まさかのチケ難、完売してるし掲示板にも「譲る」がぜんぜん出ないし。『想夫恋』との差に目眩、ちょっと不自然な気がしないでもないが、『THE SECOND LIFE』をサバキで観てきました。みっちゃんにもたっちんにも、そして鈴木圭にも興味あるので、がんばりました。

 えーと。
 わたし、鈴木先生の新公演出が好きなんですよ。長い話をばっさり切って短くまとめる、その手腕や、話が長いだけでボケたテーマを別物としてでもまとめてしまう手腕を、心地よいと思っているので。
 彼の新公以外作品というと『里見八犬伝』だけで、映画まんまだったりカーテン前使い過ぎだったり石の上でラヴシーンだったり(笑)、なんかあんましいい印象も、かといってこれというほど悪い印象もなくて。
 オリジナルを書くとどーなるのか知りたかったんだが……。

 見終わった感想は、「よーするに、『銀薔薇』か」でした。

 『シルバー・ローズ・クロニクル』。あるいは『A/L』。
 作品的には問題ありまくり。でも、主演の魅力を発揮させるアテ書きと大勢でドタバタやる他愛ないコメディ。
 完全、ファン・アイテム。
 ファンが「こんな***ちゃん、見たかった!」「***ちゃんステキ!」と喜ぶ作品。……ただ、それだけの作品。

 作品がアレでも、ほっくん、たっちん、汝鳥さんと実力者が真ん中をどーんと支えているから成り立っているし、「あはは」と他愛なく笑って2時間過ごすには問題はない。わくわくもホロリも、させてくれる。
 ただ……張り切ってたんで2回分サバキ取れちゃったんだけど……1回はさばこう……これはわたしよりみっちゃんファンが観るべきものだわ……。
 『THE SECOND LIFE』も『シルバー・ローズ・クロニクル』も『A/L』も、1回観る分にはたのしいし、わたしがもっとお金と時間に余裕があったら何回でも観たいけれど、しがないびんぼー人なのであきらめる。

 でも、贔屓が出ていたら、たのしいと思う。『THE SECOND LIFE』も『シルバー・ローズ・クロニクル』も『A/L』も。
 や、どれもアテ書きなので、主演の人に対して「これが***だったら」とは思いませんが。ええ、わたしの場合だとまっつですから、「この役がまっつだったら」とはとても考えられませんが(笑)。
 それでも、わたしが主演さんのファンだったら、きっとすげーよろこんで通うだろうなあ、と思うよ。

 他愛ないドタバタ・コメディ、つーのは、「通う」こと前提なら楽でいいんだもの。
 たしかに『舞姫』はすばらしい作品だったが、続けて観るのはつらかった。Wヘッダーなんかとんでもない、体力も精神力も続かない。や、大好きなのよ。大好きなんだけど。感動もものすげーし大泣きし過ぎて偏頭痛起こすし、大変なのよ。重すぎる作品に短期間で濃密に通いまくるっつーのは。(みわさんファンは大変だったろーなぁ……でもアレに主演できたら本望だから、どんなに消耗しても通うだろうけどなぁ)
 まっつファンとして「通う」ことがたのしかったのは『スカウト』や『MIND TRAVELLER』だった。他愛なく笑って、萌えていればよかったから。

 だから『THE SECOND LIFE』は、十分正しい作品だと思う。『シルバー・ローズ・クロニクル』や『A/L』が正しいのと同じで。

 つーことで、作品のアレさは置いておいて、とりあえず出演者の話。
 

 我らが北翔海莉。

 かっこいい。

 愉快なギャングのジェイク役。途中からは別人格、ヘタレなマーク役。

 かしちゃんコンサートのときも思ったんだけど、彼は「男役としての型」ができあがっている。スーツの着こなし、所作。キザり方。それらがきちんとできあがっているので、見ていてすげー気持ちいい。
 若い男の子たちを率いて真ん中で踊っていると、みっちゃんがどれだけ抜きんでているかよくわかる。
 タカラヅカは「技術」なんだ、ってことを見せつけてくれる。「美しい」とは「技術」なんだ、ってことを見せつけてくれる。
 もちろんみっちゃんは背も高いしスタイルもいい。それは武器ではあるけれど、それ以上に、「技術」ゆえの美しさが光る。
 それがキモチいい。男の格好をしただけの美人な女の子、ではなく、「男役」であることがうれしい。女性アイドル劇団ではなく、「宝塚歌劇団」であることを実践してくれているようで。
 昔はその実力ゆえに脇で支える方が向いてるんじゃ、と思ったこともあったけれど、これだけ華と押し出しが出てくれば十分真ん中の人だよなあ。いやその、新公時代は本役さんとのギャップがすごかったからさあ……オシャレなリカちゃん、美貌のさえちゃんだもんよ……。

 歌の実力はいうまでもなく。
 ピアノの弾き語りがある、というのがこの公演のウリのひとつらしいが、たしかにコレをメインにしたい、実際にした、気持ちは分かる。そこだけ別物てな、長い長い弾き語りが作中えんえん(笑)続く。
 作品のバランスを崩してまで、えんえん歌わせるのは、タカラヅカ的に正しいと思うよ。だってヅカはスターを見に来るものだから。スターの魅力を表現するためなんだから、どんだけ別物でもバランス悪くてもヨシ。
 みっちゃんの歌声の、すばらしいこと!
 明瞭で耳馴染みがいいので、歌詞とその世界に無理なく入れる。幅があって気持ちのいい声。いくらでも聴いていたくなる。
 みっちゃんの歌の強みは、「クリアでニュートラル」ってことかなあ。オサ様やトウコちゃんの歌声に聴き耽っていると忘れてしまいそうな(笑)歌の基本を改めて聴かせてくれる感じ? ずんちゃん系かな。

 演技自体は「器用」であることが前面に出ている気がした。すごく「うまい」ことも「計算」も感じられるんだけど、演技内容より心情より、そーゆーものが見えてしまうのはちょっとひっかかる。
 それでもときおりすこーんと心情が前に出て、波に乗る・さらわれる感じで持っていってくれるので、それはソレでたのしい。ギャップがある方が華やかでいいのかもしれない。

 みっちゃんはとてもよくカオと印象が変わる人なので(お化粧が変わっているのかなあ?)、今回わたしの目にはときどきタモさんに見えてドキっとしたんだ。タモさんは美人だったよねええ。
 カオだけに限定してしまえば、美形というのとはちょっとチガウんだが、彼は演じることで美しい人になるだけの技術があるからな。
 北翔海莉が美貌を手に入れられれば、鬼に金棒だと思う。表情の作り方やお化粧で、もっともっときれいになる、のびしろがある人。これからがたのしみだ。

 あれ。ほっくんひとり分で文字数切れだ。続く〜〜。


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