だらだらと『エリザベート』感想。

 病院訪問は、ある意味「エリザベート」としての演技の成熟さがもっとも必要な場面かと思う。
 つーことで、シシィ@カチャ、ここはほんとに大変だなと。つか、がんばれと。

 ヴィンディッシュ嬢もまた、再演を繰り返すにつれ変化していったキャラクタだなと思う。
 もう拘束衣は使わないんだね。前回の雪組でも拘束衣はなく、狂気の度合いが減っていたというか、種類が違っていたけれど、今回のヴィンディッシュ嬢@なっちゅ(『熱帯夜話』以来、この呼び方しか思い浮かばない・笑)は昔のヴィンディッシュ嬢を踏襲しつつ、表現はマイルドになった感じ。

 カチャシシィとなっちゅヴィン嬢は、服装だけでなく体型まで正反対っぽくて、対比という点ではいいのかもしれない。
 でもなんか、「狂気」という点ではあまりインパクトがなく、対するシシィも深みに欠けているよーな気がして、「この場面ってこんなもんだっけ?」と首を傾げる。
 短くなってた、わけじゃないよね?

 前回の雪といい、ヴィン嬢がなんつーか「ファンシー」なのは気になる。攻撃性の無さというか。拘束衣を必要としないくらいだから、当然だけど。
 その方がいいからそうしているんだろうけど、こってり味に慣れたあとではあっさり味が、単に味がないように感じてしまうかな。
 (ちなみに、わたし的にいちばんこわかったヴィン嬢は、陵あきの@星組で、いちばん好きなのがあすかちゃん@花組だ)

 ヴィンディッシュ嬢より、彼女のとりまきらしい少女の方が気になった……けど、これは雪のときもそーだったから、ヴィン嬢よりそっちに狂気の質が移っているのかもしれない。

 
 ところで、ヒゲ・エルマー@もりえくんがかっこいいっす。

 2幕の革命家トリオはみんな中年なので、それなりにヒゲ男です。
 てゆーかわたし、「今日のエルマーはもりえだよな、エルマーといえば……ヒゲ!!」と、そこに反応しておりました。

 ええ、ヒゲのもりえは大好物です。オイシクいただきましたっ。うまうま。

 スタイルの良さが際立つフロックコート、そしてヒゲを付けるとあの奥目がますますガイジンっぽくて良いのですよ、もりえくん。

 エルマーはまっすぐな役。トートに踊らされているとはいえ、まっすぐ飛ぶ矢のような男ですから、若いスター男役がその若さのまま輝きのままに演じると、力になるのです。
 ……と言いつつ、「あひのエルマー見てぇ。かっこいいだろなー」と思う。あひくんはもう若手ではないけれど、彼は下手にヘタレとか悪役とかやるより、真面目にヒーロータイプの男を演じる方がハマると思うの。迷わず余計な気を回さず、まっすぐに突き進む方が。ヒゲも似合うと思うし!

 えー、同じヒゲ男でも、みりおくんは似合ってませんでした。キミはヒゲつけなくていいよ(笑)。

 
 革命家トリオがかしずくルドルフ@あひがもっといい男ならわくわくするんだが……あうー。(かしずくルドルフ@あひ、が、しずくルドルフ@あひに見えてなんかおかしい・笑)
 せっかく「ひざまずいてプロポーズ」なのになあ。エルマー@さららんとルドルフ@ゆーひには萌え狂ったなあ(笑)。

 
 トート閣下@あさこちゃんがいるときは、ほぼ彼をガン見状態だったので、黒天使をまったく見ておりませんでした。
 が、マデレーネ@蘭はなちゃんがあまりに美少女だったので、「黒天使としての蘭はなはどうよ?」という気になって、はじめて周囲も見るよーになった。(遅い)
 ルドルフを翻弄する黒天使たち、ええもお、蘭はな、こわい(笑)。
 
 マデレーネで印象深いのは、なんといっても前回の月のあいちゃん。
 「クールビューティ」とは彼女のために在る言葉だ、と思ったほどに冴え冴えと美しかった。
 その印象もあってか、黒天使としてのマデレーネにも、「黒天使」の名に相応しいクールさを求めていた。

 なのに蘭はな黒天使は、笑うんだ。
 かわいらしい、少女の微笑みで。

 それがもお、こわいのなんの。
 無邪気な、天使の微笑みで、死へいざなうんだよ。彼女が美しければ美しいほど、邪気がなければないほど、背筋がぞっとする。

 こわいよーこわいよー。
 てゆーか蘭はなイイよー。この黒天使も好きだー。

 
 結果としてわたし、黒天使@そのかをほとんど見ていません……園松担として失格です!(えっ)

 
 ルドルフいぢめをしているときのトート閣下は、なんかたのしそーに見えました。
 うーん、ますます閣下がわかりません、わたし(笑)。

 
 わたしの視界はほぼトート様と、フランツ@きりやんで二分されています。
 このふたり、同時に出てくることがほとんどないんだよね。だからそれぞれをガン見できる。
 トートがいるときゃトート中心、フランツがいるときゃフランツ中心。

 そして、思うのです。

 こいつら、どっちもシシィのこと、別に愛してないじゃん。

 ルドルフの柩の前で、泣き崩れるシシィを抱き留めるフランツを眺めるのが葬儀場面の醍醐味なので、毎回そうして来ましたが。
 ……きりやフランツ、シシィのこと、どう思ってんだろう?

 フランツはとても自立した強い男なので、シシィを必要としているようには、あまり見えないのです。
 ぶっちゃけ家族なんか、いらなくね? キミ、キミひとりで完結してね?

 フランツは、ゾフィママ@あいちゃんのことも、なんとも思ってなさそうだったし。
 ひとりで生きていける、強い人。
 シシィを欲したのは、「エリート・ビジネスマンのオレに似合う女」ってだけなんぢゃ……?

 や、ソレはそれで萌えです、歪んだ人って大好物。

 そしてもうひとりの愛のない男、トート閣下。これでゲームクリア、と思っていたのに、「死なせて」と胸に飛び込んできたシシィを、「欲しかったアイテムはコレじゃない」と突き放す。
 尻尾を切ったんだから、尻尾からはぎ取れるのは「**の尻尾」であるはずでしょ? なんで「**の鱗」なのよ?! とがーんとなる感じ? や、『モンハン』でいうところの。(ゲームに例えても、大抵のヅカファンには通じないんぢゃ?)

 だけどトート閣下、物語が進むに従って、むきになっているというか、後に引けなくなっている感じ?
 「愛と死の輪舞」を歌うころには、ほんとにもお、心が動いているような気がする。愛ではないかもしれないけれど、手に入れなければならないんだろう、すでに。

 
 まだ続く~~。 

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