裏事情は置くとして。大切なのは「表」の顔。@1万人の第九
2007年12月3日 その他 中島美嘉の「素顔」は、有名なのか?
おばさん、若い子のことよく知らないから。若者の間では周知のことなのかと疑問を持ったが、若いパクちゃんと誠さんが「見たことない」と言ってくれたので、ほっとした。
『1万人の第九』、今年のゲストは中島美嘉だった。『1万人の第九』と同い年(25歳)なんだって。
ドラマ・フリークでもあるわたし(大抵のドラマは網羅しているぞっと)が中島美嘉と出会ったのは、2001年のドラマ『傷だらけのラブソング』だった。昔の大映ドラマのよーなしょーもないドラマだったが、ヒロインのケバい不良少女の歌う「アメイジング・グレイス」はたしかに素晴らしかった。
不良少女役だから、あんなメイクをしているのだと思ったが、中島美嘉は終始一貫ケバケバしいタヌキメイクのシンガーだった。目の周りが真っ黒で、付け睫毛なのかマスカラ威力なのか、おばさんにはよくわかんないわぁ、てな感じの。
歌番組はあまり見ないが、ドラマを見てれば流行りの音楽は嫌でも耳にすることになる。以来、中島美嘉の名前と歌声は絶えることなく日常の中にあった。ジェンヌがお茶会で彼女の歌を歌ったりするしな。
しかし、素顔は知らなかった。
いつ見ても彼女はタヌキのよーなメイクをした、作り物っぽいカオをしていたから。
で、『1万人の第九』には、リハーサルとゲネプロと本番がある。
前日行われるリハでは音楽部分だけ練習、当日の朝行われるゲネでは進行全部、つーことで、すべてに中島美嘉は登場する。
平井堅がゲストで出た年からだったかな、リハーサルもチケット売って一般客を客席に入れるようになっていた。有名流行歌手が出演するんだから、そして本番と同じ曲数歌うんだから、たとえリハでも金になるんだ、すげーなと思った記憶あり。
わたしだって、たとえば春野寿美礼がゲスト出演するコンサートがあって、リハーサルもお金を出せば見られるとゆーなら、絶対チケット買って見に行ってるもん。ファンならリハだって見たいはず。
だから今年のリハも、ふつーに客を入れていた。
大阪城ホールには、リハーサルから1万人の合唱団と、何人かは知らないが一般客がいた。
そのステージ上に、中島美嘉は現れたわけだ。歌う曲は「LIFE」と「The Rose」と「きよしこの夜」。本番じゃないからふつーの服装で、髪の毛はおろしたまんまで。
あ、あれ?
「中島美嘉さんです!」
と紹介されて出てきた女の子は、わたしの知っている「中島美嘉」ではなかった。
量が多いだけの、ダサい髪型。瞼の上に一直線になった前髪の厚さは1cmくらいありそうだ。
地味で、暗そうなカオ。テンション低く、とりあえず、歌う。
歌声もまた、わたしの知っている「中島美嘉」とはちがっていて。
あ、あれえ? 中島美嘉ってもっと「うまい」ってイメージだったんだけど……。
大して、うまくない。音取れてないじゃん? 高音が上がりきらず途中で消え入る。声量もない。ブレスの多さが耳につく。
淡々と歌い、なんとも退屈な声。
ナマで聴くのがはじめてだから?
テレビでは人工的に処理されていたからあんなにうまく響いたのかな?
てゆーかアレ、ニセモノなんじゃね?
何故誰もナニも言わない? あきらかに別人じゃん。カオ、ちがってるやん。
いつもジェンヌを見慣れているためか、姿勢の悪さが気になる。
真っ直ぐ立てない、歩けない。
歌うときは前屈み。振付とも思えない微妙な動き。あー、『バイオハザード』のゾンビがあんな動きをする……。
地味で暗い女の子が、貞子@『リング』のような髪型でカラダをくの字に曲げて歌う姿は、なんつーかこー、ホラー風味だった。
前屈みでずっとゆらゆら揺れてる……こわい……。
リハは歌だけで終わったけれど、当日のゲネはその他の進行も本番通りやる。つまり、トークもある。
……美嘉ちゃんは、「喋れない女の子」でした。佐渡せんせと司会者が、美嘉ちゃんを真ん中に喋っていても、自分からは会話に加われず、ぼーっと突っ立っていた。「美嘉ちゃんはどう?」と言われてはじめて「台本です」というような答えをローテンションに口にする。
たしか中島美嘉って自分からぺらぺら喋るキャラではなかったよな。だからまちがってはいないんだけど、こわいタヌキメイクのときは「クール」とか「アンニュイ」に見えていたけど、貞子姿だとたんに「気の利かない子」に見える……メイクの威力に唖然。
ねえねえアレってほんとに中島美嘉?!
わたしは聞きたくて仕方なかったが、かなしみのひとり参加、誰にも聞けない。
お隣のおばーさまと仲良くしてたんだけど、おばーさんはもちろん「あの女の子誰?(笑顔)」「2曲目、いい歌ねぇ(笑顔)」「ところでおまんじゅう食べる?(笑顔)」だったので、聞けませんでした。
2曲目は美嘉ちゃんの持ち歌ではないっすよ……ヅカでは定番、1年に何回も聴く曲だが、ふつーの人ははじめて聴くくらいのもんらしい……。
わたしはもうすっかり春野寿美礼中毒で、寿美礼サマのコテコテな歌声以外受け付けなくなっているのかもしれない。
中島美嘉のひっかかりのない「きれいな」歌声は、そうめんのようにのどごしさわやかに流れ切り、なにも残らない。
物足りない……。
つまんない……。
そう思っていたんだが。
さて、本番。
リハ、ゲネと貞子姿でホラーだった歌姫・中島美嘉は、ちゃんと「中島美嘉」の姿で現れた。
迫力のドレス姿、迫力のタヌキメイク。目の周りは真っ黒だ。
あのぶ厚い貞子ヘアは、きれいにウェーブを付けて撫でつけ、モガのようになっていた。
「……あんなに塗りたくらなくても……(唖然)」
素顔→化粧顔の順で「中島美嘉」体験をした隣の席のおばーさんは、その別人ぶりに絶句。
いやあ、あのメイクはアートだねっ。同じよーにフラフラ前屈みで歌っても、自分からはなにもできずにぼーっと突っ立っていても、変じゃない。
そーゆーもん、という「キャラクタ」として成り立っている。
で、実際。
本番は、歌がうまかった。
テレビで聴く通りの「歌姫」ぶりだった。
リハでは手を抜いていた、……とも、思えない。そんな器用さがあるようには思えなかった。真面目な女の子に見えた。
本番でこそ、実力を発揮できる子なのか……!
冴えわたる歌声の、美しさ。
作り込まれた人形のような姿と相まって、別次元の存在として光を放っていた。
……えーと。
ここまで「素」と「本番」がチガウ人を、見たことないっす。
『1万人の第九』には旬な歌うたいさんが必ずゲスト出演し、リハで素の姿も見せてくれるけど、みんな本番と大してちがいはなかったっす。
めっさ普段着で現れて、本番でキラキラのゴージャス・ドレス姿、髪とメイクに何時間かかったんだー?な手の込んだ姿になる人たちはいても、少なくとも顔は同じだった。
ヅカメイクばりに濃ぃ〜〜いメイクだから、素顔が別人なのは想像の範囲内っちゃーその通りなんだが、だからこそおどろいたのは、素顔を隠していないことなのよ。
デーモン小暮閣下のように、素顔は絶対見せちゃいけないことにしておかなきゃ……。
☆
今年の『1万人の第九』は、ゲネの進行がぐたぐたで、お昼休憩はなくなるわ、発声練習は短縮されるわ、時間が取れないから休憩時間に急遽練習させられるわ(半数は席を立ってるので不在。そんな練習意味あるのか?)、休憩短縮のせいでトイレの大行列から帰還できない人たちが演奏がはじまっても会場内をウロウロしているわ、散々だった。
そのくせオケの演奏自体は佐渡センセがかなりタイトにまとめたので、結果として30分も時間が無為に空いてしまうわで(それなら休憩と練習時間をちゃんと取ってくれよ!)、これまたひどいことになっていた。
本番がどーなるのか、午前中段階では心から不安でしたねぇ。
ここまでひどい進行っぷりははじめてなんだが、どーしたんだろう、毎日放送さん。
まあともかく、裏事情は置くとして、例年以上の感動的なコンサートでした。
久石譲氏の新曲「Orbis」が、ものごっつー壮大で、すばらしい曲でした。
舞台に現れた久石せんせが、なによりまずオケに向かって頭を下げまくっていたのが印象的。
「楽譜もらったのが10日前でね、オケは死ぬほど練習しましたよ……これがまた複雑なことやっててね……」
と、佐渡せんせがゲネでゆーてました。わたしらコーラスも、楽譜もらったの5日前とかだったよね……。
どーも〆切破りまくったっぽい(笑)。
でも、いい曲だった。
「六甲おろし」もなかったし、良いコンサートでした。はい。
おばさん、若い子のことよく知らないから。若者の間では周知のことなのかと疑問を持ったが、若いパクちゃんと誠さんが「見たことない」と言ってくれたので、ほっとした。
『1万人の第九』、今年のゲストは中島美嘉だった。『1万人の第九』と同い年(25歳)なんだって。
ドラマ・フリークでもあるわたし(大抵のドラマは網羅しているぞっと)が中島美嘉と出会ったのは、2001年のドラマ『傷だらけのラブソング』だった。昔の大映ドラマのよーなしょーもないドラマだったが、ヒロインのケバい不良少女の歌う「アメイジング・グレイス」はたしかに素晴らしかった。
不良少女役だから、あんなメイクをしているのだと思ったが、中島美嘉は終始一貫ケバケバしいタヌキメイクのシンガーだった。目の周りが真っ黒で、付け睫毛なのかマスカラ威力なのか、おばさんにはよくわかんないわぁ、てな感じの。
歌番組はあまり見ないが、ドラマを見てれば流行りの音楽は嫌でも耳にすることになる。以来、中島美嘉の名前と歌声は絶えることなく日常の中にあった。ジェンヌがお茶会で彼女の歌を歌ったりするしな。
しかし、素顔は知らなかった。
いつ見ても彼女はタヌキのよーなメイクをした、作り物っぽいカオをしていたから。
で、『1万人の第九』には、リハーサルとゲネプロと本番がある。
前日行われるリハでは音楽部分だけ練習、当日の朝行われるゲネでは進行全部、つーことで、すべてに中島美嘉は登場する。
平井堅がゲストで出た年からだったかな、リハーサルもチケット売って一般客を客席に入れるようになっていた。有名流行歌手が出演するんだから、そして本番と同じ曲数歌うんだから、たとえリハでも金になるんだ、すげーなと思った記憶あり。
わたしだって、たとえば春野寿美礼がゲスト出演するコンサートがあって、リハーサルもお金を出せば見られるとゆーなら、絶対チケット買って見に行ってるもん。ファンならリハだって見たいはず。
だから今年のリハも、ふつーに客を入れていた。
大阪城ホールには、リハーサルから1万人の合唱団と、何人かは知らないが一般客がいた。
そのステージ上に、中島美嘉は現れたわけだ。歌う曲は「LIFE」と「The Rose」と「きよしこの夜」。本番じゃないからふつーの服装で、髪の毛はおろしたまんまで。
あ、あれ?
「中島美嘉さんです!」
と紹介されて出てきた女の子は、わたしの知っている「中島美嘉」ではなかった。
量が多いだけの、ダサい髪型。瞼の上に一直線になった前髪の厚さは1cmくらいありそうだ。
地味で、暗そうなカオ。テンション低く、とりあえず、歌う。
歌声もまた、わたしの知っている「中島美嘉」とはちがっていて。
あ、あれえ? 中島美嘉ってもっと「うまい」ってイメージだったんだけど……。
大して、うまくない。音取れてないじゃん? 高音が上がりきらず途中で消え入る。声量もない。ブレスの多さが耳につく。
淡々と歌い、なんとも退屈な声。
ナマで聴くのがはじめてだから?
テレビでは人工的に処理されていたからあんなにうまく響いたのかな?
てゆーかアレ、ニセモノなんじゃね?
何故誰もナニも言わない? あきらかに別人じゃん。カオ、ちがってるやん。
いつもジェンヌを見慣れているためか、姿勢の悪さが気になる。
真っ直ぐ立てない、歩けない。
歌うときは前屈み。振付とも思えない微妙な動き。あー、『バイオハザード』のゾンビがあんな動きをする……。
地味で暗い女の子が、貞子@『リング』のような髪型でカラダをくの字に曲げて歌う姿は、なんつーかこー、ホラー風味だった。
前屈みでずっとゆらゆら揺れてる……こわい……。
リハは歌だけで終わったけれど、当日のゲネはその他の進行も本番通りやる。つまり、トークもある。
……美嘉ちゃんは、「喋れない女の子」でした。佐渡せんせと司会者が、美嘉ちゃんを真ん中に喋っていても、自分からは会話に加われず、ぼーっと突っ立っていた。「美嘉ちゃんはどう?」と言われてはじめて「台本です」というような答えをローテンションに口にする。
たしか中島美嘉って自分からぺらぺら喋るキャラではなかったよな。だからまちがってはいないんだけど、こわいタヌキメイクのときは「クール」とか「アンニュイ」に見えていたけど、貞子姿だとたんに「気の利かない子」に見える……メイクの威力に唖然。
ねえねえアレってほんとに中島美嘉?!
わたしは聞きたくて仕方なかったが、かなしみのひとり参加、誰にも聞けない。
お隣のおばーさまと仲良くしてたんだけど、おばーさんはもちろん「あの女の子誰?(笑顔)」「2曲目、いい歌ねぇ(笑顔)」「ところでおまんじゅう食べる?(笑顔)」だったので、聞けませんでした。
2曲目は美嘉ちゃんの持ち歌ではないっすよ……ヅカでは定番、1年に何回も聴く曲だが、ふつーの人ははじめて聴くくらいのもんらしい……。
わたしはもうすっかり春野寿美礼中毒で、寿美礼サマのコテコテな歌声以外受け付けなくなっているのかもしれない。
中島美嘉のひっかかりのない「きれいな」歌声は、そうめんのようにのどごしさわやかに流れ切り、なにも残らない。
物足りない……。
つまんない……。
そう思っていたんだが。
さて、本番。
リハ、ゲネと貞子姿でホラーだった歌姫・中島美嘉は、ちゃんと「中島美嘉」の姿で現れた。
迫力のドレス姿、迫力のタヌキメイク。目の周りは真っ黒だ。
あのぶ厚い貞子ヘアは、きれいにウェーブを付けて撫でつけ、モガのようになっていた。
「……あんなに塗りたくらなくても……(唖然)」
素顔→化粧顔の順で「中島美嘉」体験をした隣の席のおばーさんは、その別人ぶりに絶句。
いやあ、あのメイクはアートだねっ。同じよーにフラフラ前屈みで歌っても、自分からはなにもできずにぼーっと突っ立っていても、変じゃない。
そーゆーもん、という「キャラクタ」として成り立っている。
で、実際。
本番は、歌がうまかった。
テレビで聴く通りの「歌姫」ぶりだった。
リハでは手を抜いていた、……とも、思えない。そんな器用さがあるようには思えなかった。真面目な女の子に見えた。
本番でこそ、実力を発揮できる子なのか……!
冴えわたる歌声の、美しさ。
作り込まれた人形のような姿と相まって、別次元の存在として光を放っていた。
……えーと。
ここまで「素」と「本番」がチガウ人を、見たことないっす。
『1万人の第九』には旬な歌うたいさんが必ずゲスト出演し、リハで素の姿も見せてくれるけど、みんな本番と大してちがいはなかったっす。
めっさ普段着で現れて、本番でキラキラのゴージャス・ドレス姿、髪とメイクに何時間かかったんだー?な手の込んだ姿になる人たちはいても、少なくとも顔は同じだった。
ヅカメイクばりに濃ぃ〜〜いメイクだから、素顔が別人なのは想像の範囲内っちゃーその通りなんだが、だからこそおどろいたのは、素顔を隠していないことなのよ。
デーモン小暮閣下のように、素顔は絶対見せちゃいけないことにしておかなきゃ……。
☆
今年の『1万人の第九』は、ゲネの進行がぐたぐたで、お昼休憩はなくなるわ、発声練習は短縮されるわ、時間が取れないから休憩時間に急遽練習させられるわ(半数は席を立ってるので不在。そんな練習意味あるのか?)、休憩短縮のせいでトイレの大行列から帰還できない人たちが演奏がはじまっても会場内をウロウロしているわ、散々だった。
そのくせオケの演奏自体は佐渡センセがかなりタイトにまとめたので、結果として30分も時間が無為に空いてしまうわで(それなら休憩と練習時間をちゃんと取ってくれよ!)、これまたひどいことになっていた。
本番がどーなるのか、午前中段階では心から不安でしたねぇ。
ここまでひどい進行っぷりははじめてなんだが、どーしたんだろう、毎日放送さん。
まあともかく、裏事情は置くとして、例年以上の感動的なコンサートでした。
久石譲氏の新曲「Orbis」が、ものごっつー壮大で、すばらしい曲でした。
舞台に現れた久石せんせが、なによりまずオケに向かって頭を下げまくっていたのが印象的。
「楽譜もらったのが10日前でね、オケは死ぬほど練習しましたよ……これがまた複雑なことやっててね……」
と、佐渡せんせがゲネでゆーてました。わたしらコーラスも、楽譜もらったの5日前とかだったよね……。
どーも〆切破りまくったっぽい(笑)。
でも、いい曲だった。
「六甲おろし」もなかったし、良いコンサートでした。はい。
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