止まった時間の向こう側。@星組東宝千秋楽
2009年4月26日 タカラヅカ できることなら時間を止めて……と、言うけれど。
時間を止めることは、出来る。
鳴りやまない拍手によって。
通常ならすぐに次の場面に移るはずのラストシーンで、鳴りやまない拍手が時を止める。
それはほんの数秒だけど、地球をも止める勢いで。
トウコちゃんたちを見送りに、東宝行ってきました。
チケット? あるわけないぢゃないですか。
西新井ってどこ? てな立場です。はじめて聞く地名っす。
同じ日本なんで、行けばなんとかなると地図も持たずに上京。迷わず一発で行けた自分に拍手(笑)。てゆーか駅からけっこー遠かったぞヲイ。
西宮ガーデンズみたいなとこでした。郊外の上に、駅からはなれたところにあとから無理矢理でかいショッピングゾーン作りました系。
西宮ガーデンズの方が、でかくて遠い。『ソロモンの指輪』見に行ったとき、その遠さにびびったもんだ(しかも映画館のファースト上映のため、ショッピングゾーンが営業前で通行できないところだらけ、迷宮になっていた)。が、西宮は陸橋を造って強引に「駅から直結」にしてある。
西新井さんはそれほど大きくないため、駅から見えない。そして直結通路も造ってないので、自力でふつーの道を歩いて建物探して行かなければならない。
……あくまでも、地元民のためのショッピングセンターでした。
東宝から徒歩も含めて1時間強。
いつもの夜行バスで早朝に東京に着き、そっから入り待ちしました。
巨大な白い生花で作られたアーチが運ばれ、劇場入口前で完成されるさまを、ぼーっと眺めてた。
薔薇や百合で作られたアーチで、男の人たち5~6人で運んでいた。その周囲に付き添う人たちもいて、すげー大がかり。
目の前を通るときに、花の……たぶん百合の香りがした。
ムラでは蘭のアーチだったなあ、今回は蘭はないんだ……と思ったら、アーチを正位置に設置してから、蘭でさらに飾りはじめた。そうか、蘭の花は重いからあとから付けるんだ。
昨日今日の花相場は、いったいどれほど動いたんだろう、と感嘆する豪華さ。
「なにがすごいって、あのアーチを通るのはたったひとり、ってことだよね」
と、仲間たちと頷き合う。
生花のアーチを使うイベントは、たしかにこの金満国日本にはいくらでもあるだろう。
しかし、たったひとりが1回通る、ただそのためだけに作られる場合は、いったいどれほどあるだろうか。
夢の国の集大成となる夢のイベントだから。
そのためにすべてがあるから。
夢の時間のために、それを彩る人たちも駆けつける。
えーと、わたしが見ただけで、さららん、ケロ、ナルセ、オサ様、みどりちゃん、ゆりちゃん、さえちゃん? ドリーさんは檀ちゃんも見たって言ってたけど、わたしは見落としたみたい(のちにお花渡しを映像で見るわけだが、入りの姿は見落とした)。
ケロが現れたときは、来ることはわかっていても、今まで見たどのときより近かったので、そして昔と変わっていなかったので、言葉にならず。
コメントなし。
なにも言えない。ケロちゃんが楽屋口へ消えたあとも、わたしは硬直していた。……ケロちゃんはずっと特別、Myダーリン。
オサ様は退団者の入りにちょっとかぶってしまったため、あわてて隠れた(笑)。が、ギャラリー含め「オサさんキタ!!」とざわついていたので、隠れるのをあきらめて、会釈しながら入っていった。
その姿がすげーかわいい。
ムラでは当日抽選に参戦していたため(そして結局ハズれた)見られなかった退団者の入りを、東宝楽でようやく見られた。
真っ白な人たちに見守られる中を歩く、真っ白な人たちを。
みんな帝国側から現れて、楽屋口を通り過ぎて、いったん反対側まで歩いて、沿道のみんなに顔を見せてくれた。
ありがとうありがとう。
きれいな笑顔をありがとう。
みんなすごくきれい。
彼らのカラダの周囲に、なにか一枚チガウ膜があって、周囲から浮き上がっているの。
あすかちゃんはすごくすっきりしていた。
髪の毛を一筋の乱れもなくぴったりとまとめ上げて……研一の女の子みたいにすっきりした姿だった。
妖精みたいにかろやかなの。
しいちゃん登場に、心拍数乱れた(笑)。
しいちゃんはいつもの笑顔で……でも、真っ白な姿で。
ジャケットはなく、ブラウス姿。こちらもすっきり。
ほんとうにお別れなんだ、と思う。
トウコちゃんは……(笑)。
オープンカーでの登場なんだけど、姿が見えない。
ふつーオープンカーって、群衆向けというか、人混みの後ろからでも見えるように座席の上?に坐って、ボンネット位置よりも上にカラダを出すもんだよね?
なのにトウコちゃん、座席に深く坐って、カラダを出さないの。
サングラスを掛けて、ふんぞり返っている。
ええ。
これぞ、「スター!!」な風情で。
コレをやりたくて、オープンカーなのか!!(笑)
安蘭けいは、「エンターティナー」である。
サヨナラショーでグラパン@『スカーレット・ピンパーネル』をやって観客を泣き笑いさせる人である。
最後の楽屋入りも、イベントとしてセルフプロデュースするんだ。
ふんぞり返る口元が、微妙に笑ってるの。
こーゆーこと、やりたくて仕方ないんだね(笑)。
車を降りて、これまた「スタァなオレ様」パフォーマンス。
黄色い歓声を浴びることを、楽しんでいる。
そして、彼のためだけに作られた真っ白なアーチをくぐって、劇場へ消えていく。
中では組子たちが待ち構えているんだろう、わたしたちの位置からは見えないが、ガードやギャラリーが激しく反応していた。
そーやってはじまった、長い長い1日。
わたしの友人たちは、劇場内、東京それぞれの中継会場と分かれて見送りをするので、一旦解散。
わたしは前述の西新井の東宝シネコンにて、大スクリーンでトウコちゃんたちの最後の舞台を見納めました。
千秋楽に限らず、一度は映画館スクリーンでヅカを見てみたい人なので、どんな風に映るのかは興味津々。
映画『ソロモンの指輪』のような意志のある作りではなく、ただの記録映像だとわかっているが、単に大きなスクリーンで、アップで見たいの。
あの人たちの顔を、表情を。
スクリーンでしかなく、そこに彼らはいないのに、一緒に拍手して堪能しました。
届くわけないのに、ショーストップとなる場面では、祈りつづけた。
拍手よ、続け。
時間を止め続けろ、と。
鳴りやまない拍手によって進行が止まっている間、スクリーンはトウコちゃんのアップを映し続ける。
涙の光る、せつない表情を、スクリーンいっぱいに。
時よ、止まれ。
いや、止まり続けろ。
今、止まっているのだから、できるのだから。
止まり続けろ。
時間は止まり、あのひとの頬を流れる涙だけが、唯一の時間となるんだ。
時間を止めることは、出来る。
鳴りやまない拍手によって。
通常ならすぐに次の場面に移るはずのラストシーンで、鳴りやまない拍手が時を止める。
それはほんの数秒だけど、地球をも止める勢いで。
トウコちゃんたちを見送りに、東宝行ってきました。
チケット? あるわけないぢゃないですか。
西新井ってどこ? てな立場です。はじめて聞く地名っす。
同じ日本なんで、行けばなんとかなると地図も持たずに上京。迷わず一発で行けた自分に拍手(笑)。てゆーか駅からけっこー遠かったぞヲイ。
西宮ガーデンズみたいなとこでした。郊外の上に、駅からはなれたところにあとから無理矢理でかいショッピングゾーン作りました系。
西宮ガーデンズの方が、でかくて遠い。『ソロモンの指輪』見に行ったとき、その遠さにびびったもんだ(しかも映画館のファースト上映のため、ショッピングゾーンが営業前で通行できないところだらけ、迷宮になっていた)。が、西宮は陸橋を造って強引に「駅から直結」にしてある。
西新井さんはそれほど大きくないため、駅から見えない。そして直結通路も造ってないので、自力でふつーの道を歩いて建物探して行かなければならない。
……あくまでも、地元民のためのショッピングセンターでした。
東宝から徒歩も含めて1時間強。
いつもの夜行バスで早朝に東京に着き、そっから入り待ちしました。
巨大な白い生花で作られたアーチが運ばれ、劇場入口前で完成されるさまを、ぼーっと眺めてた。
薔薇や百合で作られたアーチで、男の人たち5~6人で運んでいた。その周囲に付き添う人たちもいて、すげー大がかり。
目の前を通るときに、花の……たぶん百合の香りがした。
ムラでは蘭のアーチだったなあ、今回は蘭はないんだ……と思ったら、アーチを正位置に設置してから、蘭でさらに飾りはじめた。そうか、蘭の花は重いからあとから付けるんだ。
昨日今日の花相場は、いったいどれほど動いたんだろう、と感嘆する豪華さ。
「なにがすごいって、あのアーチを通るのはたったひとり、ってことだよね」
と、仲間たちと頷き合う。
生花のアーチを使うイベントは、たしかにこの金満国日本にはいくらでもあるだろう。
しかし、たったひとりが1回通る、ただそのためだけに作られる場合は、いったいどれほどあるだろうか。
夢の国の集大成となる夢のイベントだから。
そのためにすべてがあるから。
夢の時間のために、それを彩る人たちも駆けつける。
えーと、わたしが見ただけで、さららん、ケロ、ナルセ、オサ様、みどりちゃん、ゆりちゃん、さえちゃん? ドリーさんは檀ちゃんも見たって言ってたけど、わたしは見落としたみたい(のちにお花渡しを映像で見るわけだが、入りの姿は見落とした)。
ケロが現れたときは、来ることはわかっていても、今まで見たどのときより近かったので、そして昔と変わっていなかったので、言葉にならず。
コメントなし。
なにも言えない。ケロちゃんが楽屋口へ消えたあとも、わたしは硬直していた。……ケロちゃんはずっと特別、Myダーリン。
オサ様は退団者の入りにちょっとかぶってしまったため、あわてて隠れた(笑)。が、ギャラリー含め「オサさんキタ!!」とざわついていたので、隠れるのをあきらめて、会釈しながら入っていった。
その姿がすげーかわいい。
ムラでは当日抽選に参戦していたため(そして結局ハズれた)見られなかった退団者の入りを、東宝楽でようやく見られた。
真っ白な人たちに見守られる中を歩く、真っ白な人たちを。
みんな帝国側から現れて、楽屋口を通り過ぎて、いったん反対側まで歩いて、沿道のみんなに顔を見せてくれた。
ありがとうありがとう。
きれいな笑顔をありがとう。
みんなすごくきれい。
彼らのカラダの周囲に、なにか一枚チガウ膜があって、周囲から浮き上がっているの。
あすかちゃんはすごくすっきりしていた。
髪の毛を一筋の乱れもなくぴったりとまとめ上げて……研一の女の子みたいにすっきりした姿だった。
妖精みたいにかろやかなの。
しいちゃん登場に、心拍数乱れた(笑)。
しいちゃんはいつもの笑顔で……でも、真っ白な姿で。
ジャケットはなく、ブラウス姿。こちらもすっきり。
ほんとうにお別れなんだ、と思う。
トウコちゃんは……(笑)。
オープンカーでの登場なんだけど、姿が見えない。
ふつーオープンカーって、群衆向けというか、人混みの後ろからでも見えるように座席の上?に坐って、ボンネット位置よりも上にカラダを出すもんだよね?
なのにトウコちゃん、座席に深く坐って、カラダを出さないの。
サングラスを掛けて、ふんぞり返っている。
ええ。
これぞ、「スター!!」な風情で。
コレをやりたくて、オープンカーなのか!!(笑)
安蘭けいは、「エンターティナー」である。
サヨナラショーでグラパン@『スカーレット・ピンパーネル』をやって観客を泣き笑いさせる人である。
最後の楽屋入りも、イベントとしてセルフプロデュースするんだ。
ふんぞり返る口元が、微妙に笑ってるの。
こーゆーこと、やりたくて仕方ないんだね(笑)。
車を降りて、これまた「スタァなオレ様」パフォーマンス。
黄色い歓声を浴びることを、楽しんでいる。
そして、彼のためだけに作られた真っ白なアーチをくぐって、劇場へ消えていく。
中では組子たちが待ち構えているんだろう、わたしたちの位置からは見えないが、ガードやギャラリーが激しく反応していた。
そーやってはじまった、長い長い1日。
わたしの友人たちは、劇場内、東京それぞれの中継会場と分かれて見送りをするので、一旦解散。
わたしは前述の西新井の東宝シネコンにて、大スクリーンでトウコちゃんたちの最後の舞台を見納めました。
千秋楽に限らず、一度は映画館スクリーンでヅカを見てみたい人なので、どんな風に映るのかは興味津々。
映画『ソロモンの指輪』のような意志のある作りではなく、ただの記録映像だとわかっているが、単に大きなスクリーンで、アップで見たいの。
あの人たちの顔を、表情を。
スクリーンでしかなく、そこに彼らはいないのに、一緒に拍手して堪能しました。
届くわけないのに、ショーストップとなる場面では、祈りつづけた。
拍手よ、続け。
時間を止め続けろ、と。
鳴りやまない拍手によって進行が止まっている間、スクリーンはトウコちゃんのアップを映し続ける。
涙の光る、せつない表情を、スクリーンいっぱいに。
時よ、止まれ。
いや、止まり続けろ。
今、止まっているのだから、できるのだから。
止まり続けろ。
時間は止まり、あのひとの頬を流れる涙だけが、唯一の時間となるんだ。
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