今さらですが、『ME AND MY GIRL』新人公演の感想をば。

 いつもより長いんだね。2時間くらいあった。でも休憩ナシ。……ムラは夜が早いから、これが限界なんだろうなあ。大阪のわたしでも、終演8時過ぎなんて公演じゃあ、帰宅するの10時前になっちゃうわけだし。(阪急電車、遅いし、乗り継ぎ悪いし)
 それでも、遠方客のことなんか考えず、全場やってほしいと思うけどな(笑)。帰れない奴は泊まれ。泊まれない奴はあきらめろ。……と、自分が観たいから、とゆーだけで自己中発言。や、言うだけで叶うわけないし。

 今回1幕・2幕で役替わりがあり、どっちに出ていたかで出番や見せ場に隔たりがありすぎて、「ふつーに通しでやってくれればいいのに」と心から思ったもんでな。
 1幕はわりとそのまま、2幕はぶった切りまくりって感じ?

 
 なにはともあれ、主演の話から。

 ビル@みりお、かわいいっ。

 若くキラキラしたかわいい男の子。
 男役がすごい久しぶりのはずだけど、ちゃんと男役であることを作ってきてくれて、うれしい。……や、だって、『ホフマン物語』でも娘役やってたわけだし。なんかいつも半端に娘役やってる感じ……だったのに。

 男役が好きなんだなあ。すげー生き生きしてる。
 このままちゃんと男役が見たいな、と心から思いました。

 もともと少年声なので(大人の男の声ではないので)、ちゃらけているときとシリアスなときの声の差があまりなくて、わたし的にはすごーく聞きやすかった。
 あまりに声を変えて駄洒落つーかオヤジギャグっつーか、よく言えば言葉遊び?をやられると、笑いツボの少ないわたしにはいろいろいろいろ(笑)つらいので。

 若さと勢いがある方が、ビルという役には合ってるのかな。わたしのイメージでは。
 サリー@しずくとの関係も、最初からもうかわいくて微笑ましくて。10代カップルって感じなのがいい。無知さも下品さも、青春の息吹があって、おばさんにはせつないよーな甘酸っぱさに見えたよ。

 ジャッキー@蘭乃さんに誘惑されて、クッション股間にはさんでポカポカやってるところも、なんか納得の絵面だった(笑)。がんばれ高校生、ここは理性だ。……てな。

 そして少年が大人になっていく姿が、気持ちいい。
 若さが前面に出ているので、そんなビルが大人の表情で恋に、無力な自分に傷ついていくさまが、きゅんとさせる。

 
 技術的に「ここはすごい!」があるわけじゃないんだけれど、どれも手堅く及第点はあるよね。
 そこに美貌が加わるわけだから、強いわ。

 みりおくんはほんとに順調に育てられているなと思う。
 新公では研1からずっと抜擢され続け、かといっていきなり無理なことはさせず、少しずつ場数を踏んで、経験を積ませ名前を売り……昨今ここまで平均的な階段を作ってもらった子はいないんじゃ?ってくらい、順調だよなあ。
 タニちゃんみたいな極端な抜擢の仕方は、現代ではいろいろ難しいんだと思う。だからこそ、みりおくんのような育て方がちょうどいいバランスなのかも?

 大切に大切に育てられた、掌中の玉。だからこそ、大輪の華を咲かして欲しい。

 与えられた役割を、今のところはひとつずつちゃんとこなしてきている。
 いちばんの課題はやっぱ、「大人の男」かなぁ。
 姿や顔立ちの美しさ、かわいらしさゆえにどうしても若く見えてしまうからなぁ。
 ホフマンもビルも少年の魅力で大丈夫な役だったんで、次はぜひ「どーあがいても大人の男」な役を見てみたいぞ。

 つか劇団様、みりおくんが美しいことはよーっくわかったんで、もう彼に女役をやらせないで下さいまし。
 もう少し成長して、男になったあとならいいけど、性別分化前に女の子ばっかやってると、男としての成長を妨げることになるよぉ。
 美少年の女役は手っ取り早い人気取りなのはわかるけど、やりすぎはどうかと。
 男役スター、明日海りおくんが見たいです。

 
 ヒロイン・サリー@しずくちゃんは(笑)。

 ごめん、語尾に(笑)がついてしまう。

 いやあ、相変わらずヘタっぴで、安心した(笑)。

 そうだよな、しずくちゃんだもんな、こうだよな。
 月組に組替えになって、なんかちょっと遠く感じていたというか、「ああ、もう星の子じゃないんだわ……くすん」みたいなキモチがあって(元星担)、美貌を見込まれての組替えみたいに周囲で言われていて、たしかに美貌だけどあの、ほんとにソレだけですよ? いいんすか、どきどき……みたいな勝手な心配とかあって。
 わたしが知っている通りのしずくちゃんで、かえって安心した。

 最初にこんだけなにもできません、つーのをばーんとさらしておけば、こっからは上がっていくだけ、成長していくだけだもん、はらはらしないですむっていうか。
 『シークレット・ハンター』新公の、美貌と、なにもできなさっぷりのギャップにウケた、あのときの感覚を思い出した。
 いやそれも、姫花ちゃんを知ってしまったあとでは物足りなくなるくらいの出来なんだが……(姫花おそるべし)。

 や、しずくちゃん比では、よくなってる。成長してるよ(笑)。

 他はともかく、歌だけはほんとになんとかしないとまずいとは思うけれど……。途中で声が出なくなるんじゃないかと心配した。ほんとにか細い声だなあ。

 下町っこファッションではあまりかわいらしくなく、最後の姫ドレス姿ではばーんと美しい……ところは、さすが!
 そうなのよ、この変身っぷりを見たかったのよ。
 やっぱ差がある方が見ていてわくわくするものね。

 技術の足りていないしずくちゃんをリードするみりおくんが、よりオトコマエに見えたのも事実。
 微笑ましいカップルだわ。

 つーことで、堪能しました、89期主演コンビ。
 美形っていいわ。

 
 本来の『ME AND MY GIRL』がどういうものなのかは、わからない。
 ビルの年齢設定がどうとか、どう見えるように演じるのが正しいとか。
 ただ、わたしの好みでは、この物語は若いカップルの話の方がぐっとくる。


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