ふたりの並びが好き。@雪景色
2009年11月29日 タカラヅカ ま、それはともかく、『雪景色』。
コマちぎW主演で、役替わり公演。
このふたりの個性の差が、おもしろかった。
あくまでも私感で、ふたりの感想を語ってみる。
わたしが最初に観たのは「ちぎコマコマ」で、次が「コマちぎちぎ」。
最初に観た方が刷り込まれてしまうのは仕方ないことかもしれないが、「ちぎコマコマ」か、あるいは「ちぎコマちぎ」が好みかな。
1幕目「愛ふたつ」は、小四郎@ちぎ、三五郎@コマの方が好き。
2幕目「花かんざし」は、伊左次@コマ、吉蔵@ちぎが好き。
3幕目「夢のなごり」は、三郎@コマ、四郎@ちぎが好きだけど、逆でもいい。
意外だったのは、コマの方が、芸風が「二枚目」だったことだ。
わたしはずっと、コマは三枚目系の人かと思っていたんだ。『ノン ノン シュガー!!』千秋楽とか、体当たりで笑いを取ってきた人だし。ハマコといろいろかぶる人だし。
そして、ちぎくんは外見の美しさから、まんま二枚目役者だと思い込んでいたんだ。
1幕と2幕のふたつの話の役替わりで、ちぎくんは、とても軽やかに「二枚目以外」を演じていた。
1幕目の、間男認定後の三五郎役、最初観たコマがとてもかわいらしくどーしよーもなくちょこんと存在していたので、ちぎくんもさぞかしかわいいだろうなと思っていたんだ。
そしたらちぎはそんなしどころのない役作りではなく、えらく積極的に笑いを取りにいっていた。
コマが受動態でおかしみがにじみ出ていたのとは対照的に、ちぎは能動態で笑わせていた。
あれえ、三五郎ってこんな役だっけ? コマとちぎでは、性格チガウ……!
小四郎は笑わせてなんぼの役だから、どっちも積極的にやっていたけれど、それでもやっぱ、ちぎくんの方が崩し方が派手だったと思う。
あとから観たコマで、「あれ、こんなもんだった?」とおとなしさに首を傾げたもんな。
2幕目の岡っ引きの吉蔵役は、ちぎくんの軽やかさが好きだ。
「いなせ」という言葉が似合う。
ひとりでべらべら喋っても、アツクルシサがない。涼やかで心地よい。
コマくんは微妙に重いんだよなー(笑)。あれだけひとりで喋って押しつけがましいキャラなので、重みがあるとちょっと余分に感じる。
反面、コマの伊左次はその重さがいい。無骨な感じが役と相俟ってシリアス度というか、深刻でえーらいこっちゃな感じが高い。ものすごく大事を抱えているように見えるのね。その深刻さがいかにも二枚目っぽい。
ちぎの伊左次は姿が二枚目。あまりにすっきり涼やかな美形なので、背景が見えづらい(笑)。暗さや「犯罪・秘密」に関わる屈折があまりなく、物語が軽くなる気がする。や、重すぎる必要もないので、コマと比べると、というだけ。
わたしの好みでは、重くシリアスなコマ伊左次と、涼やかいなせなちぎ吉蔵がいいな。
3幕目については、すでに語ったけれど。
三郎だろうと四郎だろうと、コマの演技の本質は変わってないのね。
弟役のときの方が、ちょっと幼く作っている気はするけど。どっちにしろ、狂気じみていて、こわい(笑)。
ちぎくんは、ニュートラル。
平家物語をタカラヅカでやるなら、こーゆー子が主役で、こーゆー役をするんだよなあ、と思える。
コマが狂気だの闇だのを色濃く表しているなら、ちぎは哀切を滲ませている。大きく嘆き悲しむのではなく、心の奥に秘めた哀しみが瞳に映り、胸を突かれる。
ちぎの三郎も、とても好きだ。
きっとやさしい男なんだろうなと思わせる。このやさしい青年が、集団自決を見守る……最後のひとりになるほどの覚悟を決めるのって、どれほどのことだろう、と思わせる。
でも、ちぎの四郎は印象薄いなあ。すごく「ふつう」だ。ラスト。想像の範囲内というか、ほんとにただのエピローグ、後日談っていうか、主役とその物語が終わったあとです、って感じ。
コマの四郎がこわかったからなあ。最後の最後でぐわっと持って行かれたというか、コマの方へ引き寄せられた。あ、こっちの子も主役だった、みたいな。
ちぎ的には三郎の方が合ってるんだろうな。彼は「主役」が似合う。コマは四郎役でも十分「主役」に食らいついていく(笑)。
でもコマの三郎も好きなんだよなー。
だから3幕目は、どっちがどっちの役でもいい。どっちも好き。つか、両方観られてラッキー。
それにしてもちぎの声が水しぇんの声に聞こえる(笑)。
喋りまくる吉蔵@ちぎの声を聞きながら、オペラで伊左次@コマの顔をガン見していたら、まるで水くんの声を聞いているかのよーだった。
あのいなせな岡っ引きを演じる水くんを見てみたいなあ、なんて思ってしまうくらいには、あの「声」に萌えた(笑)。
吉蔵@水なら、伊左次@ゆみこだな……。しみじみ。
それとコマも、なんかすごく「声」が格好良かった。
コマの声ってこんなだった? いつもは、こもった滑舌の残念な声だと思っていたんだが……日本物だから? 今までなく、良い声だと思った。
あ、そーいやこの伊左次だけどさあ。
堅物の伊左次が何故罪を犯したか、なにを隠してひとり去っていこうとしているのか、それをみんなで問いつめていく話じゃん?
幼いころ両親を失い、今の店に引き去られ、職人として修行している伊左次にとって、店主は大恩人であり、そんな相手の金を盗むはずがない。ではなんの目的があったのか。
店のお嬢さん・お菊@みみちゃんは、自分との縁談を断る口実に盗みを働いたんじゃないかと詰め寄るよね。そんなに私を嫌いなのかと。
わたしはずーっと、思ってました。
伊左次がお菊との縁談を避けたのは、彼が真実愛していた人の娘だからだと。
伊左次って、親方とデキてたんぢゃね?
だってもーさっきから親方LOVEな話ばっかじゃん? 伊左次ってファザコンっぽいしさー、父親代わりの親方とああなってこうなってても変ぢゃないっつーか、なにしろ江戸時代だし? 親子ほど年が違うにしろ真剣につきあっていたのに、「俺の娘と結婚しろ」と言われたら、そりゃショックだわ。今さらナニ、オレ捨てられるの? 関係を無かったことにするかわり、身代継がせてやろうってか? 冗談じゃない、オレが愛してるのは親方だけだあああっ。
と、わざと盗みを働き、江戸を追放される、と。
そーゆー話かと思って見ていました、伊左次@コマ!!(笑)
さすが親友、吉蔵@ちぎはなにもかもわかってて誘導尋問している?!(笑)
「お菊ちゃんが欲しい」と花いちもんめ歌われたときに、びっくりしました。えっ、ほんとにお菊ちゃんの方だったの、好きだったのって?! パパの方じゃなく?!(腐発言はいい加減にしましょう)
あ、そーいや吉蔵@コマは、登場するなり台詞間違えてました。
「妹のお菊ちゃんにも会わねぇで……」
妹は、お市ちゃんだっ(笑)。
コマちぎW主演で、役替わり公演。
このふたりの個性の差が、おもしろかった。
あくまでも私感で、ふたりの感想を語ってみる。
わたしが最初に観たのは「ちぎコマコマ」で、次が「コマちぎちぎ」。
最初に観た方が刷り込まれてしまうのは仕方ないことかもしれないが、「ちぎコマコマ」か、あるいは「ちぎコマちぎ」が好みかな。
1幕目「愛ふたつ」は、小四郎@ちぎ、三五郎@コマの方が好き。
2幕目「花かんざし」は、伊左次@コマ、吉蔵@ちぎが好き。
3幕目「夢のなごり」は、三郎@コマ、四郎@ちぎが好きだけど、逆でもいい。
意外だったのは、コマの方が、芸風が「二枚目」だったことだ。
わたしはずっと、コマは三枚目系の人かと思っていたんだ。『ノン ノン シュガー!!』千秋楽とか、体当たりで笑いを取ってきた人だし。ハマコといろいろかぶる人だし。
そして、ちぎくんは外見の美しさから、まんま二枚目役者だと思い込んでいたんだ。
1幕と2幕のふたつの話の役替わりで、ちぎくんは、とても軽やかに「二枚目以外」を演じていた。
1幕目の、間男認定後の三五郎役、最初観たコマがとてもかわいらしくどーしよーもなくちょこんと存在していたので、ちぎくんもさぞかしかわいいだろうなと思っていたんだ。
そしたらちぎはそんなしどころのない役作りではなく、えらく積極的に笑いを取りにいっていた。
コマが受動態でおかしみがにじみ出ていたのとは対照的に、ちぎは能動態で笑わせていた。
あれえ、三五郎ってこんな役だっけ? コマとちぎでは、性格チガウ……!
小四郎は笑わせてなんぼの役だから、どっちも積極的にやっていたけれど、それでもやっぱ、ちぎくんの方が崩し方が派手だったと思う。
あとから観たコマで、「あれ、こんなもんだった?」とおとなしさに首を傾げたもんな。
2幕目の岡っ引きの吉蔵役は、ちぎくんの軽やかさが好きだ。
「いなせ」という言葉が似合う。
ひとりでべらべら喋っても、アツクルシサがない。涼やかで心地よい。
コマくんは微妙に重いんだよなー(笑)。あれだけひとりで喋って押しつけがましいキャラなので、重みがあるとちょっと余分に感じる。
反面、コマの伊左次はその重さがいい。無骨な感じが役と相俟ってシリアス度というか、深刻でえーらいこっちゃな感じが高い。ものすごく大事を抱えているように見えるのね。その深刻さがいかにも二枚目っぽい。
ちぎの伊左次は姿が二枚目。あまりにすっきり涼やかな美形なので、背景が見えづらい(笑)。暗さや「犯罪・秘密」に関わる屈折があまりなく、物語が軽くなる気がする。や、重すぎる必要もないので、コマと比べると、というだけ。
わたしの好みでは、重くシリアスなコマ伊左次と、涼やかいなせなちぎ吉蔵がいいな。
3幕目については、すでに語ったけれど。
三郎だろうと四郎だろうと、コマの演技の本質は変わってないのね。
弟役のときの方が、ちょっと幼く作っている気はするけど。どっちにしろ、狂気じみていて、こわい(笑)。
ちぎくんは、ニュートラル。
平家物語をタカラヅカでやるなら、こーゆー子が主役で、こーゆー役をするんだよなあ、と思える。
コマが狂気だの闇だのを色濃く表しているなら、ちぎは哀切を滲ませている。大きく嘆き悲しむのではなく、心の奥に秘めた哀しみが瞳に映り、胸を突かれる。
ちぎの三郎も、とても好きだ。
きっとやさしい男なんだろうなと思わせる。このやさしい青年が、集団自決を見守る……最後のひとりになるほどの覚悟を決めるのって、どれほどのことだろう、と思わせる。
でも、ちぎの四郎は印象薄いなあ。すごく「ふつう」だ。ラスト。想像の範囲内というか、ほんとにただのエピローグ、後日談っていうか、主役とその物語が終わったあとです、って感じ。
コマの四郎がこわかったからなあ。最後の最後でぐわっと持って行かれたというか、コマの方へ引き寄せられた。あ、こっちの子も主役だった、みたいな。
ちぎ的には三郎の方が合ってるんだろうな。彼は「主役」が似合う。コマは四郎役でも十分「主役」に食らいついていく(笑)。
でもコマの三郎も好きなんだよなー。
だから3幕目は、どっちがどっちの役でもいい。どっちも好き。つか、両方観られてラッキー。
それにしてもちぎの声が水しぇんの声に聞こえる(笑)。
喋りまくる吉蔵@ちぎの声を聞きながら、オペラで伊左次@コマの顔をガン見していたら、まるで水くんの声を聞いているかのよーだった。
あのいなせな岡っ引きを演じる水くんを見てみたいなあ、なんて思ってしまうくらいには、あの「声」に萌えた(笑)。
吉蔵@水なら、伊左次@ゆみこだな……。しみじみ。
それとコマも、なんかすごく「声」が格好良かった。
コマの声ってこんなだった? いつもは、こもった滑舌の残念な声だと思っていたんだが……日本物だから? 今までなく、良い声だと思った。
あ、そーいやこの伊左次だけどさあ。
堅物の伊左次が何故罪を犯したか、なにを隠してひとり去っていこうとしているのか、それをみんなで問いつめていく話じゃん?
幼いころ両親を失い、今の店に引き去られ、職人として修行している伊左次にとって、店主は大恩人であり、そんな相手の金を盗むはずがない。ではなんの目的があったのか。
店のお嬢さん・お菊@みみちゃんは、自分との縁談を断る口実に盗みを働いたんじゃないかと詰め寄るよね。そんなに私を嫌いなのかと。
わたしはずーっと、思ってました。
伊左次がお菊との縁談を避けたのは、彼が真実愛していた人の娘だからだと。
伊左次って、親方とデキてたんぢゃね?
だってもーさっきから親方LOVEな話ばっかじゃん? 伊左次ってファザコンっぽいしさー、父親代わりの親方とああなってこうなってても変ぢゃないっつーか、なにしろ江戸時代だし? 親子ほど年が違うにしろ真剣につきあっていたのに、「俺の娘と結婚しろ」と言われたら、そりゃショックだわ。今さらナニ、オレ捨てられるの? 関係を無かったことにするかわり、身代継がせてやろうってか? 冗談じゃない、オレが愛してるのは親方だけだあああっ。
と、わざと盗みを働き、江戸を追放される、と。
そーゆー話かと思って見ていました、伊左次@コマ!!(笑)
さすが親友、吉蔵@ちぎはなにもかもわかってて誘導尋問している?!(笑)
「お菊ちゃんが欲しい」と花いちもんめ歌われたときに、びっくりしました。えっ、ほんとにお菊ちゃんの方だったの、好きだったのって?! パパの方じゃなく?!(腐発言はいい加減にしましょう)
あ、そーいや吉蔵@コマは、登場するなり台詞間違えてました。
「妹のお菊ちゃんにも会わねぇで……」
妹は、お市ちゃんだっ(笑)。
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