『太王四神記』ヒョンゴ@まっつを見ていて、「なにかを思い出す……」と、初日から考えていた。
 ポンファ通りでの服装は、思い出すまでもなく水戸黄門だけど、そーぢゃなくて、コムル村の正装の方。
 白いずるずる衣装をたくしあげて、銀橋をあたふた走っていく姿に、強烈なデジャヴ。
 知ってる。コレあたし知ってる……なんだろう?

 答えはすぐに出た。

 そうか。

 ヘムレンさん@『ムーミン』に似ている。

 ヘムレンさん。
 ムーミン谷の住人。切手だとか蝶だとかの蒐集家として描かれる、おじーさん。長いワンピースのような衣装を着ている。
 ムーミン属のイキモノにしては細長い顔に、目の下のシワ。走るときはもちろん、長いスカートをたくしあげる。
 いつも穏やかな癒やし系、されど根っこは頑固な、愛すべきおじーちゃん。

 い、いかん。『楽しいムーミン一家』を花組で妄想配役してしまう。
 勇敢でお人好しで夢見がちであちこち抜けてる主人公ムーミン・トロール@まとぶはすげーハマると思う。そーすると、そのガールフレンドの女子度が高すぎていちいちウザい(笑)かわいこちゃんフローレン@あやね、ひょろりとのっぽでヘタレなスニフ@壮くんな(笑)。
 んで順番的に、空飛ぶ船を発明することを夢見る発明ヲタクの眼鏡っこスノーク@みわさん……うわ、見たいソレ(笑)。
 そしてなんつったって、小粒でぴりりと辛い超個性的少女ミィ@いちか!! 我が道を行く強さと、姿のかわいらしさ。
 あ、もちろん、ハモニカを吹く美少年スナフキン@ゆーひくんで! クールでドライな台詞の数々を言って欲しい(はぁと)。

 あくまでも、『楽しいムーミン一家』ですよ、『ムーミン』じゃなくて。
 昭和に作られた『ムーミン』はセンスもテーマもかなりアレだし、キャラクタもひでーし。唯一スノークだけはいいキャラだと思ってるけど(笑)。
 平成になってから制作された『楽しいムーミン一家』はセンスもキャラもすごく良かったの。とくにミィの造形が最高。昭和版ではただの「いじわるな女の子」だったけど、平成版では「個性的な女の子」として描いてあるのよ。スナフキンも少年キャラになってるしね、昭和版の小林旭ではなく。

 ……はっ。
 『ムーミン』を語っている場合か。

 わたしが語りたいのは、ヒョンゴ@まっつ。
 ヒョンゴがじじいくさいとかコメディアンとかお師匠様過保護すぎとか、そーゆーことを言いたいわけではなくて。

 ヒョンゴはもっと、美形であってもいいと思うのですよ。

 原作なんか関係ありません。だってココはタカラヅカ。ビバ美形、ビバ美の垂れ流し。

 三枚目に演じているからそうなっているだけで、別に彼の「役割」と実際の「見た目」は、十分美形キャラっぽいじゃないですか。乙女ゲーでも少女マンガでも、軍師様は美形が基本ですってば。そしてタカラヅカはそれらと陸続きの世界観でしょ?

 つーことで。

 ヒョンゴ先生耽美化計画。

 ……そこ、タイトルだけで笑わないように。引かないようにっ。

 ヒョンゴが耽美キャラでも、誰にも迷惑は掛けないよな? を合い言葉に、耽美にすることを考えてみよう。

 まず、外見。
 演じている未涼亜希は美形であるとゆーのは前提なので、異論は認めません。

 水戸黄門衣装はやめて、ロングジャケット着用。2幕で着ているあのテイストで。
 そして、髪型。
 サイドを後ろでまとめるOL風はやめて、自然のまま垂らす。
 ときおり前髪が顔にかかる、のがポイント。
 デコ全開だけではいけません。
 時折前髪が垂れるのが、耽美度を上げるのです。

 台詞は一言一句変えず、ひたすらクールに、アンニュイに。
 表情は変わらず、まるで予言者のように。

 頬にかかる一筋の髪を時折かき上げつつ、淡々と使命を果たす。
 ポンファ通りの人々との合唱も、ひとりクールに。
 インチキ占いも、どこぞの占いの館の教祖キャラクタのよーに仰々しく美形オーラゆんゆんに。
 動作はゆっくりと、しかし個々のポーズだけはびしりと決めて。

 テーマは美、目指すは耽美。

 普段がクール一直線なだけに、クールに無表情に「武道大会~~♪」と美声で歌い、アクションをキメればまちがいなく変な人度が際立ちます。(え?)

 クール過ぎて俗世から乖離してるっぽいくせに、大真面目に「腹が減っては戦が出来ぬ」とか言い出せば、まちがいなく変な人度が際立ちます。(え?)

 そして、どんだけ低温で無表情でも、スジニ相手には、相好を崩すことも重要です。
 スジニに関すること全部が全部ではなく、ほんとーに切羽詰まったとき、スジニのことでだけ、感情を顕わにする。

 一本調子ではいけません。
 一点集中、ココ、とゆーところでだけは「チガウ顔」を見せるのです。きょうび「クールな美形」だけではキャラは立ちません。
 乙女ゲーでも、「意外な一面」のないキャラはいませんから! 設定時の基本です基本。

 知的クールビューティが、一瞬だけ見せる「真実」に、ヲトメはときめくのです。
 そこまで含めて「耽美」です。

 熱血タムドクさんとは、一線を引いて、感情を表現。
 タムタムが嘆き悲しんでるからと自分も一緒になって悲しまないで、クールな表情のまま視線を落とし、髪をはらりと顔に落とす。や、耽美っすから!

 戦場でも杖を持ってあたふた走り回るのではなく、ひとり悠々と動く。斬りかかってくる者には、一瞥をくれるだけでヨシ。美形パワーで臆させるの! 美形はそれでイイの!(え?)

 ……なんかわたし、耽美キャラと変人キャラを混同している気が、しないでも、ナイですね。

 少女マンガ的世界で、「変人」が許されるのは「美形サマ」だけだという認識は、まちがっていないと思う。ええ、ここはまちがってないはず。
 だから是非、「変人」を極めて「耽美」に……!!(あきらかに、ここでまちがっている)

 耽美なヒョンゴ先生が見たいわ。
 水戸黄門衣装以外のとき、黙って立っていれば十分美形サマなんだから、そのまま耽美一直線可能でしょう。
 耽美なまっつ。
 耽美なまっつ。
 ……いかん、想像するだけで笑えるのは何故。うっとりすべきとこなのにっ。
 変にキャラが立ちすぎると、物語の「語り部」である役割にマイナスになる?

 えーと。

 結論。

 ヒョンゴ先生は、今のままでイイです。 

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