「音楽」は記憶に結びつく……ので、トド様の「キッチュ」で泣きかけた。

 トド様は『風共』や『ノバボサ』『凱旋門』あたりはよく歌うけれど、『エリザベート』はほとんど歌わない、気がするんだけど、わたしの思い違いかしら。
 イベント公演のたびになにかしら持ち歌披露しているけれど、それはいつも「タカラヅカの顔」みたいな作品の曲ばかり。
 轟悠の最大の当たり役はルキーニだと思っているので、出し惜しみ感が強い。

 だからほんっとーに久しぶりにトド様の「キッチュ」を聴けてうれしかった、『タカラヅカスペシャル2009~WAY TO GLORY~』

 わたしはジェンヌのがなりを入れた歌い方が好きなんだが、「キッチュ」ってトド様にはめずらしいがなり曲なんだ。
 トド様は声が独特なんでふつーに歌っていても濁音っぽいというかがなっているよーに聞こえるけど、そうじゃない、だからこそ滅多にがなりを入れない人なんだと再確認。
 「キッチュ」は思い存分がなりを入れて舌を巻いて歌うんだー。うわーん、かっこいー。

 雪組のやんちゃな男の子、だったトド様。
 ルキーニはいつも大暴れしていた。

 ダイスキだったよ、初演雪組『エリザベート』。あそこからすべてがはじまった。今、『エリザベート』がこんなにタカラヅカの代表作になるなんて……つか、再演されまくってナニがなんだか、な作品になるなんて、夢にも思わなかった。

 
 さて、『ヅカスペ』の感想、あとはもう簡単に。や、感想書くヒマがなかったために、記憶も薄れてるし(笑)。順不同、つかめちゃくちゃ。

 世界は、らんとむ×ゆーひを求めている。

 と、確信したオープニングの組ごとのショー主題歌場面。
 宙組は『Apasionado!!』、ゆーひさんを後ろかららんとむが軽く抱きしめる振りがあった。ショーでよくある、後ろから腰に腕を回してってやつ。

 いやあ、空気感がぜんぜんチガウ、客席のみなさま、今がっつり食いついたでしょー?! あわててオペラが一斉に上がるんですが?(笑)

 ゆーひさんがエロいのは標準装備ですが、らんとむさんのエロさはちょっとまたチガウので。なんなんだろね、あの人は。ちょっと間違うとお笑いになりそうなエロさ……あはんあはんしていて、赤面してしまう系のエロさを芸風としている方なので、ゆーひくんとの絡みは異世界との出会い。
 ぜひイベント以外の公演で、芝居で、がっつり絡んでみてほしい。

 らんとむさんというと、ほんっとに赤が似合うなあ。2部で赤ブラウスで腰振って熱唱する「ジタン・デ・ジタン」に感動。

 「ランベス・ウォーク」を歌い踊るゆーひくんをぼーっと眺めて、彼の激動の近年に思いを馳せる。『ME AND MY GIRL』に出る出ないで噂が飛んだよね……。

 ぞろりと終結したときにスターとしての華というか覚悟というか、そーゆーものが見えるもんなんだなと思った、キムのギラつき具合。そして、テルの空気っぽさを心配した(笑)。
 
 花組の3人はトド様のバックで歌ったり、彼らの学年や番手からすればかなり特別扱い。よかったよかった。

 てゆーか、だいもん。
 この子に入り込み系の歌を歌わせると、やばいです。「明日へのエナジー」にて、顔、こわすぎ(笑)。すっげー入ってる、入りすぎて別次元へ行っちゃってるよ~~。

 いりすくんのダンスをきれいだなと思う。すらっときれい。加えて、ダンスで目につくのはあかし。こっちは、濃い。あちこちでもお、ねとっと、濃い。

 ともちはメイクが悪役顔になってる……どーしたんだ、その眉。

 オペラを上げた瞬間、飛び込んでくるのがたまたま大ちゃんだったりすると、彼以外見られなくなって困る(笑)。なんであんなに面白い動きで踊ってるんだ……美形なのに。

 トップコンビのシャッフル場面、れおんくんとみなこちゃんがいい感じでした。つか、ダンサー同士ってかっこいーなー。
 ゆーひ×ねねはいくらでも記憶にあるのでとくにナニも思わず、水×すみ花は……悪くはないけどときめきもなく、「ふつう?」な感じ。3組しかいないから、シャッフルの枠がせまいっす。

 2幕はメドレー尽くしというか、1曲1ターンが短くて次々人が出てきて流れて、という感じでめまぐるしくて、スターさんたちはいいけど、脇の子たちはもおなにがなんやら。
 大劇場ならよかったのに。銀橋もあるし、オケはオケピットに収めて本舞台も大きく使えるしで、いくらでも見せ場を作れたろうに。
 狭苦しくて演出に幅がなく、若手たちがかなり割を食った印象。

 そんななか、トド様ひとり立て続けに3曲はバランス悪い……。しかも聞きあきた『風共』曲。TCAとかのイベント公演のたびにこの歌歌ってないか、この人?
 ナマ観劇ならバックの娘役ちゃんたちを見たりできても、中継の人は視点固定されてさらに長く感じたのでは?

 とはいえ、トド様の出番は昔に比べて減っている。
 出るときはほぼひとりで、とか、若手とか娘役とかと一緒で、今をときめく男役スターたちの出番とは線引きされるようになったと思う。このへんも時代だなあ。

 クリスマス抽選会、なんてものがあることにおどろいた。
 このテの抽選で当たった試しがないので、半券を用意することもなく「出し物」として眺めた。
 販売DVDやスカステ放送などではカットされるであろう、素のスターさんたちのやりとりを見るのが面白い。
 振付が決まっているわけじゃないこーゆー場面って、ナニ気に性格とか出るんだよなー(笑)。

 フィナーレ、トド様が「次は娘役3人が、ソプラノで『すみれの花咲く頃』を披露します」とかなんとかMCしたもんだから、「トップ娘役3人で歌う場面かぁ」と思いましたよ。今の娘トップ3人って、歌がそのあのえっと、でもまあ歌うんならがんばれー、と。
 で、トップ娘役3人が登場すると思い込んでいただけに。

 階段上にポーズを付けて登場するドレス姿の3人の、シルエットの太さに驚く。

 ちょ、ちょっと待て、いくらなんでもそれは……っ?! と思ったら、トップ3人ではなく、コーラス専門で出演している3人でした。
 演出がほんと、トップ登場でもおかしくない感じだったので。壇上からシルエット登場だもん……。
 で、シルエットのたくましさっつーか横幅にびびったのはりりこ嬢ひとりなんだけど、ひとりだけでも全体の印象を左右する力があることがわかった(笑)。

 みんなすばらしい歌声だったけど、こーゆーハレの場で「見せる」歌い方は、コロちゃんがいちばんわかっているんだなと。りりこちゃんはとにかくパワー勝負、さらさちゃんはうまいのに地味だった。

 そして、娘役たちのダンスのあとに、男役黒燕尾の「すみれのボレロ」……。

 圧巻。

 
 たのしい祭りだった。
 来年こそは、大劇場でやって欲しい。

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