眩がする。
もちろん、ジョニーの夢が「キングになること」であったなら、コレはコレでいい。
だがその場合、「夢をあきらめる」のではなく、「目が覚めた。オレはオレであって、キングのコピーじゃないんだ」であるべきだ。
でもって「目が覚める」のだから、「キングを尊敬する」「キングの真似をしたい」というエピソードではそこにつながらない。
わけわかんねぇ……。
途方に暮れつつ、続く。
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