鬼と人と。@大江山花伝
2009年8月16日 タカラヅカ タカラヅカ版の『大江山花伝』はたのしいけれど、別の演出家で見たかったな、というのが、正直なところ。
柴田せんせは古いです、ほんと。
初演は1986年。23年前。……そりゃ古いわ……。
その当時ですら「ダサっ」と思った、そのままの姿でこの現代に再演。
自作を改悪し続ける生涯現役の植爺も問題だが、演出家として作品に関わることが不可能なのに自作を大昔の姿のまま護り続けようとする柴田せんせも問題だと思うナリ。
柴田せんせに自作の改編を許してくれる器があれば、いちばん良かったのかもしれんがなー……。
独自のアレンジを加える人は全部切り、なんの芸もなくそのまま古いまま再現する中村Aを気に入ってコンビを組み続けている現実が、柴田せんせの意志を表している。
まあそれはともかくとして。
作品がどうあれ、原作的にキャラ的に、ゆーひくんに合う作品だったので良し。
そして、藤子@ののすみ。
ああ、ののすみ。
ののすみが泣くと、全世界が泣く。
作品のいろんなところにあきらめたりとまどったりしつつ眺めていたのに、最後の藤子の長いモノローグで、一気に泣けるからすごい。
舞台が、世界が、この子を中心にぐーんと迫ってくる感じ。カメラがあるわけじゃないのに、ののすみがどんっとアップになったかのような錯覚。
おそろしい演技力だ。
ゆうひくんの相手役が、この子で良かった。
ゆうひくんの弱さ……というか、退廃的な乾燥した持ち味を、損なうことなく支えてくれる安定した力。
熱で支えられると魅力を損なうかもしれない、互いに邪魔になるかもしれない。しかしののすみは熱でも輝きでもない、厚みや深さで支えてくれるんだ。
初演時は主人公茨木童子よりも、2番手の渡辺綱の方がかっこいい、オイシイ役に思えた。
けど、今改めて見るとそーゆーわけでもないかと思った。
綱@みっちゃんは、こちらも実力ゆえの安定した仕事をしているんだが、どうも綱というキャラに合っていない気がして首を傾げた。
綱ってもっと、二心ないまっすぐな好青年だよね? 木原マンガによく出てくる太陽タイプの青年。
それは田舎臭い男、という意味ではナイんだよなあ。誠実さと鈍くささはまた別なんだけどなあ。
みっちゃんは誠実さを出そうとすると、鈍くさくなってしまう。
もっと鋭利に、二枚目を意識して演じてもらった方が、結果としてイメージに近くなったんじゃないかと思う。
胡蝶@アリスちゃんが、いい女だった。
少女キャラのアリスちゃんが、いつの間にやらこんなにかっこいい大人の女に。
キャリアもあるし、押し出しもイイ。妹役もいいけど、こーゆー大人の女も見てみたいな、これからも。
胡蝶がいい女だから、救いなんだよな。茨木のそばに、この女がいてくれたこと、が。
傷ついた茨木に懸ける声の優しさ、瞳の慈愛にきゅんとくる。
酒呑童子@いりすは、とにかくかっこいい。
ものすごい隈取りメイクなんだけど、美形キャラ。
初演の北斗ひかる様ファン(当時、北斗ひかる様と箙かおる様のみ、様付けしていた)としては、酒呑童子がいろいろいろいろちがっているんだけど、それでもいりすの酒呑童子もステキ♪と思う。
いりすくんはよりマンガ的、ゲーム的な「美しさ」を表現できる人だなと思う。
芝居がうまいわけでも声や歌がいいわけでもない(失礼)けれど、それを超えた大きさを持っている。や、カラダの話ではなくて、オーラ?みたいなもの。
技術よりも、魅力。
黙って舞台の奥で杯を傾けている姿に釘付けになる、つーのは、すげえことだよ、ほんと。
源頼光四天王、みっちゃんひとりがうますぎて浮いているのは仕方ないが(笑)、いちくんもなかなかどーして、いい感じについて行っていた。
みっちゃんだけ突出している……というか、芝居の質が他の誰ともチガウ気がしてハラハラしたが、それに惑わされることなく、いちくんが立ってくれていることに救われた感がある。
いい男に成長しているんだねえ。
芸風に浮ついた……というか、キラキラしたものがあまりないので、まりえった的芸達者な男に育ってくれるといいなあ、とか勝手に夢を見る。
みっちゃんの次に役がある……というか、出番と意味と見せ場のある大ちゃんが、もお(笑)。
いろいろいろいろ大変だな、大ちゃん。でもきれいだからアリだ、OKだ、がんばれ(笑)。
茨木の手下、りくくんとモンチはナニ気にオイシイ役だなー。女装まであるのか。
りくくんの美貌は日本物でも栄えるなと思い、モンチの横顔は三原順の描く初期のマックスみたいだと思う。
ふたりとも、顔だけですでに目立っている(笑)。
んで、出番も意味も見せ場もない、完全に大ちゃんより下の立場へ、脇へと位置づけられた、鬼のちーちゃんが、好みです。
最初に鬼たちがどやっと登場したとき、目を見張った。
ナニあれ? すっげー好みの男がいるっ。
誰だアレ、知ってる気がするけどわかんない、てゆーか、あんだけ好みど真ん中の顔してたら、今までも目についてるだろ?!
と思ってよく見ると、蓮水くんだった。
もともと好みの顔であることは間違いない、ずっと顔だけで注目してきた子だ。
『殉情』でなんかキモチワルイ老け方しちゃって(笑)、どーしたもんかと嘆いていたが、それでも好きな顔なんだ。あーだこーだ言いながら、それでも宙組観劇時はずっと眺めてきたんだけど。
やっぱ好きやわ、彼の顔。
鬼がかっこいー。
鬼しかやってないので、出番は少ないわ、その鬼としてはただのにぎやかしで見せ場も台詞もナイ、ただのその他大勢なんだけど(役付きとして雅くん以下?)、顔が好みなので無問題。
かっこいーわー。しみじみ。
柴田せんせは古いです、ほんと。
初演は1986年。23年前。……そりゃ古いわ……。
その当時ですら「ダサっ」と思った、そのままの姿でこの現代に再演。
自作を改悪し続ける生涯現役の植爺も問題だが、演出家として作品に関わることが不可能なのに自作を大昔の姿のまま護り続けようとする柴田せんせも問題だと思うナリ。
柴田せんせに自作の改編を許してくれる器があれば、いちばん良かったのかもしれんがなー……。
独自のアレンジを加える人は全部切り、なんの芸もなくそのまま古いまま再現する中村Aを気に入ってコンビを組み続けている現実が、柴田せんせの意志を表している。
まあそれはともかくとして。
作品がどうあれ、原作的にキャラ的に、ゆーひくんに合う作品だったので良し。
そして、藤子@ののすみ。
ああ、ののすみ。
ののすみが泣くと、全世界が泣く。
作品のいろんなところにあきらめたりとまどったりしつつ眺めていたのに、最後の藤子の長いモノローグで、一気に泣けるからすごい。
舞台が、世界が、この子を中心にぐーんと迫ってくる感じ。カメラがあるわけじゃないのに、ののすみがどんっとアップになったかのような錯覚。
おそろしい演技力だ。
ゆうひくんの相手役が、この子で良かった。
ゆうひくんの弱さ……というか、退廃的な乾燥した持ち味を、損なうことなく支えてくれる安定した力。
熱で支えられると魅力を損なうかもしれない、互いに邪魔になるかもしれない。しかしののすみは熱でも輝きでもない、厚みや深さで支えてくれるんだ。
初演時は主人公茨木童子よりも、2番手の渡辺綱の方がかっこいい、オイシイ役に思えた。
けど、今改めて見るとそーゆーわけでもないかと思った。
綱@みっちゃんは、こちらも実力ゆえの安定した仕事をしているんだが、どうも綱というキャラに合っていない気がして首を傾げた。
綱ってもっと、二心ないまっすぐな好青年だよね? 木原マンガによく出てくる太陽タイプの青年。
それは田舎臭い男、という意味ではナイんだよなあ。誠実さと鈍くささはまた別なんだけどなあ。
みっちゃんは誠実さを出そうとすると、鈍くさくなってしまう。
もっと鋭利に、二枚目を意識して演じてもらった方が、結果としてイメージに近くなったんじゃないかと思う。
胡蝶@アリスちゃんが、いい女だった。
少女キャラのアリスちゃんが、いつの間にやらこんなにかっこいい大人の女に。
キャリアもあるし、押し出しもイイ。妹役もいいけど、こーゆー大人の女も見てみたいな、これからも。
胡蝶がいい女だから、救いなんだよな。茨木のそばに、この女がいてくれたこと、が。
傷ついた茨木に懸ける声の優しさ、瞳の慈愛にきゅんとくる。
酒呑童子@いりすは、とにかくかっこいい。
ものすごい隈取りメイクなんだけど、美形キャラ。
初演の北斗ひかる様ファン(当時、北斗ひかる様と箙かおる様のみ、様付けしていた)としては、酒呑童子がいろいろいろいろちがっているんだけど、それでもいりすの酒呑童子もステキ♪と思う。
いりすくんはよりマンガ的、ゲーム的な「美しさ」を表現できる人だなと思う。
芝居がうまいわけでも声や歌がいいわけでもない(失礼)けれど、それを超えた大きさを持っている。や、カラダの話ではなくて、オーラ?みたいなもの。
技術よりも、魅力。
黙って舞台の奥で杯を傾けている姿に釘付けになる、つーのは、すげえことだよ、ほんと。
源頼光四天王、みっちゃんひとりがうますぎて浮いているのは仕方ないが(笑)、いちくんもなかなかどーして、いい感じについて行っていた。
みっちゃんだけ突出している……というか、芝居の質が他の誰ともチガウ気がしてハラハラしたが、それに惑わされることなく、いちくんが立ってくれていることに救われた感がある。
いい男に成長しているんだねえ。
芸風に浮ついた……というか、キラキラしたものがあまりないので、まりえった的芸達者な男に育ってくれるといいなあ、とか勝手に夢を見る。
みっちゃんの次に役がある……というか、出番と意味と見せ場のある大ちゃんが、もお(笑)。
いろいろいろいろ大変だな、大ちゃん。でもきれいだからアリだ、OKだ、がんばれ(笑)。
茨木の手下、りくくんとモンチはナニ気にオイシイ役だなー。女装まであるのか。
りくくんの美貌は日本物でも栄えるなと思い、モンチの横顔は三原順の描く初期のマックスみたいだと思う。
ふたりとも、顔だけですでに目立っている(笑)。
んで、出番も意味も見せ場もない、完全に大ちゃんより下の立場へ、脇へと位置づけられた、鬼のちーちゃんが、好みです。
最初に鬼たちがどやっと登場したとき、目を見張った。
ナニあれ? すっげー好みの男がいるっ。
誰だアレ、知ってる気がするけどわかんない、てゆーか、あんだけ好みど真ん中の顔してたら、今までも目についてるだろ?!
と思ってよく見ると、蓮水くんだった。
もともと好みの顔であることは間違いない、ずっと顔だけで注目してきた子だ。
『殉情』でなんかキモチワルイ老け方しちゃって(笑)、どーしたもんかと嘆いていたが、それでも好きな顔なんだ。あーだこーだ言いながら、それでも宙組観劇時はずっと眺めてきたんだけど。
やっぱ好きやわ、彼の顔。
鬼がかっこいー。
鬼しかやってないので、出番は少ないわ、その鬼としてはただのにぎやかしで見せ場も台詞もナイ、ただのその他大勢なんだけど(役付きとして雅くん以下?)、顔が好みなので無問題。
かっこいーわー。しみじみ。
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