舞台本編がはじまる前に、あらかじめ緞帳が上がる。
 何分前、と決まっているのかどうかは知らない。考えたことがないので。
 でも、開演時間より前に、緞帳が上がり、その作品の世界観を見せるセットやカーテン、吊りモノがお目見えするよね。大劇場では、たくさんの人が写真を撮ったりしている。

 『ロック・オン!』も、そうやってまず、緞帳が上がった。

 きらきらの背景に、「Rock on!」の吊りモノ。RにはLが重ねてあり、二重の意味がそこにあることを示した、公演ロゴ。

 まずそこで、感動した。

 ああ、タカラヅカだわ!
 タカラヅカっていいわ! きらきらだわ、わくわくだわ。

 と、いうのもだ。
 その前の芝居『ロジェ』ときたら。
 前もって緞帳が上がるのは同じなんだが、上がったあとに見せられるのがネズミ色の壁だったんだわ……(笑)。

 ナニもない、ただの壁。タイトルロゴもないし、飾りもない。
 きれいでもないし、わくわくもしない。
 ちっともタカラヅカじゃない。

 こんなキタナイ色の壁を見せるくらいなら、緞帳上げなくていいのに、と思った(笑)。
 物語の中で背景として使われる壁はネズミ色でいいけれど、それだけをわざわざ見せてくれなくていいから!
 こんなもんを見せてテンション下げるくらいなら、緞帳のままの方がよっぽどタカラヅカっぽいから!

 実際、なんでわざわざ緞帳上げるのかわからない。
 開幕と同時に、でいいじゃん。
 タイトルロゴを見せる意味で、『ベルサイユのばら』とか『太王四神記』とか、あらかじめ緞帳が上がっているのはなんの疑問もないんだが。
 ただのハリボテの壁がどーんと置いてある……きれいでもなんでもないセットを見せるのは、何故なんだろう。

 タイトルロゴでも、つり下げときゃいいのに。
 そしたらネズミ色(土色というべき?)の壁だけでも変じゃないのに。

 緞帳が大仰に上がって、キタナイ色の無地の壁だけがどーんと大きな舞台にフタをしている状態を何分も見せられて、なんかしみじみしましたのよ。

 正塚……。と。

 そして、ショー『ロック・オン!』のきらきらロゴ入り承前を見たときに、必要以上に驚き、感動したの。
 ああ、これぞタカラヅカ!と。

 
 もっとも。
 天下の正塚晴彦ともあろう者が、「ロジェ」なんて身もフタもなく書かれた吊りモノを許すよーな人だったら、驚きますけどね。(どっちやねん!)←所詮、ハリー好き。

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